229 / 1,560
【228 弥生の店】
しおりを挟む
ゲーリーが剣を振り下ろした瞬間、リンダはその身を捻り右へ躱しつつ、手にした短剣でゲーリーの剣の腹を斬り付けた。
その一撃では剣の腹に僅かな傷しかつける事はできず、リンダの一撃は意味の無い行為に思えた。
だが、リンダは右手首を返し、腰を捻ると、振り抜いた軌道を辿るように、今付けたゲーリーの剣の腹の傷を、そのままもう一度斬り付けた。
リンダの短剣がゲーリーの剣の傷を捉えた瞬間、リンダの右手が瞬間的に膨張し、とてつもない力が込められた。
次の瞬間、ゲーリーの剣は真っ二つに切り裂かれ、斬られた剣先は宙を舞う事になる。
弥生の目が捉えた一瞬の攻防だった。
「リン、今の技すごいね・・・連双斬って言うの?」
モップを肩に掛けた弥生が話しかけてくる。戸惑わなかったわけではない。
話しは聞いていた。ヤヨイの中にもう一人の弥生がいると、だが、実際に会ってみると、リンダの知っているヤヨイとは、外見こそ変わらないが、身に纏うオーラとでも言おうか、雰囲気そのものは完全に別人だった。
「・・・あぁ、私の必殺技だよ。一撃目で対象に傷を付け、二撃目はその傷に引っ掛けて斬り裂く。ヤヨイ・・・もしかして見えた?」
「うん。なるほどね、その技を使うんなら、小回りのきく短剣の方がいいよね」
「・・・すごいなぁ、私、スピードは自信あるんだけど、まさか一度で連双斬を見抜かれるとはね」
ヤヨイはヤヨイだ。
もう一人が全く違う人格だとしても、ヤヨイが受け入れている弥生ならば良いじゃないか。
「ヤヨイ・・・ごめんね。私のせいで、みんなを、お客さんもこんな危険な目に合わせて・・・ごめんなさい」
店の周りには、買い物に来ていた客、騒ぎを聞きつけて集まった大勢の人が集まり、成り行きを見守っていた。
リンダはその人達に向かい謝罪の言葉を述べ頭を下げた。
「・・・皆さん!このような騒ぎに巻き込んでしまい、申し訳ありませんでした!」
リンダが頭を下げ続けるのを見て、弥生も謝罪の言葉と共に深く頭を下げた。
「すみませんでした!」
「申し訳ありません!」
メアリー、ジャニス、ニコラ、モニカ、ウィッカー、次々と集まり、自分達を見つめる人々へ頭を下げる。
これほどの騒動になったんだ・・・
もう駄目かもしれない。
そんな不安がそれぞれの心によぎる
「・・・まぁ、驚いたけど、誰か怪我したわけではないしなぁ・・・」
「そうですね。それに、悪いのはその男の人なんでしょ?」
「レイジェスも被害を受けてるって事だしな・・・俺達が責めるのは違うよな」
「あとは城に連絡して、そっちと話せばいいんじゃない?」
「もうこんな事ないようにだけ頼むわ」
「それより、私のアクセサリーの査定を頼みたいわ」
「あ、私はポーさんが欲しいので、次の入荷日を教えてください!」
一人、また一人と声を出す。
弥生達に掛けられる言葉は、決して責めるものではなく、むしろ励ましてくれるものがほとんどだった。
顔を上げると、集まっていた人達はみんな口々に、営業の再開を望む言葉をかけてくれた。
もう解決だろ?早く俺の服を査定してくれよー。ほらほら、みんな待ってますよー。
店員さんも大変だよね、でも俺も会計待ちだから早くしてね。
「・・・ありがとうございます!本当にありがとうございます!」
弥生は何度も頭を下げた。
こんな危ない店に二度と来るか!と罵られる事を覚悟していたが、街の人たちは驚く程あっさりと許してくれたのだ。
いや、レイジェスに非は無いとかばってさえくれる。
店から外に出たお客は店内に戻り始め、騒ぎを聞きつけ集まった人達も、せっかくだし見ていくかと店に入り出した。
倒れているゲーリーは、ウィッカーが縛り上げリンダと一緒に裏口から事務所に運び込んでいた。
運んだ後、リンダは城へ報告に行くと言い残し、駆けて行った。
最後のお客が店に入るのを見届けると、入口の横に立っていたタジームと目が合う。
「・・・お前がもう一人だな?なかなかの腕だった・・・・・槍術に似ているが違うな。初めて見る戦闘術だ。それだけの腕があれば、王宮仕えも可能だろうな」
タジームはもしもに備え、いつでも魔法を撃てるように構えていた。
