【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。

カヨワイさつき

文字の大きさ
13 / 39

11、夜のお出かけ

しおりを挟む
夜のお出かけ。
初めての夜の(人族)町。
無意識に鼻歌を歌いながら
ご飯を食べ、手早く片付けを済ませた俺。
人族の町に行く時に使う、いつもの
フード付きマントも準備オッケー。
なぜか何度も持ち物をチェックしてしまった俺。
保存バック(マジックバック)食べ物用、
食べ物以外のお土産用、服用、
保存バックに保存バックが
いくつか入ってるだけの俺の持ち物……。
お金はまだ持っていない。
お金を持ってたら危ないとか、落とすからとか
完全に子ども扱いの俺。
たしかに自分で稼いだというか、
家のお手伝いしてお小遣いもらう
子ども状態……。
服装はカポッと上からかぶり
胸元から首元まで編み上げするようなかんじ。
服と同じ生地の紐で結ぶだけの
ラフな上の服。
ズボンはウエスト部分に布の
ベルトで結ぶタイプ。
パンツは、なぜか紐パン……。
この世界の男性のパンツは紐パンなのか?
半ズボンタイプのパンツはないのか?
下着だけが違和感あり、日本で
はいていた祐逸の持ち物のパンツを
激しいローテーションでしようしてる。
誰か、パンツのゴムを開発してくれぇー!!
残念ながら日本産のパンツは
乾かし中なので、紐パン着用中だが
いつでもお出かけ出来る状態だ。

*テルは生活魔法の一つ"風"を使えるのだが
普段はあまり魔法を使わないので
パンツを"風"で乾かせる事を、この時
すっかり忘れていたのだった。

テディーさんとフレディーさん
帰ってくるの遅くない?まだかなぁ?
家の入り口付近でソワソワしてると
「私の可愛いテルちゃん。あの2人が
帰って来るのはもう少しかかるわよ。
今のうちにお風呂にでも入っておいで。」
「でも、湯冷めしそうだし帰ってきてから
入るよ、マルチダお母さん。」
「ダ~メ。お出かけ途中でも眠くなったら
無理したらダメよ。お風呂に入っておけば
いつでも眠れるから、いまのうちに
お風呂に入ってきなさい。」
「……はい。」
にこにこ笑顔なのに、なぜか怖かった。
大人しくマルチダお母さんの言う事を
聞いた方がよさそうだ。

お風呂に向かうと、いつもはない
薬草?が露天風呂にぷかぷか浮いていた。
何の薬草だろう?と鑑定したが
【名前 ???】
名前や効能まで全て"???"となっていた。
マルチダお母さんが勧めてくれたんだし
悪いものではなさそうなので
身体を洗って露天風呂に浸かった。
爽やかなようで甘い様な不思議な
香りがする薬草風呂に、ポワワンとなった。
「ふーぅ、いつもながら気持ちいい。」
ついついいつもより長風呂に
なりそうだったが、夜のお出かけが
楽しみで、お風呂時間が長いテルにしては
短めの入浴だった。
「マルチダお母さん、お風呂にあった
薬草ってアレなあに?」
「まぁ、私の可愛いテル、いつもより
お風呂上がるのが早いのね。あらあら
頭もちゃんと乾かしなさい。」
ふわぁっとマルチダお母さんの手から
温風がきたと思ったら、一瞬で
髪の毛が乾いてしまった。
この世界に来てから約一年が経つけど
髪の毛を短く切らせてもらえなかった。
髪の毛を切ったと言えるかどうかは
わからないけど、あえて言うならば
毛先を整える為にわずかに切った程度なので
俺の髪の長さが、スズメのしっぽ程度の
長さになっていた。
「おっ、テル風呂入ってたんだな!」
「ほーほぉ、お風呂にもかぁ……。」
「んっ?あっ!やっと帰って来たんだ。
テディーさん、フレディーさん
おかえりなさい。」
フレディーさんの言葉に若干違和感が
あったけど、2人が無事に帰ってきたのを
喜んだ。
ついでにやっとお出かけできるので
そちらの喜びが大きかったのは確かだ。
「「ただいま。」」

マルチダお母さんとテディーさん
そしてフレディーさんはお茶と
俺が作ったお好み焼きを食べていた。
「甘辛いのもオヤツっぽくていいなあ。」
「おぉ、これも旨い。」
2人の食べっぷりにすっかり、鑑定
出来なかったお風呂にあった薬草の事を
忘れてたのだった。

