【完結・R18】28歳の俺は異世界で保育士の仕事引き受けましたが、何やらおかしな事になりそうです。

カヨワイさつき

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第一章 2人の約束

12、食事前、総帥の部屋に……。

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食事前に、移動できるベビーベッドや
固定式のベビーベッド、クーハン、
赤ちゃんの大量な衣類やおもちゃが
ぎっしり入ったカゴが運び込まれていた。
「ハルト様からです。」と言われ
アベリアちゃん用に用意されたものは、
パッと見でも、高級品だとわかる物や
布団、服、可愛いものばかりだった。
あと、どう見ても1歳以上で遊びそうな
おもちゃまであった。
お下がりらしいが、新品にしか見えない。
手作りのミトンに、靴下、肌着
どれもこれも可愛い花と龍?が
刺繍されていた。
ハルト様のお子様も、男の子なのかな?
可愛い小ぶりの花束が幾つかあり、
それらはなぜか俺宛だった。
男に花束……ここでは、ありなのかな?
でも、まあ…可愛い花をプレゼントしてくれる
その気持ちが、うれしいかも。
お手紙とメッセージカードには、
ヒューゴさんとハルト様、
マコト様からだった。
ゆっくり身体休めてね、とマコト様からの
メッセージカードには、日本語が書かれていた。
やはり、日本からこの世界に来たんだ。
なんとも言えない気持ちになってしまった。

大量のベビー用品は、お祝いの品が
被り未使用のまま、倉庫に
眠らせていた物だそうでハルト様は
もうすぐ出産ということらしく
ちょうど虫干しが終えたところだったらしい。
まだまだ、あるそうで気軽に使ってね。
という内容だった。
こちらも、日本語だった。
神子様は日本から召喚されたと聞いたけど、
俺は亡くなったと思うから、
日本に戻れば死んでしまうのだろうか?
転生しているなら、自分の姿はどうなんだろう?
そういえば、まだ鏡を見てない……。
新しい俺として、ここの世界で
生きるしかないんだけど、自分の姿が
わからないのは不安だ。
仕事場の子どもたちは、大丈夫かな?
警察は来たのかな?
もの思いにふけていると、ナオクルさんの
あたたかい大きな手が、俺のほっぺに
当てられたのだった。
心配そうに見つめられ、俺は大丈夫だと
言う感じでぎこちない笑顔を向けたのだった。

しばらくすると人の気配がしたので、
振り向くと適温のミルクを持った
"乳母"だと紹介された男性と
お世話係だという3人の男性が
驚いたような複雑な表情で固まっていた。
俺も驚いてしまった。
乳母って女性がなるもんじゃ……。
ハルト様の様に、男性っぽい女性なのかな?
いや、やはり喉仏あるし男性だよね?
「今すぐ準備出来た者だが…
少ないがすまない。」
「えっ?いえ、こちらこそすみません。」
少ないって何が…何?
俺の頭の中で、状況が飲み込めず
アワアワしていた。
ナオクルさんは、乳母と世話係だ。と
簡単に紹介されたが……。
「はじめまして、総帥。カドゥミ様。
私、乳母を務めさせていただきますミークと
申します。よろしくお願いいたします。
こちらの者はお世話係として
務めさせていただきます。右から
ハミラ、カウビ、ロイズでございます。」
「はぁ……よ、よろしくお願いします。」
ミルクと焼き肉?
ナオクルさんは無言で肯くどころか
目線すら向けず、その目線は俺と
アベリアちゃんを交互に見つめるばかりだった。

「何卒よろしくお願いします。なんなりと
お気軽にお申し付けくださいませ。」
「アベリア様をよろしければ、こちらに
寝て頂いてもよろしいでしょうか?」
さ、様づけ?えっ?
「あっ、はい。」
俺が半ば呆然としているうちに、目の前で
甲斐甲斐しくお世話されながら、
アベリアちゃんはベビーベッドに移され、
可愛い刺繍が施された柔らかそうな
生地の服を着て、眠ってしまった。
食事前までは、美味しいミルクティーと
一口サイズのクッキー数種類頂いた。
どれもこれも美味しかったが、なぜか
ナオクルさんが、飲ませてくれたり
食べさせてくれたのだ。
もちろん断ったのに、微笑まれた気がしたし
無言の圧?を感じたのだ。
俺ずっとナオクルさんの膝の上だよ。
何でだろう?

食事が運び込まれると、まるで
お節料理の様に立派な三段重ねの重箱に、
和洋折衷のおかずや美味しいご飯が
詰められていたのだ。
もちろんこの豪華な食事も、ナオクルさんが
食べさせてくれたのだった。
「うわぁ、すごい豪華。何か
お祝い事なんですか?」
「たしか…新しい国王になり10年目だ。
皆、落ち着きがなくなっている。」
「10周年…節目ならお祝いしなきゃね。
あっ、でも…俺……。」
ここって異世界だよね?
俺の財布も見当たらないし、お金がない。
ヤバい、どうしよう。
そう言えば、リナリアさんにカナップ
だったかな?そこまで保育士として
雇われたんだった。だけど……。
「どうかしたか?」
「……い、いえ。」
俺を落ち着かせようとしてくれているのか、
頭や背中を優しく撫でてくれていた。
「カズミは表情がよく変わるなぁ。疲れたか?」
「いえ、大丈夫です。」
「……。」
ナオクルさんは、俺の頬に大きな手で
触れると、あたたかな何かが流れてくる。
なんだか、ホッとする感じがした。
あたたかい何かに触れていたくて
思わず俺も手を重ね、目を閉じたのだった。
おでこに、柔らかな何かを感じたけど
いつの間にか眠ってしまったのだら、
気がつくと、晩ご飯の時間になっていた。
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