34 / 46
3章
32話 手土産
しおりを挟む
「——で、どうしてあっしなんで?」
訓練が丁度終わったタイミングを見計らって俺は以前、仕合を繰り広げた騎士——グレイスの下へやってきていた。
不満そうな表情を浮かべながら言外に、他にも頼れる人がいるだろうがと訴えかけている。
加えて、自分の休憩時間を奪うな、とも。
「……消去法だ。考えてもみたが、僕の周りにはまともな奴が全くと言っていいくらいにいなかったんでな……」
そうなのだ。
ボルソッチェオ男爵家に赴くと決めたはいいが、もちろん、人の家にお邪魔するわけなのだから手土産くらいは持っていくべきだろう。
加えて、相手は恐らく同世代であろう女の子だ。
手土産を持っていくにしても、何がいいのか皆目見当がつかず、誰かに相談しようとしたまでは良かったのだが。
「ヴェインは提案する全てを肯定するわ、父上は母上色が強くて参考にならん。餓鬼共は肉か新しい剣しか案は出さんわでマトモな相談相手がいないんだ。察してくれ……」
尚、師匠である『貪狼』こと、ローレン=ヘクスティアはやはりナガレという貴族に限り例外で、その他の貴族にはまだやはり敵意が残っておりマトモなアドバイスは出来そうにないと匙を投げられている。
「シヴィスちゃんはどうしたんで。あの子が一番適任でしょうに」
「シヴィスは今、休暇中だ。月に数回しかない親子水入らずの時間をこんなくだらない悩みで邪魔するわけにはいくまい」
そのくだらない悩みはあっしの休憩時間を邪魔する分には躊躇いがないんで……。
などとグレイスがひとりごちるも、気にしては話が進まないので聞かなかったことにして話を進める事にする。
「して、どんな相手に手土産を? 相手像が分からないことにゃあっしとてアドバイス出来やしやせんよ」
そう、それが一番の問題なのだ。
ボルソッチェオ男爵家の次期当主であるソーマの妹と会うのがメイン。というより、それが一番大事な部分である事は間違いない。
しかし、肝心のソーマの妹の年の頃を聞きそびれており、手土産にこうして頭を悩ませてる現状である。
流石に婚約を勧めてきたくらいなのだから年が10も離れている、なんて事は無いだろうが、折角赴くのだ。
当たり障りのない手土産を用意しようと思うのも当然だろう。
「多分だが、同世代の女の子、な筈だ」
「な筈って……。坊ちゃんはその子に会った事はないんで?」
「ああ、初対面だ」
「……むむ?」
ここでグレイスが勘付く。
こうして人の大事な休憩時間を邪魔してくるぐらいには自分の用事を優先する坊ちゃんが、月に数回程度の休暇だからといってシヴィスの下を訪れてどうして悩みを解決しないのだろうか、と。
聞けば、同世代の女の子への手土産に悩んでるそうな。
もしや、シヴィスには聞くに聞けない状況というやつなのではないのか、と。
「……成る程。坊ちゃんも男の子だったって事ですかい」
あたり人付き合いも良くなく、やっと友達を作ったかと思いきや、同性ばかり。
それ程までにシヴィスに執着し、入れ込んで他の異性の知人を作らないのかと周りの人間と一緒にグレイスも勝手に思い込んでいたのだが、それが違ったと勝手に一人で確信し、ニタリと相好を崩す。
「は? なんの話だ?」
「いいんでさあ、いいんでさあ。坊ちゃん程の男なら2人や3人。いや、5人くらいに唾つけてても驚きやしやせんよ」
「絶対色々と勘違いしてるよなお前……」
ジト目で責めるように見つめてみるが、グレイスの勢いは止まらない。むしろ、勢いを増すばかり。
「恥ずかしがる必要はねえでさあ。おっと、こうしちゃいられねえ。このビッグニュースを是非ともボルグさんにも伝えねえと」
「おい、ちょ、待て。あの人に相談するとろくな事起こらねえから僕はグレイスに相談したってのに……」
そう言って、立ち上がり、直属の上司であるボルグの下へとホットなネタを手に駆け出そうとするグレイスを静止しようとするも、伸ばした手は虚空をつかむのみ。
俺はもう、駆け出したグレイスの背を眺めるしか出来なくて。
数分後。
『マジかよおおおおぉぉぉおお?!』
などと騒ぎ立てるボルグと共に押し寄せた野次馬騎士達に事の説明をし、誤解を解くのに数十分程要したのは言うまでもなかった…。
結局、散々時間をかけた挙句、手土産は無難な髪飾りと。
ソーマへの当たり障りのない土産に決まったのだった。
—————————
やあ久しぶり(白目)
友人にファンタジー大賞来てるぜ!
