231 / 1,560
【230 15日繋がりの二人】
しおりを挟む
「開店して三週間とちょっとかぁ、やっと落ち着いてきたわね」
レジに入ると、モニカさんがシャツのボタンを縫い付けながら話しかけて来た。
みんな、手が空いている時は、だいたいどこかで黙々と修理作業をしている。
ここ数日落ち着いてきたけれど、買い取った古着や家具類は店に出しきれない程あり、修理も追いついていないのだ。
だから、時間を見つけては修理をするのが当たり前になっている。
「そうですね。最初の一週間なんてもうお昼もとれないくらいでしたから。あ、やっぱりモニカさんお上手ですね。すごい慣れてる感じです」
「あら、ボタン留めくらいでそんなに褒めないで、照れちゃうわ」
「私、お裁縫は苦手で、みんな上手だからちょっと恥ずかしいです」
クリスマスプレゼントでマフラーを編んだ時には、メアリーちゃんに付きっきりで教えてもらい、それからも時間を見て、ボタン留めも教えてもらったりしているけど、どうやら私はお裁縫は苦手なようだ。
「今まであんまりお裁縫やった事なかったんでしょ?しかたないわよ。焦って覚えるものでもないし、ゆっくり覚えていけばいいわ。でも、ヤヨイさんにも苦手なものがあってちょっと嬉しいわ」
「え?どうしてですか?」
普通はなんでもできる方がいいのではないだろうか?
首を傾げる私に、モニカさんはちょっとだ意地悪そうな笑みを浮かべる。
「だって、私も少しは義母として良いところが見せられるじゃない?ヤヨイさん、お料理上手だし、お掃除、お洗濯も完璧だわ。一つくらい、私が教えてあげられる事が欲しかったの」
「モニカさん・・・・・」
なんだか泣きそうになってしまった。
パトリックさんにプロポーズされて、婚約者にはなったけれど、まだ結婚したわけではない。
でも、モニカさんは私をもう娘として見てくれている。
「あらあら、そんな顔しないで。意外と涙もろいのかしら?・・・こっちのシャツ、袖が少し切れてるの、一緒に縫いましょう?」
「・・・はい。ありがとうございます」
少し目頭が熱くなってしまった。
モニカさんの娘になりたい。心からそう思った。
4月15日
ウィッカーさんの誕生日だ。ウィッカーさんは二十歳になった。
パトリックさん一家と、ジョルジュさん一家、魔法兵団のエロール君とヨハン君、アラルコン商会のレオネラちゃんが孤児院に集まって、誕生日パーティーを開催した。
もはや、いつものメンバーと言ってもいいと思う。
ウィッカーさんは、もうこの年だし、自分の誕生日はお祝いしなくていいと言っていたけれど、ブレンダン様の鶴の一声でやる事になった。
ジャニスさん曰く、去年までは誕生日のお祝いはしていたけれど、こんなに大勢で盛大にやる事はなかったらしい。
だからジャニスさんも、自分のお誕生日会の時、実はとても驚いたそうだ。
「クリスマスパーティーとほとんど同じ感じじゃない?私もすごい楽しかったし、またやりたいと思ったんだけど、多分、師匠は完全に味をしめちゃったのよ。ほら、お酒の相手が今までいなかったでしょ?ロビンさんとエディさんを呼びだす、良い口実になってるのよ」
テーブルに目を向けると、もの凄い上機嫌な男三人が、イエーイ!と言わんばかりに乾杯してお酒を飲んでいる。そしてお酌をするモニカさんと、ナタリーさん。
ジャニスさんの推理はおそらく当たっている。この光景はなんだかデジャブだ。
「ま、しかたないね。師匠も今までずっと一人でチビチビ飲んでて寂しかったんだよ。子供達多いから、ほぼ毎月になると思うけど、月に一回くらいは、こうしてみんなで楽しい時間を過ごせるのって良いと思うしね」
「ジャニスさん、お父さん想いね」
「いやいや、酒飲みの親を持つと苦労するわ」
両手の平を上に向け、肩をすくめて笑う。
呆れた感じに言っているけど、ジャニスさんはブレンダン様を本当の父親として見ている。
孝行娘だなと思った。
