気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件~恋人ルート~

白井のわ

文字の大きさ
555 / 645
細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)

★ 初めてじゃない、でも、おかしい

しおりを挟む
 ソレイユに倣って先ずはズボン越しに触れるべきだろう。でも、俺は強請ってしまっていた。

 オレンジの瞳が俺を見下ろしている。最初は戸惑っているように見えた。けれどもすぐに微笑んでくれた。頭を優しく撫でてもらえて。

「いいよ……ほら……」

 男らしくもキレイな手が、しなやかな指がズボンのウエストゴムにかかる。いや、パンツも一緒だったみたいだ。ゆっくりと前へと引っ張ってくれたことで出来た隙間。見えてはいないのに魅力的にしか見えないそこへと俺は手を差し入れていた。

 どこか生々しく思える温かさ。優しい手のひらよりも熱い温度を感じたのと同時だった。微笑む唇から悩ましげな吐息が漏れたのは。

「ん……」

 自然と喉が鳴ってしまっていた。食い入るように見つめてしまっていた。俺を見下ろす中性的な整った顔は、何かを堪えているような。少し歪んでしまっているのに、何だか胸の辺りがそわそわしてしまう。

 もっとさっきみたいな声が聞きたい。

 込み上げてきた欲は、俺の手つきを大胆にしていた。手探りでもすぐに見つけることができた太くて長い竿。まだほとんど反応を示していない柔らかな熱をそっと手のひらで握り込む。

「は、ぁ……」

 また聞くことが出来た艶のある吐息。褒めてくれているように頭を撫でてくれる大きな手のひら。それらに背中を押されるように、握っている熱を優しく撫でていく。根元から先端の方へと向かって、そっと。ソレイユの表情を窺いながら。

 視線を感じたのか、伏せられていた瞳がこちらを見つめてきた。優しく微笑んでくれた。

「ん……大丈夫……気持ちいいよ……」

「っ……」

 一番欲しい言葉だった。一番聞きたかった言葉だった。

 鼓動が大きく跳ねたどころじゃない。背筋に淡い感覚が走ってしまっていた。腰の辺りから頭の天辺に向かってぞくぞくと。

 何とも言えないこの心地は初めてじゃない。

 でも、おかしい。だって、ソレイユに触ってもらえていない。今は俺が触っているのに。

「シュン……?」

「あ……」

 つい手を止めてしまっていたようだ。ソレイユが心配そうに見つめている。甘やかすように頭の後ろを撫でてくれてから、髪を優しく梳いてくれる。

「大、丈夫……大丈夫だから……」

 この言い方自体が大丈夫じゃないかもしれない。そう思われちゃってもおかしくない。察しのいいソレイユが相手なら尚更。

 けれども、ソレイユは俺の言葉をそのまま受け取ることにしてくれたらしい。

「ん……分かった……シュンのペースで触ってくれていいからね」

 優しく微笑みかけてもらえて、入りかけていた肩の力が抜けていく。

「ありがとう……」

 改めて俺は触れ始めた。まだ緩い反応しか示していない竿の形を確認するように指でなぞってみた。何度触れてみても逞しいと思ってしまう、惚れ惚れしてしまう太さ。大きく張り出したカリ首。

 大きな亀頭には……流石に触るのはまだ早い気がする。カリ首までで止めてから、また根元へと指を這わせていく。下まで行けばまた上へ。そしてまた下への繰り返し。

 何の技巧もない単調な触り方。でも、俺はこれしか知らない。ゆるゆると続けていると、少しずつ指先に触れている熱が硬さを増してき始めたような。

「ソレイユ……」

 そっと見上げれば、かち合ったのは熱のこもった眼差し。もっとと期待してくれているような眼差しに、また胸の鼓動が煩くなってしまった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

ビッチです!誤解しないでください!

モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃 「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」 「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」 「大丈夫か?あんな噂気にするな」 「晃ほど清純な男はいないというのに」 「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」 噂じゃなくて事実ですけど!!!?? 俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生…… 魔性の男で申し訳ない笑 めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!

転生したらBLゲームのホスト教師だったのでオネエ様になろうと思う

ラットピア
BL
毎日BLゲームだけが生き甲斐の社畜系腐男子凛時(りんじ)は会社(まっくろ♡)からの帰り、信号を渡る子供に突っ込んでいくトラックから子供を守るため飛び出し、トラックに衝突され、最近ハマっているBLゲームを全クリできていないことを悔やみながら目を閉じる。 次に目を覚ますとハマっていたBLゲームの攻略最低難易度のホスト教員籠目 暁(かごめ あかつき)になっていた。BLは見る派で自分がなる気はない凛時は何をとち狂ったのかオネエになることを決めた オチ決定しました〜☺️ ※印はR18です(際どいやつもつけてます) 毎日20時更新 三十話超えたら長編に移行します メインストーリー開始時 暁→28歳 教員6年目 凛時転生時 暁→19歳 大学1年生(入学当日) 訂正箇所見つけ次第訂正してます。間違い探しみたいに探してみてね⭐︎ 11/24 大変際どかったためR18に移行しました 12/3 書記くんのお名前変更しました。今は戌亥 修馬(いぬい しゅうま)くんです

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。 続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』 かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、 転生した高校時代を経て、無事に大学生になった―― 恋人である藤崎颯斗と共に。 だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。 「付き合ってるけど、誰にも言っていない」 その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。 モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、 そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。 甘えたくても甘えられない―― そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。 過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。 今度こそ、言葉にする。 「好きだよ」って、ちゃんと。

先輩たちの心の声に翻弄されています!

七瀬
BL
人と関わるのが少し苦手な高校1年生・綾瀬遙真(あやせとうま)。 ある日、食堂へ向かう人混みの中で先輩にぶつかった瞬間──彼は「触れた相手の心の声」が聞こえるようになった。 最初に声を拾ってしまったのは、対照的な二人の先輩。 乱暴そうな俺様ヤンキー・不破春樹(ふわはるき)と、爽やかで優しい王子様・橘司(たちばなつかさ)。 見せる顔と心の声の落差に戸惑う遙真。けれど、彼らはなぜか遙真に強い関心を示しはじめる。 **** 三作目の投稿になります。三角関係の学園BLですが、なるべくみんなを幸せにして終わりますのでご安心ください。 ご感想・ご指摘など気軽にコメントいただけると嬉しいです‼️

お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!

MEIKO
BL
 本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。  僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!  「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」  知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!  だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?  ※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。

処理中です...