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第17章 風の国ストムゼブブ『暴食』の大罪騒乱編
第452話 草木伐採作戦開始!
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一時間ほどが経過――
報せに走った騎士がぽつぽつと戻って来る。
「家族に伝えたのか? どうするって?」
報せに行かなかった騎士も動向が気になるようで、戻って来た騎士に状況を聞く。
「いや……まるで信じてもらえなかった。有事になる前に避難してくれれば良いが……」
全く聞く耳持たない家族が居れば――
「うちは下流の親戚の家へ避難すると言っていた」
「うちも近所や知り合いに報せて避難すると」
私の言葉を真に受けてくれて避難準備する家族も。
ちなみに『下流』というのは、ボレアース城を最上流の基点と考え、そこから離れるほど下流という位置付けになるらしい。先ほどの騎士のやり取りを訳すなら『城から離れたところにある親戚の家』という意味になる。
「全員戻って来ましたね。じゃあ、とりあえず崖下へ行きましょうか」
「では有翼人以外はロープウェーを使って――」
「ああ、大丈夫、空間転移魔法で行きますから」
崖下へのゲートを開く。
「おお! あなたも空間魔法を使えるのですね!」
「全員通過したらあちらで今からやってもらうことの説明をします」
◇
ゲートにて崖下に移動。
「た、谷底はここまで生い茂っているのですね……」
「初めて谷底に来たけど……」
「これを掃除するのかぁ……」
谷底へは初めて足を踏み入れた騎士が多いらしく、見ただけで面倒であろうことが分かるため、少々不満気な声が聞こえる。
「それで、ここからどうするのでしょうか?」
「この谷底の草木を少量残してできるだけ伐採してください!」
「アルトラ部隊長、少々よろしいでしょうか?」
「何ですか?」
ウィンダルシアさんが何か言いたげに話を遮った。
「今より部下に対する敬語を禁止の方向でお願いします。上下関係をしっかりさせておかないと関係性が曖昧になり、任務がダレる原因にもなりますので」
お、おお、そうなのか。
初対面しかいないから、丁寧に接した方が良いと思ってそうしてたけど、騎士団では確かに上下関係はしっかりしておいた方が良いのか。
「みんなも聞いた通りだ!」
アルトレリアでの普段使いのしゃべり方くらいで良いかな?
「草木を刈る理由だけど、ジャイアントアントの出現する巣穴が見つけやすいようにしなければなりません……え~、見つけやすいようにしなければならない!」
「谷底の草木をできるだけ!? かなり広大ですよ!?」
キノコ岩の地形が始まるところから城までの距離は二十数キロと聞いている。横方向の距離も空から見た限りは五キロ程度はありそうだ。しかも城から下流へ下るほど、キノコ岩を囲む岩壁が扇状に広がるためかなり広い。
「ジャイアントアントはヒトの多いところを襲撃すると考えられるので城や城下町へ通じるキノコ岩の根本に近いところを重点的に刈り取ってください……刈り取ってほしい! 二十四、五人を一個小隊として分散して遂行を。各小隊長はアスタロトの私兵に頼みたい。レッドドラゴンたちは私の小隊に入って草木の伐採を。自分の隊の分担区域が終わったら、徐々に徐々に下流の伐採へと移行してほしい! なおこれだけ鬱蒼と生い茂った場所ですので火の扱いには十分な注意を!」
「「「了解!」」」
突然敬語止めろってのも結構難しいな……
ウィンダルシアさんが見張るような目つきでこちらを見てるけど、まあ文句までは言われてないしこんな感じで良いだろ。
「あ、ちょっと待って。掃除するのに障害になりそうな動物もいますので追い払います」
「追い払う? これだけ草の背丈が大きいと隠れている動物が居るかどうかすら分かりませんがどうするのですか?」
「ちょっとうるさくするので、みんな耳を塞いでおいてください」
動物というのは、視覚情報より聴覚に届く音や肌で感じる振動に恐怖を感じると聞いたことがある。
実際人間だった頃は、雷が光っている時、稲光よりも『ゴロゴロピシャッ!』という音と振動の方に恐怖を感じていた。
会社で雷の話題になった時に『光った後の大きい音はもう雷が落ちた後に届く音だから怖がらなくても良いよ』と言ったところ、それ以降雷が平気になった同僚も居たくらいだ。まあ光った時にどこかに落ちてるのは間違いないから気休めではあるのだが。
今回はその聴覚情報に訴える方法を使って周囲の動物たちを追い払おうと思う。
騎士たちの方を見回して全員耳を塞いだのを確認。私自身も風魔法で空気の壁を顔を覆うように作り、振動をシャットアウトする。
風魔法で音が大きく広がるように空気を圧縮して破裂させ、衝撃波と音を撒き散らした。要は風船が破裂した時の音と衝撃を物凄く大きくしたバージョンとでも考えてもらえれば分かり易いかと思う。
ゴゴゴゴオオオォォォォォ!!
