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1104 名誉と殻
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「ま、まさか、水!?」
胸まで氷漬けにされたルーシーだったが、その体から溢れだしてくる水が、内側から氷を押して亀裂を入れていく。
「そう!その通り、水だよ!この氷は隙間なく私を固めているが、そこに溢れる程の水を注ぎこめばどうなるかなんて、説明する間でもないだろう!」
「くっ、そんなやり方でッ!」
あっという間にルーシーを固める氷が崩れ始める。大きな亀裂から欠けた氷がバラバラと落ちて、胸から腰までが解放される。
「ッ!でもまだ私の方が早い!」
シルヴィアはルーシーの顔に向けていた右手の人差し指から、氷の魔力を撃ち放った!
指先一点に集中された氷の魔力は、先を鋭く尖らせた氷の矢となり、ルーシーの額に突き刺さった!
「やっ・・・!?」
「フッ、刺氷弾か・・・そんな初級魔法で私の水を突破できると思ったなんて、なめられたものだ」
ルーシーの額に突き刺さったかに見えた氷の矢は、ルーシーが顔の前に作り出した高密度に圧縮した水の壁に刺さり、あと一押しというところで押し止められていた。
「っ、まさか水で氷の矢を受け止めるなんて・・・」
「残念だったな?ところで息が上がってきているようだが、そろそろ魔力が厳しいんじゃないのか?私は雨が降る限り無限に水が使える。どうやらこの雨は私に味方してくれるようだな」
ルーシーの顔の前に作られていた水の塊が、バシャっと大きな音を立てて地面に落ちた。
水の壁が解かれた事で、突き刺さっていた氷の矢も一緒に落ちると、地面に衝突した衝撃で真っ二つに折れる。
「さて、それじゃあ今度はこっちは番だね!」
ほとんど全身を固めた氷が破られ、さらに思わぬ方法で刺氷弾まで止められて驚くシルヴィア。
その様子を見て勝ち誇ったように笑うルーシーの全身から、大量の水が勢いよく放出された。
シルヴィアの魔力によって生み出された氷は確かに固い。打撃で破壊する事は困難を伴う。
だが内側から際限なく溢れる水に押され、限られた容量をはるかに超えてしまった時、いかに頑丈な器であっては破壊は免れない。
ルーシーの腰から下を固める氷が、強烈な圧力に耐えきれずに一気に砕け散った!
「なっ!?」
砕けた氷の破片がシルヴィアを目掛けて飛んで来る!とっさに腕を前に出して顔を護るが、
尖った氷がシルヴィアの腕や脇腹を切り裂き、白いセーターが赤く染まっていく。
体を切られた痛みでシルヴィアの膝が折れると、ルーシーは強く地面を蹴った!
「なかなか強かったぞ!だがこれでお終い・・・ッツ!?」
ルーシーの脳が描いたイメージーでは、この一歩でシルヴィアの背後に回り、首筋に打撃を与えて意識を飛ばすつもりだった。
だが地面を蹴ったはずなのに体は全く前に進まない。
何かに足裏を掴まれているような感覚に視線を落とし、ルーシーは目を見開いた。
「な、なにィッ!?」
「・・・フフフ、驚いてもらえたようね?」
驚愕の表情を浮かべるルーシーに、シルヴィアはしてやったりと、楽しそうに笑い声をもらした。
「き、貴様!いったい、どうやって・・・!?」
「言ったじゃない、私氷魔法が得意なのよ。だからずっと地面に冷気を流し続けていたのよ。それこそ一瞬で足が凍り付くくらいの冷たさでね」
ルーシーは確かに下半身を固めていた氷を破壊した。そしてほとんど間をおかずに地面を強く蹴ったのだ。だがその時にはすでに足の裏についた水は凍りつき、再びルーシーの足を捉えて固めてしまったのだ。
そしてこうして止まっている間にも、氷は足を登りルーシーの体を固めていく。
「貴様の魔力の高さは認めたつもりだったが、それでもまだ私の読みがあまかったと言う事か・・・まさかここまでの早さで凍らせる事ができるとは・・・」
ほんの数秒足を止めただけで、地面から動かせない程に足を氷付かされる。
地面が冷え、水が溜まっているという好条件が揃っていたからだとしても、シルヴィアの魔力の高さはルーシーの想定を大きく超えていた。
「ええ、だって今日は雨ですもの。地面も冷えているし、これだけ水が溜まっていれば簡単よ。何度も言わせてもらうけど、私氷魔法が得意なのよ。さぁ、もう手を止める事はないわ。そのまま氷漬けになりなさい!」
立ち上がって両手の平をルーシーに向けると、シルヴィアは残りの魔力を一気に放出した!
