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第19章 土の国ヒュプノベルフェ探訪・アルトラの解呪編
第550話 殺すほどに強まる呪い
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「ところで、フレアハルトはアレのことをドラゴンと見間違えたみたいだけど、ボーンドラゴンに遭ったことがあるの?」
私たち地球人はゲームや漫画などの創作物で見たことがあるからそれがどんなモンスターかある程度の予測が立てられる。ゲームが無い魔界出生者でも書物が豊富な地域なら本を読むことでそれらを知る可能性があるが、フレアハルトは書物が全く無い場所で育っている。
ボーンドラゴンと見間違えたってことは過去に遭遇していなければおかしい。
「よ、幼体の頃に一度だけある……あ、あのアンデッド化は、ご、極々稀に赤龍峰でも発生するらしくてな。それに遭遇してからだ、わ、我があれらを苦手になったのは。タマモの言う通りなら火山内部も強い魔素で溢れておるから生き返ったのだろう」
と青い顔で答える。いまだに恐怖感があるのか上手く口が回らない。
ってことは赤龍峰は死の魔素が混じってるってことか。火山内部は火に強くない一般亜人では熱過ぎて入れないような場所だから認識されていないだけで、濃度地帯に匹敵する魔素で溢れているのかも?
魔力喰いのレッドドラゴンが住処に選んだくらいだから十分条件を満たしていそうだ。
「その時はどうやって対処したの?」
「お、大人たちが総出でブレスを使ってマグマの中心部まで押し込んだ。流石に中心部の高温には我らであっても耐えられんからな。ああ……そう言えばその時にも噴火が起こったのだった……」
「え゛っ?」
マジ~? コイツらの行動って自然災害にまで及んでるじゃん。
解決方法が物騒過ぎる……
「まさか今後もそうやって対処するんじゃ……?」
噴火なんかしたらアルトレリアに灰の雨が降る!
「ば、化けて出て来られればそうするしかないであろうな。まあ我が幼体の頃だから二百年くらいは出ておらん……それ以来死すれば速やかにマグマ溜まりに投下されるから、死体が燃え残ることは滅多に無い。化けて出るのは極々稀な出来事だ。そう心配することも……ないとは思う……」
「ば、化けて出たら私に教えてよ。すぐに対処しに行くから」
「マグマなどに押し込まんでも、ゴースト以外のアンデッドは首と胴体が離れれば活動停止する」
「そうなのか!?」
「特殊な例を除けば大抵のアンデッドは首が無くなれば動かなくなる」
「そんな簡単なことだったのか……次からはそう対処しよう、怖いから我以外にやってもらうが……」
弱気だなぁ……
「それで……ゾンビってあの二体だけ? 大蛇の討伐隊は全滅したんだよね? あなたと共に戦ったヒトたちはゾンビになってないの?」
「他の者はあの二体に滅ぼされたか、ゾンビ化せずに風化したんじゃろう。今申したように『ゾンビには近くのモノを喰らう』性質がある。あの二体は度々争っておってな、仮に他にゾンビが残っていたとするなら巻き込まれて活動停止したと見るのが自然じゃ」
「度々争ってるのに七百年間原型を留めてるの? 理屈に合わなくない? あとタマモゾンビは七百年経ってるとは思えないくらい肉を残してて、ボーンスネークの方は肉があまり残ってないけど、あれは何で?」
「さあの、そんな細かいところまではワシには分からん。推測するなら……呪いが何らかの作用をして朽ちるのを遅らせておるのかもしれぬな。もしくは……永劫に苦しめるための嫌がらせという可能性も否定できん」
確かに……恨みに思ってるなら長く苦しめれば苦しめるほど良いと考えるかもしれないし。
「肉体の消耗具合の違いまでは分からんが、一般的には肉の量が多いほど腐りやすいから、巨体を持つボーンスネークの方が早く朽ちているのではないか?」
呪われていても腐敗し易さが関係しているのかしら?
