『完結・R18』公爵様は異世界転移したモブ顔の私を溺愛しているそうですが、私はそれになかなか気付きませんでした。

カヨワイさつき

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4、誤魔化す?誤魔化さない?*不快な表現があります。ご注意下さい。

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*不快な表現があります。ご注意下さい。






*黒沢 茉莉(くろさわ まり)目線*

今日は私の誕生日であり、あの出来事があった日。
何もかもがなくなった日。
19歳にもなったのに身長は伸びず159cmのまま。
四捨五入すれば身長は160cm。
身体測定などの日、身体中にあるアザの事に先生たちはきいてきたけど、転んだとか言ったのに母親に連絡が行き数日間学校に行けないほど身体のあちこちが痛かった。
先生たちもなぜ告げ口するの?
何も言わなければあの人とは関わらず、食べ物がもらえるのに……。
そっとして欲しい。
痩せすぎ、アザだらけの身体、童顔。
中学1年から3年までに1cmしか伸びなかった。
成長を見越して買った制服はブカブカのままだった。
母は、夜のお仕事をしながら私を育ててくれたが中学に入ってからは顔を合わす事がほとんどなかった。
家には食べ物がほとんどなく、数百円のお金で数日分。近場のスーパーで割引きしていたパンを買い、それらで空腹を満たしていた。
半額になっている食パンを見つけた時はすごく嬉しかった。
6枚切りの食パンを一気に2枚食べてしまったくらい嬉しくて、お腹もいっぱいになり幸せ気分を味わった事もある。
たまに母に会うと、「あんたを産まなきゃよかった。」といつものセリフがあいさつがわり。
声をかけようとするとうるさいと怒鳴られ、機嫌が悪い日には手や足が出ていた。
辛いときは、安く買えた食パンを思い出すようにしている。だけどお腹がすきすぎて、さらに辛くなる時もある。
無意識にお腹空いたと言ってしまった時には「私がこんなに苦労してるのに、あんたはのんきに生きてるなんて許せない。何であんただけ……!!」と怒りに満ちた目で睨み付けられたあと、いつものセリフ、そしていつも通りの……痛み。
イタイイタイコワイこわい、いつまで続くの?
だけどこれが終われば数百円もらえる。
また数日分の食べ物が買える。
次は何が買えるかな?
あの美味しそうな食べ物、安くなってないかなぁ。
痛みに耐えながら知らないうちに、笑ってしまっていたらしく執拗(しつよう)に叩かれたり蹴られたりした。
早く痛みが消えればいいのに。
痛みが酷くて数日間、また、学校にも行けなかったけど母親も数日間帰ってこなかったからありがたかった。
アザが目立たないよう顔は殴られないから、長袖と長ズボンさえ着てればバレない。
身体が動くようになれば、何か買いに行こう。
私への興味がなくなり、母親が落ち着いたのか夜の仕事で疲れているのか寝てしまった。
息を潜め母親の視界に入らないようにした。
身体の痛みに耐えながら母が使っていいと言われた着古した服を着る。
母のブラジャーや下着かは派手なものがが多く、胸の膨らみは母の方が大きいので、当然サイズが合わない。
私の下着なんか買ってくれるはずもなく、私が着ているものは季節関係なく濃い色で長袖の長ズボンだった。誰かからもらった母が着ないような灰色の服。
誰かのお下がりなのかサイズが合わないのは当たり前だった。
少し破れた黒いジーパンや小さくて窮屈(きゅうくつ)な靴。
靴、私に合う靴どこかに落ちてないかなぁ?
履けていた靴も小さくなり、足が痛くなるほどだった。
踵を踏んで誤魔化しながらはいていたけど、靴の底に穴が空いてしまい、雨の日は水が染み込み気持ち悪かった。
成長してからは色目が濃い灰色か黒系の母のお下がりを着ていた。
下着もお下がりだが、母より小柄な私には母の高価なブラジャーは合わなくて幅広い包帯が私のブラジャーがわりだった。
中学校はいつも長袖の学生服に長袖の体操服を着ていた。
着替える時は、トイレで着替えていた。
他の子はスポーツブラや可愛い下着に可愛い靴下をつけていた。
私だけ幅広い包帯や母親が要らないと言ったキャミソールが私の下着だった。
足が痛くて、踵を踏みながら小さな靴を履いていた。
何年も同じ靴。
学校帰りに見つけた捨てられている服やその他使えそうな色々なゴミ。
私のものより良いものが捨てられていた。

