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1512 自分の戦いに全力を
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「くっ!・・・あ、あの光は・・・!?」
突如吹き荒れた強い風に、レイチェル・エリオットは腰を深く落として、吹き飛ばされないように堪えた。強烈な光に目も開けらず何が起きたのか困惑したが、体を叩いてくるエネルギーには覚えがあり、すぐに気が付いた。
これは、闘気だ・・・あの方向は・・・まさか、レイマート!
「・・・こんな、これほどの闘気、いったい・・・・・」
闘気は己の体力をエネルギーに変えて使う技だ。したがって持ちえる体力がそのまま闘気の全量になる。しかしこの闘気の爆発は異常だ。ゴールド騎士とはいえ、これほどの闘気を発せられるはずがない。
いったい、どうやったらあんなに・・・・・
「まさか・・・・・」
嫌な予感が頭をよぎった。
いや、こんな闘気を目の当たりにしたんだ、それは予感ではなく確信に近かった。
私も闘気を使うから分かる、通常の使い方であんな威力は出るはずがない。
天まで届く光の柱・・・あのエネルギー・・・あんなもの、いったいどれほどの力を・・・・・
「レイマート・・・お前・・・・・」
気持ちを抑えるように、グッと拳を握り締めた。
やはりあの時、加勢に行くべきだったか・・・・・
レイマートが幹部クラスとの戦闘に入ったのは分かっていた。
私も行って、二人で戦っていれば・・・・・いや、結果論だ。全体を見れば、一か所に戦力を集中させるわけにはいかない。
私もレイマートも、この地に集まった全員が覚悟をして戦っている。
その想いに応えるには、悲しむ事ではなく戦い抜く事だ。
「・・・レイマート、お前はお前の戦いに力を尽くした。ならば私も私の戦いに全力を尽くす」
光と風が治まって来た。
後ろに感じた気配に振り返ると、長剣を持った茶髪で赤い目をした男と、深紅のローブを纏った紫色の髪の女が、砂を踏みながらこちらに歩いて来た。
二人とも二十代半ばというところだろう。
男の身長は185cmくらいか、黒い皮の鎧を装備しており、武器も長剣一本だけのところを見ると、動きやすさを重視していると思われる。柔和で人当たりの良さそうな顔付きだが、その赤い両目には静かで冷たい殺意が見えた。
女の方は身長150cmも無いように見える、かなり小柄だ。しかしその小さな体とは裏腹に、相当な魔力を持ち合わせているようだ。体力型の私ですら、この女の内に秘めた魔力が感じられる程なのだから。
長い紫色の髪は体から滲み出る魔力に当てられてなびき、その切れ長の瞳は戦いを待ち望んでいるかのように笑って見えた。
「いやぁ~、今の爆発すごかったな?あんたのお仲間の仕業だろ?」
長剣の男がヘラヘラと軽い調子で言葉をかけてくる。
「・・・・・」
「あれ、シカト?クスクス、ねぇミルコ、この女すっごい感じ悪くない?さっさと殺っちゃおうよ」
私は言葉を返さずに二人に交互に目を向けると、紫色の髪の女が嘲笑しながら隣の男に言葉をかけた。
「ああ、そうだな。この女めっちゃ睨んでくるし嫌な感じだぜ。エディス、いつも通り援護頼むぜ」
ミルコと呼ばれた長剣の男は、スッと切っ先を私に向けた。
軽薄な印象の男だが、構えには隙がない。深紅の装備は身につけていないが、あの赤い瞳からは妙な圧力を感じる。実力は幹部クラスだと考えるべきだろう。
「ええ、まかせてミルコ。私達は誰にも負けないわ。さっさとこの女を殺して、残りのクインズベリー兵も始末しなきゃならないんだから」
エディスと呼ばれた紫色の髪の女は、嘲笑を浮かべたまま私を睨みつけてきた。
全身から立ち昇る魔力が強さを増し、ビシビシとプレッシャーを与えて来る。帝国軍の幹部の証である、深紅のローブを身に纏っているだけの事はある。
私は右手のダガーナイフを順手に、左手のダガーナイフを逆手に握り直した。
右足を後ろに引き、左半身を前に出して構える。
「・・・クインズベリー国、レイチェル・エリオットだ」
「お?やっとしゃべったな、口がきけねぇのかと思ったぜ。名乗るのなら俺も名乗ってやらねぇとな、帝国軍第一師団三席、ミルコ・カバエルだ」
「あら、別にすぐ死ぬのだから名乗らなくてもよかったのに。まぁいいわ、せっかくだから教えてあげる、私は帝国軍第一師団四席、エディス・コプレックよ」
互いに名乗り合うとそれきり言葉は無くなり、空気が緊張して張りつめてく。
レイチェルは前に出ている長剣の男、ミルコと睨み合った。
目線、肩、剣の切っ先、足運び、細部の動きで互いに先手を取り合う心理戦の最中、赤い砂漠に一陣の風が吹いた。
舞い上がった砂がレイチェルの目にかかったその時!
