気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件～恋人ルート～

細マッチョな先輩と恋人同士になった件（ソレイユルート）

★ だから、思わずあふれてしまったのかもしれない

　伝えようと、お返ししようと俺からも口づければ、倍返しにされてしまった。巧みで優しい口づけに、ますます夢中にされてしまった。

「ふ、ん……ん、んぅ……」

　触れ合う俺達の間で鳴り続けている、はしたない水音。お互いの境が分からなくなるような深いキスの合間に、微かな笑みが混じった。

　積極的な俺の行動に、まだ余裕があると判断されたんだろう。絡め取られていた舌を軽く吸ってから、ソレイユは再び俺に触れてくれた。

「ひぅっ……ん、は、ぁ……」

　また勃ってしまっているというか、ずっと勃ちっぱなしになってしまっているというか。兎にも角にも昂っている俺の竿を、その硬さを確認するかのようにソレイユは軽く握ってから離してしまう。

　つい見つめてしまうと微笑まれた。大丈夫だと、これからだと言わんばかりに。

　実際、そうだった。柔らかだけれでも何か企んでいそうな悪戯な微笑みの通り、先走りやら何やらで濡れている亀頭を手のひらで覆われてしまった。

　思わず腰を浮かせてしまっていた俺の反応をよそに、手のひら全体を使って撫で回してくれ始める。まるで、愛おしい物にでも触れているかのような手つきだった。

「い、ぁっ……そ、そこ……あ、あっ……」

　ソレイユの大きな手のひらが動く度に、腰全体に甘い感覚が広がっていくような。刺激的だけれどもずっと浸っていたくなる快感にますます頭の中が蕩けていったからだろうか。開きっぱなしの口から素直な気持ちが漏れていた。

「うん、気持ちいいね？　だって、シュン、好きだもんね？　先っぽ、よしよし撫でられるの……」

「あっ、んぁ……あ、ぅあ……っ」

　喜びに満ちた声にも応えたかった。けれども俺の口は早くも役立たずになってしまっていた。

　もう、上手く言葉が出てこない。それどころか、またあの感覚が。抗いがたい感覚が下腹部の辺りから込み上げてきて。

「あ、あっ……んぅ……ッ」

　また俺は、ソレイユの優しい手のひらを盛大に汚してしまったってのに、力なく広げていた足を藻掻くように震わせてしまっていたってのに。

「ああ……ほら、いっぱい出てきたよ？　またトロトロに濡らしちゃったね……」

　やっぱりソレイユは嬉しそうに喜んでくれている。熱くなっている目の前は生理的な涙で滲んでしまっていて肝心な表情はボヤケてしまっているけれども、その明るい声色だけで分かってしまう。

　だから、思わずあふれてしまったのかもしれない。

「はっ、は……ん、好き…………ソ、レイユ……好き……」

　何となく驚いているのかなって、空気で分かった。少しだけ間が空いてから、ソレイユが近づいてきてくれた。

「……オレも好きだよ、シュン……愛してる……」

　キスの後に触れた吐息が僅かに震えていた。

「……ねぇ、シュン、そろそろ挿れてみてもいいかな？」

　さっきまでの嬉しそうで余裕に満ちていた声が、今は不思議と大人しくなってしまっている。やっぱりソレイユでも緊張しているんだろうか。

「……うん……して、欲し……お願い、ソレイユ……」

「……ありがとう、シュン」

　お礼を言うのは俺の方なのに。

　ソレイユはもう一度口づけてくれてから俺の尻穴に指先を軽く押し当てた。いつもの速度に落ち着きかけていた鼓動が、勝手に一気に駆け足になってしまう。

「そのまま力抜いていてね……ゆっくり呼吸していて？」

「うん……」

　言われた通りに俺は、呼吸だけに意識を集中させることにした。でないと、充てがわれている指の温もりに少しでも意識してしまうと、身体が石のように硬くなってしまいそうな気がしたんだ。