「ウィッカー様と私は、15日繋がりなんです!」
メアリーちゃんはキャロルちゃんに、誕生日の繋がりを熱の入った口調で語っていた。
メアリーちゃんの誕生日は5月15日、ウィッカーさんは4月15日なので、覚えやすいし15日繋がりというのは確かにその通りだ。
メアリーちゃんは運命としか言いようがないと、朝からずっと語っている。
「そうそう、メアリーちゃんの言う通り運命なんだから、ウィッカー兄さんにも運命のメアリーちゃんを大事にするように、私からも話しておくね」
「さすがキャロルちゃんです!キャロルちゃん大好きです!」
メアリーちゃんは感激したようで、キャロルちゃんに抱き着く。
最近キャロルちゃんは、メアリーちゃんの扱い方と言ったら悪いけど、ウィッカーさん絡みのメアリーちゃんの対応がすごく上手い。
メアリーちゃんを満足させて、最短の時間で話しを切り上げているのだ。
「じゃあ、さっそく運命のウィッカー兄さんを呼んでくるから、メアリーちゃん待っててね」
「はい!よろしくお願いします!」
キャロルちゃんは、メアリーちゃんを抱きしめ返すと、手を振ってウィッカーさんを呼びに広間へ行った。
メアリーちゃんは一階広間のイスに腰を掛けて、自作のポーさんぬいぐるみを抱きしめてニコニコしている。
ちなみにこのポーさんぬいぐるみは特別仕様で、頭の部分には金髪をイメージした黄色の毛糸を使い、ウィカーさんに似せた金髪ポーさんにしてある。メアリーちゃんだけの、ウィッカーポーさんだ。
メアリーちゃんのウィッカースイッチが入った時は、黙っていると何時間でも話されるので、ウィッカーさん本人を呼んできた方がいい。
これがキャロルちゃんの出した結論で、全員の共通意思になっていた。
少し経つとキャロルちゃんがウィッカーさんを連れてきて、ごゆっくり、と言って離れる。
「メアリーちゃんの事は好きだから、10分くらいなら話し聞くけど、さすがに何時間もウィッカー兄さんの事だけを、延々と聞かされるのはちょっとね」
キャロルちゃんが近づいてきて、私に小声で耳打ちする。
「そうね・・・私もメアリーちゃんは好きなんだけど、ウィッカーさんの魅力を何時間も延々と聞かされるのだけは・・・ちょっとね」
以前、メアリーちゃんがちょっと元気の無い時に、私とキャロルちゃんの二人で、メアリーちゃんの気が済むまで、ウィッカーさんへの想いを聞いた事があったけれど、1時間なんて序の口なのだ。今思えばよく最後まで聞いたなと思う。
「あはは、まぁ、メアリーちゃん、本当に幸せそうですよね。ほら、あんなに笑ってますもん。来月の結婚式、メアリーちゃん幸せすぎて倒れたりしないといいけど」
キャロルちゃんの言葉に、広間のテーブルに目を向けると、メアリーちゃんはこの上ない程幸せそうな笑顔で、隣に座るウィッカーさんの腕にしがみついている。
ウィッカーさんも笑顔でメアリーちゃんの頭を撫でているので、二人の幸せそうな姿に、私は胸の中が温かいもので満たされる気がした。
「ウィッカーさんなら、絶対に幸せにしてくれるわ」
「そうですね、兄さん真面目だし、誠実なのは間違いないから大丈夫ですよ」
いつもお世話になっているウィッカーさんとメアリーちゃん。
私の大切なお友達の二人には、絶対に幸せになってほしい。
今日はウィッカーさんの誕生日。
本当なら主役のウィッカーさんを、みんなで囲むはずだけど、幸せそうな二人を見て、そっとしておこうと言うようにみんな目配せをしていた。
きっと、ウィッカーさんとメアリーちゃんには、
二人きりの時間が一番の誕生日プレゼントなんだと思う。
レジに入ると、モニカさんがシャツのボタンを縫い付けながら話しかけて来た。
みんな、手が空いている時は、だいたいどこかで黙々と修理作業をしている。
ここ数日落ち着いてきたけれど、買い取った古着や家具類は店に出しきれない程あり、修理も追いついていないのだ。
