13 / 13
13
しおりを挟む
体はだるいけど、眠くないなぁと横になりながら思う。
今日だけでなんか色々あった気がする。それもあってか疲れてはいた。
神様と会うなんて考えすらしなかったのに、天使や神様がいるって信じていなかった僕は嫌でも信じざるを得なくなった。
そういえば夢の中で会ったような。だんだんと眠くなってきたようでまどろみ始めた。かみさま・・・ゆめ・・・かみさ・・・ま・・・・。
心地よい風が頬を撫でた。
風?僕は窓を開けて寝なかったはず。変に思い目を開ける。
「ほう、今回は迷い込んだわけではないな。一日に二回もこちらにくるとは面白い。もう一度来るだろうとは思ったが、存外早かったな。」
無意識に体がビクッと震えた。
静かだがえも言われぬ圧を感じる一度聞いただけで忘れられないような不思議と脳に残る声。
音が聞こえた方に顔を向けようとしたが、体が拒絶した。
「レイ、お前はいつでも我のことを見ても触ってもよい。お前から話しかけることも不敬ではない。こちらを向け。」
言われた通りに声の主を視線でなぞる。お互いの目がぶつかり合うと、今度は逆に目が離せなくなった。
多分、これはよくないんだろう。
不敬とかそういうんじゃなくて、催眠にでもかかっているかのように頭の奥からぼーっとしてくる。
そっと視線を外したのは神様だった。
「あまり目は見るな。人間には毒でしかない。」
注意されてしまった。
そういえばと軽く周りへ目を配る。天使様がいない。
「申し訳ありません。どうしてまたここへ来てしまったのか私にもよくわかっておらず・・・。その、神様の領域へ侵入してしまった非礼をお許しください。」
フォローしてくれる天使様もいないので、不安に思いながら発言した。
神様と何度も会える人間なんているはずがない。
それも神様の意思ではなく人間の方から勝手に来るなんておかしすぎる。
「いや、お前は・・・」
神様は途中で黙ってしまった。僕も不安ながら無言で続きを待つ。
「お前は人間だが夢を介せばこちらへ来ることができる。来たいときに来ればよい。話し相手くらいにはなってやる。」
「えっ???」
神様が話し相手になる???言われたことが理解できなくて固まった
。驚いている僕の表情が面白いのか、神様はふっと軽く笑みを浮かべた。
その微笑みだけで顔が赤くなるのがわかる。
見てはいけないものを見てしまった気分だ。そわそわと落ち着かなくなる。
「何か話せ。」
話し相手というか強制的な話し相手にさせられている。
何か話せと言われてもと困ってしまったが、今の僕の現状でも話すかとポツポツと話し出す。命令だしね。
「えっと、では僕・・・私の現状をお話ししますね。面白い話ではありませんが。」
苦笑して前置きをすると、制止が入った。
「待て。話しやすい話し方でかまわん。敬語でなくとも不敬とはせぬ。」
一人称のことを言っているのだろうなと思い当たった。
少しの不敬は目を瞑ってくれるみたいなので、ほっと肩をなでおろす。
「ありがとうございます。ではお話ししますね。まず久しぶりの学園で浮かれてしまっていたのか、情けない姿ばかり友人に見せてしまいました。感情に支配されるような感覚に戸惑っています。学生時代は他人に興味なく一日を一ページのように生きてきたので。・・・すみません、僕の吐露なんていらないですよね。」
「よい。適当にお前が話したいことを話せ。」
感情の読めない瞳。話したいことを話せなんて言われたら、本音を語ってしまう。誰にも言えないけど誰かに知って欲しいことを。まるで懺悔みたいだな。神様が目の前にいるし、まぁ懺悔でもいいかと開き直る。
どうせ神様にとっては暇つぶしにすぎないだろうから。
今日だけでなんか色々あった気がする。それもあってか疲れてはいた。
神様と会うなんて考えすらしなかったのに、天使や神様がいるって信じていなかった僕は嫌でも信じざるを得なくなった。
そういえば夢の中で会ったような。だんだんと眠くなってきたようでまどろみ始めた。かみさま・・・ゆめ・・・かみさ・・・ま・・・・。
心地よい風が頬を撫でた。
風?僕は窓を開けて寝なかったはず。変に思い目を開ける。
「ほう、今回は迷い込んだわけではないな。一日に二回もこちらにくるとは面白い。もう一度来るだろうとは思ったが、存外早かったな。」
無意識に体がビクッと震えた。
静かだがえも言われぬ圧を感じる一度聞いただけで忘れられないような不思議と脳に残る声。
音が聞こえた方に顔を向けようとしたが、体が拒絶した。
「レイ、お前はいつでも我のことを見ても触ってもよい。お前から話しかけることも不敬ではない。こちらを向け。」
言われた通りに声の主を視線でなぞる。お互いの目がぶつかり合うと、今度は逆に目が離せなくなった。
多分、これはよくないんだろう。
不敬とかそういうんじゃなくて、催眠にでもかかっているかのように頭の奥からぼーっとしてくる。
そっと視線を外したのは神様だった。
「あまり目は見るな。人間には毒でしかない。」
注意されてしまった。
そういえばと軽く周りへ目を配る。天使様がいない。
「申し訳ありません。どうしてまたここへ来てしまったのか私にもよくわかっておらず・・・。その、神様の領域へ侵入してしまった非礼をお許しください。」
フォローしてくれる天使様もいないので、不安に思いながら発言した。
神様と何度も会える人間なんているはずがない。
それも神様の意思ではなく人間の方から勝手に来るなんておかしすぎる。
「いや、お前は・・・」
神様は途中で黙ってしまった。僕も不安ながら無言で続きを待つ。
「お前は人間だが夢を介せばこちらへ来ることができる。来たいときに来ればよい。話し相手くらいにはなってやる。」
「えっ???」
神様が話し相手になる???言われたことが理解できなくて固まった
。驚いている僕の表情が面白いのか、神様はふっと軽く笑みを浮かべた。
その微笑みだけで顔が赤くなるのがわかる。
見てはいけないものを見てしまった気分だ。そわそわと落ち着かなくなる。
「何か話せ。」
話し相手というか強制的な話し相手にさせられている。
何か話せと言われてもと困ってしまったが、今の僕の現状でも話すかとポツポツと話し出す。命令だしね。
「えっと、では僕・・・私の現状をお話ししますね。面白い話ではありませんが。」
苦笑して前置きをすると、制止が入った。
「待て。話しやすい話し方でかまわん。敬語でなくとも不敬とはせぬ。」
一人称のことを言っているのだろうなと思い当たった。
少しの不敬は目を瞑ってくれるみたいなので、ほっと肩をなでおろす。
「ありがとうございます。ではお話ししますね。まず久しぶりの学園で浮かれてしまっていたのか、情けない姿ばかり友人に見せてしまいました。感情に支配されるような感覚に戸惑っています。学生時代は他人に興味なく一日を一ページのように生きてきたので。・・・すみません、僕の吐露なんていらないですよね。」
「よい。適当にお前が話したいことを話せ。」
感情の読めない瞳。話したいことを話せなんて言われたら、本音を語ってしまう。誰にも言えないけど誰かに知って欲しいことを。まるで懺悔みたいだな。神様が目の前にいるし、まぁ懺悔でもいいかと開き直る。
どうせ神様にとっては暇つぶしにすぎないだろうから。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
退会済ユーザのコメントです