上 下
17 / 18

16、学園の終わりに……。#少し長めです

しおりを挟む
私事で申し訳ございませんが、
只今、ストック不足と我が子の
体調不良により入院の付き添いの為
しばらく更新が不定期になります。
申し訳ございません。

#少しいつもより長めです。
#R指定入ります。
#前後左右、特に背後にお気をつけ下さいませ。
     .
     .
     .
     .
     .
     .
     .
     .

※マリー(中身はキオナ)目線※

俺は明日、成人を迎える。
もちろん双子である姉のマリーも成人だ。

前世の俺とまり姉もまた双子で、家族経営の
老舗旅館で育ったのだった。
そして、この世界でも双子でまり姉は
マリー姉上、そして俺なおきはキオナ。
なおきを逆さまから読んだ名前……。
ところが10歳の時ひょんな出来事から
マリー姉上と俺の中身だけが入れ替わって
しまったのだった。
俺は姉であるマリーの身体、マリー姉上は
俺の身体、男女の中身だけ入れ替わったのだった。
あれからまるまる5年、いまだに
俺の身体にはマリー姉上、そして俺は
マリー姉上として…女として生きている。

お日様一つに対して白い月が3つの世界。
ローアルの月、モーネの月、リューナの月
と呼ばれ、3ヶ月ごとに月の呼び方が変わる世界。
ロアールの1月から3月……春
リエーターの1月から3月…夏
モーネの1月から3月………秋
リューナの1月から3月……冬
ひと月30日で、一年は360日。
今日はリューナの3月29日で明日が俺たちの
誕生日であり本来の成人の日。
この世界では、基本13歳から15歳まで
学校生活を送り16歳の成人の儀式を
終えた者は、半年~1年の間、騎士コースか
社交・料理やマナーコースのどちらかを選び
社会に旅立つのだった。
俺は10歳で姉のマリーとお互いの中身だけが
入れ替わっでしまったので、3年もの間
女性の体であるマリー姉上として
演じてきたのだった。
明日から、王宮……。
本当の意味の卒業。
校舎家としては狭かった住みなれた
学生寮は、俺としてはかなりの高待遇の上
3学年からは個室だった。
前世のことを思えばかなりの広さだ。
デートの翌日風邪をひいて、気づけば
オザーム王太子殿下と同じ特別生活。
学業が終わっても、ギリギリまで
図書館にいたりキオナ(中身はマリー)と
学園内のカフェにいたり、部屋に戻る
時間を大幅にずらしていたのだった。

自分より先にオザーム王太子殿下が
早く部屋に戻っていると……。
「マリーおかえり。今日も遅くまで
図書館で勉強していたのか?」
組んでいた長い足を優雅にほどきながら
ソファーから立ち上がり、気づいた頃には
オザーム王太子殿下に包み込まれている
状態になっているのだった。
「た、ただいま…です…はい。」
オザーム王太子殿下の優しい声が耳朶に届くと
なんだか、泣きたくなるほど落ち着くのだった。
「マリー、なんだか無理してないか?」
聞きなれた掠れた低音にゾクゾクする毎日。
俺なんかと違って、オザーム王太子殿下は
今日も学園の勉強とはべつに王太子としての
公務を遅くまでしていたのだろう。
ソファーの前のローテーブルには、いくつかの
書類が積まれていたのだった。
「む、無理してるのは、オザーム王太子殿下
ではありませんか?」
馬車での移動の合間に食事をしているらしい
オザーム王太子殿下は、少しでもマリーとの
時間をとるために、昼食だけは学園で
一緒にとろうとし早朝や夜遅くにまで
王宮で勉強しているのだった。
学園の勉強など必要な単位はほぼ
マリーとともに2学年でほぼ済ませていた。
ダンスやマナー、剣術、魔法なども
ほぼほぼ学生としては優秀なマリーとは違い
オザーム王太子殿下は完璧だった。
剣術や魔法は先生より上手く、先生からの
指示でお手本として先生側になって
他の生徒に教えていたりするのだった。
「心配してくれているのか?優しいマリーに
ご褒美を…と言いたいが、2人っきりの時には
私の事、どう呼べばいいか忘れたのかな?」
最初のデートの時には、オザーム様、
2回目はオザームさん、呼び捨ては
畏れ多いというか……、
学園に上がったばかりの頃はまだ
マリーとキオナの中身の入れ替わりが
何かの拍子に元に戻るだろうと思われたのだが、
一向に戻る様子もなく今に至るのだった。
リエーターの月、前世でいうと初夏にあたる月の
デートでは、オザーム王太子殿下のこと
セカンドネームである、"フゥーリー"と
呼ぶように言われていたことを
マリー(中身はキオナ)は思い出した。
呼び捨てには慣れておらず、練習をするものの
照れてしまいなかなか呼べなかったのだった。