だから、時間を見つけては修理をするのが当たり前になっている。
「そうですね。最初の一週間なんてもうお昼もとれないくらいでしたから。あ、やっぱりモニカさんお上手ですね。すごい慣れてる感じです」
「あら、ボタン留めくらいでそんなに褒めないで、照れちゃうわ」
「私、お裁縫は苦手で、みんな上手だからちょっと恥ずかしいです」
クリスマスプレゼントでマフラーを編んだ時には、メアリーちゃんに付きっきりで教えてもらい、それからも時間を見て、ボタン留めも教えてもらったりしているけど、どうやら私はお裁縫は苦手なようだ。
「今まであんまりお裁縫やった事なかったんでしょ?しかたないわよ。焦って覚えるものでもないし、ゆっくり覚えていけばいいわ。でも、ヤヨイさんにも苦手なものがあってちょっと嬉しいわ」
「え?どうしてですか?」
普通はなんでもできる方がいいのではないだろうか?
首を傾げる私に、モニカさんはちょっとだ意地悪そうな笑みを浮かべる。
「だって、私も少しは義母として良いところが見せられるじゃない?ヤヨイさん、お料理上手だし、お掃除、お洗濯も完璧だわ。一つくらい、私が教えてあげられる事が欲しかったの」
「モニカさん・・・・・」
なんだか泣きそうになってしまった。
パトリックさんにプロポーズされて、婚約者にはなったけれど、まだ結婚したわけではない。
でも、モニカさんは私をもう娘として見てくれている。
「あらあら、そんな顔しないで。意外と涙もろいのかしら?・・・こっちのシャツ、袖が少し切れてるの、一緒に縫いましょう?」
「・・・はい。ありがとうございます」
少し目頭が熱くなってしまった。
モニカさんの娘になりたい。心からそう思った。
4月15日
ウィッカーさんの誕生日だ。ウィッカーさんは二十歳になった。
パトリックさん一家と、ジョルジュさん一家、魔法兵団のエロール君とヨハン君、アラルコン商会のレオネラちゃんが孤児院に集まって、誕生日パーティーを開催した。
もはや、いつものメンバーと言ってもいいと思う。
ウィッカーさんは、もうこの年だし、自分の誕生日はお祝いしなくていいと言っていたけれど、ブレンダン様の鶴の一声でやる事になった。
ジャニスさん曰く、去年までは誕生日のお祝いはしていたけれど、こんなに大勢で盛大にやる事はなかったらしい。
だからジャニスさんも、自分のお誕生日会の時、実はとても驚いたそうだ。
「クリスマスパーティーとほとんど同じ感じじゃない?私もすごい楽しかったし、またやりたいと思ったんだけど、多分、師匠は完全に味をしめちゃったのよ。ほら、お酒の相手が今までいなかったでしょ?ロビンさんとエディさんを呼びだす、良い口実になってるのよ」
テーブルに目を向けると、もの凄い上機嫌な男三人が、イエーイ!と言わんばかりに乾杯してお酒を飲んでいる。そしてお酌をするモニカさんと、ナタリーさん。
ジャニスさんの推理はおそらく当たっている。この光景はなんだかデジャブだ。
「ま、しかたないね。師匠も今までずっと一人でチビチビ飲んでて寂しかったんだよ。子供達多いから、ほぼ毎月になると思うけど、月に一回くらいは、こうしてみんなで楽しい時間を過ごせるのって良いと思うしね」
「ジャニスさん、お父さん想いね」
「いやいや、酒飲みの親を持つと苦労するわ」
両手の平を上に向け、肩をすくめて笑う。
呆れた感じに言っているけど、ジャニスさんはブレンダン様を本当の父親として見ている。
孝行娘だなと思った。
「ウィッカー様と私は、15日繋がりなんです!」
メアリーちゃんはキャロルちゃんに、誕生日の繋がりを熱の入った口調で語っていた。
メアリーちゃんの誕生日は5月15日、ウィッカーさんは4月15日なので、覚えやすいし15日繋がりというのは確かにその通りだ。
メアリーちゃんは運命としか言いようがないと、朝からずっと語っている。