という爆発音に近い音を発し、私を中心に草木が放射状に揺れ動く。空気の振動を放ったためか周辺の岩壁からも石片がポロポロと落下してきた。
「うわ……うるさっ……」
「耳を塞いでいても音が凄い……」
「風も凄いぞ! ビリビリ振動が来る!」
その直後、周囲に居たとみられる動物たちがこの場から一斉に逃げて行く。
思ったよりも鳥が多かったらしく、おびただしいほどの小鳥が空へ向かって飛び去った。
少しの間みんなが呆気に取られる。
そして騎士の一人がボソッと呟いた。
「こんな追い払い方もあるんですね……」
「よし! これで危険な動物も激減したはずです。また野生生物が近寄ってきた時には同じ方法で追い払ってください」
そんな中重大な質問が出る。
「刈った草はどうすれば良いですか?」
「ああ、それなら一ヶ所に集めて火で……」
と言いかけたところ、後ろから吹かれた強風によろけて口をつぐんだ。
…………改めて周囲を見回して。火を起こしたことによる被害を想定してみた。
考えてみるとキノコ岩の上よりは風が弱いとは言え、アルトレリアと比較すると段違いに強い風が吹いている。
刈った草をうず高く積んで焚き火などすれば、それが上空まで舞い上がってキノコ岩の上に建つ家に飛び火するかもしれない。下手したら街中が大火災だ。しかも青葉だから燃えにくいし。
それに煙は上へ上る性質がある。街がある場所の谷底なんかで火を焚けば、キノコ岩の上は煙で燻されてしまうのではないか?
いや、そもそも刈ってる最中だって、注意しておかないと刈り取った草が飛んでいってしまうのでは?
こういうのの処分は現地のヒトに聞いた方が良いか。
「ウィンダルシアさん、普段崖下を伐採する時にはどうしてるんですか?」
「あまり崖下を掃除することはありません」
「何で掃除しないんですか?」
「『住む者が居ないから』という一点のみですね。ボレアースは三方を岩壁に囲まれており、この谷底は大雨が降れば沈んで川になりますし、ここから山の麓へ流れ出る水は植物がろ過してくれるため伐採するメリットがあまりありません」
「え? ここの植物で水がろ過されて下界へ流れるんですか? ってことは刈ったらまずいんですかね……?」
「このキノコ岩崖下だけならそれほど影響は無いでしょう。その先にも植物が生い茂る場所は沢山ありますし」
よ、良かった……刈ったらまずいのでは、アリへの対処が出来なくなるところだった。
「この谷底を流れてる川ってどこから来てるんですか?」
「この近くのもう一段高いところに水が湧く場所があります。雨などと合流してそこから川になって流れてきます」
「じゃあ大雨で川になったこの谷底の水はどこへ流れて行くんですか?」
「ほとんどがキノコ岩の下流方向 (城から離れた方向)へ流れます。少量は元々ある川と同じく三方の岩壁に空いた穴から出て行き、その他は地中に染み込んでボレアースより標高の低いところで湧き水となって出ることもあります」
なるほど、色々と水が出て行く道はあるんだな。
「掃除を“あまり”しないということは掃除する時もたまにはあるんですよね? その時にはどうしてたんですか?」
「まあ……何年、何十年かに一回くらいですね。記憶が朧気ですが……確か穴を深く掘って埋めてましたね。谷底が川になっても流されないくらいまで深く」
下界が刈った草や土砂で汚染されないようにするには、深く掘って埋めないといけないわけか。
「それと、私のことは呼び捨てでお呼びください。あなたは臨時とは言え我々の上官ですから」
おっとそうだった。さっきそう言われたんだっけ。
「土魔法を使えるヒトはどれくらいいる?」
