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だから…あきらめた。

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昔から執念深……。ゴホッゴホッ。
しつこ…えーと、大変な根気強さ
根性座りすぎ、顔が厚い、他なんだろ?
心臓に毛が生え…ごほっ。

「まあちゃん、大丈夫?風邪ならすぐ
治せるけど、せっかくだから看病するから、
一緒に寝よ。」

目の前に、怪しい神がいる。
「なぁーに、僕を見つめてくれて
嬉しいけど、僕からはなれないでね。」
「……。」
「まぁちゃんの、お部屋あまりにも
殺風景だから、少し弄らせてもらったよ。」
「……。」
可愛いピンク系のお部屋に、可愛い?
巨大なぬいぐるみ。
小さめのぬいぐるみは、天蓋付きの
薄ピンクのヒラヒラした、お姫様チックな
大きなベッドに乗っていた。
「……。」

「可愛いまあちゃんをイメージした、
僕とまぁちゃんの部屋だよー。」
「こ、こ、ここにあった本や書類は…?」
落ち着け、落ち着こう、私は頑張れる子だ。

「怒る?怒らない?せっかくなら、
起 怒らず喜んで欲しいな。」
「何をした?」
「要らないし、捨て…」
ドガっ。

「ひ、酷いよ~。最後まで言ってないし
殴るなんて。まあちゃんの、手が痛くなるよ。」
「…変。」変態神さまだ。
やばい奴だ。早く追い出さないと自分も
やばい。

「まぁちゃん大丈夫?やはり手痛い?」
「痛くないから、大丈夫だから、この
呪いのリングはずせ。」
「まぁちゃん、ひどいよー。それは、
僕の愛がたくさんつまりすぎた、最高傑作
お守り機能つき、結婚リングだよ。
お揃いだけど、僕のはシンプルに
まあちゃんの、髪の毛の成分と
まあちゃんの笑顔の…ふごっ。」
ドガっ、ドガっ、どがっ。

「変態、変態、変態、私は了承
してないし、違うのに、勝手に私を
縛らないで。結婚なんかしたくないし、
生きていたくないし、人間……。神なんかに
なりたくない。」
はあ、はあ、はあ。


「シン・クリシュ・トリクは、マキ・ジンノを
唯一の妻とし、愛しみ、愛し、死してからも
愛し続けることを誓います。全知全能の
我が父神に誓う。」
 
身体がホワッと光り輝くと、マキと神に
光が吸い込まれてしまった。

「ま、真名の誓い、あ、あんた、バカなの?」
「ごめん、本気だからまぁちゃんに、
嫌われても、この気持ちはどうしようも
ないんだ。許しくれ。」
神はポロッと、涙を流した。
「…疲れた。」

「じゃあ、一緒に寝よ。」
神は輝く様な笑顔で言った。
マキはそんな神の顔面にグーでパンチした。

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