「うっ!?」
冷たい魔力が肌に触れたと感じたその時、まだ足首までしか固めていなかった氷が、急速に上へ上へと昇り出してルーシーの体を凍らせていく!
「フッ、またこれか?芸の無い事だ。だが忘れたわけではないだろう?雨が降る限り私の水は無限だと!持久戦で私に勝てると思うなよッ!」
水流のマントが吸収した水が、ルーシーの全身から溢れだした。
水はルーシーの体を膜で覆うように包み込むと、さっきと同様に膨張し始め、腰まで登ってきた氷に亀裂を入れだした。
「させないッ!」
シルヴィアの魔力が冷気を強め、ひび割れ始めた氷の上から再び厚い氷で固めていく!
「へぇ、根競べか?面白い!私が脱出できるか、それともお前が私を氷で固めてしまうのが先か、勝負というわけか?いいだろう、やれるものならやってみろ!」
シルヴィアの冷気に対抗するように、ルーシーの体から発せられる水も圧力を強める!
魔力が尽きる前に、ルーシーを氷りの彫像へと変える事ができるか?
一切の身動きがとれなくなる前に、シルヴィアの氷を粉砕する事ができるか?
一族の名誉を取り戻すために戦うルーシー。
自分の殻を破るために戦うシルヴィア。
決着の時が来た。
胸まで氷漬けにされたルーシーだったが、その体から溢れだしてくる水が、内側から氷を押して亀裂を入れていく。
「そう!その通り、水だよ!この氷は隙間なく私を固めているが、そこに溢れる程の水を注ぎこめばどうなるかなんて、説明する間でもないだろう!」
「くっ、そんなやり方でッ!」
あっという間にルーシーを固める氷が崩れ始める。大きな亀裂から欠けた氷がバラバラと落ちて、胸から腰までが解放される。
「ッ!でもまだ私の方が早い!」
シルヴィアはルーシーの顔に向けていた右手の人差し指から、氷の魔力を撃ち放った!
指先一点に集中された氷の魔力は、先を鋭く尖らせた氷の矢となり、ルーシーの額に突き刺さった!
「やっ・・・!?」
「フッ、刺氷弾か・・・そんな初級魔法で私の水を突破できると思ったなんて、なめられたものだ」
ルーシーの額に突き刺さったかに見えた氷の矢は、ルーシーが顔の前に作り出した高密度に圧縮した水の壁に刺さり、あと一押しというところで押し止められていた。
「っ、まさか水で氷の矢を受け止めるなんて・・・」
「残念だったな?ところで息が上がってきているようだが、そろそろ魔力が厳しいんじゃないのか?私は雨が降る限り無限に水が使える。どうやらこの雨は私に味方してくれるようだな」
ルーシーの顔の前に作られていた水の塊が、バシャっと大きな音を立てて地面に落ちた。
水の壁が解かれた事で、突き刺さっていた氷の矢も一緒に落ちると、地面に衝突した衝撃で真っ二つに折れる。
「さて、それじゃあ今度はこっちは番だね!」
ほとんど全身を固めた氷が破られ、さらに思わぬ方法で刺氷弾まで止められて驚くシルヴィア。
その様子を見て勝ち誇ったように笑うルーシーの全身から、大量の水が勢いよく放出された。
シルヴィアの魔力によって生み出された氷は確かに固い。打撃で破壊する事は困難を伴う。
だが内側から際限なく溢れる水に押され、限られた容量をはるかに超えてしまった時、いかに頑丈な器であっては破壊は免れない。
ルーシーの腰から下を固める氷が、強烈な圧力に耐えきれずに一気に砕け散った!