「得意な者、ただ使えるだけという者を合わせても一割には届かないと思います。風や樹、水、氷などが得意な者が多い国民性ですので」
一割に届かないって言うと五十人以下か。二十小隊あるから一小隊に二人計算なら十分だろう。
「じゃあ土魔法が使えるヒトは地面に穴を深く掘ってその中に草を埋めて。土魔法使えないヒトにはサポート用の道具を渡します。こういうこともあるかと思ってストックしてあったものがあるからそれを使って穴掘りのサポートをしてください」
と言いながら、亜空間収納ポケットを開いて、中から取り出すフリをしながら『微細振動スコップ』を創成魔法で作り出し、それを各隊に二つずつ渡す。
以前、古代遺跡作りの時に作ったスコップ型の魔道具と同じ性質のもの。 (第437話参照)
「わ、我々も穴を掘るんですか?」
凄く嫌そうな言い方で返事されたけど、騎士団員なら救助とかで穴掘りくらいしないのかな?
岩の上に住処があるような国だから、あまり穴掘ることはないんだろうか?
「微細振動するスコップだから、普通のスコップより遥かに掘り易いと思うよ」
その上、ここの土は少し湿り気があるからより掘り易いと思う。
騎士団員の一人が試しにその場の土を掘ってみる。
「おお! 本当だ! 簡単に掘れる!」
「刈った草木を埋める時は通路の真ん中を避けて隅の方へ。真ん中に埋めると通行の支障になるし、今後のアリとの戦闘でも足を取られる可能性があるから。それと作業中は草木が強風で飛んでいかないように見張りを立てて活動してください。では皆さん、草木の伐採をよろしくお願いしますね!」
報せに走った騎士がぽつぽつと戻って来る。
「家族に伝えたのか? どうするって?」
報せに行かなかった騎士も動向が気になるようで、戻って来た騎士に状況を聞く。
「いや……まるで信じてもらえなかった。有事になる前に避難してくれれば良いが……」
全く聞く耳持たない家族が居れば――
「うちは下流の親戚の家へ避難すると言っていた」
「うちも近所や知り合いに報せて避難すると」
私の言葉を真に受けてくれて避難準備する家族も。
ちなみに『下流』というのは、ボレアース城を最上流の基点と考え、そこから離れるほど下流という位置付けになるらしい。先ほどの騎士のやり取りを訳すなら『城から離れたところにある親戚の家』という意味になる。
「全員戻って来ましたね。じゃあ、とりあえず崖下へ行きましょうか」
「では有翼人以外はロープウェーを使って――」
「ああ、大丈夫、空間転移魔法で行きますから」
崖下へのゲートを開く。
「おお! あなたも空間魔法を使えるのですね!」
「全員通過したらあちらで今からやってもらうことの説明をします」
◇
ゲートにて崖下に移動。
「た、谷底はここまで生い茂っているのですね……」
「初めて谷底に来たけど……」
「これを掃除するのかぁ……」
谷底へは初めて足を踏み入れた騎士が多いらしく、見ただけで面倒であろうことが分かるため、少々不満気な声が聞こえる。
「それで、ここからどうするのでしょうか?」
「この谷底の草木を少量残してできるだけ伐採してください!」
「アルトラ部隊長、少々よろしいでしょうか?」
「何ですか?」
ウィンダルシアさんが何か言いたげに話を遮った。
「今より部下に対する敬語を禁止の方向でお願いします。上下関係をしっかりさせておかないと関係性が曖昧になり、任務がダレる原因にもなりますので」
お、おお、そうなのか。
初対面しかいないから、丁寧に接した方が良いと思ってそうしてたけど、騎士団では確かに上下関係はしっかりしておいた方が良いのか。
「みんなも聞いた通りだ!」
アルトレリアでの普段使いのしゃべり方くらいで良いかな?
