熱砂の過保護なプリンスの秘宝(R18)

カヨワイさつき

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私は……。

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仕事が恋人状態の53歳。
高枝まどか(たかえだ まどか)。
既婚歴なし。
同居は2回あるが、2人の生活は
長く続かなかった。
2回分を合わせても一年足らず。
2回目は、半年足らずで家具や家電製品、
食器はもちろん、電気のカサまでなかった。

真っ暗な闇の中で、取り残された様に
このまま眠り続けたいとも、思ったが
残酷にも、誰にでも朝は来た。
失恋?相手を本気で好きだったんだろうか?
ただ、居ても居なくても違和感なかった
相手だっただけかもしれない。
いつもよりも白みはじめた空を眺め、
仕事に行く準備をした。
今までにないくらい早い時間に会社に
着き、毎日が何事もなかったかのように……。
変わらない毎日が足早に過ぎていった。

ただ部屋が空っぽになった翌日は、
携帯やパソコンで一人暮らし向きの
会社からほどよく近く、狭い部屋を探した。
その日は、珍しく定時に仕事を終わらせ、
不動産屋に行ったのだった。
1番安い物件、電車で一駅の物件が見つかった。
自転車で通えるが、そうすると終電を
意識しないので、わざと電車を使っていた。
長年住んでいたボロアパートも老朽化し
建て替えられ、近場のボロアパートに
住み替えた。ボロからボロへとかれこれ
五回は引越ししていた。
持ち物も少なく、スーツが20着位と、
礼服、あとは数枚の私服や下着。
安い鍋やナイフ、自分用の食器。
寝に帰るだけの家。
何十年も一人暮らし。
寂しくはない。それなりに接待が
あるから、人と全く合わない日は
ほとんどなかったからだ。
つまらない人生…とも言える。

そんな自分が、別世界?!
しかも、男に抱かれた?!
いやまだ、未遂だ。
ボヤけた視界、薄明かりの中で何かの
影が揺らめいていた。
「姫?」
「……。」
「姫、大丈夫?」
「…だ、誰?」
やはり自分の声が…女性のようだ。

「私は、ディザード・マリアム・エーマだよ、
私の姫。」
「姫って言わないで…欲しい。私は、
た、高枝だ。」
「タカ、エダ?」
「そう、高枝。」
相手がフルネームで名乗っているから、
自分も本名で言おうって直前まで思った。
だが、頭の片隅に彼に対して信用出来ない?
なんだかまだ、違和感があった。
苗字だけで、ウソは言ってない。
「タカ・エーダ、いや、エ、エダ…
タ、カァ、エ、ダー、体調はどうだ?」
「ふふっ、言いにくのでしたらターカ、
とかエーダでも。たぁ姫はやめて下さい。」
「わかった。ありがとうターカ。」
ターカ、なんだか鷹ってかんじで、
かっこいいかも。自分の苗字は高枝だから、
"鷹"じゃなく、"高"だから意味は違うけどね。
「……。」
「君は…どうしてあんな所にいたんだ?」
「あんな所?」
自分が倒れていた場所は、オアシスから
少し離れた場所で倒れていたらしい。
仕事でいつもは通らない道をなんとなく
通ると、自分が少し砂に埋れながら
倒れていたらしい。
幸い着ていたのが、紺色のスーツだから
わかりやすかったらしい。
「サイズが合わない、男性者のような
異国の服を着ていたが…君はどこから来たのだ?」
オアシス?砂?
「ここは…砂漠なんですか?あの…
どこなんですか?」
「ふふっ、かわし方がかわいいね。
ターカの質問に答えたら、俺の質問に
こたえてくれるかな?」
「……はい。」
「了解。ここはリンスリー国の王都だよ。」
「リンスリー?」
「さあ、ターカの番だよ。」
正直に、日本と言ってもいいのか?
さあ、どうしよう。
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