異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎

文字の大きさ
416 / 1,556

415 魔道具について

しおりを挟む
「・・・・・なるほど、事情は分かったよ。それは災難だったね」

結局俺とカチュアは、9時15分頃に店に着いた。
営業時間は8時30分だから、大幅に遅刻だ。

俺達が従業員用の出入口から入ると、ちょうどレイチェルが事務所で仕事をしていたので、そのまま遅刻の訳を説明する事になった。

もしかするとレイチェルは俺達になにかあったのかと心配して、事務所で待っていたのかもしれない。
一昨日は王女のエリザベート様が店に来たわけだし、レイジェスはなにかと目立っていると思う。


「レイチェル、心配かけてごめん」

俺が謝ると、レイチェルは少し目を細めて笑ってくれた。

「いや、不可抗力というヤツだ。アラタが謝る事ではないさ。そのトーマスってヤツは私も張り倒してやりたいがね。まぁ、二人が無事に帰ってきたわけだし、ちゃんと結婚の許可ももらえたわけだ。私も肩の荷が一つ降りた気分だよ」

そう言ってレイチェルが右手で左肩を揉んでみせる。

「あ、うちのおばあちゃんもお礼言ってたよ。レイチェル、いつもありがとう」

カチュアが笑顔でお礼を口にすると、レイチェルも笑って応えた。

「喜んでくれたようだね。それは何よりだよ。さて、じゃあそろそろ仕事に入ってくれ。あ、責めるわけではないが、ちゃんとみんなに挨拶はしてくるんだぞ」

俺とカチュアは、了解、と返事をして売り場へと出た。


二人で各コーナーを回り、遅れた理由を説明して回った。
一から説明すると長くなるので、ある程度簡単にまとめての説明になったが、みんなトーマスには怒っていた。まぁ、あいつもあれで目を覚ましてくれるといいなと思う。





「あの、ジャレットさん、ちょっと聞きたい事があるんですが」

「おう、なんだよ?」

昼食もとって午後の落ち着いた時間、担当の防具コーナーで、午前中に買い取った防具類の手入れをしながら、俺はジャレットにさんに話しかけた。

「この前の200年前の戦争の話しを聞いて思ったんですけど、魔道具ってみんな持ってるんですか?ジャレットさんも?」

これは気になっていた事だった。
200年前の戦争では、一人一人が切り札のように専用の魔道具を持っていたのだ。
ジャレットさん達も持っているのだろうか。

ジャレットさんは防具のメンテをしていた手を止めると、ほぉ~、と息を吐いて俺に顔を向けた。

「アラやん、面白い質問するな。まぁ答えから言うと、魔法使いは全員持っていると考えていい」

ジャレットさんは足を組むと、顎に手を当てて話し出した。

「なんでだか分かるか?」

「えっと・・・魔力があるからですか?」

俺の答えにジャレットさんは指を鳴らした。

「そう!その通りだ!魔道具ってのは魔法使いが作るからよ、どうしても自分達が使う事を前提に考えて作るヤツが多いんだ。その結果、多くの魔道具は魔力を消費して使う物になっちまうんだ」

「その言い方だと、体力型でも使える物はあるんですよね?」

「アラやん、話しが早いな?そうだ。200年前の戦争で、剣士隊のドミニクが使ってた流水の盾、そしてルチルの使ってた翼の靴、あれらも魔道具だ。でもあの二つは魔力を消費しないで使えたんだよ」

「そうなんですか?」

イスに座り直し、俺も体をやや前のめりにして聞き返す。

「あぁ、流水の盾は、盾その物がそういう作りなんだ。誰が使っても全ての攻撃を受け流す。ドミニクから引き継いだペトラも使ってただろ。翼の靴はルチルの足に合わせて作った物だから、ルチル専用の魔道具になってたけど、あれも魔力は使わないんだ。でも、体にかなり負担をかけて身体能力を上げてたみたいだけどな。格上のヘリングと五分ってたんだから、効果はすげぇと思うけどよ」

「なるほど・・・つまり、魔力を使わずに使える魔道具があれば、と言う事なんですね?」

「そういう事だ。まぁ魔法使い用の魔道具に比べれば数は少ないが、ある事はあるからな。アラやんも自分に合った物が見つかればそれを使えばいい。ちなみに俺とリカルドは持ってるが、レイチェルは使ってないぞ」

