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1皿目 フォアグラのソテー 怒りのカムチャツカ風
2. 初動(チュートリアル)
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さて、この可愛らしい外見に似合わず、悪魔のような策略で俺を嵌めやがった大倉院コムギという少女に従い、渋々素人の捜査(モドキ)を始めることにする。
「……っても、何から始めればいいんだか……そもそも俺、この被害者の男のことなんて一切存じ上げねーし……」
俺がそう言うと、コムギは案外躊躇なく死体に近付き、被害者の顔をじろじろと眺めはじめた。
「……うーん、人の顔はあまり覚えられないから確証はないけど……なんとなく見たことある気がするわ。ちょっと待っててくれるかしら」
そう言うとコムギはおもむろに立ち上がり、店の奥、スタッフルー厶と書かれた扉のほうへ向かっていってしまう。いきなり置いてけぼりかよ。
……俺は(少なくともアイツよりは)まともな倫理観の持ち主なので、死体を舐めるように観察することにも、近付くことにすら嫌悪感を抱くのだが……さすがに、そこは腹を括らないといけない。なるべく血の臭いを吸い込まないように、ハンカチを口に当ててできるだけ死体に近付く。
被害者は三、四十代くらいだろうか、働き盛りのサラリーマンっぽい見た目だ。脳天にはフォーク、胸元にはナイフが突き立てられ、そこからどす黒い血が流れている。殺すだけなら胸だけを刺せば十分だと思うのだが、よっぽど加害者からの恨みを買っていたのだろうか。それとも、加害者がよほど猟奇的な人間だったのか。
さすがに鑑識のようなことはできないので、推理モノ小説でよく見る「シボウスイテイジコク」的なものを計るのは無理だ。
……というか、警察を呼んじゃダメなのか? れっきとした殺人事件が起きているのだから、あまり素人が弄り回すのも良くない気がするのだが。
と、そこへ丁度コムギが帰ってくる。手には分厚いファイルのようなものを持っている。
「やっぱり当たってたわ」コムギはファイルをぱらぱらとめくり、その一ページを指した。
「殺されたのはたぶん、この人ね」
彼女が開いたページには、ある男性の顔写真が載っていた。死に際の顔なので大分表情は豹変しているが、確かに特徴は似ている。大ぶりの口に対し細い鼻、顎にあるほくろが鑑識上の識別指標となるだろうか。
名前は「白田様」と書いてある。下の名前は分からない。分かってもかなりまずいと思うのだが。
「……これ、もしかして『顧客リスト』的なやつか?」
金融機関や契約をとるような会社ならイメージがつくが、飲食でそれは必要なのか? というか、かなり個人情報の塊なのではないか、それは。
「そうね。私たちがお客のことを中々覚えられないから、常連さんには特別に許可をいただいて写真や好みの料理を入れさせてもらっているの」
よかった、ちゃんと許可は取っているのか。……というか、
「私たちってことは……コムギ以外にもいるのか、料理至上主義体質の人間」
「おじい様は違うんだけど、お母様がね」
遺伝性の何かなのだろうか。逆に料理に対しての感性が高いのであれば、料理人としてはプラスに働くのかもしれないが。
「……っていうか、何しれっと呼び捨てにしているわけ? いつの間にかタメ口だし」
「いや、だって明らかに年下だろ。俺今年でハタチだし。それにあんな乱雑な扱いされちゃあ、敬う気持ちも薄れるってもんだろ」
「店での立場は私のほうが明らかに上ですけど。オーナーの孫だし」
その七光りの部分で威張っていいのか。そこは就労歴とか実力方面で争わなくていいのだろうか。
「身分上は同じアルバイトなんだから同列だろ。それともアレか、この店は古き悪き年功序列なのか?」
「年功序列じゃないわ。大倉院家の者か、それ以外か、よ」
中世の王宮か、ここは。
「私がその気になれば、あなたをいつでも首にできるんだからね。あまり私を怒らせないほうがいいわよ」
ふふん、としたり顔で鼻を鳴らすコムギ。この時代に、こんな堂々としたパワハラを受けるとは思わなかった。
「まあ、まだあなたを雇用するって決めたわけじゃないけど。せいぜい豚箱行きにならないよう頑張ることね」
……よく考えると、ムショの中かレストランの中かという違いはあれど、どちらにせよ奴隷のような扱いを受けることには変わりないのかもしれない。ああ、どこで選択を間違ったのだろう、俺の人生。
「話を戻すと、この顧客リストを使えば、店の常連であれば被害者像を導き出せる……ってわけだな」
俺はコムギからその冊子を受け取り、顧客情報を読み込む。
白田様、男性、三十代。仕事帰りの平日二十二時以降にいらっしゃることが多いが、たまに彼女さん(?が付いている)を連れてくることもあったらしい。仕事の日はたまに食事後PCを弄っていることもあり、容認はしていないが常連さんだということで大目に見ていたという。
メモの欄に、「最近は連れてくる女性が見るたびに変わっている。また、飲酒の回数が増加」と備考がある。
「……女性関係のトラブルか? 彼女が浮気された怒りでナイフをぶっ刺したとか」
提示された情報から思いついた推理を述べると、コムギは大きな溜め息と共に「愚直ね」と呟いた。
「なんだよ、そりゃ推理もクソもないただの憶測だけど、可能性としてはあるだろ」
第一、現時点では推理するにも材料が少なすぎるのだ。もっとこう、プライベートでの交流とか会社の取引先とか、なんか「トラブった」相手はいないのだろうか。
「常連客なんだったら、コムギは何か知らないのか? 最近様子がおかしかったとか」
一縷の望みを掛けて尋ねてみるが、コムギはそんな俺の望みなど意にも介さず、苦笑しながら肩をすくめた。
「知るわけないじゃない。ただの客のことなんて興味ないし、気に留めたりしてないわ」
……仮にも接客業従事者なのに、その態度はいかがなものなのか。まさかしょっちゅう顧客とトラブルを起こす迷惑店員だったりしないだろうな。
にっちもさっちもいかず悶々としていると、突然店の扉がカランカランと軽快な音を立てた。ガラス扉の向こうに、二つの人影が見える。一つはやたらのっぽな影、もう一つはそうでもない影だ。
それを視認したコムギはびくりと体を震わせ、素早い動きで場所を移した。具体的には死体の座る椅子を、入口側から隠すように仁王立ちした。
「おーす、ただいま帰りました……ん」
先にガラス扉を開けて入ってきたのは、背高のっぽではないほうの影。俺と同じ20代前半くらいの見た目で、白い無地Tシャツにジーンズというラフオブザラフな格好をしている。細い目から光る眼光が鋭く、思わず怯みかけてしまった。
「コムギ嬢さん、そいつ誰です? お知り合いっすか?」
棘のある口調で男はコムギに話しかける。同じく従業員なのだろうか。
「稲田定士。アルバイトの面接に来たらしいわ」
コムギがそう答えると、男は納得したように「ああ!」と声を上げる。
「初めまして。自分は目黒駆っていいます、この店でバイトしてます」
「あ、稲田定士です。よろしくお願いします」
怪しい人間ではないことが分かったのか、目黒と名乗った男は丁寧に挨拶してくれる。ただ鋭い目付き自体は変わらない。どうやら睨もうとしてそうしているわけではなく、生まれつきそういう顔らしい。
「ああ、お嬢、今から買ってきた食材ストックするんで、手伝ってくださいよ」
目黒は重そうなビニール袋を掲げ、助けを求める視線をコムギに向ける。どうやら買い出しから帰ってきたところらしい。
しかし、コムギはその場から一歩も動かず、つっけんどんに言い放った。
「嫌よ。なんでわたしがそんな雑用をしなきゃいけないの」
「えっ、でもお嬢、いつも――」
面食らった様子の目黒の言葉を遮り、コムギは俺を指差す。
「そうだ、あんたが手伝いなさい、稲田定士。バイトの初仕事よ」
「は? でも、推――いっ!?」
推理は、と言おうとした俺の足をコムギが思いっきり踏んづける。
「いいから行くの! 私の命令に逆らうっていうの?」
口調こそ今まで通りの高飛車お嬢様のものだが、なぜか彼女の顔は必死の形相に見える。ただならぬ何かを感じた俺は、渋々その命に従うことにする。
「はいはい、行きゃいいんだろ……ま、力仕事系の雑用は男のほうが適任だったりするしな」
