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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
今、してもらっちゃうとダメになっちゃう
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急な展開に困惑してしまっている間にも、ソレイユは俺の手を優しく引きながら、腰を抱き支えてくれながらベンチから立ち上がらせてきた。どうやら俺に拒否権はないらしい。
ぐるりと周囲を見渡して、人が居ないことを確認してから耳元で囁いてくる。
「……オレがシたくなっちゃった。今すぐにでも、シュンをベッドで思いっきり可愛がりたい」
いつもより低い声以上に告げられた言葉が俺の背筋に淡い感覚を走らせた。
「っ、え……」
「ゴメンね」
謝らなくていいのに。俺だって、もう期待してたのに。
「そっ、んな……いい、よ? 俺も……ソレイユに、触って欲しくなっちゃってたから……」
眉間に寄せられていたシワが消えていく。申し訳なさそうに歪んでいた表情が和らいだ。代わりに真っ直ぐに俺を見つめてくれているオレンジの瞳が焦がれるような熱を孕んで。
「シュン……」
切羽詰まったような声で俺の名を紡いだ唇が近づいてきてくれる。いきなり時が遅くなってしまったかのように感じると同時に、心音が踊るように高鳴っていく。全身に響いてしまう。
……嬉しい。嬉しいんだけれども、これ以上は。
「あ……ごめっ……」
心の底から込み上げてきていた強い欲求を、どうにか振り切ることが出来ていた。
「今、してもらっちゃうとダメになっちゃう……ここでも良いかなって……思いそうになっちゃうから……」
ソレイユに誤解されてしまわないように、思っていることを全部伝えることが出来ていた。
俺の言葉を受けてか、ソレイユの身体が大げさなくらいにビクリと震えた。
「んぐっ……」
吐息が触れてしまう寸前で止まってくれた唇が、複雑そうに歪んでいく。眉間にシワが刻まれていく。
「分か、った……」
絞り出すように答えたソレイユの手は震えてるように見えた。俺の身体を抱き締めようとしてくれていた形のままで。
時間に追い立てられるように俺達は帰路を目指していた。
俺が断ってしまった後、ソレイユは大きく深呼吸をしてから再び俺の手を握ってきてくれた。絶対に離しやしないっていう意志が伝わってくるくらいにしっかりと。
行こう、と短く呼びかけてきたのを最後にソレイユは口を閉ざしてしまった。俺も、はい、とだけしか答えられなかった。彼に手を引かれるがままついて行くしか。
バイクは行きと同じで安全運転だった。少し前のやり取りなんて夢だったんじゃと思ってしまうくらいに、ソレイユはごく普通に運転してくれていた。でも、一度ついてしまった熱は冷めることがなかった。どれだけ気持ちのいい風を全身で感じることが出来ても、全く、全然。
……ソレイユも俺と同じだったんだろうか。
ソレイユの寮に、そこの駐車場にバイクを停めてから、ソレイユは一度自室へと戻っていくハズだった。行きの時はヘルメットやらグローブやらを自室へと取りに行っていたから。だから、てっきり返しに行くものだと。
けれどもそんな時間すら惜しんでくれているのか、ソレイユは二人分のヘルメットを引っ掴んだまま俺の寮へと向かい始めてしまった。やっぱり俺は、彼について行くしかなかった。
俺の寮は、ソレイユの寮と大して離れていない。すぐに扉の前まで来てしまっていた。まだソレイユに合鍵は渡せてはいない。だから、俺が鍵を開けた。扉を開いて彼を招き入れた。
背後で閉まった扉の音が、妙に大きく聞こえた。鍵がかけられたと分かった金属音も。
ぼうっと突っ立ってしまっていると後ろから素早く抱き締められた。伝わってくる体温が熱い。鼓動も早い。
ぐるりと周囲を見渡して、人が居ないことを確認してから耳元で囁いてくる。
「……オレがシたくなっちゃった。今すぐにでも、シュンをベッドで思いっきり可愛がりたい」
いつもより低い声以上に告げられた言葉が俺の背筋に淡い感覚を走らせた。
「っ、え……」
「ゴメンね」
謝らなくていいのに。俺だって、もう期待してたのに。
「そっ、んな……いい、よ? 俺も……ソレイユに、触って欲しくなっちゃってたから……」
眉間に寄せられていたシワが消えていく。申し訳なさそうに歪んでいた表情が和らいだ。代わりに真っ直ぐに俺を見つめてくれているオレンジの瞳が焦がれるような熱を孕んで。
「シュン……」
切羽詰まったような声で俺の名を紡いだ唇が近づいてきてくれる。いきなり時が遅くなってしまったかのように感じると同時に、心音が踊るように高鳴っていく。全身に響いてしまう。
……嬉しい。嬉しいんだけれども、これ以上は。
「あ……ごめっ……」
心の底から込み上げてきていた強い欲求を、どうにか振り切ることが出来ていた。
「今、してもらっちゃうとダメになっちゃう……ここでも良いかなって……思いそうになっちゃうから……」
ソレイユに誤解されてしまわないように、思っていることを全部伝えることが出来ていた。
俺の言葉を受けてか、ソレイユの身体が大げさなくらいにビクリと震えた。
「んぐっ……」
吐息が触れてしまう寸前で止まってくれた唇が、複雑そうに歪んでいく。眉間にシワが刻まれていく。
「分か、った……」
絞り出すように答えたソレイユの手は震えてるように見えた。俺の身体を抱き締めようとしてくれていた形のままで。
時間に追い立てられるように俺達は帰路を目指していた。
俺が断ってしまった後、ソレイユは大きく深呼吸をしてから再び俺の手を握ってきてくれた。絶対に離しやしないっていう意志が伝わってくるくらいにしっかりと。
行こう、と短く呼びかけてきたのを最後にソレイユは口を閉ざしてしまった。俺も、はい、とだけしか答えられなかった。彼に手を引かれるがままついて行くしか。
バイクは行きと同じで安全運転だった。少し前のやり取りなんて夢だったんじゃと思ってしまうくらいに、ソレイユはごく普通に運転してくれていた。でも、一度ついてしまった熱は冷めることがなかった。どれだけ気持ちのいい風を全身で感じることが出来ても、全く、全然。
……ソレイユも俺と同じだったんだろうか。
ソレイユの寮に、そこの駐車場にバイクを停めてから、ソレイユは一度自室へと戻っていくハズだった。行きの時はヘルメットやらグローブやらを自室へと取りに行っていたから。だから、てっきり返しに行くものだと。
けれどもそんな時間すら惜しんでくれているのか、ソレイユは二人分のヘルメットを引っ掴んだまま俺の寮へと向かい始めてしまった。やっぱり俺は、彼について行くしかなかった。
俺の寮は、ソレイユの寮と大して離れていない。すぐに扉の前まで来てしまっていた。まだソレイユに合鍵は渡せてはいない。だから、俺が鍵を開けた。扉を開いて彼を招き入れた。
背後で閉まった扉の音が、妙に大きく聞こえた。鍵がかけられたと分かった金属音も。
ぼうっと突っ立ってしまっていると後ろから素早く抱き締められた。伝わってくる体温が熱い。鼓動も早い。
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