23 / 25
空を超えし願い星
第二十二話 XX
しおりを挟む
誰かが泣いている。
錆びついた門扉越しに涙を流す20代後半の女性。
ソラの元母親である。
なぜ泣いているのか当時の私は分からなかった。ただ、捨てられたのだという事実だけを知らされ誰もその理由を教えてはくれなかった。
故に自己完結として、私は自慢の娘じゃなかったから見捨てられたのだと思う様になった。誰にも認められる様な存在になるべく周りの期待に答え続け、多くの賞をとり、非の打ち所がない完璧な存在としていつか、あの人に認めてもらえる様に努力を続けた。しかし、中学三年の夏、母の訃報を聞かされる。死因はガンだった。捨てられたあの日、もうすでに余命宣告を受けておりその三ヶ月後に亡くなったらしい。
その日院長から母が私宛に残した手紙を受け取る。内容はとてもシンプルなものだった。
『居場所を見つけなさい。そしていつかあなたが誰かの居場所になってあげて。あなたが孤独にならない様に』
情景が切り替わる。
ズルズルと誰かに背負われ引きずられる様な感覚。以前にも見た様な光景が映し出される。
「一緒に帰ろ」
その声は紛れもないアル君のものだった。
「みんなでまた冒険しよう」
その少年は笑顔だった。
もうすでに彼は前を向き歩み進めていた。
「僕が連れてってあげる」
そして意識だけがぐんっと引っ張られ脇腹の痛みがソラを襲う。
周囲は虚無に覆われソラはかろうじて純白の宝玉の効果で消滅を間逃れていた。
しかし、時間の問題である。
ジリジリと肉体の崩壊が始まっている。
「約束しましたからね」
(私は貴方が大人になるまで必ず守り抜きます。ずっと傍にいます。絶対に見捨てたりはしません)
ソラはボードを開き進化先を確認する。
「どれも厳しいですね」
もっと可能性を秘めたインパクトのある何かがなければとウンウン唸る中視界の端で何かが発光した気がした。
そして再び発光する何かを目撃する。
「何なのでしょうか?」
ソラは発光元へ虚無の中を泳ぎ向かい、それを発見した。
見た目は完全なる五芒星で金色に点滅しながら発光している。
恐る恐るそれに触れると爆発したかの様な光の本流が解き放たれる。
『【願い星】が再発動しました。経験値の譲渡に移ります』
次の瞬間膨大な経験値が体内へと流れるのを感じ脳内で声が鳴り響く。
『新たな進化先が一件更新されました』
それはソラが望むカタチだった。
◇◇◇◇◇
「逃げても無駄だ」
アルは傷だらけだった。
しかし、数秒もせずに傷が再生する。
「【不変】の世界概念か.......忌々しい力よ」
世界概念【不変】は文字通り変わらずの力を有している。世界概念の扱いは通常の概念より扱いが難しく現在のアルでは自身の肉体にのみにしか付与できない。
「良いだろう。我の最大火力を持ってその【不変】事、破壊してやる」
奈落ノ王笏を掲げ、天地創造の前から存在する混沌世界の一つ、無ノ世界を満たす破壊物質【虚無】を収束させ巨大な球体を作り出す。
「貴様が神座の破片であることを恨め。【凶星】!」
黒い球体がアルに迫る。
そして被弾すると思いきや突然アルの目の前で【凶星】が消滅した。
「へ?」と素っ頓狂な声を上げるアルに対しぽんとアルの肩に手をおく煌びやかな鎧騎士がそこに居た。
「ただいま」
そして、アルはその鎧騎士に抱きつく。
「おかえり」
錆びついた門扉越しに涙を流す20代後半の女性。
ソラの元母親である。
なぜ泣いているのか当時の私は分からなかった。ただ、捨てられたのだという事実だけを知らされ誰もその理由を教えてはくれなかった。
故に自己完結として、私は自慢の娘じゃなかったから見捨てられたのだと思う様になった。誰にも認められる様な存在になるべく周りの期待に答え続け、多くの賞をとり、非の打ち所がない完璧な存在としていつか、あの人に認めてもらえる様に努力を続けた。しかし、中学三年の夏、母の訃報を聞かされる。死因はガンだった。捨てられたあの日、もうすでに余命宣告を受けておりその三ヶ月後に亡くなったらしい。
その日院長から母が私宛に残した手紙を受け取る。内容はとてもシンプルなものだった。
『居場所を見つけなさい。そしていつかあなたが誰かの居場所になってあげて。あなたが孤独にならない様に』
情景が切り替わる。
ズルズルと誰かに背負われ引きずられる様な感覚。以前にも見た様な光景が映し出される。
「一緒に帰ろ」
その声は紛れもないアル君のものだった。
「みんなでまた冒険しよう」
その少年は笑顔だった。
もうすでに彼は前を向き歩み進めていた。
「僕が連れてってあげる」
そして意識だけがぐんっと引っ張られ脇腹の痛みがソラを襲う。
周囲は虚無に覆われソラはかろうじて純白の宝玉の効果で消滅を間逃れていた。
しかし、時間の問題である。
ジリジリと肉体の崩壊が始まっている。
「約束しましたからね」
(私は貴方が大人になるまで必ず守り抜きます。ずっと傍にいます。絶対に見捨てたりはしません)
ソラはボードを開き進化先を確認する。
「どれも厳しいですね」
もっと可能性を秘めたインパクトのある何かがなければとウンウン唸る中視界の端で何かが発光した気がした。
そして再び発光する何かを目撃する。
「何なのでしょうか?」
ソラは発光元へ虚無の中を泳ぎ向かい、それを発見した。
見た目は完全なる五芒星で金色に点滅しながら発光している。
恐る恐るそれに触れると爆発したかの様な光の本流が解き放たれる。
『【願い星】が再発動しました。経験値の譲渡に移ります』
次の瞬間膨大な経験値が体内へと流れるのを感じ脳内で声が鳴り響く。
『新たな進化先が一件更新されました』
それはソラが望むカタチだった。
◇◇◇◇◇
「逃げても無駄だ」
アルは傷だらけだった。
しかし、数秒もせずに傷が再生する。
「【不変】の世界概念か.......忌々しい力よ」
世界概念【不変】は文字通り変わらずの力を有している。世界概念の扱いは通常の概念より扱いが難しく現在のアルでは自身の肉体にのみにしか付与できない。
「良いだろう。我の最大火力を持ってその【不変】事、破壊してやる」
奈落ノ王笏を掲げ、天地創造の前から存在する混沌世界の一つ、無ノ世界を満たす破壊物質【虚無】を収束させ巨大な球体を作り出す。
「貴様が神座の破片であることを恨め。【凶星】!」
黒い球体がアルに迫る。
そして被弾すると思いきや突然アルの目の前で【凶星】が消滅した。
「へ?」と素っ頓狂な声を上げるアルに対しぽんとアルの肩に手をおく煌びやかな鎧騎士がそこに居た。
「ただいま」
そして、アルはその鎧騎士に抱きつく。
「おかえり」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる