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もうひとつの終章 忘却の彼方には
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『忘却はよりよき前進を生む。
ーーフリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ』
ーーあなたは救われるのですね?
ーー救われたのですね?
白い世界がふいに色彩の光景に転じた。
「ここは……どこだ?」
「病院ですよ。社長」
その澄んだ声にゆるゆると首を動かすと、私の傍には、咲沼英葵がいつものように柔らかな笑みを浮かべて立っていた。
「病院?」
「ええ。『気がつかれました』か?社長」
「あ……ああ……ああ、咲沼君……。僕は……」
「いいんですよ、社長。まだお疲れでしょう?
お休みになって下さい。今、花の水を取り換えてきます」
「ああ、ありがとう……」
*
「あら、こんにちは」
あたしが病室606号室から出てきた青年に声をかけると、彼はいつものように柔らかな笑みを浮かべて答えた。
「羽鳥婦長。社長が……お世話をおかけします」
「いいえ。咲沼さんだったかしら?あなたも毎日お見舞い大変ね。
しかも、お見舞いの度にあんな探偵ごっこに付き合わされて」
「いや、もう慣れましたよ。……花の水、取り換えてきます」
そう微笑むと、彼は廊下の奥の洗面所へと歩を進めた。
「せ~んぱい?どうしたんです?こんなとこに突っ立って」
その聞き慣れた能~天気な声に振り返ると、後輩の看護師・真幸苗子が立っていた。
「いいえ。今、そこの患者さんのお見舞いに来られた方と話していたものだから」
「ああ、606号室……N飛行機墜落事故の唯一の生存者ですか。
確か、雪花グループの総裁でしたよね。あの若さですごいですよね。
それに、お顔もすごいイケメンですよね。えへへ」
「ほぉ~。苗子君の好みのタイプなのかい?」
いつの間に背後にいたのか、神出鬼没の青年医師・熊倉比呂士は、チャシャ猫のような笑みを浮かべ、メタルフレームの眼鏡をちょいと押し上げた。
「もうっ!!熊倉先生!!そんなんじゃないですよ。私には年上すぎますもん」
「ははは。そうだねぇ。残念だなあ、君にとっては、僕も恋愛対象としては外れた存在なんだね」
「そういうことですね。残念でした。えへへ」
「で?熊倉君。あなたは何の用?」
「ずいぶんなお言葉だね。未央君。そこの606号室の患者は、僕の患者だよ?
問診さ。僕は一度執刀した患者には、手厚い看護をする。それがポリシーだからね」
「はいはい。……それにしても、彼、今日もあの秘書相手にやってたみたいね」
あたしがそう声のトーンを落とすと、彼も意味ありげに眼鏡を押し上げる。
「ああ、どうやら、『日課』のようだからね。それにしても、僕は『監察医』か。
ううん、僕はしがない外科医で生きた人間しか診たことないんだがねぇ」
「私だって、刑事なんかじゃなくて、白衣の天使なんですよ?プンプン」
「まあ、そういきり立つのはやめたまえ。苗子君。
彼は必死に埋めようとしているんだよ。『家族を失った理由』を。
そして、結果的にあの連続殺人という結論を導き出したんだ。いささか飛躍しすぎだがね」
「でも、どうして関係ないはずの私たちまで彼の『世界』の話に出て来るんですか?」
「彼にとっては、今はこの病院が、いや、病室が全ての世界なんだよ。
彼の病室に出入りする僕らも彼は彼の『世界』の住人として、都合良く取り込んでしまったんだ。
たとえば、苗子君や未央君は刑事。僕は監察医としてね」
あたしは思わず、声を上げていた。
「そんなことが……」
そんなあたしの反応に、熊倉君も件の病室へ視線を送りながら、真顔で答えた。
「ああ、全く信じがたいことだが、ありえない事例じゃない。
僕らの脳みそは、僕らが思う以上に恣意的さ」
「まあ、信じたくないですよね、飛行機事故で家族をいっぺんに亡くしたなんて」
「ああ。一瞬にして父親や妹、幼い弟や義母、従兄弟……いわゆる家族全員を失ったんだからねぇ。
まして、彼も助かったとは言え、重傷を負って事故の記憶を失くしてしまった」
「彼、全く覚えていないんですか?飛行機事故のこと」
「ああ、そのようだね。記憶喪失だけでなく、記憶障害もある。
無理もないだろうな。発見された当時、生きているのが不思議だったくらいなんだからね。
それに……彼はあの事故で記憶だけじゃない。自分の手足さえも失ってしまったのだ
彼は、もう一人で寝がえりをうつこともできないんだよ。
顔や上半身だけは損傷を免れて奇跡的に綺麗なままだったがね」
「ある意味、残酷ですね」
「ああ、生命あるということは、最も尊いことかもしれない。
だが、状況が状況だからね。
助かったことが彼にとって本当に幸せだったのか、僕にはわからないな。
ああ、医師としては、問題発言だったかな?」
「問題発言はいかんのう。熊倉君」
新たな闖入者は、この病院でも一番の古株……。
「西原外科部長」
サイバラ外科部長は、細かい皺に埋まってしまいそうなほどに細い目をますます細め、606号室を痛ましげに見据えたまま続ける。
「どんな形であれ、患者の命を救う。それがわしらの使命。違うかな?」
「そうですね……。私たちは、命を救うことが仕事ですもんね」
苗子は、気を取り直すように肩をすくめた。
「そうじゃ。その志さえあれば、わしらの選択に誤りはない」
熊倉君は、そんなサイバラ外科部長の言葉に不服なのか、やれやれと頭を振った。
「お説は最もですが……彼は永遠にこの病院で生きるしかない。しかも、この病室でね」
「おかわいそうですね」
その可憐な声に振り返ると、新米ナースの不知火李が目を潤ませて立っている。
今日は千客万来……だわね。
「おお、不知火君。君が泣くことないじゃないか」
「でも……。あんまりです」
「君は彼に同情してしまったのかな?それとも、本当に彼のことを……」
「か、からかわないで下さいまし!!」
「まあ、君が彼に惹かれる気持ちはわからないでもないよ。
彼はあらゆるものを失って、まるで『幸福の王子』だ。彼に残されたのは、あの美貌だけ。
あの瞳に見つめられたら、僕も妙な気持ちになってくる」
「やだ、やめてよ。熊倉君。男同士で」
「そう思っているのは、他ならぬ君なんじゃないのかい?未央君」
「え?」
「僕はちょっと君の気持ちを代弁してみただけだよ」
「熊倉君……」
「さあて、僕は行こうかな。今、患者は来客中なんだろう?邪魔しちゃ悪いからね」
そう軽く笑うと、熊倉君は白衣を翻した。
あたしは思わず、606号室に目をやっていた。
彼は永遠に……ここの住人。
手足を失った美しいトルソー。
「どうかされたんですか?羽鳥婦長」
不審げな新米ナースの視線を受けて、あたしは慌てて頭を振った。
そうだ。あたしもこうしちゃいられない……。
「……いいえ。さ、そろそろ仕事に戻るわよ」
「やあ、皆さんお集りでどうされたんですか」
気合いを入れ直すために手を打とうとした刹那、洗面所から戻った青年秘書が、笑顔で声をかけてきた。
あたしは打ち損なった手をそれとなく後ろにやると、照れ隠しに問うた。
「あ、いいえ、ちょっとね……。
ねえ、ひとつ聞きたいんだけど、彼がよく口にする『美麻』って……あなたの妹さん?」
「どうやら、そのようです」
「そのようです?」
あたしは思わず、声を上げていた。彼はそんなあたしの反応に、
「ええ。彼の中では、そうらしいですよ。僕には……妹は、いませんから」
と、寂しげに微笑んだ。
今にもこの白い廊下に溶けて消えてしまいそうなほど、儚げに。
「……そう」
「じゃあ、僕はもう少し社長の傍にいることにしますので。失礼」
606号室へ消える青年の背中を見送ると、あたしは今度こそ気合いを入れ直すために、思いっきり手を打った。
*
「失礼します。社長。花の水を替えてきましたよ」
「やあ、咲沼君。よく来てくれたね。今日は千客万来だな。
さっきは、美麻ちゃんも来てくれたんだよ」
「美麻が……そうですか。いつもお邪魔してすみません」
「いや、いいんだ。美麻ちゃんだったら、大歓迎さ」
「それはよかった。あの子が聞いたら喜びますよ。
さ、少しお休みになりませんか。長時間の会話は身体に障りますよ」
「ああ、そうだね。少し休むことにしよう」
そう瞳を閉じた彼。
彼は永遠に……。
「あなたのことは、僕がずっと見守り続けますよ。
だから、ご安心下さい。
そう、『この世の果て』までも……。ねぇ?社長」
了
ーーフリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ』
ーーあなたは救われるのですね?
