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マッチョな先輩と恋人同士になった件(サルファールート)
急遽決定! お部屋デートプラスお泊り
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「シュン、何か鳴ってるよ?」
「ホントだ、誰からだろ?」
ライに促されて、ズボンのポケットから端末を取り出す。するとランプが点滅していて、新着のメッセージを知らせていた。
「もしかして、サルファー先輩じゃない?」
「へっ!? い、いや……まさか、そんな……」
ほんの少し、いや、大分期待に胸を高鳴らせながら端末を開く。表示された文面に目を走らせていく。
「…………」
「シュン? 大丈夫?」
「せ、せせせ先ぱ、先輩が……」
「お、おおお落ち着いて、シュンっ! 深呼吸、深呼吸だよっ!」
慌てて俺の元へと駆け寄ってきたライが、俺の背中を撫でてくれる。吸って、吐いて、と促されるままに呼吸を繰り返していると、少し気持ちが落ち着いてきた。
ライが安心したように小さく息を吐いて、表情を和らげる。
「……それで? ゆっくりでいいからね?」
「……サルファー先輩……い、今から俺の部屋に来てくれるって……今夜、泊まってもいいかって……」
メッセージ欄に表示されていたのは、好きな人からの夢のようなお誘いだった。
『突然済まない』とか『君に不快な思いをさせたくないから、嫌なら遠慮なく断ってくれて構わない』とか、端々に俺への気遣いがあふれている。
けれども『どうしても、今、君に会いたいんだ』と『部屋に行っても……今晩、泊まってもいいだろうか?』と情熱的な言葉ばかりが並んでいて、顔から火が出そうなくらい熱くなってしまう。だらしなく、にやけてしまうのを抑えられない。
すっかりフヌケになっていた口元を、慌てて押さえた俺にの端末をライが確認する。満面の笑みで手を伸ばしてきた彼と、ハイタッチした。
「貴様……一体、誰に何を送ったんだ?」
「シュンちゃんに、今から部屋に行って泊まってもいいかって」
「なっ、何をやってるんだ!? 貴様っ!」
突然の訪問だけでも迷惑だろうに、図々しくも泊まらせてくれなんて!
絶対に嫌われるに決まっている……早く謝らなければ……
ソルから端末を奪おうと手を伸ばすも、軽やかに避けられてしまった。俺の手は、何も掴めずにむなしく空を切る。
「こーでもしないと永遠にウジウジしてるでしょ? ほら返信来たよ、待ってますってやったじゃん」
「なん、だと……き、嫌われてないのか? いきなり何なんですか? とか、不審がられたりは……」
「ちゃんとフォロー入れてるに決まってんじゃん。それに、俺の勘だとシュンちゃんだいぶサルフに甘いから、真摯にお願いすれば大丈夫だと思うよ」
実際に送った文面を見せてくれながら、ソルは色々と話してくれていたが、ほとんど耳に入らなかった。
親友の尽力によって確定したイベント。恋人とのお部屋デートプラスお泊りという、心躍るイベントに、すっかり舞い上がってしまっていたからだ。
……今晩、シュンと、二人きり……だと?
以前の彼は、俺のことをそういう意味で意識していなかったが、今はれっきとした恋人だ。
そんな俺を一晩泊めるということは、つまりはそういうことを、向こうも期待してくれていると思っていいんだよな? いやしかし……
「サルフ、大丈夫? 顔、真っ赤だけど」
「ソル……お、俺は、一体どうしたらいいんだ?」
気がつけば俺は、縋るように親友の腕を掴んでしまっていた。
ソルは目をぱちくりさせながらも、俺の手を振り払うことはしなかった。黙って、目線だけで続きを促してくる。
「付き合う前は、大丈夫だったんだ。だか、恋人同士になれてからは、シュンの反応が可愛すぎて頭が真っ白になるんだ。触れるのも、キスするのも勇気を出してやっとなのに、一晩一緒にいるなんて」
大切にしたいのに、もし我慢出来ずに彼を傷付けてしまったら……俺は自分を許せそうにない。
だが、手を出さない自信はない。昨日、彼が少し席を立とうとしただけであのザマだ。側に居て欲しいと手を伸ばしてしまっていた。
キスだって、そうだ。彼が受け入れてくれたから、好感触だったから良かったものの、随分と強引だった気がする。なのに……
「つったく、今度はノロケかよ……はい、はい、ご馳走さまでしたー」
「べ、別に惚気てなんか……」
俺が口ごもるとソルは肩をすくめながらため息を吐いた。
「あのさ、いつまでそうやって、ずーっともだもだやってるわけ? 次のステップに進みたいんじゃないの?」
「それは、そうだが……」
「そもそも、オッケーしてくれたってことはさ、シュンちゃんも期待してくれてるってことでしょ? だったら、リードしてあげるのが年上の役目じゃないの?」
確かにソルの言う通りだ、俺がしっかりしなければ。
