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四章 この世界の正体
東京沈没
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そして、朝になった。
あの夜から降り始めた雨は止むことなく勢いもそのまま降り続けていた。むくりと起き上がった僕はひとつの違和感を覚える。寝る前に来ていたはずの服を着ていなかった。いわゆる、裸ってやつだ。深夜帯の記憶なんて全くないが、まあ、「そういうこと」でもヤっていたのだろう。
外の状況を見ようと、下着だけ着て外を覗く。外は分厚い雨雲に覆われ、太陽の光なんてほとんど入ってこないようなもので、遂に所々大きな水たまりとほぼ冠水しているようなところがあった。とうとう、東京の排水機能がクラッシュしたと、江戸川がもう崩壊したと。そう確信した。
そういえば、と昨日の夜のことを思い起こす。瑞稀が強姦されかけ、鰆が今日裁判的なものにかけられるみたいなことがあったということを。
「とりあえず、冬樹さん起こしに行くか...」
僕はそう言って、瑞稀に少し乱れた掛け布団を掛けなおし、服を着て冬樹さんの所へ向かった。
「冬樹さーん。起きてくださいー」
こんこんとドアをノックしながら僕は室内にいるであろう彼に声をかける。それを5,6回続けたあたりで彼が部屋から出てきた。
「一体なんだ...こんな時間から...」
「こんな時間ってなんですか?もう朝9時ですけど...」
「おいおい嘘だろ」
「ほんとです。ところで鰆さんはどうするんです?今日じっくり話し合いするみたいですけど」
「ああそうだったな。ちょっとみんなを起こして一回の食事スペースに連れてきてくれ」
「わかりました」
ドア前で会話をした僕らは一度解散し、僕はみなを起こしに行くことになった。
全員を起こし、一回の食事スペースに集める。机で対面になるように鰆と冬樹さんが座り、右辺左辺に僕含めた4人は座り、全員が着席したところで冬樹さんが鰆に質問をなげかける。
「まず初めにだ。昨日の行動に対して反省は?」
「全くしていない」
ははっと嘲笑うように吐息を漏らした後、彼はそう答えた。一瞬で僕と他仲間の表情が凍り付く。冬樹さんも怒りを堪えて、次の質問をなげかける。
「なんで、こんなことしたんだ?」
「我慢が出来なかったから」
「一人でもできただろう」
「もうみんな死んでるんだ。別になんともないだろう。それに、欲望には忠実じゃないとな」
おまえ、ふざけるなよ。と言う言うような視線を冬樹さんが鰆に向ける。それを見た鰆が少し萎縮する。
「俺らの裁量しだいでこの世界からも消し去ることだってできる。俺らが元の世界に戻れても、お前は元の世界には帰れないぜ?」
「ああ。だからどうした?さっきも言ったが、もう死んでる身だ。そんな脅し、意味すらない。」
冬樹さんのかける強い言葉にも一切動じず鰆は生気の宿らぬ目で冬樹さんの目を見つめてたんたんと述べる。初めの質問でも言っていたように、全くもって反省をしていないようだった。
冬樹さんが何かを瑞稀に耳打ちし、それを聞いた彼女は頷いた。一体何だと思っていると、冬樹さんが鰆に向けて、こう言い放った。
「今回は温情ということで放免だ。だが、次同じことをしたら、どうなるか...だな。」
そして、彼は鰆を睨みつけた。
「以上。解散だ。」
最後に彼はそう言って席を立った。そして、その後に僕らも席を立った。鰆を見ると、少し目に涙を貯めているように見えた。
昨日から降り続く雨は、まだ収まらず、逆にまた雨足が強くなっていた。
あの夜から降り始めた雨は止むことなく勢いもそのまま降り続けていた。むくりと起き上がった僕はひとつの違和感を覚える。寝る前に来ていたはずの服を着ていなかった。いわゆる、裸ってやつだ。深夜帯の記憶なんて全くないが、まあ、「そういうこと」でもヤっていたのだろう。
外の状況を見ようと、下着だけ着て外を覗く。外は分厚い雨雲に覆われ、太陽の光なんてほとんど入ってこないようなもので、遂に所々大きな水たまりとほぼ冠水しているようなところがあった。とうとう、東京の排水機能がクラッシュしたと、江戸川がもう崩壊したと。そう確信した。
そういえば、と昨日の夜のことを思い起こす。瑞稀が強姦されかけ、鰆が今日裁判的なものにかけられるみたいなことがあったということを。
「とりあえず、冬樹さん起こしに行くか...」
僕はそう言って、瑞稀に少し乱れた掛け布団を掛けなおし、服を着て冬樹さんの所へ向かった。
「冬樹さーん。起きてくださいー」
こんこんとドアをノックしながら僕は室内にいるであろう彼に声をかける。それを5,6回続けたあたりで彼が部屋から出てきた。
「一体なんだ...こんな時間から...」
「こんな時間ってなんですか?もう朝9時ですけど...」
「おいおい嘘だろ」
「ほんとです。ところで鰆さんはどうするんです?今日じっくり話し合いするみたいですけど」
「ああそうだったな。ちょっとみんなを起こして一回の食事スペースに連れてきてくれ」
「わかりました」
ドア前で会話をした僕らは一度解散し、僕はみなを起こしに行くことになった。
全員を起こし、一回の食事スペースに集める。机で対面になるように鰆と冬樹さんが座り、右辺左辺に僕含めた4人は座り、全員が着席したところで冬樹さんが鰆に質問をなげかける。
「まず初めにだ。昨日の行動に対して反省は?」
「全くしていない」
ははっと嘲笑うように吐息を漏らした後、彼はそう答えた。一瞬で僕と他仲間の表情が凍り付く。冬樹さんも怒りを堪えて、次の質問をなげかける。
「なんで、こんなことしたんだ?」
「我慢が出来なかったから」
「一人でもできただろう」
「もうみんな死んでるんだ。別になんともないだろう。それに、欲望には忠実じゃないとな」
おまえ、ふざけるなよ。と言う言うような視線を冬樹さんが鰆に向ける。それを見た鰆が少し萎縮する。
「俺らの裁量しだいでこの世界からも消し去ることだってできる。俺らが元の世界に戻れても、お前は元の世界には帰れないぜ?」
「ああ。だからどうした?さっきも言ったが、もう死んでる身だ。そんな脅し、意味すらない。」
冬樹さんのかける強い言葉にも一切動じず鰆は生気の宿らぬ目で冬樹さんの目を見つめてたんたんと述べる。初めの質問でも言っていたように、全くもって反省をしていないようだった。
冬樹さんが何かを瑞稀に耳打ちし、それを聞いた彼女は頷いた。一体何だと思っていると、冬樹さんが鰆に向けて、こう言い放った。
「今回は温情ということで放免だ。だが、次同じことをしたら、どうなるか...だな。」
そして、彼は鰆を睨みつけた。
「以上。解散だ。」
最後に彼はそう言って席を立った。そして、その後に僕らも席を立った。鰆を見ると、少し目に涙を貯めているように見えた。
昨日から降り続く雨は、まだ収まらず、逆にまた雨足が強くなっていた。
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