「草木を刈る理由だけど、ジャイアントアントの出現する巣穴が見つけやすいようにしなければなりません……え~、見つけやすいようにしなければならない!」
「谷底の草木をできるだけ!? かなり広大ですよ!?」
キノコ岩の地形が始まるところから城までの距離は二十数キロと聞いている。横方向の距離も空から見た限りは五キロ程度はありそうだ。しかも城から下流へ下るほど、キノコ岩を囲む岩壁が扇状に広がるためかなり広い。
「ジャイアントアントはヒトの多いところを襲撃すると考えられるので城や城下町へ通じるキノコ岩の根本に近いところを重点的に刈り取ってください……刈り取ってほしい! 二十四、五人を一個小隊として分散して遂行を。各小隊長はアスタロトの私兵に頼みたい。レッドドラゴンたちは私の小隊に入って草木の伐採を。自分の隊の分担区域が終わったら、徐々に徐々に下流の伐採へと移行してほしい! なおこれだけ鬱蒼と生い茂った場所ですので火の扱いには十分な注意を!」
「「「了解!」」」
突然敬語止めろってのも結構難しいな……
ウィンダルシアさんが見張るような目つきでこちらを見てるけど、まあ文句までは言われてないしこんな感じで良いだろ。
「あ、ちょっと待って。掃除するのに障害になりそうな動物もいますので追い払います」
「追い払う? これだけ草の背丈が大きいと隠れている動物が居るかどうかすら分かりませんがどうするのですか?」
「ちょっとうるさくするので、みんな耳を塞いでおいてください」
動物というのは、視覚情報より聴覚に届く音や肌で感じる振動に恐怖を感じると聞いたことがある。
実際人間だった頃は、雷が光っている時、稲光よりも『ゴロゴロピシャッ!』という音と振動の方に恐怖を感じていた。
会社で雷の話題になった時に『光った後の大きい音はもう雷が落ちた後に届く音だから怖がらなくても良いよ』と言ったところ、それ以降雷が平気になった同僚も居たくらいだ。まあ光った時にどこかに落ちてるのは間違いないから気休めではあるのだが。
今回はその聴覚情報に訴える方法を使って周囲の動物たちを追い払おうと思う。
騎士たちの方を見回して全員耳を塞いだのを確認。私自身も風魔法で空気の壁を顔を覆うように作り、振動をシャットアウトする。
風魔法で音が大きく広がるように空気を圧縮して破裂させ、衝撃波と音を撒き散らした。要は風船が破裂した時の音と衝撃を物凄く大きくしたバージョンとでも考えてもらえれば分かり易いかと思う。
ゴゴゴゴオオオォォォォォ!!
という爆発音に近い音を発し、私を中心に草木が放射状に揺れ動く。空気の振動を放ったためか周辺の岩壁からも石片がポロポロと落下してきた。
「うわ……うるさっ……」
「耳を塞いでいても音が凄い……」
「風も凄いぞ! ビリビリ振動が来る!」
その直後、周囲に居たとみられる動物たちがこの場から一斉に逃げて行く。
思ったよりも鳥が多かったらしく、おびただしいほどの小鳥が空へ向かって飛び去った。
少しの間みんなが呆気に取られる。
そして騎士の一人がボソッと呟いた。
「こんな追い払い方もあるんですね……」
「よし! これで危険な動物も激減したはずです。また野生生物が近寄ってきた時には同じ方法で追い払ってください」
そんな中重大な質問が出る。
「刈った草はどうすれば良いですか?」
「ああ、それなら一ヶ所に集めて火で……」
と言いかけたところ、後ろから吹かれた強風によろけて口をつぐんだ。
…………改めて周囲を見回して。火を起こしたことによる被害を想定してみた。
考えてみるとキノコ岩の上よりは風が弱いとは言え、アルトレリアと比較すると段違いに強い風が吹いている。
刈った草をうず高く積んで焚き火などすれば、それが上空まで舞い上がってキノコ岩の上に建つ家に飛び火するかもしれない。下手したら街中が大火災だ。しかも青葉だから燃えにくいし。
それに煙は上へ上る性質がある。街がある場所の谷底なんかで火を焚けば、キノコ岩の上は煙で燻されてしまうのではないか?