ヤヨイにまかされた店の責任者という立場を忘れてはいなかった。
結果的に、弥生とリンダでゲーリーを制圧してしまったが、もし本当に危険な状況になっていたら、タジームの魔法でゲーリーは今より大きなダメージをうけていただろう。
「タジーム王子、アタシとは初めましてだね。ヤヨイから聞いてるでしょ?変な言い方だけど、アタシが元の新庄弥生。と言ってもこっちの世界じゃ、もうあの子が主人格だけどね。アタシは戦闘担当ってとこかな・・・今日みたいな事があればまた顔を出すよ」
「そうか・・・まぁ、出る出ないはお前の好きにすればいい。俺は一言だけ言いたくて待っていただけだ。一応俺がこの店の責任者になっているが、お前は今この店を代表して最後まで頭を下げ続けた。ヤヨイとお前、心根は同じだな・・・・・立派だったぞ」
タジームの言葉に弥生は目を開いた。
ヤヨイを通してこれまでの人間関係や、生活は全て見て把握できていた。
そして、タジームが変わってきている事も感じていた。
以前、ヤヨイは一度ありがとうと言われた事がある。そして、今回は立派だと褒められた。
そして、その言葉は弥生の心に確かな重さを持って染み入った。
「・・・王子様からのお褒めの言葉・・・か、こんなに響くもんなんだね・・・」
タジームは言いたい事だけ言うと、すぐに店の中に入って行ったが、弥生はすぐには入らず、タジームがかけた言葉を心の中で思い返していた。
「ヤヨイさーん!混みこみだからちょっとレジ入ってー!」
店内からヤヨイを呼ぶモニカの声が聞こえる。だが、今ヤヨイは眠っている。
「・・・しかたないな・・・今日はアタシがやってやるか」
起こして変わる事はできる。
でも、さっきまで大変だったし、今日は休ませてやろう。
そんな言い訳で自分を納得させて、弥生は久しぶりのレジに立った。
「お待たせしました!次にお待ちのお客様、こちらにどうぞー!」
その一撃では剣の腹に僅かな傷しかつける事はできず、リンダの一撃は意味の無い行為に思えた。
だが、リンダは右手首を返し、腰を捻ると、振り抜いた軌道を辿るように、今付けたゲーリーの剣の腹の傷を、そのままもう一度斬り付けた。
リンダの短剣がゲーリーの剣の傷を捉えた瞬間、リンダの右手が瞬間的に膨張し、とてつもない力が込められた。
次の瞬間、ゲーリーの剣は真っ二つに切り裂かれ、斬られた剣先は宙を舞う事になる。
弥生の目が捉えた一瞬の攻防だった。
「リン、今の技すごいね・・・連双斬って言うの?」
モップを肩に掛けた弥生が話しかけてくる。戸惑わなかったわけではない。
話しは聞いていた。ヤヨイの中にもう一人の弥生がいると、だが、実際に会ってみると、リンダの知っているヤヨイとは、外見こそ変わらないが、身に纏うオーラとでも言おうか、雰囲気そのものは完全に別人だった。
「・・・あぁ、私の必殺技だよ。一撃目で対象に傷を付け、二撃目はその傷に引っ掛けて斬り裂く。ヤヨイ・・・もしかして見えた?」
「うん。なるほどね、その技を使うんなら、小回りのきく短剣の方がいいよね」
「・・・すごいなぁ、私、スピードは自信あるんだけど、まさか一度で連双斬を見抜かれるとはね」
ヤヨイはヤヨイだ。
もう一人が全く違う人格だとしても、ヤヨイが受け入れている弥生ならば良いじゃないか。
「ヤヨイ・・・ごめんね。私のせいで、みんなを、お客さんもこんな危険な目に合わせて・・・ごめんなさい」
店の周りには、買い物に来ていた客、騒ぎを聞きつけて集まった大勢の人が集まり、成り行きを見守っていた。
リンダはその人達に向かい謝罪の言葉を述べ頭を下げた。
「・・・皆さん!このような騒ぎに巻き込んでしまい、申し訳ありませんでした!」
リンダが頭を下げ続けるのを見て、弥生も謝罪の言葉と共に深く頭を下げた。
「すみませんでした!」
「申し訳ありません!」
メアリー、ジャニス、ニコラ、モニカ、ウィッカー、次々と集まり、自分達を見つめる人々へ頭を下げる。
これほどの騒動になったんだ・・・
もう駄目かもしれない。
そんな不安がそれぞれの心によぎる
「・・・まぁ、驚いたけど、誰か怪我したわけではないしなぁ・・・」
