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1521 その人物の名は?
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「・・・第一師団長、レイ・ランデルか・・・・・」
砂漠に吹く風がレイチェルの赤い髪を撫でる。
ベタベタと肌に纏わりつく様な嫌な風だった。
砂の上に倒れている、今しがた倒した帝国軍の魔法使い、エディスを見る。
このエディスが最期に口にした男の名、レイ・ランデル・・・・・
聞き覚えのある名前だった。
なぜならランデルとは、ウィッカー・バリオスの師と同じ姓だからだ。
カエストゥス国の青魔法使い、ブレンダン・ランデル。
どれほどすごい魔法使いだったかは、ウィッカーから聞いている。
大陸全土にその名を轟かせ、毒を持つバッタの襲撃から国を護った三種合成魔法、灼炎竜結界陣を作り出した。そしてウィッカーが完成させた光魔法も、ブレンダンの発想から来ているのだ。
私財で多くの孤児を養った人格者であり、広く深い知識で幾つもの独創的な魔法を作り出した、唯一無二の偉大なる青魔法使い。それがブレンダン・ランデルだ。
ランデルとはありふれた名ではないが、他にいないというわけでもない。
ただの偶然だろう。ブレンダン・ランデルには、血のつながった子供はいなかったと聞いている。
考え過ぎだ・・・そう思おうとした。
けれどどうしても嫌な予感が頭から離れなかった。
帝国軍のミルコとエディス、部隊の指揮をとっていた二人が倒された事で、残された帝国兵達は完全にたじろいでしまっていた。
レイチェルの目的は帝国首都ベアナクールへ入る事である。敵の統率が乱れた今は絶好の機会であり、迷わず走っていれば、敵を抜き去りベアナクールへ入る事は成功していただろう。
だがここでランデルの名を聞いて足を止めてしまい、僅かな時間だが考えてしまった事で、好機を逃す事となってしまった。
なぜならこの僅かな時間の差で、その男と出会う事になってしまったのだから・・・・・
ここが運命の分かれ道だった。
「へぇ~、復讐の炎が見えたから来てみれば・・・これは驚いたな。ミルコとエディスがやられるとはね」
ふいに聞こえた声に顔を向けると、一人の男がのんびりとした様子でこちらに歩いて来た。
身長は182~183cmくらいだろう、耳が隠れるくらいの白髪が特徴的だった。
深紅の鎧を装備しているが、身に付けているのは肩の部分と胸の部分、そして下は膝と脛に装備しているだけだった。鎧一式を全て身に纏えばそれなりの重量になり、関節部の動きも制限されてスピードも落ちる。おそらくはスピードを落とさないための、必要最小限の装備なのだろう。
鎧の下には黒一色のロングシャツとロングパンツ、そして深紅のマントを風にはためかせていた。
「・・・お前、ここの師団長か?」
レイチェルは鋭く睨みを利かせて、低い声を言葉を発した。それはこれ以上近づくなと言う牽制である。
「おっと・・・ああ、その通りだ。俺がここを護っている第一師団長のレイ・ランデルだ」
レイ・ランデルはレイチェルの威圧を感じ取ると足を止めた。
両者の間には数メートルの距離が開いている。レイチェルにとっては一歩で詰める事のできる距離であり、仕掛けようと思えばいつでも仕掛ける事ができる。しかしそれはレイ・ランデルにとっても同じだった。
白髪の男レイ・ランデルが自身の名を口にすると、レイチェルはハッとしたように目を開き、目の前の男の顔を凝視した。
「・・・レイ・ランデル、そうか・・・お前が・・・」
「ん、なんだ?お前、俺の事を知ってるのか?」
レイチェルの反応を見て、レイ・ランデルは眉根を寄せた。
敵同士であり、まして自分は師団長なのだから、自分の名前を聞いて強い敵意や殺気を向けられる事は当然だろう。しかしこの赤毛の女の反応はまるで違った。
この反応・・・これはまるで、自分の事を知っているみたいではないか?
