身代わりの身、捕らわれの身?

カヨワイさつき

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第8話 日常 お昼

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内緒事のように、仲睦まじく話している
第1王子と第2王子。
朝から、ずっとこの調子で、メイドをはじめ
他の使用人、役職の者の目を、惹きつけて
いました。
昼下がり、お城の案内を王子自ら、
身代わりの女の子にしていました。

「王子の弟君リマーニ様は、王子の溺愛に…」
もごもご、もごっ。
「第2王子が、逃げ出したって、うわさは…」
もがっ。
「王子と王子の弟君は、あんなに、
仲が良かったか?」
「ん?寒気が?風邪ひいたかな?」

「アラン隊長、そんなに、まわりを威嚇、
しなくても、いいんじゃないですか?」
ギロッ。
「ハイハイ。僕をにらんでも、効果
ないですよ。もう、慣れましたからね。」

「空気が、重いので、軽くする為、
いきなりですが、自己紹介しまーす。
僕は、ポーツ。16歳の若手護衛騎士、
4つ上のアラン隊長を、本当の兄ちゃん
の様に、慕っている、同じ町出身。
元お隣さん同士です。はい、お次は
チェム君どうぞ。」
「……。チェムです。」
……。
「チェム君は、17歳、同じく護衛騎士。
僕と同じ無口な人ですが、アラン隊長
みたいな威圧感はないですよ。あとは、
あっ、アラン隊長は、第1王子の乳兄弟。
チェム君は、第2王子の乳兄弟です。」
「自己紹介は、こんな感じです。
アラン隊長どうですか?完璧な僕、
褒めていいですよ。」
ごんっ。
チェムさんは、アラン隊長に、頭に、
軽く?ゲンコツをしました。
ぷっふ。
「よろしくお願いします。ポーツさん、
チェムさん、アラン隊長さん、私は、
チマリです。」

アラン目線
でかしたぞ。俺は、たまには役に立った
ポーツの頭を、グリグリ撫でてやった。
「タイチョー?アラン隊長、いたっ、
痛いです。マジ痛いから、やめて~。」
ポーツは、暴れていたが、彼女の名前、
チマリ、とわかったし、チマリ笑顔も、
見れる事に、なった。

お城に来てから、ずっと、緊張
しているからか、かたい表情で、笑顔や
名前すら教えてくれなかった。

チマリ目線
「私には、よろしくしてくれないのか?」
「あっ。ごめんなさい。えーと、王子様、
よろしくお願いします。」
慌てて、頭を下げて、王子様を見上げ
ました。王子様は、にっこり、
笑ってくれました。

なぜか、王子様まで、ポーツさんの、頭を
撫でていました。
「あたたた。痛い、やめて下さい。」

「かわいい我が弟リマーニよ。私は
いつまでもリマーニだけの王子様だが、
いつも通り、ストルグお兄ちゃまと、
呼んでくれ。お兄ちゃまだよー。」
「ストルグお兄ちゃま?」
「なんだい?かわいい弟よ。」

「王子。一度も、誰も、お兄ちゃまと、
お呼びした事ないですが、よんだほうが、
いいですか?」
「いや、アランなら、一つ上だから、
アランお兄ちゃまだが…。」
「兄様、兄上、おにー、お兄様
お兄ちゃん、お兄さん、アラン兄さん?」

ぷっふふ。
「ごめをなさい。仲良し兄弟ですね。」
「あっ、良いこと言うね~。
5人兄弟だね~。」
「私は、入れなくていいです。しかも、
ポーツみたいな、手のかかる弟は
いりません。」
ふふふ。
「ごめんなさい、ポーツさんが弟、ふふ
たしかに、チェムさん、面白い。」
「事実で、面白くないです。」
ふふふ。
「ちょっと、ちょっと、年齢的には、
僕が兄でしょ、チマリちゃん。」

「私のが上ですね。18歳ですよ。」
みんな、一斉にこちらをむきました。
「えっ?」
「18歳?」
「……。」
「はい、18歳です。」
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