SEIREI ── せい れい ── 自然に好かれるオレはハッピーライフをおくる

まひる

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4.人が住んでいない森に家を建てて暮らしてみる

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 ※ ※ ※ ※ ※

 そうして森の中でセスと二人の生活を始め、数日がった。
 とはいっても、セスに丸太小屋を出してもらったくらい。基本的にセスがいれば食事に困る事はなく、丸太小屋には水回りも完備されているのだ。しかもトイレは水洗。

 下水道なんかないのにと思ってセスに聞いてみれば、火の精霊が風の精霊と協力しあって燃やしているとの事だった。
 どうやらオレが契約した精霊達は、セスにも協力的らしい。精霊契約する前は亜空間に放置だったらしい汚物も、今ではすっかり分別の上で分解、焼却がされていた。
 食事の都度に出るゴミ類も同じである。ちなみに灰は木と土の精霊に任されているのだとか。肥料に使ったり、害虫対策などらしい。
 そして使えない灰は高温で圧縮しながら燃焼させる事で、ガラス系素材の塊にして地中深くへ埋めていると聞いた。

 そんなこんなで、オレはのんびりと異世界ライフを楽しんでいる。

「トーリ様。こちらはあまりお身体に宜しいものではないと思われます」
「あ~、まぁ……たまに食べたくなるんだ」

 インスタントカップ麺にお湯を入れたところで、セスから苦言がていされた。
 勿論カップ麺はセスに出してもらってる為、何から作られているのかは判断されている。──それでも、さすがに三個食べようとしているからだろう。

「火の精霊と水の精霊の力を上手く利用出来るようになった事は素晴らしいですが、そのような召し上がり方はお勧め致しません」
「悪い、調子に乗った。ほら、一つはセスのだ。あとはおにぎりを出してくれないか」
「かしこまりました、トーリ様」

 魔力操作の練習にと、キッチンのコンロを使わず、お湯を鍋一杯作ったのだった。
 大量のお湯が必要なお風呂を沸かす時には、水と風の精霊に手伝ってもらっている。いわゆる、エコキュートだ。圧縮した空気の熱を水に伝える事で、お湯に変えるという原理だった筈。

 オレはこうして、生活に精霊の力を貸してもらっている。
 正直、ゲームのような火の玉とか風の刃とか使いたくない訳ではないが、はっきり言って必要ないのだ。──だいたい、オレは戦闘をしない。
 森の中で生活していても魔獣とか全く来ないし、目の前で見た事すらないのだ。

「そう言えば、魔獣はいるんだよな」
「はい、トーリ様。人サイズを丸飲み可能な巨大な魔獣から、少々大きい虫サイズまで様々です」
「でも出会わないよな」
「はい、トーリ様。セスは魔獣を必要としておりません」
「ん?って事は、セスが魔獣避けをしてるって事か?」
「はい、トーリ様。邪魔者は排除しております」

 当然の事のように答えてくれたセスである。
 狂暴な印象のある魔獣を、些末な事のように告げるのだ。やはりオレの平和はセスがいなければ成り立たない。

「凄いな、セス」
「ありがとうございます、トーリ様」

 魔獣を見てみたいとか口に出しそうになったが、せっかくセスが安全の為にと魔獣避けをしているのだ。それを無駄にしてしまっては良くないだろう。
 それに魔獣を遠目に見たところで、動物を見るのと大差ないのだ。バードウォッチングよろしく魔獣ウォッチングしたところで、特段、生態系に興味があるわけでもない。
 結果的に『へぇ、凄いな』程度の感想しか出てこないだろう事が予想された。

 ──さてと。腹も膨れたし、今日は何をしようかな。

 ここ数日は丸太小屋の周囲を改良していたが、それも昨日であらかた終わったのだ。
 ちなみに、丸太小屋に繋げるようにもう一つ大きめの小屋を作った。トラックが入る程度の大きさだが、これで雨の日でも外で魔法練習などの軽い活動が出来る。

「セス。少し外に出る」
「はい、トーリ様。お供致します」

 そうして今日の予定を考えながら、いつものようにセスを肩に乗せ、散歩がてら外に出てみる事にした。
 この辺りはバランス良く木がはえている為、地面にも適度な陽射しが差し込む。それゆえに低木草も豊富で、精霊が言うには薬草系統が豊富らしいのだ。
 オレの周囲を漂いつつ、精霊がそれらの花や葉を示しながら教えてくれる。

『これ、傷が治る』
『これは美味しいの』 

 見ただけではオレには全く区別が付かないが、精霊は薬草や食べられる植物を良く知っていた。これが自然と共にあるゆえなのか、この世界の様々な事象を知る存在だからだろう。
 セスがいればオレ自身が使う事はないだろうが、知っていて損はない。
 似たような草木が多くてなかなか区別が難しいものの、オレはせっかく教えてもらえているのだからと観察しながら脳内メモリーに追加していった。
 これといった特技がないオレだが、暗記は得意である。

 ※ ※ ※ ※ ※

 そんな日常が続いていたある雨の日。
 突然ピリッとした空気が丸太小屋の中に漂う。

「どうした、セス」
「……はい、トーリ様。侵入者です。何かが結界の中へ立ち入りました」

 緊迫した様子のセスに、オレにも緊張が走った。
 これまでは結界の外で伺うような存在は何度もあったが、明らかな侵入は初めてである。

 基本的に魔獣のような、人に対して危険性の高い存在は中へ入って来なかった。
 ここを覆うセスの結界は広範囲である為に壁ではない。しかしながら風の特性を使って、立ち入る事を避けるような『嫌な空気』をしているらしい。
 小型の獣類には作用されないようだが、特に肉食系の生態系へ強く影響があると聞いていた。セスの能力が素晴らしいぱない
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