「・・・私はクインズベリーのレイチェル・エリオットだ。レイ・ランデル・・・お前に一つ聞きたい事がある」
有無を言わさぬ強い眼差しだった。この赤い髪の女とは初対面のはず、それなのにいったい自分に何の用があるのかと気になり、レイ・ランデルは、いいぜ、と頷いて見せた。
「言ってみろ、その目・・・お前とは初対面だと思うが、もしかして以前どこかで会った事があるのか?」
レイ・ランデルの言葉に、レイチェルは首を横に振った。
「いいや、私とお前は今初めて会った。だが、お前に関係のある人を知っているかもしれない」
「なに?」
思いもよらなかった言葉に、レイ・ランデルの視線が険しくなった。
レイチェルは目の前の白髪の男の表情から、心の内を探るように見つめた。
そしてその人物の名に告げた。
「ブレンダン・ランデル・・・・・率直に聞くぞ?お前、血縁者か?」
砂漠に吹く風がレイチェルの赤い髪を撫でる。
ベタベタと肌に纏わりつく様な嫌な風だった。
砂の上に倒れている、今しがた倒した帝国軍の魔法使い、エディスを見る。
このエディスが最期に口にした男の名、レイ・ランデル・・・・・
聞き覚えのある名前だった。
なぜならランデルとは、ウィッカー・バリオスの師と同じ姓だからだ。
カエストゥス国の青魔法使い、ブレンダン・ランデル。
どれほどすごい魔法使いだったかは、ウィッカーから聞いている。
大陸全土にその名を轟かせ、毒を持つバッタの襲撃から国を護った三種合成魔法、灼炎竜結界陣を作り出した。そしてウィッカーが完成させた光魔法も、ブレンダンの発想から来ているのだ。
私財で多くの孤児を養った人格者であり、広く深い知識で幾つもの独創的な魔法を作り出した、唯一無二の偉大なる青魔法使い。それがブレンダン・ランデルだ。
ランデルとはありふれた名ではないが、他にいないというわけでもない。
ただの偶然だろう。ブレンダン・ランデルには、血のつながった子供はいなかったと聞いている。
考え過ぎだ・・・そう思おうとした。
けれどどうしても嫌な予感が頭から離れなかった。
帝国軍のミルコとエディス、部隊の指揮をとっていた二人が倒された事で、残された帝国兵達は完全にたじろいでしまっていた。
レイチェルの目的は帝国首都ベアナクールへ入る事である。敵の統率が乱れた今は絶好の機会であり、迷わず走っていれば、敵を抜き去りベアナクールへ入る事は成功していただろう。
だがここでランデルの名を聞いて足を止めてしまい、僅かな時間だが考えてしまった事で、好機を逃す事となってしまった。
なぜならこの僅かな時間の差で、その男と出会う事になってしまったのだから・・・・・
ここが運命の分かれ道だった。
「へぇ~、復讐の炎が見えたから来てみれば・・・これは驚いたな。ミルコとエディスがやられるとはね」
ふいに聞こえた声に顔を向けると、一人の男がのんびりとした様子でこちらに歩いて来た。
身長は182~183cmくらいだろう、耳が隠れるくらいの白髪が特徴的だった。
深紅の鎧を装備しているが、身に付けているのは肩の部分と胸の部分、そして下は膝と脛に装備しているだけだった。鎧一式を全て身に纏えばそれなりの重量になり、関節部の動きも制限されてスピードも落ちる。おそらくはスピードを落とさないための、必要最小限の装備なのだろう。
鎧の下には黒一色のロングシャツとロングパンツ、そして深紅のマントを風にはためかせていた。
「・・・お前、ここの師団長か?」
レイチェルは鋭く睨みを利かせて、低い声を言葉を発した。それはこれ以上近づくなと言う牽制である。
「おっと・・・ああ、その通りだ。俺がここを護っている第一師団長のレイ・ランデルだ」
レイ・ランデルはレイチェルの威圧を感じ取ると足を止めた。
両者の間には数メートルの距離が開いている。レイチェルにとっては一歩で詰める事のできる距離であり、仕掛けようと思えばいつでも仕掛ける事ができる。しかしそれはレイ・ランデルにとっても同じだった。
白髪の男レイ・ランデルが自身の名を口にすると、レイチェルはハッとしたように目を開き、目の前の男の顔を凝視した。
「・・・レイ・ランデル、そうか・・・お前が・・・」
「ん、なんだ?お前、俺の事を知ってるのか?」
レイチェルの反応を見て、レイ・ランデルは眉根を寄せた。
敵同士であり、まして自分は師団長なのだから、自分の名前を聞いて強い敵意や殺気を向けられる事は当然だろう。しかしこの赤毛の女の反応はまるで違った。
この反応・・・これはまるで、自分の事を知っているみたいではないか?
「・・・私はクインズベリーのレイチェル・エリオットだ。レイ・ランデル・・・お前に一つ聞きたい事がある」
有無を言わさぬ強い眼差しだった。この赤い髪の女とは初対面のはず、それなのにいったい自分に何の用があるのかと気になり、レイ・ランデルは、いいぜ、と頷いて見せた。
「言ってみろ、その目・・・お前とは初対面だと思うが、もしかして以前どこかで会った事があるのか?」
レイ・ランデルの言葉に、レイチェルは首を横に振った。
「いいや、私とお前は今初めて会った。だが、お前に関係のある人を知っているかもしれない」
「なに?」
思いもよらなかった言葉に、レイ・ランデルの視線が険しくなった。
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そしてその人物の名に告げた。
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