5万文字書こうや!!と誘われ、復活するに至りました( ゚ཫ ゚)ゴフッ
一応復活しちゃうぜってことで内容忘れた人はちょっと前からでも読み直してくれよな!!
ちなみに作者は全部読み直しちゃったぜ()
アルトさん今度こそ復活!!!
おまたせ!!!
ただいま!!!
こんな適当な作者の作品を待ってくれてた読者さんに感謝の意を!!
感謝感激雨霰!!!
訓練が丁度終わったタイミングを見計らって俺は以前、仕合を繰り広げた騎士——グレイスの下へやってきていた。
不満そうな表情を浮かべながら言外に、他にも頼れる人がいるだろうがと訴えかけている。
加えて、自分の休憩時間を奪うな、とも。
「……消去法だ。考えてもみたが、僕の周りにはまともな奴が全くと言っていいくらいにいなかったんでな……」
そうなのだ。
ボルソッチェオ男爵家に赴くと決めたはいいが、もちろん、人の家にお邪魔するわけなのだから手土産くらいは持っていくべきだろう。
加えて、相手は恐らく同世代であろう女の子だ。
手土産を持っていくにしても、何がいいのか皆目見当がつかず、誰かに相談しようとしたまでは良かったのだが。
「ヴェインは提案する全てを肯定するわ、父上は母上色が強くて参考にならん。餓鬼共は肉か新しい剣しか案は出さんわでマトモな相談相手がいないんだ。察してくれ……」
尚、師匠である『貪狼』こと、ローレン=ヘクスティアはやはりナガレという貴族に限り例外で、その他の貴族にはまだやはり敵意が残っておりマトモなアドバイスは出来そうにないと匙を投げられている。
「シヴィスちゃんはどうしたんで。あの子が一番適任でしょうに」
「シヴィスは今、休暇中だ。月に数回しかない親子水入らずの時間をこんなくだらない悩みで邪魔するわけにはいくまい」
そのくだらない悩みはあっしの休憩時間を邪魔する分には躊躇いがないんで……。
などとグレイスがひとりごちるも、気にしては話が進まないので聞かなかったことにして話を進める事にする。
「して、どんな相手に手土産を? 相手像が分からないことにゃあっしとてアドバイス出来やしやせんよ」
そう、それが一番の問題なのだ。
ボルソッチェオ男爵家の次期当主であるソーマの妹と会うのがメイン。というより、それが一番大事な部分である事は間違いない。
しかし、肝心のソーマの妹の年の頃を聞きそびれており、手土産にこうして頭を悩ませてる現状である。
流石に婚約を勧めてきたくらいなのだから年が10も離れている、なんて事は無いだろうが、折角赴くのだ。
当たり障りのない手土産を用意しようと思うのも当然だろう。
「多分だが、同世代の女の子、な筈だ」
「な筈って……。坊ちゃんはその子に会った事はないんで?」
「ああ、初対面だ」
「……むむ?」
ここでグレイスが勘付く。
こうして人の大事な休憩時間を邪魔してくるぐらいには自分の用事を優先する坊ちゃんが、月に数回程度の休暇だからといってシヴィスの下を訪れてどうして悩みを解決しないのだろうか、と。
聞けば、同世代の女の子への手土産に悩んでるそうな。
もしや、シヴィスには聞くに聞けない状況というやつなのではないのか、と。
「……成る程。坊ちゃんも男の子だったって事ですかい」
あたり人付き合いも良くなく、やっと友達を作ったかと思いきや、同性ばかり。
それ程までにシヴィスに執着し、入れ込んで他の異性の知人を作らないのかと周りの人間と一緒にグレイスも勝手に思い込んでいたのだが、それが違ったと勝手に一人で確信し、ニタリと相好を崩す。
