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【新婚旅行編】九日目:簡単には手に入らない、たった一つの宝物
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「コルテ?」
見慣れた煌めきに対して試しに呼びかけてみれば、大正解と言わんばかり。ただピカピカと瞬いていたコルテが、どこからともなくクラッカーを取り出して、景気のいい音を鳴らしてみせた。
「うむっ、コルテに宝物役をやってもらおうと思ってな。ほれ、このように……」
話しながらヨミ様は何らかの術をコルテに施したようだった。
瞬きの間に小さなコルテの全身は、淡い光を放つ泡に包まれていた。泡が赤く光ったと思えば次はオレンジに。すぐにまた黄色、緑、青と変わっていく。どうやら七色に移り変わっていくらしい。
これは目立つな。海の中でも確実に。それに宝物っぽい。元々のコルテ自身の緑色の輝きも唯一無二でキレイだけれども。
「これで呼吸は問題ないし、コルテが濡れてしまう心配もない。さらにはこの見た目であれば海中の中でも目立つであろうし、そもそも中にコルテがおるから……」
ヨミ様がコルテに視線を送ると、泡がさらに強く輝き始めた。色々なバリエーションが出来ますよ、とアピールしてくれているんだろう。光の強さを段階的に変えてみたり、チカチカと高速で点滅し始めたかと思えば、今にも切れてしまいそうな灯りのように弱々しく遅く点滅してみたりと張り切ってくれている。
「このように、光の問題も解決ということだ!」
大きく羽を広げながら、黒い髪を靡かせているヨミ様に向かってレタリーさんが手を上げた。背筋を真っ直ぐ伸ばしながら、片腕だけをピシリと上げる様は、まるで先生に質問する生徒のようだった。
「はい」
「どうした? レタリーくん」
本人達もそんなノリだったよう。楽しげにヨミ様が手のひらを上にして指し示しながらレタリーさんに発言を促した。
「その宝物は逃げますか?」
「え」
「ほう、察しが良いな。当然である。たった一つの宝物であるからな。簡単に手に入れることが出来ては、ゲームにならぬであろう?」
「確かに。その方が、張り合いがありますね」
「楽しそうですっ」
すっかりやる気満々なクロウさんとグリムさん。誰が捕まえられるか競争じゃのっ、とサタン様も気合十分だ。
でも、楽しみにしていたのは皆さんだけじゃあなかった。
「アオイ、頑張りましょうね」
俺を見つめる鮮やかな緑の瞳が期待に満ちている。柔らかく微笑むバアルの羽はそわそわと揺れていた。
「っ、うん! 頑張って捕まえようね」
「はい」
そんな俺達をヨミ様がぐるりと見回してから、宣言した。
「うむっ、皆のもの準備万端のようであるな! 私も負けるつもりはないぞ? では、宝探しゲームを開始しようではないか!」
ヨミ様が高々と突き上げた拳に合わせて俺もバアルも皆さんも掛け声を上げながら拳を上げる。泡の中に入っているコルテが、一際強く瞬いてから素早く海の中へと飛び込んでいった。
「始め!」
通りのいい声でなされたヨミ様の号令を合図に、次々と周囲から大きな音と水飛沫が上がり出す。早くも出遅れてしまっていた。
俺もと慌てて潜ったものの、開いた視界に映るのは細かな泡ばかりでよく見えない。焦って息を吸えなかったからか、もう息苦しくなってしまって。
『アオイ、私に集中して下さい』
頭の中に穏やかな声が響く。バアルだ。術によって繋がっている温かな感覚に意識を向ければ、不思議と呼吸が楽になっていた。視界の方も明るくなっている。
海底まで一緒にダイビングした時と同じ術を施してくれたんだろう。これで息継ぎ無しでも潜っていられるし、平常時と同じ感覚で海の中を見ることが出来るな。
バアルはすぐ近くに居てくれていたみたいだ。微笑みかけてくれる彼の顔には、揺らめく海面の影が映っている。彫りの深い顔は青い影によってより際立っていて、神秘的で美しい。せっかく術を施してもらったってのに呼吸を忘れそうになってしまう。
見慣れた煌めきに対して試しに呼びかけてみれば、大正解と言わんばかり。ただピカピカと瞬いていたコルテが、どこからともなくクラッカーを取り出して、景気のいい音を鳴らしてみせた。
「うむっ、コルテに宝物役をやってもらおうと思ってな。ほれ、このように……」
話しながらヨミ様は何らかの術をコルテに施したようだった。
瞬きの間に小さなコルテの全身は、淡い光を放つ泡に包まれていた。泡が赤く光ったと思えば次はオレンジに。すぐにまた黄色、緑、青と変わっていく。どうやら七色に移り変わっていくらしい。
これは目立つな。海の中でも確実に。それに宝物っぽい。元々のコルテ自身の緑色の輝きも唯一無二でキレイだけれども。
「これで呼吸は問題ないし、コルテが濡れてしまう心配もない。さらにはこの見た目であれば海中の中でも目立つであろうし、そもそも中にコルテがおるから……」
ヨミ様がコルテに視線を送ると、泡がさらに強く輝き始めた。色々なバリエーションが出来ますよ、とアピールしてくれているんだろう。光の強さを段階的に変えてみたり、チカチカと高速で点滅し始めたかと思えば、今にも切れてしまいそうな灯りのように弱々しく遅く点滅してみたりと張り切ってくれている。
「このように、光の問題も解決ということだ!」
大きく羽を広げながら、黒い髪を靡かせているヨミ様に向かってレタリーさんが手を上げた。背筋を真っ直ぐ伸ばしながら、片腕だけをピシリと上げる様は、まるで先生に質問する生徒のようだった。
「はい」
「どうした? レタリーくん」
本人達もそんなノリだったよう。楽しげにヨミ様が手のひらを上にして指し示しながらレタリーさんに発言を促した。
「その宝物は逃げますか?」
「え」
「ほう、察しが良いな。当然である。たった一つの宝物であるからな。簡単に手に入れることが出来ては、ゲームにならぬであろう?」
「確かに。その方が、張り合いがありますね」
「楽しそうですっ」
すっかりやる気満々なクロウさんとグリムさん。誰が捕まえられるか競争じゃのっ、とサタン様も気合十分だ。
でも、楽しみにしていたのは皆さんだけじゃあなかった。
「アオイ、頑張りましょうね」
俺を見つめる鮮やかな緑の瞳が期待に満ちている。柔らかく微笑むバアルの羽はそわそわと揺れていた。
「っ、うん! 頑張って捕まえようね」
「はい」
そんな俺達をヨミ様がぐるりと見回してから、宣言した。
「うむっ、皆のもの準備万端のようであるな! 私も負けるつもりはないぞ? では、宝探しゲームを開始しようではないか!」
ヨミ様が高々と突き上げた拳に合わせて俺もバアルも皆さんも掛け声を上げながら拳を上げる。泡の中に入っているコルテが、一際強く瞬いてから素早く海の中へと飛び込んでいった。
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バアルはすぐ近くに居てくれていたみたいだ。微笑みかけてくれる彼の顔には、揺らめく海面の影が映っている。彫りの深い顔は青い影によってより際立っていて、神秘的で美しい。せっかく術を施してもらったってのに呼吸を忘れそうになってしまう。
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