「そうそう、メアリーちゃんの言う通り運命なんだから、ウィッカー兄さんにも運命のメアリーちゃんを大事にするように、私からも話しておくね」
「さすがキャロルちゃんです!キャロルちゃん大好きです!」
メアリーちゃんは感激したようで、キャロルちゃんに抱き着く。
最近キャロルちゃんは、メアリーちゃんの扱い方と言ったら悪いけど、ウィッカーさん絡みのメアリーちゃんの対応がすごく上手い。
メアリーちゃんを満足させて、最短の時間で話しを切り上げているのだ。
「じゃあ、さっそく運命のウィッカー兄さんを呼んでくるから、メアリーちゃん待っててね」
「はい!よろしくお願いします!」
キャロルちゃんは、メアリーちゃんを抱きしめ返すと、手を振ってウィッカーさんを呼びに広間へ行った。
メアリーちゃんは一階広間のイスに腰を掛けて、自作のポーさんぬいぐるみを抱きしめてニコニコしている。
ちなみにこのポーさんぬいぐるみは特別仕様で、頭の部分には金髪をイメージした黄色の毛糸を使い、ウィカーさんに似せた金髪ポーさんにしてある。メアリーちゃんだけの、ウィッカーポーさんだ。
メアリーちゃんのウィッカースイッチが入った時は、黙っていると何時間でも話されるので、ウィッカーさん本人を呼んできた方がいい。
これがキャロルちゃんの出した結論で、全員の共通意思になっていた。
少し経つとキャロルちゃんがウィッカーさんを連れてきて、ごゆっくり、と言って離れる。
「メアリーちゃんの事は好きだから、10分くらいなら話し聞くけど、さすがに何時間もウィッカー兄さんの事だけを、延々と聞かされるのはちょっとね」
キャロルちゃんが近づいてきて、私に小声で耳打ちする。
「そうね・・・私もメアリーちゃんは好きなんだけど、ウィッカーさんの魅力を何時間も延々と聞かされるのだけは・・・ちょっとね」
以前、メアリーちゃんがちょっと元気の無い時に、私とキャロルちゃんの二人で、メアリーちゃんの気が済むまで、ウィッカーさんへの想いを聞いた事があったけれど、1時間なんて序の口なのだ。今思えばよく最後まで聞いたなと思う。
「あはは、まぁ、メアリーちゃん、本当に幸せそうですよね。ほら、あんなに笑ってますもん。来月の結婚式、メアリーちゃん幸せすぎて倒れたりしないといいけど」
キャロルちゃんの言葉に、広間のテーブルに目を向けると、メアリーちゃんはこの上ない程幸せそうな笑顔で、隣に座るウィッカーさんの腕にしがみついている。
ウィッカーさんも笑顔でメアリーちゃんの頭を撫でているので、二人の幸せそうな姿に、私は胸の中が温かいもので満たされる気がした。
「ウィッカーさんなら、絶対に幸せにしてくれるわ」
「そうですね、兄さん真面目だし、誠実なのは間違いないから大丈夫ですよ」
いつもお世話になっているウィッカーさんとメアリーちゃん。
私の大切なお友達の二人には、絶対に幸せになってほしい。
今日はウィッカーさんの誕生日。
本当なら主役のウィッカーさんを、みんなで囲むはずだけど、幸せそうな二人を見て、そっとしておこうと言うようにみんな目配せをしていた。
きっと、ウィッカーさんとメアリーちゃんには、
二人きりの時間が一番の誕生日プレゼントなんだと思う。
0
あなたにおすすめの小説
私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~
Ss侍
ファンタジー
"私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。
動けない、何もできない、そもそも身体がない。
自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。
ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。
それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!
