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【370 妹のために】
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「どういうつもりって、何言ってるの?テレンス、それはこっちのセリフよ」
セシリアはまるで階段でも降りるかのような気安さで崖の上から飛び降りると、重力を感じさせない程の軽やかさを持って川沿いに着地した。
テレンスとセシリア、お互いの距離は十数メートル程開いているが、セシリアの身体能力を持ってすれば瞬きの程の一瞬で詰める事は可能である。
魔法使いのテレンスは距離を詰められれば抵抗する事は敵わず、一太刀でその命を奪われる事になるのは目に見えている。それゆえにほんの一瞬たりともセシリアから目を離す事はできない。
「ねぇ、テレンス・・・どうして皇帝を裏切ったの?」
「・・・裏切ってなどいない」
心の内を探るような声色だった。
裏切っていないと言葉を返したテレンスだが、答えるまでの僅かな間がセシリアに付け入る隙を与えた。
「いいえ裏切ったわ。だって、裏切っていないなら、なんでクラレッサはあちらにいるのかしら?なんであなたは敵と仲良く握手なんてしようとしたの?」
言い逃れはできない。
セシリアの語り口は全てを見透かしているように感じられた。
おそらくセシリアはずいぶん前から見ていたのだろう。
そして自分の中でテレンスは裏切り者だと判を押した。
だからこそ、こうして躊躇(ためら)いのない殺気をぶつけてくるのだ。
「・・・僕は、帝国へ帰るつもりだった」
言葉少なく答えるテレンスに、セシリアは小首を傾げて見せる。
「僕は?帰って来るはテレンスだけなの?クラレッサはどうするのかしら?まさか・・・」
そこでセシリアの赤い瞳に火が灯る。
反射的にテレンスは目を閉じた。
火の精霊から特に強い加護を受けているセシリアは、その赤い瞳と目を合わせた者の体の内部に熱を送る事ができる。
一瞬のうちに体内を燃やすようなダメージを与えるこの力から逃れる方法はただ一つ。
セシリアと目を合わせない事だけである。
だが、セシリアと対峙するなど考えもしなかったテレンスは、セシリアに対して戦いの心構えがまるでできていなかった。
セシリアに対して目を閉じたのは最大の悪手。
そう気づいた時には、すでにセシリアの刃はテレンスの胸を突き刺していた。
「ぐぅッツ!あ、がぁあ・・・ッツ!」
「あら・・・心臓を一突きしたと思ったのに・・・勘がいいのね」
己のミスに気付いた瞬間、襲い掛かってくる殺気を避けようと身を捻った。
急所は外す事ができたようだが、それでも左胸に刺さった剣は、肋骨の隙間を通って背中まで抜けていた。
「でもね、これだけ深手を負ったら結局は死んじゃうのよ」
セシリアが突き刺した剣を捻ると、脳天が痺れるような激痛が走り、テレンスは痛みのあまり叫び声を上げた。
「あがぁぁぁーッツ!」
「あら、黒魔法兵団団長ともあろうテレンスが、そんな声を出すなんて可愛いじゃ・・・」
言い終わらない内に、セシリアを頭から叩き潰すかのような赤黒い波動が振り下ろされた。
かすめられた赤い髪が数本、千切れ飛ぶ。
「うふふ・・・クラレッサ、本性を出すなんて何年ぶり?」
「セシリアァァァァァーッツ!よくも兄さまをォォォォォーッツ!」
紙一重で悪霊の波動を上空に飛んで躱したセシリアは、深紅の片手剣を頭上に振り上げた。
切っ先に炎が渦巻くように集中し、激しく燃え上がる。
「もしもの場合は二人とも殺していい。それが皇帝の判断よ。おかげで遠慮なく撃てるわ」
「がはっ・・・ぐ、あ、あれは・・・プ、プロミ・・ネンス・・・」
左手と両膝を地面に着き、顔を上げ空中のセシリアを見る。
右手で胸を傷を押さえているが、当然痛みも出血も治まるはずがなく眩暈がしてくる。
火の精霊の力を深紅の剣の切っ先に集め、太陽と見紛う程の熱と力をぶつけるセシリアの必殺技・・・プロミネンス。
「ほ、本気で・・・俺とクラレッサを・・・ぐうッ・・・」
なぜだ?
そもそも、なぜここにセシリアがいる?
躊躇なしに攻撃をしてきた事を考えれば、俺とクラレッサの心変わりを怪しまれていたのだろう。
だが、いつだ?
確かに俺はこの戦いを通して、ブレンダンという人間を信用し、妹を託す気持ちになった。
だが、それはたった今の話しだ。セシリアは少なくとも俺がここに来るより前から疑っていた。
クラレッサか?
俺ではなくクラレッサを疑っていたという事か?
