SEIREI ── せい れい ── 自然に好かれるオレはハッピーライフをおくる

まひる

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7.独立多重種族国家をつくろう

7-3

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「って事で、独立多重種族国家をつくろうと思う」
「はい、トーリ様。かしこまりました、そのように準備を開始致します」
「え?……え?」

 集落へ戻ってすぐ、オレは会議室その他として使っている集会場で発表する。
 保安騎士団が魔の森ノヴァーイドを取り囲んだ事で、主要住民まとめ役を呼んでいたのだ。クマ耳獣人ダヴィスを初めとして、ウサギ耳獣人ジュミライヌ耳獣人ボル爬虫類人ノコクス爬虫類人カアナなどの初期メンバーが集まっている。
 ウサギ耳獣人リジッドがセスの言葉に疑問符を浮かべているが、他の面々は大きく頷いていた。ウサギ耳獣人リジッド脳筋のうきんだが、指示通り動いてくれるから彼の理解は求めてない。

 話を戻して──独立するにあたって、何を必要とするか。実際に外部との接点を完全に遮断して、既に一ヴォミテ近く。
 全く問題なく集落内の生計は成り立っているし、増える獣人達の仲で恋仲になる者達も少なくない。既に子供も生まれているし、水牛的魔獣フンヌンエー羊的動物キナンクエル等の畜産業も問題なく稼働していた。
 当然農業の方も、精霊のおかげで収穫は常に可能である。とてもありがたいとしか言いようがない。

 まぁそんな感じで。オレとセスの管理するこの場所は、現状でもほとんど独立していると言って良いだろう。
 そもそも空間も異なるので、はっきり言って侵略とかも起こり得ない。スーパーコンピュータよろしく、セスと精霊で統括されているのだから。

「ところで、トーリ様。我々は何をすれば宜しいでしょうか」
「うん、特にない。でも、クマ耳獣人ダヴィスにはこのまま代表者統括になって欲しいな。それにここにいる面々は代表者として今まで以上に皆をまとめていって欲しいんだ」
「かしこまりました、トーリ様」
「つまりは今までと変わらないって事ね」
「それなら、外部との連絡役はトーリ様ですか?」
「統括のクマ耳獣人ダヴィスさんだろう?」
「あ~、そっかぁ。丸耳族と顔を合わせるの、嫌だよな?」
「あ……、いえ……その……」

 獣人達には元々集落の纏め役を頼んでいた為、内部で動く分には何の変化もないと判断したようだ。それでも外部と接点を持たないとならないならば、話は違うのだろう。
 この集落に来てからはれていなかった抑圧された恐怖に、全員が一斉に緊張感を纏った。

「トーリ様。大抵の場合は、音声での通信で問題ないかと愚考致します。こちら側から外界へ求める物はほとんどございません」
「あぁ、まぁそうなるか。オレも顔出ししたくない側だし、必要なやり取りは新たな住民の保護くらいだもんな」
「かしこまりました、トーリ様。……そこで一つ大変重要かつ、早急に決定しなければならない事項がある事をセスはお伝え致します」
「ん?何だ?何か他にあったか?」

 至極真面目な表情で──何度も言うが、普通に白いイタチ顔で──セスがオレの肩から告げる。
 しかしながら、代表者を決める以外に何か他に決めないとならない事ってあったか?
 小首をかしげるオレと同じように、他の獣人もふもふ達獣人達も互いに顔を見合わせている。

「国名ですよ、トーリ様。セスとしてはトーリ様のお名前を掲げたいところですが、むやみやたらトーリ様のお名前を敬称なしに口にする愚者が現れそうでそれは嫌ですし」
「は?国名?……あぁ、多種族国家のか。普通に黒竜国ノヴァーイドで良いだろ。だってここ、黒竜ノヴァの森だろ?」
「いいえ、トーリ様のお国です」

 何だかセスが張り切っていた。
 国をおこすって言っても、実際には迫害されるもふもふが見ていて嫌だったからという理由から始まったものである。傷だらけとか、何処か身体の一部を失っているなんて論外。
 だからこその独立国家なのだ。オレの国って訳じゃない。

「セス。言いたい事は分かったが、オレは個人特定されないゆるゆるな生き方をしたいんだよ。黒竜国ノヴァーイドで良いだろ?」
「な、なるほどです。そうですね、トーリ様のお名前を広める事が目的ではないですよね。かしこまりました、トーリ様。では、黒竜国ノヴァーイドとしましょう」
黒竜ノヴァもそれで良いよな?」

 非常に物分かりの良いセスである。
 何だかオレの名前が呼ばれまくるのが嫌だと言っているだけのような気もするが、とにもかくにも結果オーライだ。
 セスの納得をもらったオレは、すぐに森のぬしである黒竜ノヴァに声をかける。

 基本的に引きこもりの黒竜ノヴァは、地下の亜空間から出てこないのだ。だからこそ、すぐに連絡がとれるように音声通信の魔道具──オレとセスの特別製作品──を渡している。
 ちなみに先程の森の外からの瞬間移動も、黒竜ノヴァの力添えがあってこそだった。
 オレとセスだけで森の入り口へ行った為、奇襲を掛けられたりつけられたりしないようにとの策である。
 黒竜ノヴァは森全体の情報を把握しているようで、保安騎士団が来た時にサポートしてくれると提案をしてくれていたのだった。
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