【完結・R18】28歳の俺は異世界で保育士の仕事引き受けましたが、何やらおかしな事になりそうです。

カヨワイさつき

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第二章 婚姻に向けて

58、作られた者

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土壁は空まで続くようにそびえたっていた。
音はボゴッ、ドゴーンって土木工事の
すごい音というかうるさい版?
俺って語彙力ないとつくづく思ってしまった。
うーん…。
地響きする様なすごい音が鳴り響いていた。
よし!!
その音が突然やんだと思ったら、
ガラガラーって土壁がなくなったんだ。
あれ?やっぱり俺の表現、幼稚だわ~。
土ボコリでもついてそうなのに、
ナオクルさんはなぜか神々しくキラキラしていた。
地面は掘り返された後があったけど、
きれいに整備?小さな更地が出来ていた。
ポッカリとした綺麗なまーるい更地、
そこの範囲には草木どころか落ち葉もなかった。
思わず見上げた空も、まーるく切り取られたような
青空が広がっていた。
どうなったのか聞いてもいいのかな?
「お腹空いただろう。食事にしよう。」
他の人もナオクルさんにどうなったのか
聞きたそうにしていたけど、なんとなく
聞けない雰囲気のまま、お城で作ってもらった
サンドイッチを人数分出し、紅茶も出して
俺は甘さたっぷりの紅茶と思ったら、
ほぼ全員甘さたっぷりの紅茶や
ミルクティーを飲んでいた。
何故だろう?
疲れた時には甘い物が1番だけど、
それだけじゃないような気がする。

マコト様の頭の上に落ちてきた可愛い者に
サンドイッチをあげようとしていたが
食べる気がないのか、弱々しくしていた。
「その子、コウモリに似ているけど
なんだろう?」
「ハムスターにコウモリの羽って感じだね。
俺もこの世界に来て10年だけど、
初めて見たよ。なんだろうね?」
「……作られた者たちか?」
ボイニー王国のオレット王弟殿下が呟いた。
「バカスの手の者かもしれない。何を
考えてたかはわからんが、奴隷や
愛玩奴隷でも作る気だったかもな。」
「……。」
「アネクラっぽい小さな者も、
他の者も檻の中や、繋がれたまま
息絶えていた。匂いにつられた本物が
きたが、紛い物だらけでそのまま
放置したのだろう。」
「……酷い。」
「魔物は純血にこだわる種もあるから、
匂いは似ているが、敵とみなしたのかもな。」
ナオクルさんは、無表情で話していたけれど、
声の調子からかなり怒っていると思った。

「私の領地を通ろうとしどこかの国に行く
途中なのか、それともこの国に
ばら撒こうとしたのか?崩壊した国ですが、
調べないといけませんね。」
「奇遇ですねー。私も元バカスに大切な
妻を殺されたので、一矢報いたいので
協力させて下さい。」
オレット王弟殿下は、俺を見た後
アベリアちゃんを見つめていた。
なんだろう?このモヤモヤは。
やはり、アベリアちゃんがオレット王弟殿下と
リナリアさんの子どもだということ
感づいてるかもしれない。
だけど、書類上は俺の子どもになったし
目の色は、ナオクルさんの魔力入りの
ミルクを飲んでいるからか、赤紫に
変化していた。
俺は暇つぶしに作ったクロス型の抱っこ紐で
アベリアちゃんを抱っこしていた。
乳母のミークさんも、教えて欲しいと言い、
自分の体に合わせた大きさで、
ライトちゃん用とアベリアちゃん用の
抱っこ紐を仕上げたのだ。
裁縫レベルはイマイチの俺が作った抱っこ紐は
縫い目がガタガタだった。
バッチリ手縫いですって感じだ。
同じ手縫いなのにミークさんが作った物は
ミシンで縫った様に綺麗な縫い目にだった。
きれいに仕上がった抱っこ紐に対して、
俺が作った抱っこ紐を使うのが恥ずかしくなった。
「カドゥミ様の愛情たっぷりの
抱っこ紐ですから、アベリア様も
暖かくて幸せですね。」
そう言いながら、アベリアちゃんの持ち物に
龍をあしらった刺繍を刺してくれたのだった。
裁縫も、家事もあまり出来ない保育士。
絵もわりと自信あったけど、
なんだか凹み気味な俺だった。
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