そう言うと、コムギは心底ホッとしたように胸を撫で下ろした。その態度に俺は疑問を覚えるが、「それじゃ、行きましょう」と目黒が移動を始めるので、その後ろに付いていくことにした。
「……っても、何から始めればいいんだか……そもそも俺、この被害者の男のことなんて一切存じ上げねーし……」
俺がそう言うと、コムギは案外躊躇なく死体に近付き、被害者の顔をじろじろと眺めはじめた。
「……うーん、人の顔はあまり覚えられないから確証はないけど……なんとなく見たことある気がするわ。ちょっと待っててくれるかしら」
そう言うとコムギはおもむろに立ち上がり、店の奥、スタッフルー厶と書かれた扉のほうへ向かっていってしまう。いきなり置いてけぼりかよ。
……俺は(少なくともアイツよりは)まともな倫理観の持ち主なので、死体を舐めるように観察することにも、近付くことにすら嫌悪感を抱くのだが……さすがに、そこは腹を括らないといけない。なるべく血の臭いを吸い込まないように、ハンカチを口に当ててできるだけ死体に近付く。
被害者は三、四十代くらいだろうか、働き盛りのサラリーマンっぽい見た目だ。脳天にはフォーク、胸元にはナイフが突き立てられ、そこからどす黒い血が流れている。殺すだけなら胸だけを刺せば十分だと思うのだが、よっぽど加害者からの恨みを買っていたのだろうか。それとも、加害者がよほど猟奇的な人間だったのか。
さすがに鑑識のようなことはできないので、推理モノ小説でよく見る「シボウスイテイジコク」的なものを計るのは無理だ。
……というか、警察を呼んじゃダメなのか? れっきとした殺人事件が起きているのだから、あまり素人が弄り回すのも良くない気がするのだが。
と、そこへ丁度コムギが帰ってくる。手には分厚いファイルのようなものを持っている。
「やっぱり当たってたわ」コムギはファイルをぱらぱらとめくり、その一ページを指した。
「殺されたのはたぶん、この人ね」
彼女が開いたページには、ある男性の顔写真が載っていた。死に際の顔なので大分表情は豹変しているが、確かに特徴は似ている。大ぶりの口に対し細い鼻、顎にあるほくろが鑑識上の識別指標となるだろうか。
名前は「白田様」と書いてある。下の名前は分からない。分かってもかなりまずいと思うのだが。
「……これ、もしかして『顧客リスト』的なやつか?」
金融機関や契約をとるような会社ならイメージがつくが、飲食でそれは必要なのか? というか、かなり個人情報の塊なのではないか、それは。
「そうね。私たちがお客のことを中々覚えられないから、常連さんには特別に許可をいただいて写真や好みの料理を入れさせてもらっているの」
よかった、ちゃんと許可は取っているのか。……というか、
「私たちってことは……コムギ以外にもいるのか、料理至上主義体質の人間」
「おじい様は違うんだけど、お母様がね」
遺伝性の何かなのだろうか。逆に料理に対しての感性が高いのであれば、料理人としてはプラスに働くのかもしれないが。
「……っていうか、何しれっと呼び捨てにしているわけ? いつの間にかタメ口だし」
「いや、だって明らかに年下だろ。俺今年でハタチだし。それにあんな乱雑な扱いされちゃあ、敬う気持ちも薄れるってもんだろ」
「店での立場は私のほうが明らかに上ですけど。オーナーの孫だし」
その七光りの部分で威張っていいのか。そこは就労歴とか実力方面で争わなくていいのだろうか。
「身分上は同じアルバイトなんだから同列だろ。それともアレか、この店は古き悪き年功序列なのか?」
「年功序列じゃないわ。大倉院家の者か、それ以外か、よ」
中世の王宮か、ここは。
「私がその気になれば、あなたをいつでも首にできるんだからね。あまり私を怒らせないほうがいいわよ」
ふふん、としたり顔で鼻を鳴らすコムギ。この時代に、こんな堂々としたパワハラを受けるとは思わなかった。
「まあ、まだあなたを雇用するって決めたわけじゃないけど。せいぜい豚箱行きにならないよう頑張ることね」
……よく考えると、ムショの中かレストランの中かという違いはあれど、どちらにせよ奴隷のような扱いを受けることには変わりないのかもしれない。ああ、どこで選択を間違ったのだろう、俺の人生。