「いってきまーす!」
「行ってらっしゃい。2人とも
くれぐれもお願い、ね!」
「「は、はい!」」
んっ?と思ったのは一瞬で、家を出る前
夜の森は危険だからといって魔物避けの
粉を服にふりかけた。
俺の手はお出かけ時のお約束?いつものように
それぞれに手を繋いでいた。
俺は真ん中だから、両手はふさがった状態。
迷子の子ども捕獲状態?いやいや
同じくらいの身長だし大人の男が
3人で手を繋げた状態だ。
おかしくはないはず?!
真っ暗な森の中、小さな光のタマ"ライト"を
出して足元を照らしていた。
ボォーとする光のタマ、知らない人が
見ると人だまに見えるかもしれない。
そんな事考えながら森を抜けると
人だま…じゃなくて"ライト"を消した。
「魔法の扱いが上手くなったなあ。」
「テルは、いい子じゃな。」
「へへっ、いい子ってチョッ…俺はもう
21歳なの。立派な大人の男なの!!」
2人はハイハイっといった感じで
いつものようにニコニコしていた。
「そうじゃ。忘れるとこじゃったが
テルよ。町に入ったら話しかけられても
無視するんじゃよ。」
「喋らん方がいい。なんなら少しの間
"沈黙"の魔法をかけとこう。」
返事をする間にテディーさんに
"沈黙"の魔法をかけられてしまった。
痛くも痒くもないが声を出そうとしても
声が出ないだけ、違和感はあるものの
俺にとって"沈黙"の魔法は
普通に飲み食い出来る不思議な魔法だった。

「寄ってイッてね。可愛い子から
キレイな子、セクシーな子、
よりどりみどりよ!!」
「……。」
この町にこんなにも薄着のおねえさんや
オネェさん?ちょっと線が細めの
キレイ系タイプの男の人がいたなんて
知らなかった。あっ、チャライ人もいた……。
この世界は性別関係なく婚姻可能だそうだ。
オレオールさんも、そういえば
言ってた気がする。
「私がいる国では男同士でも婚姻
出来るし、政略結婚もよくあるよ。
テルは可愛いから他の男からも
モテるだろうね。」
あの時は外国すげ~!って思ってたけど
今考えると俺、女にはモテないって事?
「……。」
地味にショックを受けながら
オレオールさんの事を思い出していた。
オレオールさんがこの国にいたら
あのコスプレも違和感ないのかもしれない。
もう、自分の国に帰ったのかな?
それとも違う国とか、日本の他の地域を
旅してるかもしれない。
首元にかけられた小さな青い石の
ネックレスを思い出したかの様に
握りしめていた。

足早にそこを通り抜けると、何件かの
食べ物屋さんがあり、酔っ払っているのか
陽気な人や、頭に耳が生えた獣人族がいた。
"しっぽ触りたい!!"
"ケモ耳~!!"と沈黙がなければ
危うく叫んでたかもしれない。
かっこいいのに可愛い男性って
こうなのかな?
オレオールさんもたくましいのに
可愛いしたまに変に意地悪っぽい冗談も
いうときあるし、優しいし……。
オレオールさんにケモ耳としっぽが
生えたのを想像してしまった。
似合う!ぜったい似合う、かも!!

約3か月ほぼ毎日一緒だったのに
何も言わずどこかに行ってしまった。
何か俺…知らない間に嫌な事言ったのかな?
両親みたいに俺の事、要らないと思ったのかな?
なぜか、オレオールさんを思い出してしまい
心の奥がチクッとした。
オレオールさんはもう俺を忘れたのかな。
別に恋とかしてるわけじゃないけど
2人で過ごしたあの3か月が、すごく
大切で、日本で過ごした生活の中でも
刺激的だったけど、人と関わり
楽しいと思えたのだった。

両手を繋がれながら歩いていると
重そうに大きな男性を背負いながら
歩く男性が視界のすみに、チラッと見えた。
「酔いつぶれたようじゃの。」
「テル、あちらに行こう。」
"テル"という言葉に、大きな男を
背負った人はこちらを見たようだが
テルは、テディーさんが引っ張る方を
見ていたので気づかなかった。
テルには認識阻害がかかっていたので
兄を背負ったオレオールもテルを
認識出来なかったのであった。