「シャラァァァッツ!」
先手を取って飛び出したのは、長剣の男ミルコだった。
突如吹き荒れた強い風に、レイチェル・エリオットは腰を深く落として、吹き飛ばされないように堪えた。強烈な光に目も開けらず何が起きたのか困惑したが、体を叩いてくるエネルギーには覚えがあり、すぐに気が付いた。
これは、闘気だ・・・あの方向は・・・まさか、レイマート!
「・・・こんな、これほどの闘気、いったい・・・・・」
闘気は己の体力をエネルギーに変えて使う技だ。したがって持ちえる体力がそのまま闘気の全量になる。しかしこの闘気の爆発は異常だ。ゴールド騎士とはいえ、これほどの闘気を発せられるはずがない。
いったい、どうやったらあんなに・・・・・
「まさか・・・・・」
嫌な予感が頭をよぎった。
いや、こんな闘気を目の当たりにしたんだ、それは予感ではなく確信に近かった。
私も闘気を使うから分かる、通常の使い方であんな威力は出るはずがない。
天まで届く光の柱・・・あのエネルギー・・・あんなもの、いったいどれほどの力を・・・・・
「レイマート・・・お前・・・・・」
気持ちを抑えるように、グッと拳を握り締めた。
やはりあの時、加勢に行くべきだったか・・・・・
レイマートが幹部クラスとの戦闘に入ったのは分かっていた。
私も行って、二人で戦っていれば・・・・・いや、結果論だ。全体を見れば、一か所に戦力を集中させるわけにはいかない。
私もレイマートも、この地に集まった全員が覚悟をして戦っている。
その想いに応えるには、悲しむ事ではなく戦い抜く事だ。
「・・・レイマート、お前はお前の戦いに力を尽くした。ならば私も私の戦いに全力を尽くす」
光と風が治まって来た。
後ろに感じた気配に振り返ると、長剣を持った茶髪で赤い目をした男と、深紅のローブを纏った紫色の髪の女が、砂を踏みながらこちらに歩いて来た。
二人とも二十代半ばというところだろう。
男の身長は185cmくらいか、黒い皮の鎧を装備しており、武器も長剣一本だけのところを見ると、動きやすさを重視していると思われる。柔和で人当たりの良さそうな顔付きだが、その赤い両目には静かで冷たい殺意が見えた。
女の方は身長150cmも無いように見える、かなり小柄だ。しかしその小さな体とは裏腹に、相当な魔力を持ち合わせているようだ。体力型の私ですら、この女の内に秘めた魔力が感じられる程なのだから。
長い紫色の髪は体から滲み出る魔力に当てられてなびき、その切れ長の瞳は戦いを待ち望んでいるかのように笑って見えた。
「いやぁ~、今の爆発すごかったな?あんたのお仲間の仕業だろ?」
長剣の男がヘラヘラと軽い調子で言葉をかけてくる。
「・・・・・」
「あれ、シカト?クスクス、ねぇミルコ、この女すっごい感じ悪くない?さっさと殺っちゃおうよ」
私は言葉を返さずに二人に交互に目を向けると、紫色の髪の女が嘲笑しながら隣の男に言葉をかけた。
「ああ、そうだな。この女めっちゃ睨んでくるし嫌な感じだぜ。エディス、いつも通り援護頼むぜ」
ミルコと呼ばれた長剣の男は、スッと切っ先を私に向けた。
軽薄な印象の男だが、構えには隙がない。深紅の装備は身につけていないが、あの赤い瞳からは妙な圧力を感じる。実力は幹部クラスだと考えるべきだろう。
「ええ、まかせてミルコ。私達は誰にも負けないわ。さっさとこの女を殺して、残りのクインズベリー兵も始末しなきゃならないんだから」
エディスと呼ばれた紫色の髪の女は、嘲笑を浮かべたまま私を睨みつけてきた。
全身から立ち昇る魔力が強さを増し、ビシビシとプレッシャーを与えて来る。帝国軍の幹部の証である、深紅のローブを身に纏っているだけの事はある。
私は右手のダガーナイフを順手に、左手のダガーナイフを逆手に握り直した。
右足を後ろに引き、左半身を前に出して構える。
「・・・クインズベリー国、レイチェル・エリオットだ」
「お?やっとしゃべったな、口がきけねぇのかと思ったぜ。名乗るのなら俺も名乗ってやらねぇとな、帝国軍第一師団三席、ミルコ・カバエルだ」
「あら、別にすぐ死ぬのだから名乗らなくてもよかったのに。まぁいいわ、せっかくだから教えてあげる、私は帝国軍第一師団四席、エディス・コプレックよ」
互いに名乗り合うとそれきり言葉は無くなり、空気が緊張して張りつめてく。
レイチェルは前に出ている長剣の男、ミルコと睨み合った。
目線、肩、剣の切っ先、足運び、細部の動きで互いに先手を取り合う心理戦の最中、赤い砂漠に一陣の風が吹いた。
舞い上がった砂がレイチェルの目にかかったその時!
「シャラァァァッツ!」
先手を取って飛び出したのは、長剣の男ミルコだった。
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