2人の身長差からかマリーの立場からは自然と
見上げる事になるので、いつも上目遣いで
話すマリーにオザーム王太子殿下は
耐えきれないほどの忍耐を鍛える事と
なったのだった。
「フゥーリーさ、様……。」
手を伸ばせばすぐにでも抱きしめられる
距離にいるマリーとオザーム王太子殿下は
しばらくの間見つめあっていた。
「マリー、様はなしだよ。マリー…好きだ…
愛してる。そして君が、君たちを産んでくれた
ベルウッド家に感謝する。マリーとそして
キオナ成人おめでとう。」
中身が入れ替わってることを知らないはずなのに
キオナ自身にも祝いの言葉を言ってくれた事に
すごく驚いたと同時に涙が出てしまうほど
嬉しかったのだった。
「ありがとうございます……。」

「マリー私と家族になろう。もう離さない。
君を離す気はないし祐逸無二の存在だ。
幸せにするから、そばに…ずっと私の
そばにいてくれ。お願いだから私を
避けようとするのはやめてくれ。
気に入らないところは、言って欲しい。」
ちゅっ。
鼻腔を掠める甘い香りに外見がマリーなのも忘れ
俺は不覚にもときめいてしまった。
気づけば自分の頬にあたるオザーム王太子殿下の
胸板は鋼鉄のように厚く、たくましかった。
かすかに震えているオザーム王太子殿下の
マリー(中身はキオナ)抱きしめる腕、
かたくて太い腕はマリーの細腰を楽々と 
引き寄せ2人は隙間もなくくっついていた。
しばらくの間優しく抱きしめられ、頬や
おでこに何度もくちづけされるマリー(中身はキオナ)。
ただそれだけのことなのに、なぜか涙が
零れるほど心地よかった。
「マリー?!」
すると、オザーム王太子殿下は大きく目を
見張って、困惑げな顔をしていた。
「マリー?どうしたんだ?」
「……。」
この感情はなんなのかわからず、中身が
男である俺の相手が男、つまりボーイズラブ?!
早く中身が入れ替わってるのをなおさないと
このままでは……ヤバい。
だから、拒まなきゃいけないのに
拒めきれない自分が嫌になる。
マリーは?マリーに相談しても
「私はこのままでも結構よ、動きやすいし
少し筋肉もついたし楽しいよ。」
「マリーはキオナでキオナはマリー、
趣味はともかく好きな物や好みのタイプも
似てるし大丈夫よ。」
俺のうっかりで、オザーム王太子殿下との
婚約が決まってしまった日、マリー姉上に
言われた言葉だった。
あの日、言われた言葉があまり?意味が
わからなかったが、今思えば、マリー自身も
オザーム王太子殿下の事が"好き"って事なのか?
うまく説明することができない感情が
内側からはい上がる気がした。
不安な気持ちをごまかすかのように
厚くてかたい胸板にぐりぐり自分の顔を
押し付けてしまった。
「くっ……ごめん、可愛いすぎ……。」
う、えっ?
一瞬の浮遊感の後、すっぽりはまるかのように
お姫様抱っこされたマリー(中身はキオナ)は
ベッドルームに運ばれ、柔らかなベッドに
そぉーとおろされたのだった。
いつものオザーム王太子殿下とはちがい
荒々しく上着を脱ぎ捨て衣服を着崩した。
いつのまにか横たわる自分自身に
覆いかぶさるようにオザーム王太子殿下と
目があった。
「愛してる、好きだよ。」
頬から口、口から首すじ、首すじから鎖骨(さこつ)
熱いくちづけが下に降りてきた。
オザーム王太子殿下はマリーの片手サイズに
ふくらんだ胸に顔を埋めて、思う存分マリーの
色づいた突起を飴を舐めるかのように
転がしたり時には甘噛みまでした。
「んんっ……んっ、あぁ……っ。」
ぷっくりと硬くなると突起は、体が
震えるほどの喜びを感じた。
胸を舐めらる事に感じているのだと思うと
たまらなく恥ずかしく思えて、漏れ出る声を
おし殺すことに必死になってしまった。
それなのに、オザーム王太子殿下の手が
片方の胸を手でいじり剣ダコが出来た長い指が
胸に食い込んだり、突起を何度も執拗(しつよう)に
つまんで硬くされたりしたのだった。

「…っ、ん…ぃっ…んんっ!」
ちゅうちゅうと突起を吸い上げられ
自分自身信じられないほどの甘い声を
上げながら、身体を震わせてしまった。
オザーム王太子殿下はマリーの可愛さに、
至る所にキスマークをつけた。
そのたびに、彼女が熱い吐息をこぼしていた、
彼女は俺よりは色白なので、朱色の花が
キレイに咲いていた。

