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キスもまだなのに、いきなりエッチなのはいけないと思います!
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少し冷めて余計に飲みやすくなった紅茶を味わっていた俺に、バアルさんがクッキーを勧めてくれる。
真ん中にアーモンドをあしらったものを早速頂く。サクサクとした食感と、ほどよい甘さが堪らない。頬が自然とだらしなくなっていたんだろうか。またクスクスと笑われてしまった。
「お気に召されたようで私も嬉しいです。次はこちらはいかがですか?」
次に勧められたのは、赤いジャムのようなものが乗った花形のクッキー。可愛らしくもキレイな一枚が、彼の手によって俺の口元に運ばれる。
さっきよりも甘めだけど、これはこれで美味しいな。風味からして、赤いのはイチゴのジャムだったのか。
「これも美味しいですね」
「ふふ、そうですか……では、こちらも是非」
今度はフォークに刺さった一口サイズのケーキが近づいてくる。見た目からしてチョコレートかな? 茶色いし。
あんまりケーキに詳しくないから、種類とかはよく分かんないけどさ。
口に含むと広がるほろ苦さに、さっきのジャムの甘ったるさがいい感じに打ち消されて、さっぱりする。
「あ、美味しいです。こっちのが好きかも」
「成る程、アオイ様は甘さが控えめの方を好まれるのですね。では、こちらは……」
「えっと……バアルさん?」
続けてサンドイッチに手を伸ばそうとしていた彼を呼び止める。不思議そうに首を傾げ、手をそっと握られた。
「なんでしょう?」
「別に、俺、一人で食べられるんですけど……」
なんかあまりにも自然に餌付けされてたから、されるがままになってたけど。
これ……また俺、子供扱いされてない? なんでもかんでも食べさせられるってさ……
「すみません……雛のように無防備に口を開ける貴方様が可愛らしくて、つい」
眉を下げ、ほんのり頬を染めて微笑む彼に、喜んでくれるんだったら別にいいかも……とうっかり絆されそうになってしまう。
いやいや、仮にもほんの少し前に子供扱いしないって約束してくれたんだからさ。
「……一人の男として、扱ってくれるんじゃなかったんですか?」
これくらい、一言くらいは言ってもいいだろうと不満をこぼしただけなのに。
「おや……私としては愛情表現の一環として行っていたつもりだったのですが……」
思いもよらない爆弾を、何の気もなしに投げつけられてしまった。
あ、愛情って…………え? 恋人同士がやる感覚で、やってたってこと?
いやいや、でも親が子供にするのも愛情っちゃ愛情だよな? だよね?
「勘違いさせてしまってすみません。今後は、もっと分かりやすい方法で示しますね」
言葉の真意を飲み込めず、パニックになりかけている俺に畳み掛けているようだ。握った手の甲に口づけてから、ふわりとバアルさんが微笑む。
「あ……は、い? お願い……します」
「ふふ、畏まりました」
なんだか、よく分からない内に、とんでもないことを頼んでしまったような気がするんだが。
かといって、何故か嬉しそうにしている彼に対して、断りを入れる気なんてさらさら起きなくて。
「あー……ところで、その生命力をどうにかしてる間って、俺は何処で待ってたらいいんですかね?」
取りあえずはこの、変にそわそわして落ち着かない空気をなんとかしようと、あからさまに話題を変えてしまった。
「少し手狭で申し訳ないのですが、この部屋をお好きに使って下さい」
眉間にうっすらと皺を寄せたまま、腕を広げた彼が示すのは、俺にとって勿体無いほど立派なこの場所。
流石に、最初に俺が居たようなところに放り出されるようなことはないだろう、と確信はしていた。けれども、思っていた以上の好待遇に、なんだか申し訳なくなってしまう。
「城内も自由に散策してくれて構いません。ただ、外は非常に危険ですので……」
「はいっ、勿論出ません! なんなら、ずっとここで大人しくしています!」
あんな思い出しただけでも身の毛がよだつ場所になんか、頼まれたって行きたくないわ! 二度と!