「それに、首斬ったらか活動停止するなら倒すのは簡単なことじゃないの? 何で首斬らないの? あなた何回もここへきて検証してるのよね?」
「その理由も見ておればおのずと分かる」
「お、そ、双方会敵したぞ!」
タマモゾンビとボーンスネークがお互いを認識、大蛇の方が鎌首をもたげ闘争が始まる。
戦闘が始まるとすぐにタマモゾンビが肉の無い右腕でボーンスネークの首の骨を砕き、骨の欠片がバラバラと飛び散る。
その反撃としてボーンスネークがタマモゾンビを尻尾の先で薙ぎ払って岩壁に叩き付けた!
叩きつけられた岩壁は一部砕け、こちらも肉片と骨片が飛び散る。
「おお!? 双方凄い攻撃力だな! それにタマモゾンビ、あの体格差なのに対等に戦っておる!」
青い顔でもその激しい戦闘にちょっぴり興奮気味のフレアハルト。
「あんなに肉片飛び散ってるのに……何で七百年原型留めてられるんだ……? 全然止まる様子も無いし」
生きていれば双方共に重傷の怪我だが、それでも攻撃の勢いは衰えない。
続いてボーンスネークがタマモゾンビの首と左半身を完全に喰いちぎり首の無い右半身だけが残った。
決着が着いたかと思いきや、タマモゾンビは首が無い状態にもかかわらず残った右足でジャンプしてボーンスネークの首の付け根と思われるところを蹴り、さっき砕いていた首を完全に刎ね飛ばし、その頭蓋骨は地面ぶつかってバウンド、しばらく転がった後に岩壁に激突した。
「凄い戦いだな……度々争ってるなんてレベルではないぞ?」
「ヤツらには力を抑えて攻撃するという頭は無いから、常に全力で攻撃する。この地に封印されてるのも分かろうというものよ」
攻撃した反動による痛みとか無いから限界超えた攻撃ができるってわけね。
過去に討伐隊がここへ閉じ込めたって言うけど、閉じ込めるだけでも相当大変だったんじゃないかしら……?
閉じ込めてるこの不自然な地形を考えると、元々ある地形に追い込んで閉じ込めたわけではなく、後から出られないように土魔法で壁を作ったのかもしれない。大規模な囲いだから相当優秀な土魔術師が何人もで構築したのだろう。
「双方首が無くなって動かなくなったぞ。もう原型が無いほど損壊してるではないか!」
「首も無くなったし、あれで終わりなんじゃないの?」
と口に出したが、あれで終わりなら七百年間戦い続けてるわけがない。
「まあ見ておれ」
二体から黒いオーラが発生し破壊された身体のパーツが再生・復活。タマモゾンビもボーンスネークも何事も無かったかのように活動を再開した。
そしてまた争い始める。
「おい! 再生したぞ!?」
「首斬ったら活動停止するんじゃないの!?」
「通常のゾンビならな。だがワシの元々の身体とあの大蛇だけは呪いによって特殊な身体に変質しておるらしい。これはワシの想像じゃが、大蛇が死ぬ間際にワシの末裔を呪いによって永劫に苦しめるよう、簡単に滅びぬようワシと自身の身体を作り変えたのじゃろう」
どうやら、闘争で砕けたところは再生され、時が経って自然に朽ちたところは再生がされないらしい。それでも朽ちる速度が極端に遅い気がするが……
あんなことを七百年も繰り返してるのか……
討伐されたことを相当恨んでたってことかしら?
『おのれヒトめ! 供物も捧げず今まで守ってやった恩を忘れおって!』って感じ?
蛇って執拗とか執念深いこととかの象徴のようにされているから、その恨みによる呪いも強いのかも?
「あの争いいつ終わるの?」
「ゾンビたちは目の前に動いてるものが居らんくなれば止まる。それまではずっと攻撃を続ける」
何てヤツらだよ……まさしく闘争心の塊じゃないか!