俺! 神獣達のママ(♂)なんです!
青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。
世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。
王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。
その犯人は5体の神獣。
そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。
一件落着かと思えたこの事件。
だが、そんな中、叫ぶ男が1人。
「ふざけんなぁぁぁあ!!」
王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。
神獣達のママ(男)であった……。
正しい聖女さまのつくりかた
みるくてぃー
ファンタジー
王家で育てられた(自称)平民少女が、学園で起こすハチャメチャ学園(ラブ?)コメディ。
同じ年の第二王女をはじめ、優しい兄姉(第一王女と王子)に見守られながら成長していく。
一般常識が一切通用しない少女に友人達は振り回されてばかり、「アリスちゃんメイドを目指すのになぜダンスや淑女教育が必要なの!?」
そこには人知れず王妃と王女達によるとある計画が進められていた!
果たしてアリスは無事に立派なメイドになれるのか!? たぶん無理かなぁ……。
聖女シリーズ第一弾「正しい聖女さまのつくりかた」
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
武装法人二階堂商会 ―― 企業買収(M&A)で異世界を支配する!
Innocentblue
ファンタジー
日本で企業買収の最前線を駆け抜けてきた敏腕社長・二階堂漣司。
裏切りにより命を落としたはずの彼が目を覚ましたのは、
剣と魔法が支配する異世界の戦場だった。
与えられたスキルは《企業買収(M&A)》。
兵士も村も土地も国家さえも、株式として評価・買収・支配できる異能の力。
「ならば、この世界そのものを買い叩く」
漣司は《武装法人二階堂商会》を設立。
冷徹な参謀にして最強の魔導士リュシア、獣人傭兵団、裏社会の戦力――
すべてを子会社として編成し、経済と武力を融合した前代未聞の経営戦争へと踏み出す。
弱小の村を救済し、都市と契約を結び、裏切り者を切り捨て、敵対勢力を力で買収する。
交渉は戦争、戦争は経営。
数字が命運を決め、契約が国境を塗り替える。
やがて商会は、都市国家・ギルド・貴族・宗教勢力すら巻き込み、
世界の価値そのものを再定義する巨大企業へと変貌していく。
これは、剣ではなく契約で世界を制圧する男の物語。
奪うのではない。支配するのでもない。
価値を見抜き、価値を操り、世界に値札を付ける――
救済か、支配か。正義か、合理か。
その境界線を踏み越えながら、蓮司は異世界そのものを経営していく。
異世界×経済×武力が激突する、知略と覇道の武装経営ファンタジー。
「この世界には、村があり、町があり、国家がある。
――全部まとめて、俺が買い叩く」
【完結】奪われたものを取り戻せ!〜転生王子の奪還〜
伽羅
ファンタジー
事故で死んだはずの僕は、気がついたら異世界に転生していた。
しかも王子だって!?
けれど5歳になる頃、宰相の謀反にあい、両親は殺され、僕自身も傷を負い、命からがら逃げ出した。
助けてくれた騎士団長達と共に生き延びて奪還の機会をうかがうが…。
以前、投稿していた作品を加筆修正しています。
神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由
瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。
神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった
ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。
学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。
だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。
暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。
よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!?
……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい!
そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。
赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。
「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」
そう、他人事のように見送った俺だったが……。
直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。
「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」
――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる