気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件~恋人ルート~

白井のわ

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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)

シュン、オレにメロメロになっちゃうでしょ?

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 ソレイユが困ったように細い眉を下げたまま微笑んでいる。申し訳なさ半分、嬉しさ半分ってところだろうか。

「そっか……ゴメンね、我慢させちゃってたみたいで」

「ううん、ソレイユは悪くないよ……俺が勝手に期待して」

「いや、オレも最初はそのつもりだったからさ」

 じゃあ、何で?

 声に出てはいなくても顔には出てしまっていたんだろう。ソレイユは擽ったそうに小さな笑みをこぼしながら、理由を話してくれた。

「そろそろ、シュンもオレに触りたいかなって」

 大きな手がおもむろに俺の手を取る。手のひらで触れるような形で引き寄せられた先にあったのは、白くてきめ細やかな素肌とキレイに盛り上がった胸板だった。

 されるがままに触れてしまった肌はしっとりと汗ばんでいて、手のひらに吸い付くような弾力がある。

「っ……」

 触れさせてもらえてしまっただけでも、触れた先から静電気でも流れたかのように身体をビクつかせてしまったのだ。

 だというのに、ソレイユは悪戯っぽく微笑んだまま。それどころか、揉むように促すように俺の手のひらを動かそうとする。彼の好き勝手に操られてしまっている手のひらが、薄っすらと谷間が出来ている雄っぱいを下から掬い上げるように触らせてくれて。

「そうしてもらうんだったらさ、今オレがシュンのこと可愛がっちゃうと……シュン、オレにメロメロになっちゃうでしょ?」

 柔らかな筋肉を堪能させてもらえている間も、ソレイユはなんてことないように話していた。明るい調子であっけらかんと。

「そ、それは……」

 珍しく俺の意識は手のひらが触れさせてもらえている魅力的な感触よりも、思考の方を有線していた。頭の中にソレイユに触ってもらえている自分の姿が思い起こされていく。

 その姿は自分のことながら情けないというか。常に心も身体もふにゃっふにゃになるほどに満足させられてしまっているどころか、心地よ過ぎて途中で意識を手放してしまうほど。

 とてもじゃないが、あの腑抜け状態からソレイユに喜んでもらおうと、気持ちよくなってもらおうと奮起することが出来るとは思えない。

 確かに一度でも触ってもらえちゃったら、ソレイユのことしか……ソレイユに可愛がってもらうことしか考えられなくなっちゃうな。

「そう、だね……ソレイユの言う通り……ソレイユにいっぱい触ってもらって欲しくなっちゃう……」

 何やら俺とは違う駆け足な鼓動が伝わってくる。手のひらからだった。平然と俺の手を操っていた手は気がつけば止まっていた。ソレイユが俯いてしまっている。

「ソレイユ……?」

「素直過ぎっ! 可愛い! 大好き!!」

 弾かれるように上げた彼の顔は赤い。浴室に響く声は明らかに不機嫌そうだった。でも叫んでいることは真逆も真逆。俺にとっては両手を上げて喜びたくなる言葉ばかりだった。

「……? あり、がと……俺も、大好きだよ……」

 何故機嫌を損ねてしまったのかは分からない。けれども、叫んでくれた好きを返したくて少しでも言葉に乗せれば、ソレイユは拗ねたように唇を尖らせた。

「そこはっ、ツッコむところでしょ……そんなことありませんよ、とかさぁ……」

「ご、ごめんなさい……でも、その通りだなって……ソレイユに、か、可愛がってもらえると、俺……ソレイユで、いっぱいになっちゃうから……」

「お、教えるね! 泡立ての仕方っ」

「え……う、うん?」

 唐突にソレイユは俺の手を離し、ボディーソープのをプッシュしようとした。ヘッド部分が濡れていて滑ったのか何度か出し損ねていたものの、手にした液体を手のひら同士を擦り合わせたり、時折水を加えながら実演してくれる。

「どう? 分かった?」

「うん……」

 やり方は大体分かったが、だから何だと。

「よしっ、じゃあどうぞ!」

「へ……?」

 出来上がった泡を俺の手に塗りつけるように手渡したかと思えば、ソレイユは俺を歓迎してくれるかのように長く引き締まった両腕を広げて見せた。タイルの上に跪いたまま。
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