「止まった後はどうなるの?」
「獲物を探すようにゆっくり歩き回るだけじゃな。この場にはあの二体しかおらんから、二体が顔を合わせた時しかあのような激しい戦闘は行われん」
「なるほど……」
戦闘してない時は、ほにゃららハザードのゾンビのように徘徊するだけってわけか。
「あなたの末裔を苦しめるための呪いってことは、今までにもゴルゼン家には呪いで死んだヒトが居るってこと?」
「ワシも近年受肉したから詳細までは分からぬが、現時点で調べられたところによると何代かに一人、まるで生贄のように呪いと思しき現象で死んでいる者がおる」
「…………それで次はフィリアちゃんだったわけね」
また“生贄”か……死んでまで生贄を要求するとはね……
「『祓魔の鉄』が歴史上に登場してからは解呪されとる者もおるようじゃが、やはりその何代か後には呪いと思しき現象で死んでおる者が出ている……」
「思しき現象って、はっきり『呪い』とは書いてないの?」
「無い。『短期間で肌が黒くなって血を噴き出して死んだ』だとか『長期間全身の体毛が抜け落ちる現象に悩まされ、衰弱して死んだ』だとか、『健康体だった者が突然黒い血を吐いて絶命した』だとか。病気のように書かれているものだけじゃった」
どれもこれも症状が違うからもしかして呪いだと思われてない可能性も?
「先祖であるあなたが呪われてて、それが末裔に影響してるってことは一族中で秘匿されてるの?」
「いや、一族の者たちはそもそもワシが呪われたこと自体知らぬのではないかと思う。何せ討伐に行って現地で死んでおるのじゃからな」
「だって、討伐には出てるのは分かっているのだから、あまりに帰って来なければ様子を見に行ったりとかしたはずでしょ?」
「もし様子を見に来てたとしても、あのタマモゾンビをワシだと認識できたかどうかまでは分からんな。アレは近付いた途端にフルパワーで攻撃してくるから、戦いながら、あるいは逃げながらアレを正確に認識するのは難しいかもしれん。当時から黒いオーラに覆われていたじゃろうし、その不死性からモンスター化したヒト種と認識された可能性は低くない」
そっか……様子を見に来たとしても、きちんとタマモだと認識されてない可能性もあるのか……
「それに当時も近くにはあの大蛇が居ったじゃろうし、討伐できずに全滅したか、あるいは逃げ出したと勘違いされていたかもしれぬ」
「あ、ああ、そうか。あの大蛇、討伐された後ても動いてるんだものね……」
当時はまだ肉体も朽ちてないから見た目も骨の大蛇ではなかっただろうし、勘違いされた可能性は大いにあり得る。
もっとも、その後大蛇側からの生贄の催促や神隠しが無くなったはずだから、それについて疑問に思う者は出てきただろうけど。その辺りからはゾンビと認識され始めたかもしれない。
「だとしても、代々のゴルゼン家からそんな凄惨な死に方した者が出てて何で騒ぎにならないの?」
「何代かに一人じゃからな。ゴルゼン家は代々貴族で屋敷も立派であったし、徹底的に隠したと予想できる」
なるほど。一般人ならすぐ噂として広まるが、お金持ちなら隠すのも可能か。もし使用人が居たとしてもバラせば命は無いとでも言えば絶対に言えないだろうし。
「でも、さっきフォルクスさんは『呪いの類い』ってはっきり口にしてたけど……それは呪いだって分かってたってことじゃないの?」