そもそも、ここ地獄でしょ? バアルさんみたいに優しい人ばっかりだったらいいけどさ……
ここで一人で待ってるだけでも心細いってのに、どんな人が居るか分からないようなところを、うろうろする勇気なんて俺にはないよ……
「そうですか? まぁ、それはそれで貴方様と二人きりで、のんびり過ごすのも悪くないですね」
ぱちぱちとしばたたかせていた瞳をゆるりと細めた彼が、俺の手を優しく撫でる。
ぽかんと口を開けたまま見つめていた俺と目が合うと、穏やかな笑みが深くなった。
「へ? 二人きりって……もしかしてバアルさん、俺と一緒に居てくれるんですか?」
「ええ、貴方様のお世話を任されていますので……お嫌でしたか?」
「いえ、全っ然! むしろすっごい嬉しいというか、心強いというか……」
俺にとってバアルさんは、今や、唯一の心の拠り所と化していた。そんな彼が、側に居てくれるという安心感に思わず抱きつきたくなってしまう。
込み上げてきて衝動を、必死に抑えたせいだ。ぎゅうぎゅうと大きな手を両手で握り締めてしまっていた。
そのせいだ。クスクス笑われてしまっただけじゃない。また、彼に気を遣わせてしまった「私もとても嬉しいですよ」と。
「食事は勿論のことですが、必要な物がありましたら直ぐに揃えますので、遠慮せずに仰って下さいね」
「……なんだかホント、至れり尽くせりって感じですね」
お茶菓子ってだけでも、こんなに豪華で美味しいのに……このレベルの食事を、三食食べられるんだもんなぁ。
しかも広い部屋にフカフカのベッドに……バアルさんと二人きり……
ん? なんで俺、すごいドキドキしてるんだろう?
彼は確かに素敵な人だけれども……いわゆるイケオジに分類されるであろう、整った顔をしているしさ。
でも、俺にとってはあくまでも、ホッとするような存在であって、そんな意識しちゃうような感じじゃ……あれ?
いつまでたっても収まらない、不思議な胸の高鳴りに首をひねっていると、彼の口から魅力的な提案をされる。
「これくらいは当然のことですから。もし貴方様が此方での暮らしを気に入って下さったならば、そのまま好きなだけ居てくださっても構いませんよ?」
生まれ変わることも、天国に行くこともなく、好きなだけ、ここに……
「はは……そうしたらバアルさん、ずっと俺の側に居てくれます?」
自分が思っていた以上に、心が疲れてしまっていたんだと思う。
胸にぽっかりと穴が空いたような寂しさに堪えられず、気を抜けばまた泣き出してしまいそうな俺に、ずっと親切に優しく接してくれた彼に。
すがるような、甘えるような言葉をうっかり漏らしてしまう程度には。
「なーんて……冗談ですよ、冗だ……」
「構いませんよ」
大きく見開いた緑色に、慌てて誤魔化そうとすると突然、目の前で跪いた彼に恭しく手を取られる。
「貴方様が望むのならば……私と夫婦の契りを交わしましょうか?」
「めおっ?!」
真っ直ぐに見つめる眼差しに射抜かれ、手のひらにそっと寄せられた唇に釘付けになってしまう。
唐突な告白に、オウム返しすらまともに出来ない。ただ、変な叫びを上げただけになっている俺を映し続ける緑色が、少し前のようにまた熱を帯びていく。そうして、とても嬉しそうにゆるりと細められた。
「ご心配なさらずともこの老骨、それなりの経験は持ち合わせております。故に、貴方様を悦ばせる手腕はあると、自負しておりますが……」
長い指がするりと絡んだ。俺の手の感触を楽しむかのように、握っては緩めを繰り返す。
ただそれだけの動作なのに。喉の奥がきゅっとなって、声が勝手に震えてしまう。
「よ……よろこばせるって……俺、男ですし……その……」
「大丈夫です。そちらのツボも押さえていますので……貴方様さえよろしければ、あちらで少し試してみますか?」
ニコリと微笑んでから向けられた彼の視線を追う。そこには、部屋の奥に鎮座している大きなベッドがあった。
蕩けるような甘い声のせいだ。否が応でも、思い浮かべてしまっていた。恥ずかしくて思わず顔を覆ってしまうような、あられもない彼とのやり取りを。
なのに、どうしたんだろう。不思議なことに全く嫌ではない。むしろ胸がいっぱいに。
「き、キスもまだなのに……いきなりエッチなのはいけないと思います!」
気がつけば、うっかり言い放ってしまった。
まだ、彼の言葉の真意もはっきりしていないのに。貴方といちゃこらするのを想像しました! と宣言するようなことを。
「ふむ……確かに仰る通りですね。まずは、軽めのスキンシップからに致しましょうか? 時間ならば沢山ありますからね」
手を握ったまま隣に座り直したバアルさんが、長い腕を肩に回して、そっと俺の身体を抱き寄せる。ゆるゆると俺の頭を優しく撫でてくれる。
温かい眼差しとかち合った時だ。
ふっと、好きだな……って。
心に浮かんだ本音のお陰で、ようやく俺はあのドキドキの正体を知ることとなった。
「あの……俺のこと、からかってるとかじゃなくて……ホントにその、そういう意味で一緒に居てくれるんですか?」
「ええ勿論。でなければ求婚などしませんよ」
「きゅ?!」
「ところで、お疲れではありませんか? よろしければ、ご一緒にお昼寝などいかがでしょう。添い寝ならば、問題はございませんよね?」
「え……あ、はい……よろしく、お願いします……」
「では、参りましょうか」
微笑む彼に軽々と抱き上げられ、その首に腕を回す。
運ばれた肌触りのいいシーツの上で、ハーブの香りと心地のいい温もりに包まれながら。頭や背中をゆったりと撫でられている内に、俺の意識は優しいまどろみの中へと沈んでいった。
真ん中にアーモンドをあしらったものを早速頂く。サクサクとした食感と、ほどよい甘さが堪らない。頬が自然とだらしなくなっていたんだろうか。またクスクスと笑われてしまった。
「お気に召されたようで私も嬉しいです。次はこちらはいかがですか?」
次に勧められたのは、赤いジャムのようなものが乗った花形のクッキー。可愛らしくもキレイな一枚が、彼の手によって俺の口元に運ばれる。
さっきよりも甘めだけど、これはこれで美味しいな。風味からして、赤いのはイチゴのジャムだったのか。
「これも美味しいですね」
「ふふ、そうですか……では、こちらも是非」
今度はフォークに刺さった一口サイズのケーキが近づいてくる。見た目からしてチョコレートかな? 茶色いし。
あんまりケーキに詳しくないから、種類とかはよく分かんないけどさ。
口に含むと広がるほろ苦さに、さっきのジャムの甘ったるさがいい感じに打ち消されて、さっぱりする。
「あ、美味しいです。こっちのが好きかも」
「成る程、アオイ様は甘さが控えめの方を好まれるのですね。では、こちらは……」
「えっと……バアルさん?」
続けてサンドイッチに手を伸ばそうとしていた彼を呼び止める。不思議そうに首を傾げ、手をそっと握られた。
「なんでしょう?」
「別に、俺、一人で食べられるんですけど……」
なんかあまりにも自然に餌付けされてたから、されるがままになってたけど。
これ……また俺、子供扱いされてない? なんでもかんでも食べさせられるってさ……
「すみません……雛のように無防備に口を開ける貴方様が可愛らしくて、つい」
眉を下げ、ほんのり頬を染めて微笑む彼に、喜んでくれるんだったら別にいいかも……とうっかり絆されそうになってしまう。
いやいや、仮にもほんの少し前に子供扱いしないって約束してくれたんだからさ。
「……一人の男として、扱ってくれるんじゃなかったんですか?」
これくらい、一言くらいは言ってもいいだろうと不満をこぼしただけなのに。
「おや……私としては愛情表現の一環として行っていたつもりだったのですが……」
思いもよらない爆弾を、何の気もなしに投げつけられてしまった。
あ、愛情って…………え? 恋人同士がやる感覚で、やってたってこと?
いやいや、でも親が子供にするのも愛情っちゃ愛情だよな? だよね?
「勘違いさせてしまってすみません。今後は、もっと分かりやすい方法で示しますね」
言葉の真意を飲み込めず、パニックになりかけている俺に畳み掛けているようだ。握った手の甲に口づけてから、ふわりとバアルさんが微笑む。
「あ……は、い? お願い……します」
「ふふ、畏まりました」
なんだか、よく分からない内に、とんでもないことを頼んでしまったような気がするんだが。
かといって、何故か嬉しそうにしている彼に対して、断りを入れる気なんてさらさら起きなくて。
「あー……ところで、その生命力をどうにかしてる間って、俺は何処で待ってたらいいんですかね?」
取りあえずはこの、変にそわそわして落ち着かない空気をなんとかしようと、あからさまに話題を変えてしまった。
「少し手狭で申し訳ないのですが、この部屋をお好きに使って下さい」
眉間にうっすらと皺を寄せたまま、腕を広げた彼が示すのは、俺にとって勿体無いほど立派なこの場所。
流石に、最初に俺が居たようなところに放り出されるようなことはないだろう、と確信はしていた。けれども、思っていた以上の好待遇に、なんだか申し訳なくなってしまう。
「城内も自由に散策してくれて構いません。ただ、外は非常に危険ですので……」
「はいっ、勿論出ません! なんなら、ずっとここで大人しくしています!」
あんな思い出しただけでも身の毛がよだつ場所になんか、頼まれたって行きたくないわ! 二度と!
そもそも、ここ地獄でしょ? バアルさんみたいに優しい人ばっかりだったらいいけどさ……
ここで一人で待ってるだけでも心細いってのに、どんな人が居るか分からないようなところを、うろうろする勇気なんて俺にはないよ……
「そうですか? まぁ、それはそれで貴方様と二人きりで、のんびり過ごすのも悪くないですね」
ぱちぱちとしばたたかせていた瞳をゆるりと細めた彼が、俺の手を優しく撫でる。
ぽかんと口を開けたまま見つめていた俺と目が合うと、穏やかな笑みが深くなった。
「へ? 二人きりって……もしかしてバアルさん、俺と一緒に居てくれるんですか?」
「ええ、貴方様のお世話を任されていますので……お嫌でしたか?」
「いえ、全っ然! むしろすっごい嬉しいというか、心強いというか……」
俺にとってバアルさんは、今や、唯一の心の拠り所と化していた。そんな彼が、側に居てくれるという安心感に思わず抱きつきたくなってしまう。
込み上げてきて衝動を、必死に抑えたせいだ。ぎゅうぎゅうと大きな手を両手で握り締めてしまっていた。
そのせいだ。クスクス笑われてしまっただけじゃない。また、彼に気を遣わせてしまった「私もとても嬉しいですよ」と。
「食事は勿論のことですが、必要な物がありましたら直ぐに揃えますので、遠慮せずに仰って下さいね」
「……なんだかホント、至れり尽くせりって感じですね」
お茶菓子ってだけでも、こんなに豪華で美味しいのに……このレベルの食事を、三食食べられるんだもんなぁ。
しかも広い部屋にフカフカのベッドに……バアルさんと二人きり……
ん? なんで俺、すごいドキドキしてるんだろう?
彼は確かに素敵な人だけれども……いわゆるイケオジに分類されるであろう、整った顔をしているしさ。
でも、俺にとってはあくまでも、ホッとするような存在であって、そんな意識しちゃうような感じじゃ……あれ?
いつまでたっても収まらない、不思議な胸の高鳴りに首をひねっていると、彼の口から魅力的な提案をされる。
「これくらいは当然のことですから。もし貴方様が此方での暮らしを気に入って下さったならば、そのまま好きなだけ居てくださっても構いませんよ?」
生まれ変わることも、天国に行くこともなく、好きなだけ、ここに……
「はは……そうしたらバアルさん、ずっと俺の側に居てくれます?」
自分が思っていた以上に、心が疲れてしまっていたんだと思う。
胸にぽっかりと穴が空いたような寂しさに堪えられず、気を抜けばまた泣き出してしまいそうな俺に、ずっと親切に優しく接してくれた彼に。
すがるような、甘えるような言葉をうっかり漏らしてしまう程度には。
「なーんて……冗談ですよ、冗だ……」
「構いませんよ」
大きく見開いた緑色に、慌てて誤魔化そうとすると突然、目の前で跪いた彼に恭しく手を取られる。
「貴方様が望むのならば……私と夫婦の契りを交わしましょうか?」
「めおっ?!」
真っ直ぐに見つめる眼差しに射抜かれ、手のひらにそっと寄せられた唇に釘付けになってしまう。
唐突な告白に、オウム返しすらまともに出来ない。ただ、変な叫びを上げただけになっている俺を映し続ける緑色が、少し前のようにまた熱を帯びていく。そうして、とても嬉しそうにゆるりと細められた。
「ご心配なさらずともこの老骨、それなりの経験は持ち合わせております。故に、貴方様を悦ばせる手腕はあると、自負しておりますが……」
長い指がするりと絡んだ。俺の手の感触を楽しむかのように、握っては緩めを繰り返す。
ただそれだけの動作なのに。喉の奥がきゅっとなって、声が勝手に震えてしまう。
「よ……よろこばせるって……俺、男ですし……その……」
「大丈夫です。そちらのツボも押さえていますので……貴方様さえよろしければ、あちらで少し試してみますか?」
ニコリと微笑んでから向けられた彼の視線を追う。そこには、部屋の奥に鎮座している大きなベッドがあった。
蕩けるような甘い声のせいだ。否が応でも、思い浮かべてしまっていた。恥ずかしくて思わず顔を覆ってしまうような、あられもない彼とのやり取りを。
なのに、どうしたんだろう。不思議なことに全く嫌ではない。むしろ胸がいっぱいに。
「き、キスもまだなのに……いきなりエッチなのはいけないと思います!」
気がつけば、うっかり言い放ってしまった。
まだ、彼の言葉の真意もはっきりしていないのに。貴方といちゃこらするのを想像しました! と宣言するようなことを。
「ふむ……確かに仰る通りですね。まずは、軽めのスキンシップからに致しましょうか? 時間ならば沢山ありますからね」
手を握ったまま隣に座り直したバアルさんが、長い腕を肩に回して、そっと俺の身体を抱き寄せる。ゆるゆると俺の頭を優しく撫でてくれる。
温かい眼差しとかち合った時だ。
ふっと、好きだな……って。
心に浮かんだ本音のお陰で、ようやく俺はあのドキドキの正体を知ることとなった。
「あの……俺のこと、からかってるとかじゃなくて……ホントにその、そういう意味で一緒に居てくれるんですか?」
「ええ勿論。でなければ求婚などしませんよ」
「きゅ?!」
「ところで、お疲れではありませんか? よろしければ、ご一緒にお昼寝などいかがでしょう。添い寝ならば、問題はございませんよね?」
「え……あ、はい……よろしく、お願いします……」
「では、参りましょうか」
微笑む彼に軽々と抱き上げられ、その首に腕を回す。
運ばれた肌触りのいいシーツの上で、ハーブの香りと心地のいい温もりに包まれながら。頭や背中をゆったりと撫でられている内に、俺の意識は優しいまどろみの中へと沈んでいった。
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