よく考えれば思い当たるふしはある。
王位継承の儀以来、僕と二人きりの時だけだが、クラレッサはよくブレンダンの名を出すようになった。
それも、会いたい、私を分かってくれる、などと好意的な言葉でだ。
他に聞かれてはまずいから、気を付けるように話したし、気を付けてはいたが、どこかで聞かれていたのだろう。
そしてそれは皇帝の耳に入った。
この戦争で、セシリアがどこにも指揮官として立たなかったのは、僕とクラレッサの監視のためか。
もし、本当に裏切るようであれば・・・・・消すために
「ぐっ、はぁ・・・はぁ・・・・・・クラレッサ・・・」
クラレッサがブレンダンに心を開いた事に後悔はない。
人間としての感情を取り戻し、これから先の人生を笑顔で生きていけるのであれば、僕はなんでもしよう。
「テレンス!大丈夫か!?」
結界を体に纏い、ブレンダンが駆け寄って来た。
「ぐぅぅ・・・ぜぇ・・・はぁ・・・ブ、ブレン、ダン・・・あいつは、セシリアは・・・僕が、なんとかする・・・い、妹を・・・クラ、レッサ・・・頼む」
「な!?お主・・・その怪我でなにを言う!早くクラレッサに治してもらうんじゃ!」
テレンスを抱えようと、その体に手を回そうとして目が合った。
「・・・行ってくれ・・・頼むよ、ブレンダン・・・」
「テ、テレンス・・・お主・・・」
妹への深い愛情・・・そして命さえ捨てる覚悟
「・・・・・暴走している・・・あのまま、では・・・あなたには、見えるだろ?クラレッサを地の底に引きずりこもうとしている亡者が・・・頼む・・・妹は、クラレッサは、僕の全てだ・・・・・連れて行って、くれ・・・頼む・・・」
穏やかな顔だった。
ブレンダンは初めてテレンスの素顔を見た気がした。
そして、それだけに悔しくてたまらなかった。
非情な決断を下さなければならない自分が許せなかった。
「ワ・・・ワシに、ワシにお主を見殺しにして逃げろと、言うのか・・・共に戦えば・・・」
「無理だ。僕と、クラレッサと戦って・・・あなたからはもう、魔力を、ほとんど、感じない・・・あれを、防ぐ結界は・・・もう張れないだろ?・・・はぁ・・・はぁ・・・ぐうぅッ、う・・・た、頼む・・・い、急いで・・・くれ・・・お願いだ・・・ブレンダン・・・」
僕の妹を頼む
ワシは今日ほど自分を呪った事はない
息も絶え絶えのテレンスを見捨て、悪霊の力を暴走させるクラレッサの元へ走った
赤黒い波動を振り回しながら、空中のセシリアへ向け奇声を上げるクラレッサを抱きしめ、必死で呼びかけた
かろうじて動きを止めたクラレッサの手を引き、息の続く限り全力で走った
走り出したすぐ後ろで大きな力がぶつかり合い、大気を揺るがす程の力と魔力のせめぎ合いが衝撃波となり背中に伝わって来る
目に浮かんだ涙が零れ落ちそうになり、強く噛みしめた唇からは血が滴り落ちる
テレンス・・・約束じゃ・・・ワシが、ワシがこの命にかえても絶対にクラレッサを護る!
セシリアはまるで階段でも降りるかのような気安さで崖の上から飛び降りると、重力を感じさせない程の軽やかさを持って川沿いに着地した。
テレンスとセシリア、お互いの距離は十数メートル程開いているが、セシリアの身体能力を持ってすれば瞬きの程の一瞬で詰める事は可能である。
魔法使いのテレンスは距離を詰められれば抵抗する事は敵わず、一太刀でその命を奪われる事になるのは目に見えている。それゆえにほんの一瞬たりともセシリアから目を離す事はできない。
「ねぇ、テレンス・・・どうして皇帝を裏切ったの?」
「・・・裏切ってなどいない」
心の内を探るような声色だった。
裏切っていないと言葉を返したテレンスだが、答えるまでの僅かな間がセシリアに付け入る隙を与えた。
「いいえ裏切ったわ。だって、裏切っていないなら、なんでクラレッサはあちらにいるのかしら?なんであなたは敵と仲良く握手なんてしようとしたの?」
言い逃れはできない。
セシリアの語り口は全てを見透かしているように感じられた。
おそらくセシリアはずいぶん前から見ていたのだろう。
そして自分の中でテレンスは裏切り者だと判を押した。
だからこそ、こうして躊躇(ためら)いのない殺気をぶつけてくるのだ。
「・・・僕は、帝国へ帰るつもりだった」
言葉少なく答えるテレンスに、セシリアは小首を傾げて見せる。
「僕は?帰って来るはテレンスだけなの?クラレッサはどうするのかしら?まさか・・・」
そこでセシリアの赤い瞳に火が灯る。
反射的にテレンスは目を閉じた。
火の精霊から特に強い加護を受けているセシリアは、その赤い瞳と目を合わせた者の体の内部に熱を送る事ができる。
一瞬のうちに体内を燃やすようなダメージを与えるこの力から逃れる方法はただ一つ。
セシリアと目を合わせない事だけである。
だが、セシリアと対峙するなど考えもしなかったテレンスは、セシリアに対して戦いの心構えがまるでできていなかった。
セシリアに対して目を閉じたのは最大の悪手。
そう気づいた時には、すでにセシリアの刃はテレンスの胸を突き刺していた。