*オザーム王太子殿下目線*

誰も触れられない場所、私だけの場所だと
主張するかのように独占欲をあらわにした
場所が色づいていった。
マリーの白い足を隠す布をそぉーと取り除き
たくし上げた。こんなスカートで私を
誘うなんて、なんて情熱的なんだろうか。
しかし、これは私の前以外は履いてほしくない。
青と紫が混じった薄手のスカート。
マリーはもう成人したんだし、もう少し
長いスカートを用意しよう。
私以外が、マリーの美しい足を見るだなんて
考えただけで、見た奴を……。
物騒な考えを押し込めながら、マリーに
似合いそうな品物を考えていた。
手は無意識に触り心地のよいふくらはぎから
太もも、そして足の付け根あたりへと
伸びていった。
もちろん、胸への刺激はしっかりしている。
色っぽい煽るようなマリーの声と、肝心な
花芯には触ってなかったのに、水分でぴったりと
張り付いているそこを下着越しに撫でた。
「ん、っ、あっ!だ、めぇっ……。」
下着越しでは我慢できないということだろうか?
私の都合の良いようにしか、変換されない
マリーの言葉はさらに艶っぽくなっていった。
私は布をずらして、直接指で触れた。
初めての場所、やっと触れてしまった
私だけの場所。
くちゅり、と水ではない粘着質な音が
微かに耳朶に触れるのがマリーにも
聞こえたのか、さらに声で煽ってくるのだった。
マリーが私のつたいない愛撫に感じているのだと
思うと、理性さえ吹き飛びそうになる。
懸命に本能を押さえ込みながらも、まだ
婚姻の儀式を行うまではダメだと、警告音が
なっている気がした。
マリーの狭い入り口を解しながら、
私の小指を挿入すると、彼女の背が
大きくそり返ったのだった。
「ああぁぁ…いっ…ッ。」
私の小指の一本すら拒むように狭く、
だけど熱くて絡みつくやわらかなマリーの壁が、
私の頭をくらくらさせる。
もっとここを慣らさなければ、自分は
到底入らないだろうと分かっている。
……いや、ダメだ。
私自身のモノをここに挿れるのは、
婚姻の儀式後だ。今日は、まだ…ダメだ。
"ここに自分を入れたくてしょうがない。"
"早くひとつになりたい。"
"私の形をしっかり覚えさせたい。"
私の独占欲からの声に焦りながらも
マリーを気持ちよくさせようと、色っぽい
マリーの声に応えるように、私は一生懸命に
彼女の乱れる姿を目に焼き付けながら
己の舌と指で彼女の敏感な体を
ほぐしていったのだった。

彼女も私を愛してくれているのだろうか?
私はマリーと出逢えて本当に良かった。
王族だから政略結婚だと思っていたが
母上のお茶会で私は一目惚れしてしまった。
そして、王族なのも忘れて古式のプロポーズをし
幸福をたっぷりと味わった。
幸せなのにつらい…閨教育はマリーの為
座学だけにし覚えた。今日、頭でっかちな
知識を駆使しマリーを気持ち良くさせるのに
必死になると思っていたが、マリーの声が
色っぽくて彼女がそばにいてくれる事や
さまざまな感情が溢れ出してきた。
私自身の身体までもが熱くて、おかしくなりそうだ。


*マリー(中身はキオナ)目線*

俺は、自分が信じられないくらい、
細い悲鳴をあげていた。
これってまるで本物のオ・ン・ナじゃねぇか。
手で口を押さえても、すぐに荒い息と
声がこぼれていく自分にどんどん
恥ずかしくなっていった。
「んんっ…もぉやぁッ…ああっんんっ!」
女の身体ってこんなにも気持ちいいのか?
信じれない場所、月のものが溢れる場所、
オザーム王太子殿下のゆ、指が
中をグチャグチャにかき混ぜられるたび、
なにも考えられなくなる自分がコワイ……。
このまま流されていいのかも、わからなくなる。
胸を片手で隠してしまいそうなくらい
剣だこがある長い指が……気持ちいい。
少し硬めの大きな掌が、自分を揉みしだく
その彼の太い指が自分の中で蠢(うごめ)いていた。
気持ち良すぎてコワイ。
好きになりすぎてコワイ。
もし、この瞬間マリーと俺が入れ替わってしまったら
この気持ちのやり場は、どこにいくんだろう……。
コワイ、コワイ、コワイ……。
このまま居なくなりたい?
いつ、"戻って"しまうんだろう?

今の自分は好きな人からの刺激に
ただ身体が熱くて、誤魔化しようのないほど
濡れていただけだった。
「っ、や、あぁっ―――オザーム…様、
ごめんなさい…好き……。」
オザーム王太子殿下の顔を見る勇気はない。
無意識に出る声が、何を言ったのかは
わからないけど、オザーム王太子殿下の
長い指が複雑に動きながら、
速度が速くなっていった。
もう何度目だろうか、頭の中が真っ白になり
俺の意識は遠のいたのだった。

「……愛している、君だけを。」
しおりを挟む

処理中です...