「そうですね。それに、悪いのはその男の人なんでしょ?」
「レイジェスも被害を受けてるって事だしな・・・俺達が責めるのは違うよな」
「あとは城に連絡して、そっちと話せばいいんじゃない?」
「もうこんな事ないようにだけ頼むわ」
「それより、私のアクセサリーの査定を頼みたいわ」
「あ、私はポーさんが欲しいので、次の入荷日を教えてください!」
一人、また一人と声を出す。
弥生達に掛けられる言葉は、決して責めるものではなく、むしろ励ましてくれるものがほとんどだった。
顔を上げると、集まっていた人達はみんな口々に、営業の再開を望む言葉をかけてくれた。
もう解決だろ?早く俺の服を査定してくれよー。ほらほら、みんな待ってますよー。
店員さんも大変だよね、でも俺も会計待ちだから早くしてね。
「・・・ありがとうございます!本当にありがとうございます!」
弥生は何度も頭を下げた。
こんな危ない店に二度と来るか!と罵られる事を覚悟していたが、街の人たちは驚く程あっさりと許してくれたのだ。
いや、レイジェスに非は無いとかばってさえくれる。
店から外に出たお客は店内に戻り始め、騒ぎを聞きつけ集まった人達も、せっかくだし見ていくかと店に入り出した。
倒れているゲーリーは、ウィッカーが縛り上げリンダと一緒に裏口から事務所に運び込んでいた。
運んだ後、リンダは城へ報告に行くと言い残し、駆けて行った。
最後のお客が店に入るのを見届けると、入口の横に立っていたタジームと目が合う。
「・・・お前がもう一人だな?なかなかの腕だった・・・・・槍術に似ているが違うな。初めて見る戦闘術だ。それだけの腕があれば、王宮仕えも可能だろうな」
タジームはもしもに備え、いつでも魔法を撃てるように構えていた。
ヤヨイにまかされた店の責任者という立場を忘れてはいなかった。
結果的に、弥生とリンダでゲーリーを制圧してしまったが、もし本当に危険な状況になっていたら、タジームの魔法でゲーリーは今より大きなダメージをうけていただろう。
「タジーム王子、アタシとは初めましてだね。ヤヨイから聞いてるでしょ?変な言い方だけど、アタシが元の新庄弥生。と言ってもこっちの世界じゃ、もうあの子が主人格だけどね。アタシは戦闘担当ってとこかな・・・今日みたいな事があればまた顔を出すよ」
「そうか・・・まぁ、出る出ないはお前の好きにすればいい。俺は一言だけ言いたくて待っていただけだ。一応俺がこの店の責任者になっているが、お前は今この店を代表して最後まで頭を下げ続けた。ヤヨイとお前、心根は同じだな・・・・・立派だったぞ」
タジームの言葉に弥生は目を開いた。
ヤヨイを通してこれまでの人間関係や、生活は全て見て把握できていた。
そして、タジームが変わってきている事も感じていた。
以前、ヤヨイは一度ありがとうと言われた事がある。そして、今回は立派だと褒められた。
そして、その言葉は弥生の心に確かな重さを持って染み入った。
「・・・王子様からのお褒めの言葉・・・か、こんなに響くもんなんだね・・・」
タジームは言いたい事だけ言うと、すぐに店の中に入って行ったが、弥生はすぐには入らず、タジームがかけた言葉を心の中で思い返していた。
「ヤヨイさーん!混みこみだからちょっとレジ入ってー!」
店内からヤヨイを呼ぶモニカの声が聞こえる。だが、今ヤヨイは眠っている。
「・・・しかたないな・・・今日はアタシがやってやるか」
起こして変わる事はできる。
でも、さっきまで大変だったし、今日は休ませてやろう。
そんな言い訳で自分を納得させて、弥生は久しぶりのレジに立った。
「お待たせしました!次にお待ちのお客様、こちらにどうぞー!」
0
あなたにおすすめの小説
正しい聖女さまのつくりかた
みるくてぃー
ファンタジー
王家で育てられた(自称)平民少女が、学園で起こすハチャメチャ学園(ラブ?)コメディ。
同じ年の第二王女をはじめ、優しい兄姉(第一王女と王子)に見守られながら成長していく。
一般常識が一切通用しない少女に友人達は振り回されてばかり、「アリスちゃんメイドを目指すのになぜダンスや淑女教育が必要なの!?」
そこには人知れず王妃と王女達によるとある計画が進められていた!