母との暮らしではたびたび、電気や水道が止まるので汚れ物はコッソリ学校や公園で洗っていた。
身体も髪も冷たい水だったけど、臭いよりはまっしだと思った。
学校にある手洗い用の石鹸で、こっそり短い髪の毛を洗い身体も拭いたりした。
調理実習の時間はご馳走の時間。
中学から給食がないのがキツかったけど、数百円貰えたお金で期限切りの食べ物を買い込み学校のロッカーに隠した。
家に置いとくと昼に帰ってきた母に食べられてしまうので、置いておけなかった。
下着や靴どころか食べ物が欲しいとも言えなかった。飲み放題のお水がある学校はありたがたい場所だったから居場所が無くなるのが嫌だった。
学年が上がる事に母からの言葉や叩かれる事が多くなった。
イタイ痛いイタイ痛いイタイ痛いイタイ痛いイタイ
………コワイ。
もう、やめて。
学校のない週末は、母を避ける為、図書館で1日を過ごしていた。
誰にも言えない。
言えばまた痛くてコワイことになる。
私にかまわないで!!
学校でも暗い私は、友達がほぼいなかった。
母親と合わない日は穏やかな生活。
うまくいく時は1週間に一度痛みなくお金をもらえた。
高校受験は先生に何か言われたのか高額な受験費を払ってくれた。
私の1ヶ月の食費以上の受験費。
不機嫌になり殴られ蹴られたけど、高校生になればお金が稼げる。
アルバイトが出来る。
食べ物屋さん系で働きたいなぁとか、色々な場所で働く自分を想像しながら楽しんでいた。
進路が決まり、高校へ行くための勉強をいつも以上に頑張った。
する事は限られていたので、本を読んだり勉強するしかなかったともいえるが、意欲的になった私に友達もできた。
友達といえる数少ない友達に貰った型落ちらしいゲームとソフト、充電出来なかったからあまり出来なかったけど楽しく遊んだりした。
高校が別になるけど、中学3年生になるとたまに図書館であっていた。
中学に入り私の居場所は、図書館や暑い夏は大きなスーパーとかで過ごしていた。
大きなスーパーでは、試食コーナーが数カ所あるので、ご馳走が食べれた。
友達と図書館で会うたびポケットに入るサイズのお菓子や小さな缶ジュースなどくれたのだった。
図書館は飲食禁止だったので、図書館から出て公園で菓子パンやお菓子を食べた。
この世にこんなのにも美味しいものがあったなんてと、感動するばかりだった。
いつも、「大袈裟だよ~。」と笑っていたけど
今思えば、私が母からされている事に気づいてくれていたのかもしれない。
初めての菓子パンやお菓子、私との話、友達からもらったものは想像以上に大きなものだった。
大きなふっくらしたクリームパン。
パリパリするじゃがいも系のお菓子。
美味しすぎて泣いてしまい友達を困らせた事もあった。
友達がいなかったら、私はどうなっていたのだろうか?
中学卒業の日、そして私の誕生日だった日。
何もかも失い、私の生活が一変した。
それと同時に痛みから解放され私は自由になった。
生活の為、他の人の時給の半分しかもらえなかったけど、掛け持ちしながらなんとか居場所を確保していた。
私は必要とされているかもしれない。
だって人手が足りないから、休みだった日でもあの店長は私を必要としたから。
必要されたけど、時給は半分だから、掃除の仕事の方が生活費を稼げた。
辞めたかったけど3年契約なら仕方がない。
小学生にしか見えない私でも雇ってもらえただけでもありがたいのだから。
働いていたのに結局、図書館に行く暇もなく友達にお礼と恩返しできないまま19歳になってしまった。
せめてもお礼だけでも言おうかな。
「図書館(行かなきゃ)。」
今日は会えるかなぁ?
図書館なら会えるよね?
でも、私公園のベンチで寝て………?!
仕事!!!
私どのくらい寝たの?!
「遅刻!!!」
ガバッ
「……っ!!!」
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