オカンです

カヨワイさつき

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つぶやき

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一歳4ヶ月の時、長男が、
自宅の階段から落ちました。
すぐ泣いたものの、頭を打ってるので、
出来れば、大きな病院と思い
いつもは行かない、
そこそこ大きな病院に
行きました。

そこで衝撃の事実がありました。

「階段から落ちたと言う事ですが…
まあ…ねっ。」
まあ…ねって、なんやねん!!
と思っていたけど、もしかして
虐待を疑われてる?
難しそうな顔をし、言いにくそうに、
している先生がいました。

「階段から落ちた傷は、背中の
擦り傷、軽い打ち身、頭は、
たんこぶやから…すぐ、泣いたって
言う事やからね……。」

大きな病院、時間外、担当医師ではない。
たふん、内科の先生だったと思う。
あいまいなはっきりしない口調に、
不安になっていたうちと旦那。
………。
しばらくすると、小児外科の部長、
先生が、レントゲン写真を、
持ってきました。

「この子、内臓が、あるべきところに、
ないですね。」
はっ?内臓、ない?
なんで?
何、言ってるねん。
なんの話?

「先天性の横隔膜ヘルニア。」
「左肺部分に、胃、脾臓、大腸、
小腸がありますね。」
「横隔膜に、穴があいてますね。」
……。
先天性の横隔膜ヘルニアは、
ほとんど、お腹の中にいるとき、
わかるケースが多いそうです。
成長して見つかるのは、
レアだったそうです。

子どもは、私の顔を見て、にっこり。
内科の先生にと、小児外科部長は、
話し合っていました。
先生達の会話が、あまり頭に、
入ってきませんでした。
旦那は、しっかり聞いて
くれていたから、よし。

夜9時過ぎ、お腹すいたーって、
何度も訴えるように、
おなかと口を指差して、
モグモグって言うてました。
先生に、許可してもらい、
自動販売機で牛乳、飲み物だけ
あげることが出来ました。

旦那も、心配そうにしていました。
旦那もうちも、サンダルに、
靴下履き忘れてました。
子どもはパジャマっぽい、
上下バラバラの柄ものの
服だった気がする。

緊急手術の可能性があるので、
救急車で、外科部長も一緒に、
母子センターに、ついて来てくれました。

到着すると、即手術じゃなく、
朝1番で手術となりました。
お腹を、すかせた我が子が、
ぐずりながら何度も夜中、
起きてました。
絶食中。

朝9時、腹腔手術予定で、
先天性横隔膜ヘルニアの手術開始。
昼過ぎには、終わる予定だった。

内臓が、癒着していないだけ、
無事だったけど、
横隔膜の穴から、内臓が左肺部分で、
成長したため、開腹手術に
切り替えたそうだ。

左肺は、あまり成長しておらず、
子どものからだの成長とともに、
左肺が、大きくなるのを、
願うばかりです。

約6時間の大手術。

手術前に、怖さを軽減する飲み物を、
看護師さんが、子どもに飲ませると、
しばらくしたら、ふらつきながら、
ニコニコしてたまに、
笑い声あげてました。
手術室に行くときもベッドに、
ちょこんと座り、
手を振っていました。

なんだか、泣きそうになりましたが
子どもが手術室に入ったとたん、
泣いてしまいました。

手術は、無事成功。

眠る我が子に酸素マスクと、
色々な、管や線、点滴などが
繋がっていました。
落下防止の為、柵ありのベッドで、
寝てました。
何故か、泣いてしまいました。

入院2日目、目を覚まして、
お腹が空いたのか、泣いていました。
ナースコールを鳴らし、軽い検査後、
重湯を飲んでました。
足りないのか、食器を振り回す勢いで、
完食。
入院手続き、準備の項目に、
前びらきの服と、書いていたので、
なぜか、思いついたのが、
じんべさんでした。

小児病棟は、半袖でも、暑いくらいで、
前スナップ付きの袖なし下着に、
色々な種類の、じんべさん
着せてました。
パジャマも、何枚か、あったけど、
いかにも病人ってかんじがして、
あまり、着せてなかったです。