「なっ!?」
砕けた氷の破片がシルヴィアを目掛けて飛んで来る!とっさに腕を前に出して顔を護るが、
尖った氷がシルヴィアの腕や脇腹を切り裂き、白いセーターが赤く染まっていく。
体を切られた痛みでシルヴィアの膝が折れると、ルーシーは強く地面を蹴った!
「なかなか強かったぞ!だがこれでお終い・・・ッツ!?」
ルーシーの脳が描いたイメージーでは、この一歩でシルヴィアの背後に回り、首筋に打撃を与えて意識を飛ばすつもりだった。
だが地面を蹴ったはずなのに体は全く前に進まない。
何かに足裏を掴まれているような感覚に視線を落とし、ルーシーは目を見開いた。
「な、なにィッ!?」
「・・・フフフ、驚いてもらえたようね?」
驚愕の表情を浮かべるルーシーに、シルヴィアはしてやったりと、楽しそうに笑い声をもらした。
「き、貴様!いったい、どうやって・・・!?」
「言ったじゃない、私氷魔法が得意なのよ。だからずっと地面に冷気を流し続けていたのよ。それこそ一瞬で足が凍り付くくらいの冷たさでね」
ルーシーは確かに下半身を固めていた氷を破壊した。そしてほとんど間をおかずに地面を強く蹴ったのだ。だがその時にはすでに足の裏についた水は凍りつき、再びルーシーの足を捉えて固めてしまったのだ。
そしてこうして止まっている間にも、氷は足を登りルーシーの体を固めていく。
「貴様の魔力の高さは認めたつもりだったが、それでもまだ私の読みがあまかったと言う事か・・・まさかここまでの早さで凍らせる事ができるとは・・・」
ほんの数秒足を止めただけで、地面から動かせない程に足を氷付かされる。
地面が冷え、水が溜まっているという好条件が揃っていたからだとしても、シルヴィアの魔力の高さはルーシーの想定を大きく超えていた。
「ええ、だって今日は雨ですもの。地面も冷えているし、これだけ水が溜まっていれば簡単よ。何度も言わせてもらうけど、私氷魔法が得意なのよ。さぁ、もう手を止める事はないわ。そのまま氷漬けになりなさい!」
立ち上がって両手の平をルーシーに向けると、シルヴィアは残りの魔力を一気に放出した!
「うっ!?」
冷たい魔力が肌に触れたと感じたその時、まだ足首までしか固めていなかった氷が、急速に上へ上へと昇り出してルーシーの体を凍らせていく!
「フッ、またこれか?芸の無い事だ。だが忘れたわけではないだろう?雨が降る限り私の水は無限だと!持久戦で私に勝てると思うなよッ!」
水流のマントが吸収した水が、ルーシーの全身から溢れだした。
水はルーシーの体を膜で覆うように包み込むと、さっきと同様に膨張し始め、腰まで登ってきた氷に亀裂を入れだした。
「させないッ!」
シルヴィアの魔力が冷気を強め、ひび割れ始めた氷の上から再び厚い氷で固めていく!
「へぇ、根競べか?面白い!私が脱出できるか、それともお前が私を氷で固めてしまうのが先か、勝負というわけか?いいだろう、やれるものならやってみろ!」
シルヴィアの冷気に対抗するように、ルーシーの体から発せられる水も圧力を強める!
魔力が尽きる前に、ルーシーを氷りの彫像へと変える事ができるか?
一切の身動きがとれなくなる前に、シルヴィアの氷を粉砕する事ができるか?
一族の名誉を取り戻すために戦うルーシー。
自分の殻を破るために戦うシルヴィア。
決着の時が来た。
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※小説家になろう様にも掲載しています。
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