いや、そもそも刈ってる最中だって、注意しておかないと刈り取った草が飛んでいってしまうのでは?
こういうのの処分は現地のヒトに聞いた方が良いか。
「ウィンダルシアさん、普段崖下を伐採する時にはどうしてるんですか?」
「あまり崖下を掃除することはありません」
「何で掃除しないんですか?」
「『住む者が居ないから』という一点のみですね。ボレアースは三方を岩壁に囲まれており、この谷底は大雨が降れば沈んで川になりますし、ここから山の麓へ流れ出る水は植物がろ過してくれるため伐採するメリットがあまりありません」
「え? ここの植物で水がろ過されて下界へ流れるんですか? ってことは刈ったらまずいんですかね……?」
「このキノコ岩崖下だけならそれほど影響は無いでしょう。その先にも植物が生い茂る場所は沢山ありますし」
よ、良かった……刈ったらまずいのでは、アリへの対処が出来なくなるところだった。
「この谷底を流れてる川ってどこから来てるんですか?」
「この近くのもう一段高いところに水が湧く場所があります。雨などと合流してそこから川になって流れてきます」
「じゃあ大雨で川になったこの谷底の水はどこへ流れて行くんですか?」
「ほとんどがキノコ岩の下流方向 (城から離れた方向)へ流れます。少量は元々ある川と同じく三方の岩壁に空いた穴から出て行き、その他は地中に染み込んでボレアースより標高の低いところで湧き水となって出ることもあります」
なるほど、色々と水が出て行く道はあるんだな。
「掃除を“あまり”しないということは掃除する時もたまにはあるんですよね? その時にはどうしてたんですか?」
「まあ……何年、何十年かに一回くらいですね。記憶が朧気ですが……確か穴を深く掘って埋めてましたね。谷底が川になっても流されないくらいまで深く」
下界が刈った草や土砂で汚染されないようにするには、深く掘って埋めないといけないわけか。
「それと、私のことは呼び捨てでお呼びください。あなたは臨時とは言え我々の上官ですから」
おっとそうだった。さっきそう言われたんだっけ。
「土魔法を使えるヒトはどれくらいいる?」
「得意な者、ただ使えるだけという者を合わせても一割には届かないと思います。風や樹、水、氷などが得意な者が多い国民性ですので」
一割に届かないって言うと五十人以下か。二十小隊あるから一小隊に二人計算なら十分だろう。
「じゃあ土魔法が使えるヒトは地面に穴を深く掘ってその中に草を埋めて。土魔法使えないヒトにはサポート用の道具を渡します。こういうこともあるかと思ってストックしてあったものがあるからそれを使って穴掘りのサポートをしてください」
と言いながら、亜空間収納ポケットを開いて、中から取り出すフリをしながら『微細振動スコップ』を創成魔法で作り出し、それを各隊に二つずつ渡す。
以前、古代遺跡作りの時に作ったスコップ型の魔道具と同じ性質のもの。 (第437話参照)
「わ、我々も穴を掘るんですか?」
凄く嫌そうな言い方で返事されたけど、騎士団員なら救助とかで穴掘りくらいしないのかな?
岩の上に住処があるような国だから、あまり穴掘ることはないんだろうか?
「微細振動するスコップだから、普通のスコップより遥かに掘り易いと思うよ」
その上、ここの土は少し湿り気があるからより掘り易いと思う。
騎士団員の一人が試しにその場の土を掘ってみる。
「おお! 本当だ! 簡単に掘れる!」
「刈った草木を埋める時は通路の真ん中を避けて隅の方へ。真ん中に埋めると通行の支障になるし、今後のアリとの戦闘でも足を取られる可能性があるから。それと作業中は草木が強風で飛んでいかないように見張りを立てて活動してください。では皆さん、草木の伐採をよろしくお願いしますね!」
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