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あ、あれは…。

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長蛇の行列、領主の息子のご成婚となれば
各地からお祝いの品や身分的にも高い者
狙いで、犯罪が多くなるのは当たり前。
旅慣れた商人でさえ、瘴気は薄まったとはいえ
浄化の魔石を買いながらの旅は、
費用がかさむし、それなりの身分的の方々が
全員、貴重な浄化の魔石を持っているとは
断言出来なかった。
良くて数個、悪くゼロ。
ただでさえ命の危険がある旅に護衛を
配置しながら数日かけて旅するのは、
めんどくさ……ゴホッ、ゴホッ。

ゴホン。数台の馬車と人数の多い旅には、
多額のお金や魔石、薬、食料など
色々と大変だった。

どうやら、検問を待つ長蛇の列の中に
襲われている者がいるようだ。

→助ける。
→助ない。
→様子を見る。
→逃げる。

暇に飽き飽きしていたのは、マコトだけでは
なかった。
「大変だ、助けなくては…。」
「本当ですね。助けなくては…。」
「「……。」」
言い終わる前に、ソリトル伯爵とキオナは
騒ぎの元に走って行った。
「プーエルさん、伯爵って走れたんだね。」
「あぁ。あの体型だが、そこそこ出来る男だぞ。」
「プーエルさん俺、体力に自信がないですが、
魔力で補助出来るかもしれないんで、
すみませんが、連れて行ってくれませんか?」
「あぁ。」
雄馬さんに言い聞かせ、御者2人を残し
馬車ごと魔法と物理攻撃無効を重ねがけした。

あっ、最初からそうすればよかった。
途中?じゃなくて今、この魔法を
思いついたので仕方がない。
プーエルさん、御者さん、お疲れ様です。

今までの苦労が嘘のように、あら不思議。
馬車にも人にも魔法や物理攻撃が
も近寄れないようだ。

逃げ惑う人々とは逆に進む俺達。
その先にいたのは……。
あ、あれは、冒険ファンタジーなら憧れのドラ…。
「ドラーゴン・ゾーラ…。」
「……。へっ?」
きっと俺の顔は、マヌケな顔を
しているかもしれない。
「 表皮はザラザラして湿っているが、
剣などで切るとクリーム色の中身全体に
青い血のりが広がっているのが特徴だ。」
「……。」
えっ?それ、ゴルゴン・ゾー◯だよね?
カビの色ではなく青い血…なんだ。

「マコトは初めてか?見た目程強くは
ないはずなんだが…。A級ランクが
2人~3人程度で倒せれるんだが…。」
Aランクは強いし、あまりいませんよね?
「どこか、おかしいんですか?」
「なんだか、落ち着きなく何か探してる
ような感じだ。誰かコイツを誘導してるのか?」
「誰がそんな事を…?」

「嫌な貴族への腹いせ、領土争いを
起こさせる為とか色々だな。」
「酷い…。」
「嫌な奴も多いよ、仕方がないがな。」
「お前はどうする?」
「キオナと伯爵を探して皆を助けなきゃ。」
「アイツらは、あそこで魔石で治療してるな。」
「み、見えるんですか?」
「魔力で遠くが見えるようにしてるだけだ。」
「プーエルさんすごい。」
「魔力をすごく使うから、めったにしない。
俺は犯人探しをするが、どうする?」
「ご一緒に、お願いします。」
「おう、よろしくな。」
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