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2、無効化
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この世界は獣人族は15歳成人、
人族は16歳で成人であった。
冒険者登録は成人年齢の2歳前
(獣人族は13歳、人族は14歳)から
登録出来るのだった。
奴隷商人たちからさらった成人の者たちが
どこにいるのか聞き出そうとしたが
失敗した。奴隷商人は卑劣な契約魔法で
縛られ自白すると苦しみながら死んでいった。
残った者たちもおそらく同じ様に
使い捨ての下っ端だろう。
その囚われていた女性、この異国の女性も
他の者たちと同じく(おそらく)未成年者だろう。
幌付き馬車に乗る際、一人一人を
医務官たちが準備していた毛布や
きれいな布に包み、身体のアザやキズを
治癒魔法をかけ治していた。
調べると調べるほど卑劣で、女性や
子どもたちの身体には鞭(むち)で傷つけられた
ようなミミズ腫れが葉脈のように走り、
同じ箇所を一度や二度ではなく、何度も
打たれたのか背中や手足が血まみれの者もいた。
催淫誘発剤を使われていた者たちは
大きな町でテントを設置するまで
眠りの魔法を使い身体を休ませた。
起きたら気休めの薬湯を飲ませ
具のないスープなど食事をとらせていた。
ロナウドと騎士団、そして医務官たちは
犯罪者たちに対し、吐き気がするほど
込み上げる嫌悪感、マグマが地表を
突き上げるかのごとく怒りが湧き上がり
いつも以上に表情筋に気をつけていた。
感情が爆発しないように抑えるのを
必死になりながらも、ぎこちない笑顔を
囚われていた者たちに向けていた。
イカツイ顔つきが多い第三者騎士団は、
怯える奴隷商人たちには容赦ない
いつも以上のイカツイ表情をし
囚われていた人たちには、かなり
無理をした表情、ほとんどの者が
隠しきれてないイカツさだったが
団員個人個人としては精いっぱい優しく接し、
奴隷商人たちには各々の
チカラ発揮していった。
朝から大捕物を終え、ひと段落したのは
その日の夜遅くだった。
翌日は、第二騎士団と協力し
貴族や薬師も絡んでいそうなので
第一騎士団の団長であるこの国の
第二王子にも報告した。
王都の貴族で奴隷商人と懇意にしてそうな貴族、
珍しい物新しい事が好きなコレクターの貴族、
思い当たりがありそうな貴族たちの
捜査を頼んだのだった。
ロナウドは彼女がいるテントに入った。
黒い艶のある髪に黄色がかった不思議な
色合いの肌色、幼げな顔立ちの彼女は
不安げにこちらを見ていた。
まゆげや長いまつ毛、そして黒い瞳。
見た事はなかったが魔族と言われても
納得してしまいそうになるほど、
きれいというか可愛いと思ってしまった。
慌てて目を逸らし魅了の類(たぐい)の
魔法がかからないように無効化の
魔法を自分自身と子どもたちがいる医務官たちの
テント数張りに施した。
「私はロナウド、言葉は通じるかな?」
「……は…ゴホッ…イッ!」
彼女は咳き込みながら、自分が服を着ていない事に
気づきこちらを睨み付けるかの様に
強い眼差しをむけていた。
医務官たちが用意した薬湯と水や果実水など
彼女の目の前で、ひとさじずつすくい
毒味をした。
「これは薬湯、これはただの水…これは
果実を絞ったものだ、好きなものを飲め。」
「……。」
「君が裸なのは、私たちがしたわけじゃない。
君たち、君とちがうテントで手当を受けているが
奴隷商人が違法行為をし子どもたちを
さらったのだ。君はそのさらわれたうちの
1人だ。皆、服は着ておらず、取り急ぎ
この町で最低限の服と回収した物から君たちの