果たしてアリスは無事に立派なメイドになれるのか!? たぶん無理かなぁ……。
聖女シリーズ第一弾「正しい聖女さまのつくりかた」
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
武装法人二階堂商会 ―― 企業買収(M&A)で異世界を支配する!
Innocentblue
ファンタジー
日本で企業買収の最前線を駆け抜けてきた敏腕社長・二階堂漣司。
裏切りにより命を落としたはずの彼が目を覚ましたのは、
剣と魔法が支配する異世界の戦場だった。
与えられたスキルは《企業買収(M&A)》。
兵士も村も土地も国家さえも、株式として評価・買収・支配できる異能の力。
「ならば、この世界そのものを買い叩く」
漣司は《武装法人二階堂商会》を設立。
冷徹な参謀にして最強の魔導士リュシア、獣人傭兵団、裏社会の戦力――
すべてを子会社として編成し、経済と武力を融合した前代未聞の経営戦争へと踏み出す。
弱小の村を救済し、都市と契約を結び、裏切り者を切り捨て、敵対勢力を力で買収する。
交渉は戦争、戦争は経営。
数字が命運を決め、契約が国境を塗り替える。
やがて商会は、都市国家・ギルド・貴族・宗教勢力すら巻き込み、
世界の価値そのものを再定義する巨大企業へと変貌していく。
これは、剣ではなく契約で世界を制圧する男の物語。
奪うのではない。支配するのでもない。
価値を見抜き、価値を操り、世界に値札を付ける――
救済か、支配か。正義か、合理か。
その境界線を踏み越えながら、蓮司は異世界そのものを経営していく。
異世界×経済×武力が激突する、知略と覇道の武装経営ファンタジー。
「この世界には、村があり、町があり、国家がある。
――全部まとめて、俺が買い叩く」
俺! 神獣達のママ(♂)なんです!
青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。
世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。
王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。
その犯人は5体の神獣。
そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。
一件落着かと思えたこの事件。
だが、そんな中、叫ぶ男が1人。
「ふざけんなぁぁぁあ!!」
王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。
神獣達のママ(男)であった……。
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった
ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。
学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。
だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。
暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。
よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!?
……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい!
そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。
赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。
「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」
そう、他人事のように見送った俺だったが……。
直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。
「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」
――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。
神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由
瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。
神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
没落貴族は最果ての港で夢を見る〜政敵の公爵令嬢と手を組み、忘れられた航路を拓いて帝国の海を制覇する〜
namisan
ファンタジー
日本の海運会社に勤めていた男は、事故死し、異世界の没落貴族の三男ミナト・アークライトとして転生した。
かつては王国の海運業を牛耳ったアークライト家も、今や政争に敗れた見る影もない存在。ミナト自身も、厄介払い同然に、寂れた港町「アルトマール」へ名ばかりの代官として追いやられていた。
無気力な日々を過ごしていたある日、前世の海運知識と経験が完全に覚醒する。ミナトは気づいた。魔物が蔓延り、誰もが見捨てたこの港こそ、アークライト家再興の礎となる「宝の山」であると。
前世の知識と、この世界で得た風を読む魔法「風詠み」を武器に、家の再興を決意したミナト。しかし、その矢先、彼の前に最大の障害が現れる。
アークライト家を没落させた政敵、ルクスブルク公爵家の令嬢セラフィーナ。彼女は王命を受け、価値の失われた港を閉鎖するため、監察官としてアルトマールに乗り込んできたのだ。
「このような非効率な施設は、速やかに閉鎖すべきですわ」
家の再興を賭けて港を再生させたい没落貴族と、王国の未来のために港を閉鎖したいエリート令嬢。
立場も思想も水と油の二人が、互いの野望のために手を組むとき、帝国の経済、そして世界の物流は、歴史的な転換点を迎えることになる。
これは、一人の男が知識と魔法で巨大な船団を組織し、帝国の海を制覇するまでの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる