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空を超えし願い星
第二十二話 XX
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誰かが泣いている。
錆びついた門扉越しに涙を流す20代後半の女性。
ソラの元母親である。
なぜ泣いているのか当時の私は分からなかった。ただ、捨てられたのだという事実だけを知らされ誰もその理由を教えてはくれなかった。
故に自己完結として、私は自慢の娘じゃなかったから見捨てられたのだと思う様になった。誰にも認められる様な存在になるべく周りの期待に答え続け、多くの賞をとり、非の打ち所がない完璧な存在としていつか、あの人に認めてもらえる様に努力を続けた。しかし、中学三年の夏、母の訃報を聞かされる。死因はガンだった。捨てられたあの日、もうすでに余命宣告を受けておりその三ヶ月後に亡くなったらしい。
その日院長から母が私宛に残した手紙を受け取る。内容はとてもシンプルなものだった。
『居場所を見つけなさい。そしていつかあなたが誰かの居場所になってあげて。あなたが孤独にならない様に』
情景が切り替わる。
ズルズルと誰かに背負われ引きずられる様な感覚。以前にも見た様な光景が映し出される。
「一緒に帰ろ」
その声は紛れもないアル君のものだった。
「みんなでまた冒険しよう」
その少年は笑顔だった。
もうすでに彼は前を向き歩み進めていた。
「僕が連れてってあげる」
そして意識だけがぐんっと引っ張られ脇腹の痛みがソラを襲う。
周囲は虚無に覆われソラはかろうじて純白の宝玉の効果で消滅を間逃れていた。
しかし、時間の問題である。
ジリジリと肉体の崩壊が始まっている。
「約束しましたからね」
(私は貴方が大人になるまで必ず守り抜きます。ずっと傍にいます。絶対に見捨てたりはしません)
ソラはボードを開き進化先を確認する。
「どれも厳しいですね」
もっと可能性を秘めたインパクトのある何かがなければとウンウン唸る中視界の端で何かが発光した気がした。
そして再び発光する何かを目撃する。
「何なのでしょうか?」
ソラは発光元へ虚無の中を泳ぎ向かい、それを発見した。
見た目は完全なる五芒星で金色に点滅しながら発光している。
恐る恐るそれに触れると爆発したかの様な光の本流が解き放たれる。
『【願い星】が再発動しました。経験値の譲渡に移ります』
次の瞬間膨大な経験値が体内へと流れるのを感じ脳内で声が鳴り響く。
『新たな進化先が一件更新されました』
それはソラが望むカタチだった。
◇◇◇◇◇
「逃げても無駄だ」
アルは傷だらけだった。
しかし、数秒もせずに傷が再生する。
「【不変】の世界概念か.......忌々しい力よ」
世界概念【不変】は文字通り変わらずの力を有している。世界概念の扱いは通常の概念より扱いが難しく現在のアルでは自身の肉体にのみにしか付与できない。
「良いだろう。我の最大火力を持ってその【不変】事、破壊してやる」
奈落ノ王笏を掲げ、天地創造の前から存在する混沌世界の一つ、無ノ世界を満たす破壊物質【虚無】を収束させ巨大な球体を作り出す。
「貴様が神座の破片であることを恨め。【凶星】!」
黒い球体がアルに迫る。
そして被弾すると思いきや突然アルの目の前で【凶星】が消滅した。
「へ?」と素っ頓狂な声を上げるアルに対しぽんとアルの肩に手をおく煌びやかな鎧騎士がそこに居た。
「ただいま」
そして、アルはその鎧騎士に抱きつく。
「おかえり」
錆びついた門扉越しに涙を流す20代後半の女性。
ソラの元母親である。
なぜ泣いているのか当時の私は分からなかった。ただ、捨てられたのだという事実だけを知らされ誰もその理由を教えてはくれなかった。
故に自己完結として、私は自慢の娘じゃなかったから見捨てられたのだと思う様になった。誰にも認められる様な存在になるべく周りの期待に答え続け、多くの賞をとり、非の打ち所がない完璧な存在としていつか、あの人に認めてもらえる様に努力を続けた。しかし、中学三年の夏、母の訃報を聞かされる。死因はガンだった。捨てられたあの日、もうすでに余命宣告を受けておりその三ヶ月後に亡くなったらしい。
その日院長から母が私宛に残した手紙を受け取る。内容はとてもシンプルなものだった。
『居場所を見つけなさい。そしていつかあなたが誰かの居場所になってあげて。あなたが孤独にならない様に』
情景が切り替わる。
ズルズルと誰かに背負われ引きずられる様な感覚。以前にも見た様な光景が映し出される。
「一緒に帰ろ」
その声は紛れもないアル君のものだった。
「みんなでまた冒険しよう」
その少年は笑顔だった。
もうすでに彼は前を向き歩み進めていた。
「僕が連れてってあげる」
そして意識だけがぐんっと引っ張られ脇腹の痛みがソラを襲う。
周囲は虚無に覆われソラはかろうじて純白の宝玉の効果で消滅を間逃れていた。
しかし、時間の問題である。
ジリジリと肉体の崩壊が始まっている。
「約束しましたからね」
(私は貴方が大人になるまで必ず守り抜きます。ずっと傍にいます。絶対に見捨てたりはしません)
ソラはボードを開き進化先を確認する。
「どれも厳しいですね」
もっと可能性を秘めたインパクトのある何かがなければとウンウン唸る中視界の端で何かが発光した気がした。
そして再び発光する何かを目撃する。
「何なのでしょうか?」
ソラは発光元へ虚無の中を泳ぎ向かい、それを発見した。
見た目は完全なる五芒星で金色に点滅しながら発光している。
恐る恐るそれに触れると爆発したかの様な光の本流が解き放たれる。
『【願い星】が再発動しました。経験値の譲渡に移ります』
次の瞬間膨大な経験値が体内へと流れるのを感じ脳内で声が鳴り響く。
『新たな進化先が一件更新されました』
それはソラが望むカタチだった。
◇◇◇◇◇
「逃げても無駄だ」
アルは傷だらけだった。
しかし、数秒もせずに傷が再生する。
「【不変】の世界概念か.......忌々しい力よ」
世界概念【不変】は文字通り変わらずの力を有している。世界概念の扱いは通常の概念より扱いが難しく現在のアルでは自身の肉体にのみにしか付与できない。
「良いだろう。我の最大火力を持ってその【不変】事、破壊してやる」
奈落ノ王笏を掲げ、天地創造の前から存在する混沌世界の一つ、無ノ世界を満たす破壊物質【虚無】を収束させ巨大な球体を作り出す。
「貴様が神座の破片であることを恨め。【凶星】!」
黒い球体がアルに迫る。
そして被弾すると思いきや突然アルの目の前で【凶星】が消滅した。
「へ?」と素っ頓狂な声を上げるアルに対しぽんとアルの肩に手をおく煌びやかな鎧騎士がそこに居た。
「ただいま」
そして、アルはその鎧騎士に抱きつく。
「おかえり」
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