荷物があれば引き取るように手配をしている。」
自分でもこんなにも長文を話したのは
いつぶりだろうか?と思えるほど説明していた。
「……ありがとう…ロ、ロナウドさん?」
彼女は、薬湯を持ち匂いを嗅いだあと
「これは、何の効果があるんですか?」
「…薬湯、今回は栄養失調の者ばかりだったから
たしか、身体を温めるような物ばかりで
子ども向けに甘い薬草も入っている。」
「……ありがとうございます。」
ごくっと、一口飲んで一瞬だが彼女の
可愛い顔が歪んだがすぐに元に戻った。
「甘くて苦い青汁…まずいですね。」
苦笑いの彼女にドキッとした。
「うっ、あぁ…薬湯だからな……。」
水と果実水をひと通り飲んだあと
身体を起こしていたのが疲れたのか
再び元の寝床に戻り顔を隠す様に
毛布にくるまってしまった。
頭からかぶる様なかんじで、足先が
出ている状況だ。
小刻みに震え息も荒くなっている。
「どうした?気分が悪いのか?医務官を
呼んでくるから少し待て!」
「……。」
テントの入り口をめくり、部下に言付けると
すぐに医務官はやってきた。
事情を説明するとすぐに診ると
彼女につけられた特殊な首輪のせいで
発情状態になっていたのだった。
「獣人族なのか?」
「見た目は人族ですが、鑑定不可になってます。」
この首輪を外せるのは、魔力の強い
第一騎士団の団長である第二王子と
魔法省の長官だった。
王都に移動するにも日数はかかるし
眠らせて移動するとして馬車で2日。
あとは、本人に了承を得て男の精を
受け入れ中和しながら、首輪を外す方法だが……。
魔力の関係から、実質そのやり方が
出来るのが第三騎士団の団長ロナウドだけだった。
しかも彼女は身体も小さく成人前、
受け入れるのもかなりの苦痛を伴うだろうと
思われた。忌々しい首輪の作りからして
かなりの魔術が使える者が作成した物だった。
「彼女に説明を頼む。」
医務官にそう言い、さまざまな手続きの
書類作成をした。
人族は16歳で成人であった。
冒険者登録は成人年齢の2歳前
(獣人族は13歳、人族は14歳)から
登録出来るのだった。
奴隷商人たちからさらった成人の者たちが
どこにいるのか聞き出そうとしたが
失敗した。奴隷商人は卑劣な契約魔法で
縛られ自白すると苦しみながら死んでいった。
残った者たちもおそらく同じ様に
使い捨ての下っ端だろう。
その囚われていた女性、この異国の女性も
他の者たちと同じく(おそらく)未成年者だろう。
幌付き馬車に乗る際、一人一人を
医務官たちが準備していた毛布や
きれいな布に包み、身体のアザやキズを
治癒魔法をかけ治していた。
調べると調べるほど卑劣で、女性や
子どもたちの身体には鞭(むち)で傷つけられた
ようなミミズ腫れが葉脈のように走り、
同じ箇所を一度や二度ではなく、何度も
打たれたのか背中や手足が血まみれの者もいた。
催淫誘発剤を使われていた者たちは
大きな町でテントを設置するまで
眠りの魔法を使い身体を休ませた。
起きたら気休めの薬湯を飲ませ
具のないスープなど食事をとらせていた。
ロナウドと騎士団、そして医務官たちは
犯罪者たちに対し、吐き気がするほど
込み上げる嫌悪感、マグマが地表を
突き上げるかのごとく怒りが湧き上がり
いつも以上に表情筋に気をつけていた。
感情が爆発しないように抑えるのを
必死になりながらも、ぎこちない笑顔を
囚われていた者たちに向けていた。
イカツイ顔つきが多い第三者騎士団は、
怯える奴隷商人たちには容赦ない
いつも以上のイカツイ表情をし
囚われていた人たちには、かなり
無理をした表情、ほとんどの者が
隠しきれてないイカツさだったが
団員個人個人としては精いっぱい優しく接し、
奴隷商人たちには各々の
チカラ発揮していった。
