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約束
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「なんでもいいなら、ゆりとあの回収者を
何とかして。あんなミーナちゃんは
みたくないわよ。」
「のぞみはそれでいいの?」
「ゆりとミーナちゃん、翌日には
結婚式だったのよ。
幸せになるはずだったの。
こんな終わり方おかしいのよ。」
「まあちゃん…。」
「あの回収者も、あなたなら
直せれるんでしょう。
お願い、私はどうなってもいいから、
お願い、幸せにして。」
「わかったよ。まあちゃん。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「幸せにするよ。まあちゃん。」
「な、な、な……。」
「だ、か、ら、さっきも説明したとおり
前回まあちゃん、僕に
「お願い、私はどうなってもいいから、
お願い、幸せにして。」って
"お願い"したでしょ。」
「…?!……。」
「あの時のまぁちゃん、泣き顔も可愛いかったけど
やっと僕におねだりしてくれたし、しかも
幸せにしてって、ぐふっ。もう、張り切りすぎて
力が枯渇しかけるくらい、頑張っちゃったよ。」
「一回枯渇してこいよ。」
まきは、小さな声で呟いた。
「あっ、まあちゃんったら、ひどーい。
僕の力が枯渇したら、ここも他の世界も
荒れ狂うっちゃうよ。」
「……ご、ごめん。」
まきは、さっき勝手にはめてきた
光り輝く珠がついた指環を見つめていた。
「枯渇一歩手前で、ここに来てまぁちゃんの
手厚い看病を受けるのもいいけど、
"歪み"や”澱み"が増えるからねー。」
「……。」
まきは考えていた。歪み。淀み。これが
溜まれば世界が、悪意にみちる事は
わかっていた。でも、どうすれば……。
「まぁちゃんどうしたの?可愛い顔に
憂いがあるよ。僕を頼って。」
神は考え込んでいた無抵抗のまきを
自分にもたれさせ、ソファーに座った。
「まぁちゃんの不安な事も、憂いごとも
僕が取り除くよ。本当は、一緒になった記念に
共同作業として、小さな"歪み"と"澱み"を
一緒に浄化しようと思ったんだけど。」
「‥浄化、私あまり得意ではないわ。」
神は得意げに笑って答えた。
「大丈夫。実はこの結婚リングには、
僕の力と愛をたっぷり込めたから、
まあちゃんの力も、ほとんど僕と同じより
ちょっと下くらいの神になってるよ。」
「……?!」
「ほら。もうすぐ珠の色が変わるよ?」
「……あっ、ほんとだ。」
「良かった。ゆっくり魔力を馴染ませて、
力を行き渡るように、あと、お守りにもなる
リングに一番力を込めたから。まぁちゃんの
為に、すっごく頑張ったんだよ。」
「……。」
まきは、さっきから気になる言葉、
結婚、リング、神、共同作業の事を
恐る恐るきいてみた。
「やだなぁ。照れちゃって、可愛い。
それは、結婚指輪で、まぁちゃんは
僕の可愛いお嫁さんになったんだよ。
今度こそ、手放さない。」
「……。」
まきはガバッと起きて、リングを外そうとした。
「だめだ、外れない。」
「あれ?デザイン嫌だった。どんなのが
いいかな?ある程度なら変えれるよ。」
「けっけ、結婚なんか嫌。だから外すの。」
「もう、照れ屋さん。それ、数百年か
どちらか死ぬまで外れないよ。」
「…呪いのリング?数百年?」
「呪いのリングは酷いよ。僕の愛と魔力を
つめたお守りにもなるリングだよ。」
神とのやりとりは続き、勝手に嫁にされ
寿命も神が死ぬ時に、まきも死ぬ事、
まきはすでに人間ではなく神に
なってしまっていたらしい。
問い詰めると
「約束のひとつに、人間になりたくない。
ってあったから、願い叶えたよ。」
輝くような神の笑顔だった。
「なんでもいいなら、ゆりとあの回収者を
何とかして。あんなミーナちゃんは
みたくないわよ。」
「のぞみはそれでいいの?」
「ゆりとミーナちゃん、翌日には
結婚式だったのよ。
幸せになるはずだったの。
こんな終わり方おかしいのよ。」
「まあちゃん…。」
「あの回収者も、あなたなら
直せれるんでしょう。
お願い、私はどうなってもいいから、
お願い、幸せにして。」
「わかったよ。まあちゃん。」
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「幸せにするよ。まあちゃん。」
「な、な、な……。」
「だ、か、ら、さっきも説明したとおり
前回まあちゃん、僕に
「お願い、私はどうなってもいいから、
お願い、幸せにして。」って
"お願い"したでしょ。」
「…?!……。」
「あの時のまぁちゃん、泣き顔も可愛いかったけど
やっと僕におねだりしてくれたし、しかも
幸せにしてって、ぐふっ。もう、張り切りすぎて
力が枯渇しかけるくらい、頑張っちゃったよ。」
「一回枯渇してこいよ。」
まきは、小さな声で呟いた。
「あっ、まあちゃんったら、ひどーい。
僕の力が枯渇したら、ここも他の世界も
荒れ狂うっちゃうよ。」
「……ご、ごめん。」
まきは、さっき勝手にはめてきた
光り輝く珠がついた指環を見つめていた。
「枯渇一歩手前で、ここに来てまぁちゃんの
手厚い看病を受けるのもいいけど、
"歪み"や”澱み"が増えるからねー。」
「……。」
まきは考えていた。歪み。淀み。これが
溜まれば世界が、悪意にみちる事は
わかっていた。でも、どうすれば……。
「まぁちゃんどうしたの?可愛い顔に
憂いがあるよ。僕を頼って。」
神は考え込んでいた無抵抗のまきを
自分にもたれさせ、ソファーに座った。
「まぁちゃんの不安な事も、憂いごとも
僕が取り除くよ。本当は、一緒になった記念に
共同作業として、小さな"歪み"と"澱み"を
一緒に浄化しようと思ったんだけど。」
「‥浄化、私あまり得意ではないわ。」
神は得意げに笑って答えた。
「大丈夫。実はこの結婚リングには、
僕の力と愛をたっぷり込めたから、
まあちゃんの力も、ほとんど僕と同じより
ちょっと下くらいの神になってるよ。」
「……?!」
「ほら。もうすぐ珠の色が変わるよ?」
「……あっ、ほんとだ。」
「良かった。ゆっくり魔力を馴染ませて、
力を行き渡るように、あと、お守りにもなる
リングに一番力を込めたから。まぁちゃんの
為に、すっごく頑張ったんだよ。」
「……。」
まきは、さっきから気になる言葉、
結婚、リング、神、共同作業の事を
恐る恐るきいてみた。
「やだなぁ。照れちゃって、可愛い。
それは、結婚指輪で、まぁちゃんは
僕の可愛いお嫁さんになったんだよ。
今度こそ、手放さない。」
「……。」
まきはガバッと起きて、リングを外そうとした。
「だめだ、外れない。」
「あれ?デザイン嫌だった。どんなのが
いいかな?ある程度なら変えれるよ。」
「けっけ、結婚なんか嫌。だから外すの。」
「もう、照れ屋さん。それ、数百年か
どちらか死ぬまで外れないよ。」
「…呪いのリング?数百年?」
「呪いのリングは酷いよ。僕の愛と魔力を
つめたお守りにもなるリングだよ。」
神とのやりとりは続き、勝手に嫁にされ
寿命も神が死ぬ時に、まきも死ぬ事、
まきはすでに人間ではなく神に
なってしまっていたらしい。
問い詰めると
「約束のひとつに、人間になりたくない。
ってあったから、願い叶えたよ。」
輝くような神の笑顔だった。
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