「あれは、三ヶ月前にフィリアに呪いと思しき症状が出た時にゴルゼン家を訪れ『恐らくワシが原因であろう』と伝えてある」
「元々の肉体が呪われてるって知ったのはいつなの?」
「きちんと知ったのは精霊化してからじゃ。魂の状態で漂っておる時はあまり意識が無いからな。精霊化した後に受肉したのは各地で義賊のような活動をしておる小盗賊団の頭目の娘であったから、元々の身体が置かれている状況を調べるのにも都合良かった。各地の情報網の基盤はある程度出来ておったからな」
「小盗賊団の頭目の娘? 樹の国の三大盗賊勢力なんじゃないの?」
「そう呼ばれ始めたのは近年になってからじゃ。その前は二大勢力じゃったからな。霊獣旅団はワシが育てた」
初めてネットミームをリアルに聞いたよ、『ワシが育てた』って……
「つまり各地に居る部下に調べてもらったと?」
「その通りじゃ。呪われてるとなれば七百年経っておっても気になるものでな、部下に調べてもらううちにワシが屠った大蛇が原因で、自身の肉体が七百年間残り続けておることを知った」
「それで、どうやってフィリアちゃんが呪われてるのを知ったの?」
「精霊化したこの身体は魔力察知に敏感じゃからな、その因縁的な繋がりからか末裔が呪われた瞬間を直感的に悟った。それですぐさまゴルゼン家に接触を図ったのじゃ。この数日、いつ死んでもおかしくないくらいフィリアの症状は重くなっていてな、寺院の例祭の時に『祓魔の鉄』を盗もうと提案したのもワシじゃ」
なるほど……そういう経緯か……
当主のフォルクスさんから凄腕の盗賊であるタマモに依頼したのかと予想したが、実態はタマモ自身からの提案だったわけか。
「話を戻すけど、解呪されているヒトについては、その後に呪いの再発動はしていないってことなの?」
「土の国第二首都の図書館とゴルゼン家の書庫に残された文献に書いてないことは分からんが……『再発』の文字が無かったからにはその代で再び呪いが発動することは無かったと見ることしかできん」
「でもフィリアちゃんは即座に再発動してたけど……」
「それがワシにも分からんところじゃ。ゴルゼン家の書庫にあった日記、書記、手記、雑記、家系図関連の書物、更には使用人の日誌や記録に至るまで読み漁ったが、『祓魔の鉄』を用いたと書いてあるものの中には再発の文字は一つも無かった。故に……解呪さえできれば以後のあの子の獣人生に死の影は落ちぬと、そう思っておったのじゃが……まさか即座の再発動とは……」
代々の呪われたヒトとフィリアちゃんの違いは何だ?
何ですぐ再発動した?
体質か? 呪いのような外的要因に体質って関係あるのか?
……
…………
………………
あ!
「…………もしかして、あの二体って復活する度に呪いの度合いを強めてるんじゃない? 二週間前からフィリアちゃんの呪いの進行が早まったって言ってたけど何か心当たりは無い?」
恨みが原動力の『呪い』のような能力なら、タマモゾンビの身体が壊される度に力が増すような能力であってもおかしくない。
あの二体は七百年間顔を合わせる度に争い続けてるって言うし、その呪い強化の蓄積が現在になって『祓魔の鉄』でも解呪し切れないような呪いにまで強化されてしまったのでは?
「そうか! ワシはこの三ヶ月アレを何とか始末しようと何度もここを訪れておるし、始末する方法も色々と実験した! 検証事件もした! 確かにそれなら即再発動したのにも説明が付きそうじゃ!」
「その度重なる実験によって短期間で急激に呪いを強化させてしまったのかもしれない。進行が早まったのも、もしかしたらそれが原因なのかも」
「何と言うことじゃ……一刻も早く呪いを消してやろうと急いたことが裏目に出てしまったということか……」
呪いの進行速度の急激な変化……辻褄は会うな。
しかも、これによって判明してしまった不都合な事実がある。――
「だとすると今後は……」
「『祓魔の鉄』による解呪はほぼ無意味になるってことだね」
――もう解呪刀で消せないところまで呪いの力が増大してしまっている。大元を断つことでしか助かる道は無いだろう。
「他ならぬワシ自身の手で今後生まれてくる子孫たちの命運を狭めてしまったということか……今代で決着を付けねば、これ以降に生まれる末裔に呪いが発動した場合には確実なる死が訪れてしまうということじゃな……」
ゴルゼン家にはもう後が無い。
今何とか断ち切らなければ、末裔は短命ばかりになるか最悪お家断絶……
私たち地球人はゲームや漫画などの創作物で見たことがあるからそれがどんなモンスターかある程度の予測が立てられる。ゲームが無い魔界出生者でも書物が豊富な地域なら本を読むことでそれらを知る可能性があるが、フレアハルトは書物が全く無い場所で育っている。
ボーンドラゴンと見間違えたってことは過去に遭遇していなければおかしい。
「よ、幼体の頃に一度だけある……あ、あのアンデッド化は、ご、極々稀に赤龍峰でも発生するらしくてな。それに遭遇してからだ、わ、我があれらを苦手になったのは。タマモの言う通りなら火山内部も強い魔素で溢れておるから生き返ったのだろう」
と青い顔で答える。いまだに恐怖感があるのか上手く口が回らない。
ってことは赤龍峰は死の魔素が混じってるってことか。火山内部は火に強くない一般亜人では熱過ぎて入れないような場所だから認識されていないだけで、濃度地帯に匹敵する魔素で溢れているのかも?
魔力喰いのレッドドラゴンが住処に選んだくらいだから十分条件を満たしていそうだ。
「その時はどうやって対処したの?」
「お、大人たちが総出でブレスを使ってマグマの中心部まで押し込んだ。流石に中心部の高温には我らであっても耐えられんからな。ああ……そう言えばその時にも噴火が起こったのだった……」
「え゛っ?」
マジ~? コイツらの行動って自然災害にまで及んでるじゃん。
解決方法が物騒過ぎる……
「まさか今後もそうやって対処するんじゃ……?」
噴火なんかしたらアルトレリアに灰の雨が降る!
「ば、化けて出て来られればそうするしかないであろうな。まあ我が幼体の頃だから二百年くらいは出ておらん……それ以来死すれば速やかにマグマ溜まりに投下されるから、死体が燃え残ることは滅多に無い。化けて出るのは極々稀な出来事だ。そう心配することも……ないとは思う……」
「ば、化けて出たら私に教えてよ。すぐに対処しに行くから」
「マグマなどに押し込まんでも、ゴースト以外のアンデッドは首と胴体が離れれば活動停止する」
「そうなのか!?」
「特殊な例を除けば大抵のアンデッドは首が無くなれば動かなくなる」
「そんな簡単なことだったのか……次からはそう対処しよう、怖いから我以外にやってもらうが……」
弱気だなぁ……
「それで……ゾンビってあの二体だけ? 大蛇の討伐隊は全滅したんだよね? あなたと共に戦ったヒトたちはゾンビになってないの?」
「他の者はあの二体に滅ぼされたか、ゾンビ化せずに風化したんじゃろう。今申したように『ゾンビには近くのモノを喰らう』性質がある。あの二体は度々争っておってな、仮に他にゾンビが残っていたとするなら巻き込まれて活動停止したと見るのが自然じゃ」
「度々争ってるのに七百年間原型を留めてるの? 理屈に合わなくない? あとタマモゾンビは七百年経ってるとは思えないくらい肉を残してて、ボーンスネークの方は肉があまり残ってないけど、あれは何で?」
「さあの、そんな細かいところまではワシには分からん。推測するなら……呪いが何らかの作用をして朽ちるのを遅らせておるのかもしれぬな。もしくは……永劫に苦しめるための嫌がらせという可能性も否定できん」
確かに……恨みに思ってるなら長く苦しめれば苦しめるほど良いと考えるかもしれないし。
「肉体の消耗具合の違いまでは分からんが、一般的には肉の量が多いほど腐りやすいから、巨体を持つボーンスネークの方が早く朽ちているのではないか?」
呪われていても腐敗し易さが関係しているのかしら?
「それに、首斬ったらか活動停止するなら倒すのは簡単なことじゃないの? 何で首斬らないの? あなた何回もここへきて検証してるのよね?」
「その理由も見ておればおのずと分かる」
「お、そ、双方会敵したぞ!」
タマモゾンビとボーンスネークがお互いを認識、大蛇の方が鎌首をもたげ闘争が始まる。
戦闘が始まるとすぐにタマモゾンビが肉の無い右腕でボーンスネークの首の骨を砕き、骨の欠片がバラバラと飛び散る。
その反撃としてボーンスネークがタマモゾンビを尻尾の先で薙ぎ払って岩壁に叩き付けた!
叩きつけられた岩壁は一部砕け、こちらも肉片と骨片が飛び散る。
「おお!? 双方凄い攻撃力だな! それにタマモゾンビ、あの体格差なのに対等に戦っておる!」
青い顔でもその激しい戦闘にちょっぴり興奮気味のフレアハルト。
「あんなに肉片飛び散ってるのに……何で七百年原型留めてられるんだ……? 全然止まる様子も無いし」
生きていれば双方共に重傷の怪我だが、それでも攻撃の勢いは衰えない。
続いてボーンスネークがタマモゾンビの首と左半身を完全に喰いちぎり首の無い右半身だけが残った。
決着が着いたかと思いきや、タマモゾンビは首が無い状態にもかかわらず残った右足でジャンプしてボーンスネークの首の付け根と思われるところを蹴り、さっき砕いていた首を完全に刎ね飛ばし、その頭蓋骨は地面ぶつかってバウンド、しばらく転がった後に岩壁に激突した。
「凄い戦いだな……度々争ってるなんてレベルではないぞ?」
「ヤツらには力を抑えて攻撃するという頭は無いから、常に全力で攻撃する。この地に封印されてるのも分かろうというものよ」
攻撃した反動による痛みとか無いから限界超えた攻撃ができるってわけね。
過去に討伐隊がここへ閉じ込めたって言うけど、閉じ込めるだけでも相当大変だったんじゃないかしら……?
閉じ込めてるこの不自然な地形を考えると、元々ある地形に追い込んで閉じ込めたわけではなく、後から出られないように土魔法で壁を作ったのかもしれない。大規模な囲いだから相当優秀な土魔術師が何人もで構築したのだろう。
「双方首が無くなって動かなくなったぞ。もう原型が無いほど損壊してるではないか!」
「首も無くなったし、あれで終わりなんじゃないの?」
と口に出したが、あれで終わりなら七百年間戦い続けてるわけがない。
「まあ見ておれ」
二体から黒いオーラが発生し破壊された身体のパーツが再生・復活。タマモゾンビもボーンスネークも何事も無かったかのように活動を再開した。
そしてまた争い始める。
「おい! 再生したぞ!?」
「首斬ったら活動停止するんじゃないの!?」
「通常のゾンビならな。だがワシの元々の身体とあの大蛇だけは呪いによって特殊な身体に変質しておるらしい。これはワシの想像じゃが、大蛇が死ぬ間際にワシの末裔を呪いによって永劫に苦しめるよう、簡単に滅びぬようワシと自身の身体を作り変えたのじゃろう」
どうやら、闘争で砕けたところは再生され、時が経って自然に朽ちたところは再生がされないらしい。それでも朽ちる速度が極端に遅い気がするが……
あんなことを七百年も繰り返してるのか……
討伐されたことを相当恨んでたってことかしら?
『おのれヒトめ! 供物も捧げず今まで守ってやった恩を忘れおって!』って感じ?
蛇って執拗とか執念深いこととかの象徴のようにされているから、その恨みによる呪いも強いのかも?
「あの争いいつ終わるの?」
「ゾンビたちは目の前に動いてるものが居らんくなれば止まる。それまではずっと攻撃を続ける」
何てヤツらだよ……まさしく闘争心の塊じゃないか!
「止まった後はどうなるの?」
「獲物を探すようにゆっくり歩き回るだけじゃな。この場にはあの二体しかおらんから、二体が顔を合わせた時しかあのような激しい戦闘は行われん」
「なるほど……」
戦闘してない時は、ほにゃららハザードのゾンビのように徘徊するだけってわけか。
「あなたの末裔を苦しめるための呪いってことは、今までにもゴルゼン家には呪いで死んだヒトが居るってこと?」
「ワシも近年受肉したから詳細までは分からぬが、現時点で調べられたところによると何代かに一人、まるで生贄のように呪いと思しき現象で死んでいる者がおる」
「…………それで次はフィリアちゃんだったわけね」
また“生贄”か……死んでまで生贄を要求するとはね……
「『祓魔の鉄』が歴史上に登場してからは解呪されとる者もおるようじゃが、やはりその何代か後には呪いと思しき現象で死んでおる者が出ている……」
「思しき現象って、はっきり『呪い』とは書いてないの?」
「無い。『短期間で肌が黒くなって血を噴き出して死んだ』だとか『長期間全身の体毛が抜け落ちる現象に悩まされ、衰弱して死んだ』だとか、『健康体だった者が突然黒い血を吐いて絶命した』だとか。病気のように書かれているものだけじゃった」
どれもこれも症状が違うからもしかして呪いだと思われてない可能性も?
「先祖であるあなたが呪われてて、それが末裔に影響してるってことは一族中で秘匿されてるの?」
「いや、一族の者たちはそもそもワシが呪われたこと自体知らぬのではないかと思う。何せ討伐に行って現地で死んでおるのじゃからな」
「だって、討伐には出てるのは分かっているのだから、あまりに帰って来なければ様子を見に行ったりとかしたはずでしょ?」
「もし様子を見に来てたとしても、あのタマモゾンビをワシだと認識できたかどうかまでは分からんな。アレは近付いた途端にフルパワーで攻撃してくるから、戦いながら、あるいは逃げながらアレを正確に認識するのは難しいかもしれん。当時から黒いオーラに覆われていたじゃろうし、その不死性からモンスター化したヒト種と認識された可能性は低くない」
そっか……様子を見に来たとしても、きちんとタマモだと認識されてない可能性もあるのか……
「それに当時も近くにはあの大蛇が居ったじゃろうし、討伐できずに全滅したか、あるいは逃げ出したと勘違いされていたかもしれぬ」
「あ、ああ、そうか。あの大蛇、討伐された後ても動いてるんだものね……」
当時はまだ肉体も朽ちてないから見た目も骨の大蛇ではなかっただろうし、勘違いされた可能性は大いにあり得る。
もっとも、その後大蛇側からの生贄の催促や神隠しが無くなったはずだから、それについて疑問に思う者は出てきただろうけど。その辺りからはゾンビと認識され始めたかもしれない。
「だとしても、代々のゴルゼン家からそんな凄惨な死に方した者が出てて何で騒ぎにならないの?」
「何代かに一人じゃからな。ゴルゼン家は代々貴族で屋敷も立派であったし、徹底的に隠したと予想できる」
なるほど。一般人ならすぐ噂として広まるが、お金持ちなら隠すのも可能か。もし使用人が居たとしてもバラせば命は無いとでも言えば絶対に言えないだろうし。
「でも、さっきフォルクスさんは『呪いの類い』ってはっきり口にしてたけど……それは呪いだって分かってたってことじゃないの?」
「あれは、三ヶ月前にフィリアに呪いと思しき症状が出た時にゴルゼン家を訪れ『恐らくワシが原因であろう』と伝えてある」
「元々の肉体が呪われてるって知ったのはいつなの?」
「きちんと知ったのは精霊化してからじゃ。魂の状態で漂っておる時はあまり意識が無いからな。精霊化した後に受肉したのは各地で義賊のような活動をしておる小盗賊団の頭目の娘であったから、元々の身体が置かれている状況を調べるのにも都合良かった。各地の情報網の基盤はある程度出来ておったからな」
「小盗賊団の頭目の娘? 樹の国の三大盗賊勢力なんじゃないの?」
