異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎

文字の大きさ
65 / 1,560

65 破壊

しおりを挟む
「ウラウラウラーッツ!どうした!?こんなもんか!?」

薄暗い石造りの部屋には、マルコスの怒声とただひたすら拳が肉を打ち付ける鈍い音だけが響いていた。
マルコスは無尽蔵とも思わせる体力で、勢い衰える事なく一方的にアラタを殴り続けていた。

アラタは壁に追い詰められ、ただ貝にように身を閉じ防御に徹する事しかできずにいる。
マルコスはガードしている両腕の上から、構わず全力で叩きつけて来る。
そしてその一発一発が、体の芯まで響き、アラタに反撃する余地を与える事を許さなかった。


し、信じられねぇ・・・これほど早く、重いパンチを・・・一体いつまで・・・
う、腕が・・・もう持たねぇ・・・


「サカキアラタァッツ!こんなもんなのか!」

マルコスの右の蹴りは、まるで大木を横殴りに叩きつけられたかと思う程、経験した事のない重さと強さだった。そしてその衝撃はガードしているアラタの両腕から背中まで貫いた。
その威力は背中越の壁に亀裂を入れる程だった。


「がぁぁっ・・・!」

アラタの喉にこれまで味わった事の無い、鉄のような匂いの液体が上がって来た。

それは口中に広がると、アラタは堪えきれず吐き出した。吐血だった。


「ぐ、がぁ・・・あぐぁ・・・がはっ・・・」

立っていられず倒れ伏し、苦しさに何度も血を吐き散らした。

「おうおうおう!何寝てんだぁ?あぁ?こんなもんかよ?ムラトシュウイチはもっと強かったぜぇ、お前もアイツと同じ力を持ってんだろ?見せてみろよ!」

倒れているアラタの顔を踏みつけると、マルコスは徐々に力を込めて押し潰していく。

「ぐあぁぁぁっ!」

頭の骨が砕けるのではないかと思う程の激痛だった。吐血の苦しさと、踏まれる激痛に、アラタは叫び声を上げた。

「いぃ~い声で鳴くじゃねぇかよ?ん~、サ・カ・キ・ア・ラ・・・・タァァァッツ!」

マルコスは、まるでボールでも蹴るようにアラタの腹を蹴り上げた。

体ごと浮きあがり壁に叩きつけられる。全身に広がる衝撃に、気を失いそうになる。叩きつけられた壁は軋み音を立て亀裂が広がった。

マルコスは崩れ落ちるアラタの首を捕まえると、そのまま壁に押し当てた。
もはやアラタに戦う力は残っておらず、かろうじて意識を保っているだけだった。


「おいおいおい、もう終わりか?ちょっと本気出したらお終いかよ?まだまだ俺の歯の痛みには程遠いぜ?
お前もムラトシュウイチも、拳だけの戦闘術なんだろ?せっかく俺も付き合ってナイフを使わないでいるんだ。もうちょっと・・・頑張れよッツ!」

アラタを壁に押し当て、マルコスは右の拳を真っ直ぐに胸に撃ち込んだ。


アラタの意識はここで途切れた。


マルコスの拳はアラタの胸骨を粉砕し、その衝撃は背中越しに壁をも打ち砕いた。
アラタの体は外へ吹き飛ばされ、力なく回りながら、やがて勢いを弱め静かに動きを止めた。

部屋中の壁に亀裂が広がり、崩壊した壁からマルコスは外を見あげた。


「ん~、見晴らしが良くなったじゃねぇか?雲一つない青空・・・実に良い天気だ。お前らもそう思うだろ?」


マルコスが振り返ると、部屋の入口に、二人の男がナイフを持ち立っていた。


「なぁ、カリウス、フェンテス」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍
ファンタジー
 "私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。  動けない、何もできない、そもそも身体がない。  自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。 ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。  それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!

俺! 神獣達のママ(♂)なんです!

青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。 世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。 王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。 その犯人は5体の神獣。 そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。 一件落着かと思えたこの事件。 だが、そんな中、叫ぶ男が1人。 「ふざけんなぁぁぁあ!!」 王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。 神獣達のママ(男)であった……。

正しい聖女さまのつくりかた

みるくてぃー
ファンタジー
王家で育てられた(自称)平民少女が、学園で起こすハチャメチャ学園(ラブ?)コメディ。 同じ年の第二王女をはじめ、優しい兄姉(第一王女と王子)に見守られながら成長していく。 一般常識が一切通用しない少女に友人達は振り回されてばかり、「アリスちゃんメイドを目指すのになぜダンスや淑女教育が必要なの!?」 そこには人知れず王妃と王女達によるとある計画が進められていた! 果たしてアリスは無事に立派なメイドになれるのか!? たぶん無理かなぁ……。 聖女シリーズ第一弾「正しい聖女さまのつくりかた」

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

武装法人二階堂商会 ―― 企業買収(M&A)で異世界を支配する!

Innocentblue
ファンタジー
日本で企業買収の最前線を駆け抜けてきた敏腕社長・二階堂漣司。 裏切りにより命を落としたはずの彼が目を覚ましたのは、 剣と魔法が支配する異世界の戦場だった。 与えられたスキルは《企業買収(M&A)》。 兵士も村も土地も国家さえも、株式として評価・買収・支配できる異能の力。 「ならば、この世界そのものを買い叩く」 漣司は《武装法人二階堂商会》を設立。 冷徹な参謀にして最強の魔導士リュシア、獣人傭兵団、裏社会の戦力―― すべてを子会社として編成し、経済と武力を融合した前代未聞の経営戦争へと踏み出す。 弱小の村を救済し、都市と契約を結び、裏切り者を切り捨て、敵対勢力を力で買収する。 交渉は戦争、戦争は経営。 数字が命運を決め、契約が国境を塗り替える。 やがて商会は、都市国家・ギルド・貴族・宗教勢力すら巻き込み、 世界の価値そのものを再定義する巨大企業へと変貌していく。 これは、剣ではなく契約で世界を制圧する男の物語。 奪うのではない。支配するのでもない。 価値を見抜き、価値を操り、世界に値札を付ける―― 救済か、支配か。正義か、合理か。 その境界線を踏み越えながら、蓮司は異世界そのものを経営していく。 異世界×経済×武力が激突する、知略と覇道の武装経営ファンタジー。 「この世界には、村があり、町があり、国家がある。 ――全部まとめて、俺が買い叩く」

【完結】奪われたものを取り戻せ!〜転生王子の奪還〜

伽羅
ファンタジー
 事故で死んだはずの僕は、気がついたら異世界に転生していた。  しかも王子だって!?  けれど5歳になる頃、宰相の謀反にあい、両親は殺され、僕自身も傷を負い、命からがら逃げ出した。  助けてくれた騎士団長達と共に生き延びて奪還の機会をうかがうが…。  以前、投稿していた作品を加筆修正しています。

神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由

瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。 神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。

巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった

ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。 学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。 だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。 暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。 よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!? ……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい! そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。 赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。 「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」 そう、他人事のように見送った俺だったが……。 直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。 「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」 ――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。

処理中です...