「話を戻すと、この顧客リストを使えば、店の常連であれば被害者像を導き出せる……ってわけだな」
俺はコムギからその冊子を受け取り、顧客情報を読み込む。
白田様、男性、三十代。仕事帰りの平日二十二時以降にいらっしゃることが多いが、たまに彼女さん(?が付いている)を連れてくることもあったらしい。仕事の日はたまに食事後PCを弄っていることもあり、容認はしていないが常連さんだということで大目に見ていたという。
メモの欄に、「最近は連れてくる女性が見るたびに変わっている。また、飲酒の回数が増加」と備考がある。
「……女性関係のトラブルか? 彼女が浮気された怒りでナイフをぶっ刺したとか」
提示された情報から思いついた推理を述べると、コムギは大きな溜め息と共に「愚直ね」と呟いた。
「なんだよ、そりゃ推理もクソもないただの憶測だけど、可能性としてはあるだろ」
第一、現時点では推理するにも材料が少なすぎるのだ。もっとこう、プライベートでの交流とか会社の取引先とか、なんか「トラブった」相手はいないのだろうか。
「常連客なんだったら、コムギは何か知らないのか? 最近様子がおかしかったとか」
一縷の望みを掛けて尋ねてみるが、コムギはそんな俺の望みなど意にも介さず、苦笑しながら肩をすくめた。
「知るわけないじゃない。ただの客のことなんて興味ないし、気に留めたりしてないわ」
……仮にも接客業従事者なのに、その態度はいかがなものなのか。まさかしょっちゅう顧客とトラブルを起こす迷惑店員だったりしないだろうな。
にっちもさっちもいかず悶々としていると、突然店の扉がカランカランと軽快な音を立てた。ガラス扉の向こうに、二つの人影が見える。一つはやたらのっぽな影、もう一つはそうでもない影だ。
それを視認したコムギはびくりと体を震わせ、素早い動きで場所を移した。具体的には死体の座る椅子を、入口側から隠すように仁王立ちした。
「おーす、ただいま帰りました……ん」
先にガラス扉を開けて入ってきたのは、背高のっぽではないほうの影。俺と同じ20代前半くらいの見た目で、白い無地Tシャツにジーンズというラフオブザラフな格好をしている。細い目から光る眼光が鋭く、思わず怯みかけてしまった。
「コムギ嬢さん、そいつ誰です? お知り合いっすか?」
棘のある口調で男はコムギに話しかける。同じく従業員なのだろうか。
「稲田定士。アルバイトの面接に来たらしいわ」
コムギがそう答えると、男は納得したように「ああ!」と声を上げる。
「初めまして。自分は目黒駆っていいます、この店でバイトしてます」
「あ、稲田定士です。よろしくお願いします」
怪しい人間ではないことが分かったのか、目黒と名乗った男は丁寧に挨拶してくれる。ただ鋭い目付き自体は変わらない。どうやら睨もうとしてそうしているわけではなく、生まれつきそういう顔らしい。
「ああ、お嬢、今から買ってきた食材ストックするんで、手伝ってくださいよ」
目黒は重そうなビニール袋を掲げ、助けを求める視線をコムギに向ける。どうやら買い出しから帰ってきたところらしい。
しかし、コムギはその場から一歩も動かず、つっけんどんに言い放った。
「嫌よ。なんでわたしがそんな雑用をしなきゃいけないの」
「えっ、でもお嬢、いつも――」
面食らった様子の目黒の言葉を遮り、コムギは俺を指差す。
「そうだ、あんたが手伝いなさい、稲田定士。バイトの初仕事よ」
「は? でも、推――いっ!?」
推理は、と言おうとした俺の足をコムギが思いっきり踏んづける。
「いいから行くの! 私の命令に逆らうっていうの?」
口調こそ今まで通りの高飛車お嬢様のものだが、なぜか彼女の顔は必死の形相に見える。ただならぬ何かを感じた俺は、渋々その命に従うことにする。
「はいはい、行きゃいいんだろ……ま、力仕事系の雑用は男のほうが適任だったりするしな」
そう言うと、コムギは心底ホッとしたように胸を撫で下ろした。その態度に俺は疑問を覚えるが、「それじゃ、行きましょう」と目黒が移動を始めるので、その後ろに付いていくことにした。
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