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第二章 婚姻に向けて
54、お茶会という名の会議2
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バカス帝国を潰したのがナオクルさんだと
この場にいる皆は、たぶん薄々知っている気がする。
慣れって怖いと思った。
ナオクルさんとのいつも通りのイチャイチャ
だったが気づいてしまった。
一度気になるとトコトン気になってしまう視線。
先程からチラチラこちらを見ている男性、
20代半ば~後半の男性がいた。
視線が合うと緊張した面持ちで
先程の男性が話しかけてきた。
一度ナオクルさんが、話をぶった斬りに
してしまった男性だった。
微妙に気まづい……。
今度はナオクルさん、話を止めないでね、
って感じでナオクルさんを見た。
ナオクルさんは俺の頭をなでなでしていた。
通じてるかな?すごく不安だ。
「総帥、カドゥミ様、私はボイニー王国を
代表してお祝い申し上げます。此度は
御婚約誠におめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「そちらは、カドゥミ様のような美しさで
女の子の様に可愛い子ですね。」
えっ?お、俺?
「カズミは可愛いだけじゃない。」
「なっ、ナオクルさん、ちょっと……。」
男性はジーッとアベリアちゃんを見ていた。
するとパチッと目を覚ましたアベリアちゃんは、
不思議そうにその男性を見つめていた。
「……リナリア…。」
男性は驚いた表情で、目を見開いていた。
「……。」
こ、この人、まさか……。
「も、申し訳ございません。少し前に、
我が愛する妻を亡くしたばかりで……。」
男性は、アベリアちゃんを見つめながら、
瞳を潤ませていた。
アベリアちゃんは、相変わらず男性を
不思議そうに見つめていた。
「す、すみません。涙腺がすっかり弱くて、
御前…失礼します。」
そう言って、男性は立ち去ったのだった。
「ナオクルさん、あの人……。」
「あぁ。」
ボイニー王国の男性を皮切りに、
次々とお祝いのコトハギとともに挨拶され、
夕暮れと共にお開きとなった。
ボイニー王国の男性の髪の毛は、
チョコレート色、瞳は以前の
アベリアちゃんの様に紫色だった。
ボイニー王国のオレット王弟殿下だそうだ。
リナリア・セレイス、勇逸の妻だったらしい。
アベリちゃんがこのまま俺の子どもで
いいのか悩む事となった。
"私の一番愛する人との子なの。"
"我が愛する妻。"
リナリア・セレイス 。
元スウラン王国の王子は、2年程前に
ボイニー王国のオレット王弟殿下と
婚姻を結んだ。
元バカス帝国からの執拗な求婚に、
困らされた挙げ句、戦争を仕掛けられた。
元バカス帝国から逃れるため
リナリアを病死と偽りの発表を出す予定だった。
そして、戦火を逃れる為と祝賀会の使者として
リストン王国に来る途中、(妊娠に気づかず)
神樹の森でアベリアを出産した。
だが元バカス帝国の影より、馬車の事故で死亡。
17歳だった。
リナリアのご遺体は、ボイニー王国で
埋葬されたそうだ。
この場にいる皆は、たぶん薄々知っている気がする。
慣れって怖いと思った。
ナオクルさんとのいつも通りのイチャイチャ
だったが気づいてしまった。
一度気になるとトコトン気になってしまう視線。
先程からチラチラこちらを見ている男性、
20代半ば~後半の男性がいた。
視線が合うと緊張した面持ちで
先程の男性が話しかけてきた。
一度ナオクルさんが、話をぶった斬りに
してしまった男性だった。
微妙に気まづい……。
今度はナオクルさん、話を止めないでね、
って感じでナオクルさんを見た。
ナオクルさんは俺の頭をなでなでしていた。
通じてるかな?すごく不安だ。
「総帥、カドゥミ様、私はボイニー王国を
代表してお祝い申し上げます。此度は
御婚約誠におめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「そちらは、カドゥミ様のような美しさで
女の子の様に可愛い子ですね。」
えっ?お、俺?
「カズミは可愛いだけじゃない。」
「なっ、ナオクルさん、ちょっと……。」
男性はジーッとアベリアちゃんを見ていた。
するとパチッと目を覚ましたアベリアちゃんは、
不思議そうにその男性を見つめていた。
「……リナリア…。」
男性は驚いた表情で、目を見開いていた。
「……。」
こ、この人、まさか……。
「も、申し訳ございません。少し前に、
我が愛する妻を亡くしたばかりで……。」
男性は、アベリアちゃんを見つめながら、
瞳を潤ませていた。
アベリアちゃんは、相変わらず男性を
不思議そうに見つめていた。
「す、すみません。涙腺がすっかり弱くて、
御前…失礼します。」
そう言って、男性は立ち去ったのだった。
「ナオクルさん、あの人……。」
「あぁ。」
ボイニー王国の男性を皮切りに、
次々とお祝いのコトハギとともに挨拶され、
夕暮れと共にお開きとなった。
ボイニー王国の男性の髪の毛は、
チョコレート色、瞳は以前の
アベリアちゃんの様に紫色だった。
ボイニー王国のオレット王弟殿下だそうだ。
リナリア・セレイス、勇逸の妻だったらしい。
アベリちゃんがこのまま俺の子どもで
いいのか悩む事となった。
"私の一番愛する人との子なの。"
"我が愛する妻。"
リナリア・セレイス 。
元スウラン王国の王子は、2年程前に
ボイニー王国のオレット王弟殿下と
婚姻を結んだ。
元バカス帝国からの執拗な求婚に、
困らされた挙げ句、戦争を仕掛けられた。
元バカス帝国から逃れるため
リナリアを病死と偽りの発表を出す予定だった。
そして、戦火を逃れる為と祝賀会の使者として
リストン王国に来る途中、(妊娠に気づかず)
神樹の森でアベリアを出産した。
だが元バカス帝国の影より、馬車の事故で死亡。
17歳だった。
リナリアのご遺体は、ボイニー王国で
埋葬されたそうだ。
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