「ぐぅッツ!あ、がぁあ・・・ッツ!」
「あら・・・心臓を一突きしたと思ったのに・・・勘がいいのね」
己のミスに気付いた瞬間、襲い掛かってくる殺気を避けようと身を捻った。
急所は外す事ができたようだが、それでも左胸に刺さった剣は、肋骨の隙間を通って背中まで抜けていた。
「でもね、これだけ深手を負ったら結局は死んじゃうのよ」
セシリアが突き刺した剣を捻ると、脳天が痺れるような激痛が走り、テレンスは痛みのあまり叫び声を上げた。
「あがぁぁぁーッツ!」
「あら、黒魔法兵団団長ともあろうテレンスが、そんな声を出すなんて可愛いじゃ・・・」
言い終わらない内に、セシリアを頭から叩き潰すかのような赤黒い波動が振り下ろされた。
かすめられた赤い髪が数本、千切れ飛ぶ。
「うふふ・・・クラレッサ、本性を出すなんて何年ぶり?」
「セシリアァァァァァーッツ!よくも兄さまをォォォォォーッツ!」
紙一重で悪霊の波動を上空に飛んで躱したセシリアは、深紅の片手剣を頭上に振り上げた。
切っ先に炎が渦巻くように集中し、激しく燃え上がる。
「もしもの場合は二人とも殺していい。それが皇帝の判断よ。おかげで遠慮なく撃てるわ」
「がはっ・・・ぐ、あ、あれは・・・プ、プロミ・・ネンス・・・」
左手と両膝を地面に着き、顔を上げ空中のセシリアを見る。
右手で胸を傷を押さえているが、当然痛みも出血も治まるはずがなく眩暈がしてくる。
火の精霊の力を深紅の剣の切っ先に集め、太陽と見紛う程の熱と力をぶつけるセシリアの必殺技・・・プロミネンス。
「ほ、本気で・・・俺とクラレッサを・・・ぐうッ・・・」
なぜだ?
そもそも、なぜここにセシリアがいる?
躊躇なしに攻撃をしてきた事を考えれば、俺とクラレッサの心変わりを怪しまれていたのだろう。
だが、いつだ?
確かに俺はこの戦いを通して、ブレンダンという人間を信用し、妹を託す気持ちになった。
だが、それはたった今の話しだ。セシリアは少なくとも俺がここに来るより前から疑っていた。
クラレッサか?
俺ではなくクラレッサを疑っていたという事か?
よく考えれば思い当たるふしはある。
王位継承の儀以来、僕と二人きりの時だけだが、クラレッサはよくブレンダンの名を出すようになった。
それも、会いたい、私を分かってくれる、などと好意的な言葉でだ。
他に聞かれてはまずいから、気を付けるように話したし、気を付けてはいたが、どこかで聞かれていたのだろう。
そしてそれは皇帝の耳に入った。
この戦争で、セシリアがどこにも指揮官として立たなかったのは、僕とクラレッサの監視のためか。
もし、本当に裏切るようであれば・・・・・消すために
「ぐっ、はぁ・・・はぁ・・・・・・クラレッサ・・・」
クラレッサがブレンダンに心を開いた事に後悔はない。
人間としての感情を取り戻し、これから先の人生を笑顔で生きていけるのであれば、僕はなんでもしよう。
「テレンス!大丈夫か!?」
結界を体に纏い、ブレンダンが駆け寄って来た。
「ぐぅぅ・・・ぜぇ・・・はぁ・・・ブ、ブレン、ダン・・・あいつは、セシリアは・・・僕が、なんとかする・・・い、妹を・・・クラ、レッサ・・・頼む」
「な!?お主・・・その怪我でなにを言う!早くクラレッサに治してもらうんじゃ!」
テレンスを抱えようと、その体に手を回そうとして目が合った。
「・・・行ってくれ・・・頼むよ、ブレンダン・・・」
「テ、テレンス・・・お主・・・」
妹への深い愛情・・・そして命さえ捨てる覚悟
「・・・・・暴走している・・・あのまま、では・・・あなたには、見えるだろ?クラレッサを地の底に引きずりこもうとしている亡者が・・・頼む・・・妹は、クラレッサは、僕の全てだ・・・・・連れて行って、くれ・・・頼む・・・」
穏やかな顔だった。
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そして、それだけに悔しくてたまらなかった。
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「無理だ。僕と、クラレッサと戦って・・・あなたからはもう、魔力を、ほとんど、感じない・・・あれを、防ぐ結界は・・・もう張れないだろ?・・・はぁ・・・はぁ・・・ぐうぅッ、う・・・た、頼む・・・い、急いで・・・くれ・・・お願いだ・・・ブレンダン・・・」
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ワシは今日ほど自分を呪った事はない
息も絶え絶えのテレンスを見捨て、悪霊の力を暴走させるクラレッサの元へ走った
赤黒い波動を振り回しながら、空中のセシリアへ向け奇声を上げるクラレッサを抱きしめ、必死で呼びかけた
かろうじて動きを止めたクラレッサの手を引き、息の続く限り全力で走った
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