異世界に来ちゃったよ!?

いがむり

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第2章

(31)たたたっ、誕生祭だよ!③

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「すみません、お待たせしました……ソフィア様?どうかなさいましたか」

「あ、いいえ!なんでもないですよ」

さっきの人には申し訳なかったな……顔色悪いなんて言って。また会ったらちゃんと謝っとこう。

《((おーいソフィア、今どこにおるかの?))》

「((グライ!スピーレも一緒なの?))」

《((うむ、おるぞ?))》

「((私達家族でしょ!なんで何も言わずにどこか行くの!!))」

もー、私はプンプンだよ!!

《((す、すまん……))》

「((私は今から聖堂に行くの!今そこに)いるなら、そこで待ってなさい!!))」

「ソ…ソフィア様?」

「神父様!さっ、聖堂に行きましょう!」

「え、は…はい!」











聖堂に行くと、グライとスピーレが騎士団の人達と一緒にいるのが見えた。

「((グライ!スピーレ!))」

私がプンプンで念を飛ばすと、グライ達の背筋がぴんと伸びる。

『あ、ああ……』

《ソ、ソフィア……》

「私に何も言わずにどこかへ行っちゃだめ!どこか行くなら、前もって言ってから!」

『《は、はい……》』

「分かった!」

『《はい!》』

「…………家族でしょ?離れ離れになったら不安になるよ…」

〈…………ソフィア〉

私はオーヴィのもふもふした背中に顔を埋める。

「((罰として私のお触り今日1日禁止!))」

《ピギャッ!》

『えっ……』

そんな悲しい顔したって罰は罰なんだから!

「ソフィアに1本取られましたね。グライ様、スピーレ様」

「エリックさん!ジャックさん……と、あっ!」

オーヴィをいじめた人だ!でもなんで?

「ソフィア、2人を紹介しよう。国営騎士団2番隊隊長フィリップ・キヴァシエル、それから3番隊隊長アルフレッド・ベルトレアだ」

私はオーヴィの前に守るように出る。

「ソフィアです…………この人」

私は3番隊長さんに指差す。

「オーヴィが病気だったのに、いじめた人…………意地悪しちゃだめなんだよ!」

「あ、いや…その……」

「アールーフー?」

「やはり……アルフ、お前って奴は…」

「そうだと思いましたよ」

あ、エリックさん達笑ってるけど、笑ってないや。

「これが終わったら、国王に仕事増やして貰わないとな」

「やはり、アルフ……そうだったか」

国王様御一家も来たみたい。

「国王!こ、これは…………すみませんでした」

「謝るのはあちらじゃないか?」

アルフは私達の方を見る。

「強い奴がいるとつい、戦いたくなっちまって………その、すまなかった」

「((オーヴィ、謝ってるよ))」

〈((まあ、いいんじゃないか?もうしないだろう))〉

「良いって!よかったねアルフさん」

「あ、ああ」

「皆様…………時間です。ええと、始めて頂けるとありがたいのですが……」

「「「「「『〈《「あっ……」》〉』」」」」」




 



「それでは御神の御加護を賜り、ここにプリニティーバ様の誕生祭の開会を宣言致します」

まあ色々あったけど、神父様の挨拶で誕生祭が始まったよ。

「では、国王様のお言葉を賜ります」

国王のお言葉……!私は最後から2つ目。結構後ろだよ~!

「──プリニティーバ様の恩恵を受け、我々は…………」

みんな静かに聞いてる。教会だからかな?それとも国王様がみんなを惹き付けてるのかな?どちらにしてもすごい!

「ソフィア様、まだ時間はありますがこちらを」

マイルさんから祝福の詩、アビラス様のポエム本を受け取る。

「頑張ってくださいね」

「はい!」

次はこの教会の歴史だね。神父様、頑張って……!

「……そうして長い年月が経ち、我々がいるのです!」

あ、良かった。そんなに緊張してないみたい。

「ソフィア、わしの話どうだったかの?」

「国王様!威厳が感じられ、ためになるお話でした」

「それは良かったわい」

「ソフィアちゃん、大丈夫?緊張してない?」

王妃様も気にかけて下さって、嬉しいな。

「初めてなので、少し緊張してます。でも、みんながいるので大丈夫です!」

『私達も緊張するわ……!』

『ソフィア……頑張ってね!!』

エルブとアズルにギューってされて、私も元気になったよ。そしたら、光の精霊さんがたくさん現れて、

『ソノ本、読ムのノ?』

『読ムノ?』

「うん、今年は私が読むの!」

『読ム、手伝ウ!』

『ミンナ、手伝ウ!』

「ほんと?ありがとう!」

「どうしたの、ソフィアちゃん?」

「王妃様、光の精霊さん達が一緒に本を歌うって言ってます」

「……光の精霊が!」

「ソフィアちゃんだから出来ることっすね……」

「私もこのような日に巡り会えるなんて思ってもみなかった……」

「私もだ……!」

ジャックは多種に愛されるソフィアに感心し、フィリップとエリックは感動して目に涙か溜まる。アルフは、驚いた顔のままフリーズ状態。

「ソフィア様、次が出番です」

マイルは通常運転だ。

「それでは、フェアリーデイであるソフィア様に祝福の詩を代読してもらいます」

神父様の紹介で私は聖堂の中へ。私の足音だけが聞こえる。さっきより胸がドキドキする。

『大丈夫?』

「うん、大丈夫だよ」

『ミンナ、ソフィア大好キ!』

『大好キ!』

「ありがとう、みんな」

精霊さんがこっそり話しかけてくれる。ちょっと気が和らいできたよ。

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