「は? なんの話だ?」
「いいんでさあ、いいんでさあ。坊ちゃん程の男なら2人や3人。いや、5人くらいに唾つけてても驚きやしやせんよ」
「絶対色々と勘違いしてるよなお前……」
ジト目で責めるように見つめてみるが、グレイスの勢いは止まらない。むしろ、勢いを増すばかり。
「恥ずかしがる必要はねえでさあ。おっと、こうしちゃいられねえ。このビッグニュースを是非ともボルグさんにも伝えねえと」
「おい、ちょ、待て。あの人に相談するとろくな事起こらねえから僕はグレイスに相談したってのに……」
そう言って、立ち上がり、直属の上司であるボルグの下へとホットなネタを手に駆け出そうとするグレイスを静止しようとするも、伸ばした手は虚空をつかむのみ。
俺はもう、駆け出したグレイスの背を眺めるしか出来なくて。
数分後。
『マジかよおおおおぉぉぉおお?!』
などと騒ぎ立てるボルグと共に押し寄せた野次馬騎士達に事の説明をし、誤解を解くのに数十分程要したのは言うまでもなかった…。
結局、散々時間をかけた挙句、手土産は無難な髪飾りと。
ソーマへの当たり障りのない土産に決まったのだった。
—————————
やあ久しぶり(白目)
友人にファンタジー大賞来てるぜ!
5万文字書こうや!!と誘われ、復活するに至りました( ゚ཫ ゚)ゴフッ
一応復活しちゃうぜってことで内容忘れた人はちょっと前からでも読み直してくれよな!!
ちなみに作者は全部読み直しちゃったぜ()
アルトさん今度こそ復活!!!
おまたせ!!!
ただいま!!!
こんな適当な作者の作品を待ってくれてた読者さんに感謝の意を!!
感謝感激雨霰!!!
21
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
【完結】それはダメなやつと笑われましたが、どうやら最高級だったみたいです。
まりぃべる
ファンタジー
「あなたの石、屑石じゃないの!?魔力、入ってらっしゃるの?」
ええよく言われますわ…。
でもこんな見た目でも、よく働いてくれるのですわよ。
この国では、13歳になると学校へ入学する。
そして1年生は聖なる山へ登り、石場で自分にだけ煌めいたように見える石を一つ選ぶ。その石に魔力を使ってもらって生活に役立てるのだ。
☆この国での世界観です。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
伯爵令息は後味の悪いハッピーエンドを回避したい
えながゆうき
ファンタジー
停戦中の隣国の暗殺者に殺されそうになったフェルナンド・ガジェゴス伯爵令息は、目を覚ますと同時に、前世の記憶の一部を取り戻した。
どうやらこの世界は前世で妹がやっていた恋愛ゲームの世界であり、自分がその中の攻略対象であることを思い出したフェルナンド。
だがしかし、同時にフェルナンドがヒロインとハッピーエンドを迎えると、クーデターエンドを迎えることも思い出した。
もしクーデターが起これば、停戦中の隣国が再び侵攻してくることは間違いない。そうなれば、祖国は簡単に蹂躙されてしまうだろう。
後味の悪いハッピーエンドを回避するため、フェルナンドの戦いが今始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる