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【新婚旅行編】旅行前日:ファッションショーでキャパオーバー
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花のように甘い香りが漂う室内は普段と一緒。銀の装飾が施された広いテーブルを囲んでいるソファーにて、皆さん淹れたての紅茶と焼き菓子を楽しんでいたのだが。
「さあさあ、先ずはアクティブだが街中やレストランでもオールオッケーなコーディネート! いつもよりカジュアルめなバアルだ!」
くびれた腰まで伸ばした艷やかな黒髪を、金の装飾で彩られた片マントをふわりと靡かせ、歌うように高らかに言い放ったヨミ様。我らが王様の一言により拍手が沸き起こり、件の主役へとスポットライトが当てられる様は、さながらファッションショー。
皆さんの前へとゆっくり歩み寄り、胸に手を当てお辞儀を披露したバアルさんがトップモデルに見えてくる。
いや、元々彼は長身でスタイル抜群。同じ男として憧れる鍛え抜かれた体格に、美しさと大人の色気、更には渋さを併せ持ち。あろうことか目茶苦茶可愛いところもある、パーフェクト過ぎる旦那様なのだけれども。
そんな彼が馴染みのある黒い執事服ではなく、白のVネックにネイビーのシャツを羽織り、同色のスッキリとした足首までのパンツを着こなしているのだ。
しかもヘアスタイルもキッチリなオールバックではなく、緩めに撫でつけただけ。前髪はセンターで分けて下ろしている。爽やかなのに、色気が有り過ぎる。ただでさえ、七分丈な袖からカッコいい二の腕がお披露目されてしまっているのに。
初っ端から心にクリーンヒットをくらっている俺を除いて、皆さん和やか。
ヨミ様の優秀な秘書さんであるレタリーさんは、黄緑色の尾羽根を揺らしながらノリノリで照明担当に勤しんでいる。
バアルさんの小さな従者であるハエのコルテも彼の助手として参戦中だ。メタリックに輝く緑色のボディを瞬かせ、ガラス細工のような羽をはためかせ、あくせく飛んでいる。
バアルさんをより輝かせる為に、術によるものであろうキラキラを彼の頭上から振り撒いている。淡く煌めく光の粒はまるで粉雪のよう。彼のサラふわな髪や頼もしい幅広の肩に触れた途端、儚く消えていく。なんとも神秘的な演出だ。
グリムさんとクロウさんも通常運転。観客席と化しているソファーに仲良く並んで腰掛け、声援を送っている。
「すっごくカッコいいです! バアル様!」
「素敵ですよ、アオイ様も見惚れていらっしゃいますよ」
笑顔満開なグリムさんの手には、いつぞやにヨミ様が持っていた緑とオレンジのペンライトがぶんぶんと。楽しそうに口端を持ち上げ笑うクロウさんの手にも、同じく二色の輝きがゆったりと振られていた。
そんな、よりにもよってごもっともなことを、わざわざ声を大にして彼に教えてくれなくても。まぁ、絶対にバレてはいるんだろうけど。
なんせ俺の目は、瞬きもすることなくバアルさんを追っているんだからな。胸を押さえ、ソファーからズリ落ちそうになりながらも。
明らかな熱視線を送ってしまっているもんだから、ファンサもエグい。ずっと微笑みかけてくれるだけじゃない。ウィンクから、果てはあんなに恥ずかしがっていた投げキッスまでという大サービス。俺を喜ばせるツボを心得ていらっしゃる。
「因みにではあるがアオイ殿、トップスはランニングであるから……」
コウモリの形をした羽をはためかせながら、ヨミ様がバアルさんへと目配せをする。
伝わったらしい。小さく頷いたバアルさんが、おもむろに羽織っていたシャツを、左肩だけがはだけるように少しズラして見せた。二人の意図はすぐに分かった。
「ほれ、このように。場合によっては素敵なチラリズムが拝めるぞ!」
真っ赤な瞳を輝かせ、投影石での撮影に励んでいらっしゃるヨミ様の言う通り。拝めてしまっている。バスタイムくらいでしかお目にかかることが出来ない脇が、浮き出た筋肉のラインが見えてしまっている。
流石にバアルさんも気恥ずかしかったんだろう。微笑んではいたものの俺と目が合えば銀糸のようにキレイな睫毛を伏せ、耳まで赤く染めている。俺にとっては、その仕草も含めてご褒美なんですけどね。
全く、ヨミ様……貴方は俺をどうしたいんですか?
「……最高ですね……ありがとうございます……」
本音と建前が逆になってしまっていた。あんまりにもあんまりだったから、キャパオーバーしてしまっていたんだろう。
「さあさあ、先ずはアクティブだが街中やレストランでもオールオッケーなコーディネート! いつもよりカジュアルめなバアルだ!」
くびれた腰まで伸ばした艷やかな黒髪を、金の装飾で彩られた片マントをふわりと靡かせ、歌うように高らかに言い放ったヨミ様。我らが王様の一言により拍手が沸き起こり、件の主役へとスポットライトが当てられる様は、さながらファッションショー。
皆さんの前へとゆっくり歩み寄り、胸に手を当てお辞儀を披露したバアルさんがトップモデルに見えてくる。
いや、元々彼は長身でスタイル抜群。同じ男として憧れる鍛え抜かれた体格に、美しさと大人の色気、更には渋さを併せ持ち。あろうことか目茶苦茶可愛いところもある、パーフェクト過ぎる旦那様なのだけれども。
そんな彼が馴染みのある黒い執事服ではなく、白のVネックにネイビーのシャツを羽織り、同色のスッキリとした足首までのパンツを着こなしているのだ。
しかもヘアスタイルもキッチリなオールバックではなく、緩めに撫でつけただけ。前髪はセンターで分けて下ろしている。爽やかなのに、色気が有り過ぎる。ただでさえ、七分丈な袖からカッコいい二の腕がお披露目されてしまっているのに。
初っ端から心にクリーンヒットをくらっている俺を除いて、皆さん和やか。
ヨミ様の優秀な秘書さんであるレタリーさんは、黄緑色の尾羽根を揺らしながらノリノリで照明担当に勤しんでいる。
バアルさんの小さな従者であるハエのコルテも彼の助手として参戦中だ。メタリックに輝く緑色のボディを瞬かせ、ガラス細工のような羽をはためかせ、あくせく飛んでいる。
バアルさんをより輝かせる為に、術によるものであろうキラキラを彼の頭上から振り撒いている。淡く煌めく光の粒はまるで粉雪のよう。彼のサラふわな髪や頼もしい幅広の肩に触れた途端、儚く消えていく。なんとも神秘的な演出だ。
グリムさんとクロウさんも通常運転。観客席と化しているソファーに仲良く並んで腰掛け、声援を送っている。
「すっごくカッコいいです! バアル様!」
「素敵ですよ、アオイ様も見惚れていらっしゃいますよ」
笑顔満開なグリムさんの手には、いつぞやにヨミ様が持っていた緑とオレンジのペンライトがぶんぶんと。楽しそうに口端を持ち上げ笑うクロウさんの手にも、同じく二色の輝きがゆったりと振られていた。
そんな、よりにもよってごもっともなことを、わざわざ声を大にして彼に教えてくれなくても。まぁ、絶対にバレてはいるんだろうけど。
なんせ俺の目は、瞬きもすることなくバアルさんを追っているんだからな。胸を押さえ、ソファーからズリ落ちそうになりながらも。
明らかな熱視線を送ってしまっているもんだから、ファンサもエグい。ずっと微笑みかけてくれるだけじゃない。ウィンクから、果てはあんなに恥ずかしがっていた投げキッスまでという大サービス。俺を喜ばせるツボを心得ていらっしゃる。
「因みにではあるがアオイ殿、トップスはランニングであるから……」
コウモリの形をした羽をはためかせながら、ヨミ様がバアルさんへと目配せをする。
伝わったらしい。小さく頷いたバアルさんが、おもむろに羽織っていたシャツを、左肩だけがはだけるように少しズラして見せた。二人の意図はすぐに分かった。
「ほれ、このように。場合によっては素敵なチラリズムが拝めるぞ!」
真っ赤な瞳を輝かせ、投影石での撮影に励んでいらっしゃるヨミ様の言う通り。拝めてしまっている。バスタイムくらいでしかお目にかかることが出来ない脇が、浮き出た筋肉のラインが見えてしまっている。
流石にバアルさんも気恥ずかしかったんだろう。微笑んではいたものの俺と目が合えば銀糸のようにキレイな睫毛を伏せ、耳まで赤く染めている。俺にとっては、その仕草も含めてご褒美なんですけどね。
全く、ヨミ様……貴方は俺をどうしたいんですか?
「……最高ですね……ありがとうございます……」
本音と建前が逆になってしまっていた。あんまりにもあんまりだったから、キャパオーバーしてしまっていたんだろう。
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