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【新婚旅行編】十日目:頼もしい緑の煌めき
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「そちらでも問題はございません。ですが、魔力の温存をしておいた方が宜しいかと。この先、どのような仕掛けが待ち構えているか分かりません。場合によっては、私とアオイとで同時に術を行使する必要があるやも」
「あぁー……そうだね。確かにタイミングを合わせてってのはありそうかも。仕掛け的には王道だし」
それに、あんまり考えたくはないけれども……バアルと離れ離れにされちゃう罠とかもありそうだもんな。もし、そんな事態に陥っちゃったら俺だけで術を使わないとだし。
「一応、万が一術が使えなくなった場合のお助けグッズを頂いてはおります。ですが、此方も数に限りがございます故」
言いながらバアルがその高い位置にある腰に巻いているポーチを示してみせた。俺がこちらの施設のスタッフさんからもらったのとお揃い。いかにも冒険に挑む方の所持品っぽい茶色の革の道具入れだ。
「えっと……身体に振りかけると回復効果がある粉が入った瓶と……スイッチを押すだけで炎や光が灯る棒? とかがあるんだったっけ?」
「ええ。他に、光の玉を発射させることが出来る銃。魔力を込めるとその際に一番必要な物が現れたり、何か良いことが起こるという魔宝石もございますね」
「うーん、最後のはロマンだね……一か八か感が強いから、あまりそれに頼るような状況にはなりたくないなぁ」
「ええ、ですから此方は」
言葉を切ってからバアルは陽の光が届かない入り口へと白い手を差し出した。
「コルテ、お願い致します」
呼びかけに応えて現れたのは、彼の瞳の色とそっくりな緑色に輝く光の粒。バアルにとって頼もしい相棒であり、俺にとっても大切なハエのコルテだ。
あめ玉のように小さな彼は張り切っている様子。小さくてメタリックなボディをいつも以上にピカピカ輝かせながら、ガラス細工のような羽をぴるぴるはためかせながら、俺とバアルの周りを踊るように飛んでいる。
コルテに道を照らしてもらえたら、先の見えない暗闇だってへっちゃらだろう。
「ふふ、よろしくねコルテ」
人差し指を差し出せば、指の先にコルテがちょこんと止まってくれた。針よりも細い手足をブンブンと振ってくれてから、彼専用の小さなスケッチブックを掲げる。そこには、頑張る! と頼もしい言葉が書かれていた。
「うん、頼りにしてるよ」
指先で瞬いていた緑の光が、日差しのもとでも眩いくらいに強く輝き始める。早速、といった様子でコルテは俺の指先から飛び立った。でも、飛ぶ際に出来る光の軌跡でハートマークを描いてくれるのは忘れない。可愛らしいメッセージについ笑みがこぼれてしまう。
ふと腰を抱き寄せられた。肩を抱いてくれていた長い腕が腰に回されていたようだ。釣られて顔を上げれば、こちらをじっと見つめてくる緑の瞳とかち合った。
バアルは何も言わない。けれどもその寂しそうに細められた目が、表情が、あからさまに語ってくれてしまっていた。優しい目元や頬骨辺りに刻まれているカッコいいシワが濃くなっている。そのせいか、より彫りの深さが増してしまっている顔には、構って欲しいと書いているように見えて。
「いっぱい頼りにしてるからね、俺のバアル」
背伸びをして、彼の頬を撫でながら伝えれば俺の大好きな笑顔を見せてくれた。萎れかけていたように下がっていた触角が、ぴょこんと元気を取り戻す。
「はい、貴方様のバアルにお任せを。必ずや、此度の冒険を成功に導いてみせます」
「うんっ、皆で力を合わせてお宝ゲットしようね」
「あぁー……そうだね。確かにタイミングを合わせてってのはありそうかも。仕掛け的には王道だし」
それに、あんまり考えたくはないけれども……バアルと離れ離れにされちゃう罠とかもありそうだもんな。もし、そんな事態に陥っちゃったら俺だけで術を使わないとだし。
「一応、万が一術が使えなくなった場合のお助けグッズを頂いてはおります。ですが、此方も数に限りがございます故」
言いながらバアルがその高い位置にある腰に巻いているポーチを示してみせた。俺がこちらの施設のスタッフさんからもらったのとお揃い。いかにも冒険に挑む方の所持品っぽい茶色の革の道具入れだ。
「えっと……身体に振りかけると回復効果がある粉が入った瓶と……スイッチを押すだけで炎や光が灯る棒? とかがあるんだったっけ?」
「ええ。他に、光の玉を発射させることが出来る銃。魔力を込めるとその際に一番必要な物が現れたり、何か良いことが起こるという魔宝石もございますね」
「うーん、最後のはロマンだね……一か八か感が強いから、あまりそれに頼るような状況にはなりたくないなぁ」
「ええ、ですから此方は」
言葉を切ってからバアルは陽の光が届かない入り口へと白い手を差し出した。
「コルテ、お願い致します」
呼びかけに応えて現れたのは、彼の瞳の色とそっくりな緑色に輝く光の粒。バアルにとって頼もしい相棒であり、俺にとっても大切なハエのコルテだ。
あめ玉のように小さな彼は張り切っている様子。小さくてメタリックなボディをいつも以上にピカピカ輝かせながら、ガラス細工のような羽をぴるぴるはためかせながら、俺とバアルの周りを踊るように飛んでいる。
コルテに道を照らしてもらえたら、先の見えない暗闇だってへっちゃらだろう。
「ふふ、よろしくねコルテ」
人差し指を差し出せば、指の先にコルテがちょこんと止まってくれた。針よりも細い手足をブンブンと振ってくれてから、彼専用の小さなスケッチブックを掲げる。そこには、頑張る! と頼もしい言葉が書かれていた。
「うん、頼りにしてるよ」
指先で瞬いていた緑の光が、日差しのもとでも眩いくらいに強く輝き始める。早速、といった様子でコルテは俺の指先から飛び立った。でも、飛ぶ際に出来る光の軌跡でハートマークを描いてくれるのは忘れない。可愛らしいメッセージについ笑みがこぼれてしまう。
ふと腰を抱き寄せられた。肩を抱いてくれていた長い腕が腰に回されていたようだ。釣られて顔を上げれば、こちらをじっと見つめてくる緑の瞳とかち合った。
バアルは何も言わない。けれどもその寂しそうに細められた目が、表情が、あからさまに語ってくれてしまっていた。優しい目元や頬骨辺りに刻まれているカッコいいシワが濃くなっている。そのせいか、より彫りの深さが増してしまっている顔には、構って欲しいと書いているように見えて。
「いっぱい頼りにしてるからね、俺のバアル」
背伸びをして、彼の頬を撫でながら伝えれば俺の大好きな笑顔を見せてくれた。萎れかけていたように下がっていた触角が、ぴょこんと元気を取り戻す。
「はい、貴方様のバアルにお任せを。必ずや、此度の冒険を成功に導いてみせます」
「うんっ、皆で力を合わせてお宝ゲットしようね」
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