「そう呼ばれ始めたのは近年になってからじゃ。その前は二大勢力じゃったからな。霊獣旅団はワシが育てた」
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「つまり各地に居る部下に調べてもらったと?」
「その通りじゃ。呪われてるとなれば七百年経っておっても気になるものでな、部下に調べてもらううちにワシが屠った大蛇が原因で、自身の肉体が七百年間残り続けておることを知った」
「それで、どうやってフィリアちゃんが呪われてるのを知ったの?」
「精霊化したこの身体は魔力察知に敏感じゃからな、その因縁的な繋がりからか末裔が呪われた瞬間を直感的に悟った。それですぐさまゴルゼン家に接触を図ったのじゃ。この数日、いつ死んでもおかしくないくらいフィリアの症状は重くなっていてな、寺院の例祭の時に『祓魔の鉄』を盗もうと提案したのもワシじゃ」
なるほど……そういう経緯か……
当主のフォルクスさんから凄腕の盗賊であるタマモに依頼したのかと予想したが、実態はタマモ自身からの提案だったわけか。
「話を戻すけど、解呪されているヒトについては、その後に呪いの再発動はしていないってことなの?」
「土の国第二首都の図書館とゴルゼン家の書庫に残された文献に書いてないことは分からんが……『再発』の文字が無かったからにはその代で再び呪いが発動することは無かったと見ることしかできん」
「でもフィリアちゃんは即座に再発動してたけど……」
「それがワシにも分からんところじゃ。ゴルゼン家の書庫にあった日記、書記、手記、雑記、家系図関連の書物、更には使用人の日誌や記録に至るまで読み漁ったが、『祓魔の鉄』を用いたと書いてあるものの中には再発の文字は一つも無かった。故に……解呪さえできれば以後のあの子の獣人生に死の影は落ちぬと、そう思っておったのじゃが……まさか即座の再発動とは……」
代々の呪われたヒトとフィリアちゃんの違いは何だ?
何ですぐ再発動した?
体質か? 呪いのような外的要因に体質って関係あるのか?
……
…………
………………
あ!
「…………もしかして、あの二体って復活する度に呪いの度合いを強めてるんじゃない? 二週間前からフィリアちゃんの呪いの進行が早まったって言ってたけど何か心当たりは無い?」
恨みが原動力の『呪い』のような能力なら、タマモゾンビの身体が壊される度に力が増すような能力であってもおかしくない。
あの二体は七百年間顔を合わせる度に争い続けてるって言うし、その呪い強化の蓄積が現在になって『祓魔の鉄』でも解呪し切れないような呪いにまで強化されてしまったのでは?
「そうか! ワシはこの三ヶ月アレを何とか始末しようと何度もここを訪れておるし、始末する方法も色々と実験した! 検証事件もした! 確かにそれなら即再発動したのにも説明が付きそうじゃ!」
「その度重なる実験によって短期間で急激に呪いを強化させてしまったのかもしれない。進行が早まったのも、もしかしたらそれが原因なのかも」
「何と言うことじゃ……一刻も早く呪いを消してやろうと急いたことが裏目に出てしまったということか……」
呪いの進行速度の急激な変化……辻褄は会うな。
しかも、これによって判明してしまった不都合な事実がある。――
「だとすると今後は……」
「『祓魔の鉄』による解呪はほぼ無意味になるってことだね」
――もう解呪刀で消せないところまで呪いの力が増大してしまっている。大元を断つことでしか助かる道は無いだろう。
「他ならぬワシ自身の手で今後生まれてくる子孫たちの命運を狭めてしまったということか……今代で決着を付けねば、これ以降に生まれる末裔に呪いが発動した場合には確実なる死が訪れてしまうということじゃな……」
ゴルゼン家にはもう後が無い。
今何とか断ち切らなければ、末裔は短命ばかりになるか最悪お家断絶……
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