自分

自分

コポコポコポ
プクプクプク
ゴボゴボゴボ
最初に気づいたのは音だった

ズリズリズリ
にゅにゅ　にゅにゅ　にゅにゅ
うにうにと暗い場所から
身体を動かせることに気づいた

気づいたらあちこちへと
身体を動かしていた
いつまでも暗い暗い場所だった
なぜ暗いんだろう？

自分は長い時間考えた
考えたけれども
暗い場所だとしか
わからなかった

ズリズリズリ
にゅにゅ　にゅにゅ　にゅにゅ
暗い場所から自分は
身体を動かしていた

自分の身体は長いかもしれないと思った
地面にこすりつけるように動く
自分の身体は移動するたび　
縮むような痛みがではじめた

痛みをこらえながら移動したら
少し明るくなってきた気がした
自分の上を透明なきれいなものが
ふわふわ浮いていた

しばらく眺めていたら
ふわふわしたものは
いつのまにかいなくなり
また自分だけになってしまった

なぜか自分の身体の一部が
キュッと締め付けられた気がした
また　あのふわふわをみたくなり
痛む身体を休めたあと移動した

自分は小さいのか大きいのか
わからない
自分しかいないから
わからない

どれだけ探しても
自分と同じものは
なぜか
なかった

どうして？
なぜ？
さみしい？
こわい？

いくら考えても
答えはわからなかった
いま言えることは
明るい場所にいくこと

たまには暗くてもいいよね？
明るすぎても
疲れてしまうから
色々動き続けようと思った