『完結・R18』公爵様は異世界転移したモブ顔の私を溺愛しているそうですが、私はそれになかなか気付きませんでした。

カヨワイさつき

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3、なぜ? *残虐、又は不快な表現あります。ご注意下さい。

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*残虐、又は不快な表現があります。
ご注意下さい。











この"少年"は刺客かもしれない。
危険物を所持しているかもしれない。
だから身体検査をしなければいけない。
だが、どこで?
公爵邸には、"立派な"犯罪者や刺客たちのための部屋がある。
いわゆる地下牢、特別な個室もある。
風呂付きの個室と言えば厚待遇で良さげに聞こえるが、使用目的は拷問だ。
水責めや、血や汗その他もろもろの汚れを洗い流す為でもあるが、死なない程度のキズを身体に刻み込み身体を"水"につける。
口を割らない犯罪者には、その水にキズに"よく効く"薬品をわざと入れるのだが、あまりの痛みに狂い死ぬか失血により死んでしまうかのどちらかだ。
まあ、吐けるだけ吐いたヤツらの成れの果てを、クサイまま埋めるより臭いだけでも洗い流し消すというかんじだが、ここ数年その使い方はしていない。
公爵邸の地下に犯罪者たちの死体を埋めるのは、私が嫌だった。
もともと穴になった土地を利用し、地下を作っただけ。
死体置き場は、建物のすぐ近くだが見た目だけは花壇や名もない石工や木工が得意な者が作ったオブジェが置かれた場所の地下だった。

私たちが住む建物の地下はそういうところだが、
一階にある風呂付きの個室にも特殊な使い方をする部屋がいくつかある。
私が準備をしてくれといったからか、マシューは地下に準備をしてしまった。
今までそうしてきたから。

私は速攻で口を割らせたいので、じわじわと責めるやり方はしない。
手っ取り早く自白させるか、神からのギフトである私の特殊スキル"過去視"を使う。
制限付きで、一度使用すると数日身体が思う様に動かないので、よほどの事がない限り使わないギフトだ。
役に立つようで役に立たないハズレギフトだ。
過去視より未来視の方がありがたみがある。
お会いした事はないが、教会にいる聖女様が未来視のギフトと癒しのギフトを持っているとのことだ。

マシューの慌てた声と表情を背に私は、地下ではなく一番小さな風呂付きの個室、"特別な客室"に行った。
私が公爵になってからはここではパーティーを開いた事はないが、前の持ち主はたびたびパーティーや茶会を開催していたらしい。
部屋数が足りなかったのか、予算不足だったのかはわからないが、広かった一部屋にわざともう一部屋作ったような変わった部屋。
うち部屋は外からしか鍵をかけれない部屋。
いわゆる監禁しやすい部屋だ。
公爵になってから約14年の年月は経つが、一度も使用した事がない部屋。
興味が湧いた私はこの部屋の使用方法を"過去見"した。
元高位貴族のある男が麗しい数人の男女を鎖に繋ぎ、うち部屋に閉じ込め幾度となく反吐がでそうな事をしていた。
外カギはそういう為とわかっていても、"過去見"しまだ若かかった私は数週間。精神的にもダメージを受けてしまった。
私と同じ様な忌み嫌われる色を持つ者。
没落した元高位貴族が麗しい数人の他、同じく忌み嫌われる色を持つ者へにも同様な事をしていた。
私はそんな事はしない。
麗しい者たちに特に執拗(しつよう)にムチで叩いたり、血を流す下腹部に見たくもないモノをぶち込んでいたりした。
仮面をつけた者はあざ笑いながら、自分のモノをいれたりその場にいる者たちと交わっていた。
この部屋をそんな事に使っていた事を知らない使用人たち。
家具はもちろん床材から壁紙まで、この部屋だけではなく、公爵邸全体改装した。
数少ない使用人にある程度の場所は指定したが、それぞれに好きな部屋を選ばせ壁紙なども自由に選ばせた。直せる場所は直した。
使わないはずの部屋もこまめにきれいに掃除されていたことに、使用人たちに感謝しかない。
こんな醜い忌み嫌われる容姿なのに、嫌な顔をせずついてきてくれた。

マシューが慌てて付いて来て、風呂や細々した準備をした。
「こちらの方は?」
マシューが"刺客なのになぜ?"と言ってる気がした。
「わからない。危険物がないか身体検査する。マシューは外に出ろ。」
「だ、旦那様。危険です、代わりの者を呼びますので旦那様は……。」
「私が強いのはわかってるはずだ。私以下の力の者に調べさせるわけにはいかない。」
「ですが……。」
私がマシューに軽く威圧したら黙りしぶしぶ部屋をでた。"すぐお側にひかえてます"といつも言わない言葉をそえていた。
私が生まれる前、生前の父(前国王)の時代から支えてくれているマシュー。
父と同年代で、私の父代わりのようにも感じる人物だ。
クロート国は色が濃ければ濃いほど美人であり、色が濃い者が好まれる。
黒は神聖で白や白銀は"色なし"と忌み嫌われる。
身体的にも小柄が好ましく、守りたいと思う存在だ。
子どももまた小さいので、小さき者は守るべきと子どもの頃から教え込まれるのだった。
身長平均は性別関係なく165cm前後で、小柄が好ましいとの事で、中には生きるか死ぬかのギリギリの食事量で子どもを育てようとする親が続出した。
前国王は子どもに対して食事制限する親を刑罰の対象にしたが、隠れてする者は後をたたなかった。
魔物によるスタンピートにより農地は荒れ、天候不順も重なり国は深刻な食糧不足に陥った。
兄と産まれて間もないこんな私を育てるのに必死だった国王陛下と王妃。
忌み嫌われる白銀の髪を持つ私を殺す様に進言する者も多く現れたそうだ。
数年続きの天候不順、その他もろもろで国民の約半数が飢えや流行り病で亡くなった。
そこに国王夫妻も含まれていた。

柔らかな分厚い特殊な布地。
大きなポケットがあり調べたが何もない。
温かな生地。
ボタンもなく、どうやって脱がそうか考えたがその布地に伸縮性がある事に気づいた。
神のギフト、特殊スキルか?
それともBランクの"キラークモリン"の糸を使用した布地?
国宝室にあったマント並みの手触り。
やはり高位貴族か他国の王族?
さまざまな思考の海に落ちながら、被って着るのかと思い伸びる袖口から少年の細腕を手に取った。
こんな小さな手と細い身体で私を殺せるのか?
それとも神からのギフトである魅了で惑わすのか?
頭巾付きの服を脱がすと、幅広い白い布で幾重にも身体に巻きつけていた。
ここに隠し武器があるのか?
触った感じは柔らかく、硬いものはなかった。
ふんわり甘い香りがした。
早く着替えさせようと、身体に巻き付けている布を素早く取った。
「!!!」
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