朝から大捕物を終え、ひと段落したのは
その日の夜遅くだった。
翌日は、第二騎士団と協力し
貴族や薬師も絡んでいそうなので
第一騎士団の団長であるこの国の
第二王子にも報告した。
王都の貴族で奴隷商人と懇意にしてそうな貴族、
珍しい物新しい事が好きなコレクターの貴族、
思い当たりがありそうな貴族たちの
捜査を頼んだのだった。
ロナウドは彼女がいるテントに入った。
黒い艶のある髪に黄色がかった不思議な
色合いの肌色、幼げな顔立ちの彼女は
不安げにこちらを見ていた。
まゆげや長いまつ毛、そして黒い瞳。
見た事はなかったが魔族と言われても
納得してしまいそうになるほど、
きれいというか可愛いと思ってしまった。
慌てて目を逸らし魅了の類(たぐい)の
魔法がかからないように無効化の
魔法を自分自身と子どもたちがいる医務官たちの
テント数張りに施した。
「私はロナウド、言葉は通じるかな?」
「……は…ゴホッ…イッ!」
彼女は咳き込みながら、自分が服を着ていない事に
気づきこちらを睨み付けるかの様に
強い眼差しをむけていた。
医務官たちが用意した薬湯と水や果実水など
彼女の目の前で、ひとさじずつすくい
毒味をした。
「これは薬湯、これはただの水…これは
果実を絞ったものだ、好きなものを飲め。」
「……。」
「君が裸なのは、私たちがしたわけじゃない。
君たち、君とちがうテントで手当を受けているが
奴隷商人が違法行為をし子どもたちを
さらったのだ。君はそのさらわれたうちの
1人だ。皆、服は着ておらず、取り急ぎ
この町で最低限の服と回収した物から君たちの
荷物があれば引き取るように手配をしている。」
自分でもこんなにも長文を話したのは
いつぶりだろうか?と思えるほど説明していた。
「……ありがとう…ロ、ロナウドさん?」
彼女は、薬湯を持ち匂いを嗅いだあと
「これは、何の効果があるんですか?」
「…薬湯、今回は栄養失調の者ばかりだったから
たしか、身体を温めるような物ばかりで
子ども向けに甘い薬草も入っている。」
「……ありがとうございます。」
ごくっと、一口飲んで一瞬だが彼女の
可愛い顔が歪んだがすぐに元に戻った。
「甘くて苦い青汁…まずいですね。」
苦笑いの彼女にドキッとした。
「うっ、あぁ…薬湯だからな……。」
水と果実水をひと通り飲んだあと
身体を起こしていたのが疲れたのか
再び元の寝床に戻り顔を隠す様に
毛布にくるまってしまった。
頭からかぶる様なかんじで、足先が
出ている状況だ。
小刻みに震え息も荒くなっている。
「どうした?気分が悪いのか?医務官を
呼んでくるから少し待て!」
「……。」
テントの入り口をめくり、部下に言付けると
すぐに医務官はやってきた。
事情を説明するとすぐに診ると
彼女につけられた特殊な首輪のせいで
発情状態になっていたのだった。
「獣人族なのか?」
「見た目は人族ですが、鑑定不可になってます。」
この首輪を外せるのは、魔力の強い
第一騎士団の団長である第二王子と
魔法省の長官だった。
王都に移動するにも日数はかかるし
眠らせて移動するとして馬車で2日。
あとは、本人に了承を得て男の精を
受け入れ中和しながら、首輪を外す方法だが……。
魔力の関係から、実質そのやり方が
出来るのが第三騎士団の団長ロナウドだけだった。
しかも彼女は身体も小さく成人前、
受け入れるのもかなりの苦痛を伴うだろうと
思われた。忌々しい首輪の作りからして
かなりの魔術が使える者が作成した物だった。
「彼女に説明を頼む。」
医務官にそう言い、さまざまな手続きの
書類作成をした。
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