「え?そうなんですか?持ってて損は無さそうだし、あった方が便利だと思うんですけどね」

少し驚いた。言葉通りの疑問だ。
便利な物だと思うし、なんで持たないから分からない。


「レイチェルの場合、店長から教わったナイフがあるからな。レイチェルにとってはそれが一番信頼できるんだ。だから他の何かが入り込む余地がないんだよ」

「・・・俺はまだ会った事ないですけど、店長さんの事、みんなすごい信頼してますよね」

「・・・あぁ、俺も店長に拾われてここで働いてんだ。店長に会わなかったら、俺は今頃・・・」

「ジャレットさん?」

ジャレットさんは腕を組み、何か考えるように目を閉じた。


「・・・いや、何でもねぇよ。ま、そういう事だ。レイチェルは魔道具を使わなくても十分強い。マルゴンだって使ってなかっただろ?合う物がなけりゃ無理に使うもんでもないんだよ。俺の魔道具は・・・・・まぁ今度見せてやるよ」

「・・・はい」

いつもと違う雰囲気のジャレットさんに、それ以上聞きづらく、俺はそこで話しを終わらせた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界に飛ばされた人見知りの僕は、影が薄かったから趣味に走る事にしました!

まったりー
ファンタジー
主人公は、人見知りな占いが大好きな男の子。 そんな主人公は、いるのか分からない程の影の薄さで、そんなクラスが異世界に召喚されてしまいます。 生徒たちは、ステータスの確認を進められますが、主人公はいるとは思われず取り残され、それならばと外に1人で出て行き、主人公の異世界生活が始まります。

駆け落ち男女の気ままな異世界スローライフ

壬黎ハルキ
ファンタジー
それは、少年が高校を卒業した直後のことだった。 幼なじみでお嬢様な少女から、夕暮れの公園のど真ん中で叫ばれた。 「知らない御曹司と結婚するなんて絶対イヤ! このまま世界の果てまで逃げたいわ!」 泣きじゃくる彼女に、彼は言った。 「俺、これから異世界に移住するんだけど、良かったら一緒に来る?」 「行くわ! ついでに私の全部をアンタにあげる! 一生大事にしなさいよね!」 そんな感じで駆け落ちした二人が、異世界でのんびりと暮らしていく物語。 ※2019年10月、完結しました。 ※小説家になろう、カクヨムにも公開しています。

【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~

Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。 それでも、組織の理不尽には勝てなかった。 ——そして、使い潰されて死んだ。 目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。 強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、 因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。 武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。 だが、邪魔する上司も腐った組織もない。 今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。 石炭と化学による国力強化。 情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。 準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。 これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、 「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、 滅びの未来を書き換えようとする建国譚。

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

チートツール×フールライフ!~女神から貰った能力で勇者選抜されたので頑張ってラスダン前まで来たら勇者にパーティ追放されたので復讐します~

黒片大豆
ファンタジー
「お前、追放な。田舎に帰ってゆっくりしてろ」 女神の信託を受け、勇者のひとりとして迎えられた『アイサック=ベルキッド』。 この日、勇者リーダーにより追放が宣告され、そのゴシップニュースは箝口令解除を待って、世界中にバラまかれることとなった。 『勇者道化師ベルキッド、追放される』 『サック』は田舎への帰り道、野党に襲われる少女『二オーレ』を助け、お礼に施しを受ける。しかしその家族には大きな秘密があり、サックの今後の運命を左右することとなった。二オーレとの出会いにより、新たに『女神への復讐』の選択肢が生まれたサックは、女神へのコンタクト方法を探る旅に目的を変更し、その道中、ゴシップ記事を飛ばした記者や、暗殺者の少女、元勇者の同僚との出会いを重ね、魔王との決戦時に女神が現れることを知る。そして一度は追放された身でありながら、彼は元仲間たちの元へむかう。本気で女神を一発ぶん殴る──ただそれだけのために。

神様を育てることになりました

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
死後の世界で転生待ちをしていた。誘導にしたがって進んでいたが、俺だけ神使に別の場所に案内された。そこには5人の男女がいた。俺が5人の側に行くと、俺達の前にいた神様から「これから君達にはこの神の卵を渡す。この卵を孵し立派な神に育てよ」と言われた。こうしてオレは神様を育てることになった。

過労死した俺、異世界で最強農業チートに目覚める。神農具で荒野を楽園に変えたら、エルフや獣人が集まって最高の国ができました

黒崎隼人
ファンタジー
「君、死んじゃったから、異世界で国、作らない?」 ブラック企業で過労死した俺、相川大地。 女神様から授かったのは、一振りで大地を耕し、一瞬で作物を育てる**最強の『神農具』**だった!? 右も左もわからない荒野でのサバイバル。 だけど、腹ペコのエルフ美少女を助け、頼れるドワーフ、元気な猫耳娘、モフモフ神狼が仲間になって、開拓生活は一気に賑やかに! 美味しいご飯とチート農具で、荒野はあっという間に**「奇跡の村」**へ。 これは、ただの農民志望だった俺が、最高の仲間たちと世界を救い、種族の壁を越えた理想の国『アグリトピア』を築き上げる物語。 農業は、世界を救う! さあ、今日も元気に、畑、耕しますか!

処理中です...