ーー救われたのですね?
白い世界がふいに色彩の光景に転じた。
「ここは……どこだ?」
「病院ですよ。社長」
その澄んだ声にゆるゆると首を動かすと、私の傍には、咲沼英葵がいつものように柔らかな笑みを浮かべて立っていた。
「病院?」
「ええ。『気がつかれました』か?社長」
「あ……ああ……ああ、咲沼君……。僕は……」
「いいんですよ、社長。まだお疲れでしょう?
お休みになって下さい。今、花の水を取り換えてきます」
「ああ、ありがとう……」
*
「あら、こんにちは」
あたしが病室606号室から出てきた青年に声をかけると、彼はいつものように柔らかな笑みを浮かべて答えた。
「羽鳥婦長。社長が……お世話をおかけします」
「いいえ。咲沼さんだったかしら?あなたも毎日お見舞い大変ね。
しかも、お見舞いの度にあんな探偵ごっこに付き合わされて」
「いや、もう慣れましたよ。……花の水、取り換えてきます」
そう微笑むと、彼は廊下の奥の洗面所へと歩を進めた。
「せ~んぱい?どうしたんです?こんなとこに突っ立って」
その聞き慣れた能~天気な声に振り返ると、後輩の看護師・真幸苗子が立っていた。
「いいえ。今、そこの患者さんのお見舞いに来られた方と話していたものだから」
「ああ、606号室……N飛行機墜落事故の唯一の生存者ですか。
確か、雪花グループの総裁でしたよね。あの若さですごいですよね。
それに、お顔もすごいイケメンですよね。えへへ」
「ほぉ~。苗子君の好みのタイプなのかい?」
いつの間に背後にいたのか、神出鬼没の青年医師・熊倉比呂士は、チャシャ猫のような笑みを浮かべ、メタルフレームの眼鏡をちょいと押し上げた。
「もうっ!!熊倉先生!!そんなんじゃないですよ。私には年上すぎますもん」
「ははは。そうだねぇ。残念だなあ、君にとっては、僕も恋愛対象としては外れた存在なんだね」
「そういうことですね。残念でした。えへへ」
「で?熊倉君。あなたは何の用?」
「ずいぶんなお言葉だね。未央君。そこの606号室の患者は、僕の患者だよ?
問診さ。僕は一度執刀した患者には、手厚い看護をする。それがポリシーだからね」
「はいはい。……それにしても、彼、今日もあの秘書相手にやってたみたいね」
あたしがそう声のトーンを落とすと、彼も意味ありげに眼鏡を押し上げる。
「ああ、どうやら、『日課』のようだからね。それにしても、僕は『監察医』か。
ううん、僕はしがない外科医で生きた人間しか診たことないんだがねぇ」
「私だって、刑事なんかじゃなくて、白衣の天使なんですよ?プンプン」
「まあ、そういきり立つのはやめたまえ。苗子君。
彼は必死に埋めようとしているんだよ。『家族を失った理由』を。
そして、結果的にあの連続殺人という結論を導き出したんだ。いささか飛躍しすぎだがね」
「でも、どうして関係ないはずの私たちまで彼の『世界』の話に出て来るんですか?」
「彼にとっては、今はこの病院が、いや、病室が全ての世界なんだよ。
彼の病室に出入りする僕らも彼は彼の『世界』の住人として、都合良く取り込んでしまったんだ。
たとえば、苗子君や未央君は刑事。僕は監察医としてね」
あたしは思わず、声を上げていた。
「そんなことが……」
そんなあたしの反応に、熊倉君も件の病室へ視線を送りながら、真顔で答えた。
「ああ、全く信じがたいことだが、ありえない事例じゃない。
僕らの脳みそは、僕らが思う以上に恣意的さ」
「まあ、信じたくないですよね、飛行機事故で家族をいっぺんに亡くしたなんて」
「ああ。一瞬にして父親や妹、幼い弟や義母、従兄弟……いわゆる家族全員を失ったんだからねぇ。
まして、彼も助かったとは言え、重傷を負って事故の記憶を失くしてしまった」
「彼、全く覚えていないんですか?飛行機事故のこと」
「ああ、そのようだね。記憶喪失だけでなく、記憶障害もある。
無理もないだろうな。発見された当時、生きているのが不思議だったくらいなんだからね。
それに……彼はあの事故で記憶だけじゃない。自分の手足さえも失ってしまったのだ