お風呂に浮かべていた薬草は、
認識阻害効果がある薬草で
かなり高ランクの薬草だった。
人族の町に繁華街があるのを知っている
マルチダお母さんが、テルが絡まれない様
認識阻害の高価な薬草を使ったのだった。
たとえ、あの時オレオールとテルが
逢ったとしても認識阻害がかかっている
テルと、フード付きマントにも認識阻害が
かかっているので、テル本人が
いるとは気づかなかっただろう。
異世界に召喚されている事にも
気づいていなかった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【16話完結】スパダリになりたいので、幼馴染に弟子入りしました!

キノア9g
BL
モテたくて完璧な幼馴染に弟子入りしたら、なぜか俺が溺愛されてる!? あらすじ 「俺は将来、可愛い奥さんをもらって温かい家庭を築くんだ!」 前世、ブラック企業で過労死した社畜の俺(リアン)。 今世こそは定時退社と幸せな結婚を手に入れるため、理想の男「スパダリ」になることを決意する。 お手本は、幼馴染で公爵家嫡男のシリル。 顔よし、家柄よし、能力よしの完璧超人な彼に「弟子入り」し、その技術を盗もうとするけれど……? 「リアン、君の淹れたお茶以外は飲みたくないな」 「君は無防備すぎる。私の側を離れてはいけないよ」 スパダリ修行のつもりが、いつの間にか身の回りのお世話係(兼・精神安定剤)として依存されていた!? しかも、俺が婚活をしようとすると、なぜか全力で阻止されて――。 【無自覚ポジティブな元社畜】×【隠れ激重執着な氷の貴公子】 「君の就職先は私(公爵家)に決まっているだろう?」

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

僕、天使に転生したようです!

神代天音
BL
 トラックに轢かれそうだった猫……ではなく鳥を助けたら、転生をしていたアンジュ。新しい家族は最低で、世話は最低限。そんなある日、自分が売られることを知って……。  天使のような羽を持って生まれてしまったアンジュが、周りのみんなに愛されるお話です。

【完結】我が兄は生徒会長である!

tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。 名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。 そんな彼には「推し」がいる。 それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。 実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。 終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。 本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。 (番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)

悪の策士のうまくいかなかった計画

迷路を跳ぶ狐
BL
いつか必ず返り咲く。それだけを目標に、俺はこの学園に戻ってきた。過去に、破壊と使役の魔法を研究したとして、退学になったこの学園に。 今こそ、復活の時だ。俺を切り捨てた者たちに目に物見せ、研究所を再興する。 そのために、王子と伯爵の息子を利用することを考えた俺は、長く温めた策を決行し、学園に潜り込んだ。 これから俺を陥れた連中を、騙して嵌めて蹂躙するっ! ……はず、だった……のに?? 王子は跪き、俺に向かって言った。 「あなたの破壊の魔法をどうか教えてください。教えるまでこの部屋から出しません」と。 そして、伯爵の息子は俺の手をとって言った。 「ずっと好きだった」と。 …………どうなってるんだ?

俺の兄貴、俺の弟...

日向 ずい
BL
俺の兄貴、俺の弟... 登場人物 兄貴 成瀬 都和 (なるせ とわ) 27歳 身長 184cm 体重 67kg 弟 成瀬 尊 (なるせ たける) 17歳 身長167cm 体重 47kg 久我 子春 (くが こはる) 24歳 女性 都和の同僚で仕事仲間。 音海 恋 (おとみ れん) 18歳 男性 尊の同級生で腐れ縁。 阿澄 璃織 (あずみ りお) 17歳 女性 尊と恋と同じクラスの美女。 上城 志希 (かみじょう しき) 25歳 男性 都和の部下で頼れる友人。 物語内容 一言で言うとBLものです。 恋愛要素と笑い要素が入ったものになる予定ですが、言葉などは私の語彙力が足りないため少し見苦しいところが多々あると思いますが、良ければ読んでいただけるとありがたいです!

異世界召喚チート騎士は竜姫に一生の愛を誓う

はやしかわともえ
BL
11月BL大賞用小説です。 主人公がチート。 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。 励みになります。 ※完結次第一挙公開。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。 そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語

処理中です...