夜まで、重湯で開腹手術しているのに、
痛み止めが効いてるのか、
オモチャやビデオをみて、
起きていました。

お腹を空かせぐずり、
翌朝、流動食っぽいご飯。
少し、喜んだものの足りないからか、
1時間後、また泣いてました。

夜中に、看護師さんに見てもらい
旦那が買ってくれたおにぎりや、
カップ麺で食事を済ませました。

ちょっとした、給湯室みたいな所で、
他のママさんと、ご飯中、雑談。
子どもの入院理由。
小児がん、余命つき。
水頭症。
口裂症。

三組のお母さんと雑談。
どのお母さんも我が子を、
見せようとしなくて、
子どもを産んで離婚してしまった
お母さんもいました。

長引く入院に病院近くに、
引っ越しした家族もいました。

水頭症だった子は、今では治り、
何度か、お寿司屋さんや、
スーパーであいます。
ご近所さんです。

話は戻り、翌日。
気を遣ってくれたのか、病院食はお昼から、
ご飯の量が増えました。

3日くらい、流動食のような食事で、
4日目、プリン。デザートつき。
我が子も、大喜び。

1週間後には、売店で売っている、
豆乳や、プリン、ヨーグルトも、
制限付きだけど、許可出ました。

赤ちゃんの割には、逆三角形の、
すごい体型と思ってたけど、
手術後、キューピーちゃん体系。
お腹ぷっくり。
食後、さらにぷっくりしました。

手術前は、食べてる途中で息切れ、
ハイハイしてもすぐ疲れて、
よく寝る子でした。

今まで、レントゲンを
撮ったことなかったし、
7ヶ月検診時に、心臓に、
雑音があるって、
言われたけど たまたま、
その時偶然にも風邪をひいてたので、
見逃してしまいました。

その頃から?
いつからかわからないけど、
片肺で、呼吸してたから、
しんどかったんやねー。

ごめんね。気づいてあげれなかった。
赤ちゃんの体型も、逆三角形で
引き締まった、カラダっていうのも
おかしかったんやねー。

約2週間の、入院。
寝るときは、私のお腹の上でうつ伏せ。
仰向けで寝るのが、怖いみたいで、
すぐ、目を覚ましてました。

無事退院。
当分は、定期的に通院です。
小学校に上がるまでは、
ヘソ上ヘルニア、
そけいヘルニア、
入院、手術。

風邪をひいては、すぐこじらせ
その当時働いていた、うちは、
たびたび保育所からの連絡で、
早退ばかりでした。

派遣の仕事などをし、
自由出勤、融通が利く、
仕事で、週毎のシフトでした。

出勤できる日に、丸をつけて、
働ける時間を書き込む。
今思えば、仕事内容は、
かなり、ハードでしたが、
自由出勤、最高でした。
小さい子どもがいる方も、
多く働いてる職場でした。

なんやかんやで、毎年、
入院や手術していた長男。
お腹に、15センチの手術痕。
今では、14歳。
超元気。超食欲旺盛です。
カレーを作ったら、何杯
食べるねんって位食べます。

話は戻り、退院してしばらくは、
うつ伏せで寝てました。
保育所のお絵かき時間で、書いた
絵を持って帰ってきました。

入院してた時の、思い出?の絵を
書いたみたいで自慢気に、
「ママ、見て、見て。」と言い
絵を見ながら説明してくれました。

「ここで、遊んでたらこわい顔の
おっちゃんに、めっちゃ怒られたねん。」
……。
石がたくさんある河原に、子どもと
怒り顔の男性?らしき絵でした。

三途の川?
危なかったの?
怒ってくれたのは祖父かな?

亡き祖父母のお墓詣りに、
後日行きました。

この子を、助けてくれて
ありがとうございます。
今では、めっちゃ元気に
スクスク成長中です。
ついでに、足のサイズ28
身長174、14歳、デカイかも。
中学2年生です。

今年、2歳の弟の面倒もよく、
見てくれる、お兄ちゃんになりました。
たまに、泣き止めへん。
もう、またくっついてくるぅ、
体当たりするな。って、
ほぼほぼ毎日、怒ってます。(笑)

2歳の弟は、兄ちゃんをみると
高速で近寄り体当たりしたり、
色々甘えます。

うちは、高齢出産だったし、
次男の行動力に驚くことばかり。
二人の子宝、しあわせです。
私より、長く幸せに、
生きてね。 

おかんのつぶやきでした。
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