彼は、もう一人で寝がえりをうつこともできないんだよ。
顔や上半身だけは損傷を免れて奇跡的に綺麗なままだったがね」
「ある意味、残酷ですね」
「ああ、生命あるということは、最も尊いことかもしれない。
だが、状況が状況だからね。
助かったことが彼にとって本当に幸せだったのか、僕にはわからないな。
ああ、医師としては、問題発言だったかな?」
「問題発言はいかんのう。熊倉君」
新たな闖入者は、この病院でも一番の古株……。
「西原外科部長」
サイバラ外科部長は、細かい皺に埋まってしまいそうなほどに細い目をますます細め、606号室を痛ましげに見据えたまま続ける。
「どんな形であれ、患者の命を救う。それがわしらの使命。違うかな?」
「そうですね……。私たちは、命を救うことが仕事ですもんね」
苗子は、気を取り直すように肩をすくめた。
「そうじゃ。その志さえあれば、わしらの選択に誤りはない」
熊倉君は、そんなサイバラ外科部長の言葉に不服なのか、やれやれと頭を振った。
「お説は最もですが……彼は永遠にこの病院で生きるしかない。しかも、この病室でね」
「おかわいそうですね」
その可憐な声に振り返ると、新米ナースの不知火李が目を潤ませて立っている。
今日は千客万来……だわね。
「おお、不知火君。君が泣くことないじゃないか」
「でも……。あんまりです」
「君は彼に同情してしまったのかな?それとも、本当に彼のことを……」
「か、からかわないで下さいまし!!」
「まあ、君が彼に惹かれる気持ちはわからないでもないよ。
彼はあらゆるものを失って、まるで『幸福の王子』だ。彼に残されたのは、あの美貌だけ。
あの瞳に見つめられたら、僕も妙な気持ちになってくる」
「やだ、やめてよ。熊倉君。男同士で」
「そう思っているのは、他ならぬ君なんじゃないのかい?未央君」
「え?」
「僕はちょっと君の気持ちを代弁してみただけだよ」
「熊倉君……」
「さあて、僕は行こうかな。今、患者は来客中なんだろう?邪魔しちゃ悪いからね」
そう軽く笑うと、熊倉君は白衣を翻した。
あたしは思わず、606号室に目をやっていた。
彼は永遠に……ここの住人。
手足を失った美しいトルソー。
「どうかされたんですか?羽鳥婦長」
不審げな新米ナースの視線を受けて、あたしは慌てて頭を振った。
そうだ。あたしもこうしちゃいられない……。
「……いいえ。さ、そろそろ仕事に戻るわよ」
「やあ、皆さんお集りでどうされたんですか」
気合いを入れ直すために手を打とうとした刹那、洗面所から戻った青年秘書が、笑顔で声をかけてきた。
あたしは打ち損なった手をそれとなく後ろにやると、照れ隠しに問うた。
「あ、いいえ、ちょっとね……。
ねえ、ひとつ聞きたいんだけど、彼がよく口にする『美麻』って……あなたの妹さん?」
「どうやら、そのようです」
「そのようです?」
あたしは思わず、声を上げていた。彼はそんなあたしの反応に、
「ええ。彼の中では、そうらしいですよ。僕には……妹は、いませんから」
と、寂しげに微笑んだ。
今にもこの白い廊下に溶けて消えてしまいそうなほど、儚げに。
「……そう」
「じゃあ、僕はもう少し社長の傍にいることにしますので。失礼」
606号室へ消える青年の背中を見送ると、あたしは今度こそ気合いを入れ直すために、思いっきり手を打った。
*
「失礼します。社長。花の水を替えてきましたよ」
「やあ、咲沼君。よく来てくれたね。今日は千客万来だな。
さっきは、美麻ちゃんも来てくれたんだよ」
「美麻が……そうですか。いつもお邪魔してすみません」
「いや、いいんだ。美麻ちゃんだったら、大歓迎さ」
「それはよかった。あの子が聞いたら喜びますよ。
さ、少しお休みになりませんか。長時間の会話は身体に障りますよ」
「ああ、そうだね。少し休むことにしよう」
そう瞳を閉じた彼。
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了
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