「すまん、ソル、シュンの為に俺がどうしたらいいか教えてくれないか?」
覚悟を決めた俺を見て、ソルは「しょうがないなー……この剣術馬鹿は」と微笑んだ。
「ホントだ、誰からだろ?」
ライに促されて、ズボンのポケットから端末を取り出す。するとランプが点滅していて、新着のメッセージを知らせていた。
「もしかして、サルファー先輩じゃない?」
「へっ!? い、いや……まさか、そんな……」
ほんの少し、いや、大分期待に胸を高鳴らせながら端末を開く。表示された文面に目を走らせていく。
「…………」
「シュン? 大丈夫?」
「せ、せせせ先ぱ、先輩が……」
「お、おおお落ち着いて、シュンっ! 深呼吸、深呼吸だよっ!」
慌てて俺の元へと駆け寄ってきたライが、俺の背中を撫でてくれる。吸って、吐いて、と促されるままに呼吸を繰り返していると、少し気持ちが落ち着いてきた。
ライが安心したように小さく息を吐いて、表情を和らげる。
「……それで? ゆっくりでいいからね?」
「……サルファー先輩……い、今から俺の部屋に来てくれるって……今夜、泊まってもいいかって……」
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『突然済まない』とか『君に不快な思いをさせたくないから、嫌なら遠慮なく断ってくれて構わない』とか、端々に俺への気遣いがあふれている。
けれども『どうしても、今、君に会いたいんだ』と『部屋に行っても……今晩、泊まってもいいだろうか?』と情熱的な言葉ばかりが並んでいて、顔から火が出そうなくらい熱くなってしまう。だらしなく、にやけてしまうのを抑えられない。
すっかりフヌケになっていた口元を、慌てて押さえた俺にの端末をライが確認する。満面の笑みで手を伸ばしてきた彼と、ハイタッチした。
「貴様……一体、誰に何を送ったんだ?」
「シュンちゃんに、今から部屋に行って泊まってもいいかって」
「なっ、何をやってるんだ!? 貴様っ!」
突然の訪問だけでも迷惑だろうに、図々しくも泊まらせてくれなんて!
絶対に嫌われるに決まっている……早く謝らなければ……
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「こーでもしないと永遠にウジウジしてるでしょ? ほら返信来たよ、待ってますってやったじゃん」
「なん、だと……き、嫌われてないのか? いきなり何なんですか? とか、不審がられたりは……」
「ちゃんとフォロー入れてるに決まってんじゃん。それに、俺の勘だとシュンちゃんだいぶサルフに甘いから、真摯にお願いすれば大丈夫だと思うよ」
実際に送った文面を見せてくれながら、ソルは色々と話してくれていたが、ほとんど耳に入らなかった。
親友の尽力によって確定したイベント。恋人とのお部屋デートプラスお泊りという、心躍るイベントに、すっかり舞い上がってしまっていたからだ。
……今晩、シュンと、二人きり……だと?
以前の彼は、俺のことをそういう意味で意識していなかったが、今はれっきとした恋人だ。
そんな俺を一晩泊めるということは、つまりはそういうことを、向こうも期待してくれていると思っていいんだよな? いやしかし……
「サルフ、大丈夫? 顔、真っ赤だけど」
「ソル……お、俺は、一体どうしたらいいんだ?」
気がつけば俺は、縋るように親友の腕を掴んでしまっていた。
ソルは目をぱちくりさせながらも、俺の手を振り払うことはしなかった。黙って、目線だけで続きを促してくる。
「付き合う前は、大丈夫だったんだ。だか、恋人同士になれてからは、シュンの反応が可愛すぎて頭が真っ白になるんだ。触れるのも、キスするのも勇気を出してやっとなのに、一晩一緒にいるなんて」
大切にしたいのに、もし我慢出来ずに彼を傷付けてしまったら……俺は自分を許せそうにない。
だが、手を出さない自信はない。昨日、彼が少し席を立とうとしただけであのザマだ。側に居て欲しいと手を伸ばしてしまっていた。
キスだって、そうだ。彼が受け入れてくれたから、好感触だったから良かったものの、随分と強引だった気がする。なのに……
「つったく、今度はノロケかよ……はい、はい、ご馳走さまでしたー」
「べ、別に惚気てなんか……」
俺が口ごもるとソルは肩をすくめながらため息を吐いた。
「あのさ、いつまでそうやって、ずーっともだもだやってるわけ? 次のステップに進みたいんじゃないの?」
「それは、そうだが……」
「そもそも、オッケーしてくれたってことはさ、シュンちゃんも期待してくれてるってことでしょ? だったら、リードしてあげるのが年上の役目じゃないの?」
確かにソルの言う通りだ、俺がしっかりしなければ。
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