リアルにファンタジーのほうがやってきた! ~謎の異世界からやってきたのは健気で可愛いモフモフでした~

ねこのにくきう

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第1章 灰色の男はファンタジーな生き物と出会う

1-6 灰色の男と屋敷の地下にある謎エリアの説明①

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 この屋敷に地下があるとか、いままでまったく知らなかった。しかも、まさか、祖父の使っていた部屋に隠し扉があって、その奥にエレベーターがあるとは思いもよらなかった。しかも、今まで秘匿されていて一回も行ったことのない場所だ。さっきの説明を聞く限り、特に地下へ行くとか言われると不安すぎるぞ。まぁ、兎神たちが嘘をついている気配も感じられないし、俺をわざわざ騙す意味もないしな。

「それでは、参りましょうか。」

橙花が先導して4人でエレベーターへと向かう。これから、あのエレベーターで地下へ行き、謎樹木を見に行くのだろう。とても不安だ。

「この屋敷の地下は4階構造になっていて、地下1階にあるのは、一般的な備品倉庫です。地下1階には主にトイレットペーパーなどの生活用品の予備や、保存の効く食料品や飲料水等、あとはお客様がいらした際に使用するワインを保存するワインセラーがございます。ちなみに、地下1階へは厨房エリアから階段で降りることでしか行けません。」

 説明を聞きながら、4人でエレベーターに乗り込む。

「ん?このエレベーター。変じゃないか?階を指定するボタンがないぞ?」

「ええ、このエレベーターは誰もが起動できるわけではありません。ここに認証スリットがございまして、この起動キーが必要です。キーは後程、司様にもお渡しいたします。決して紛失なさらないようにご注意ください。」

 認証スリットに起動キーを通すと、ピッと音がしてエレベーターの扉が閉まり、地下へ移動し始めた。

「この屋敷には地下に3か所の施設がございます。1つ目、地下2階にある、戦術室です。ここは、この屋敷にあるすべての監視機能と防衛機能にアクセスできる場所となります。主には敵性勢力を早期発見、分析、殲滅等ですね。」

 エレベーターの扉が開く。金属でできた通路の奥に、これまた金属でできた扉が見える。通路の天井には一定間隔にオレンジ色の照明が点灯していた。そのまま、4人で歩いて奥の扉まで向かう。扉の前、地面から1.4メートルくらいのあたりに、またあのスリットがある。先ほども使用していた起動キーを通すと扉が開いた。

「ここが戦術室ですね。ちなみに、ここは万が一天災が生じた場合には避難シェルターとしても使用できますので、緊急時には司様はまずここへ移動してください。ここの使用方法などの説明は別の機会にいたします。本来であれば、ここの管理者は司様になりますが、現在は蒼花が代行しております。」

 室内はかなり広い、そして左側の壁一面に複数のモニターがあった。モニターには、それぞれ別の景色が映し出されているようだ。見る限り、屋敷の外周囲や屋敷内部の施設の映像のようだ。

「それでは奥の扉にあるエレベーターで地下3階へ向かいます。ちなみに、地下2階以降の機密エリアには、源様の部屋にあるエレベーターと他に2か所からしか移動することができません。そして、地下3階以降へ行くには、この戦術室を通過しなければ行くことができない構造になっています。」

 戦術室の奥の扉で起動キーを通し、4人でエレベーターに乗り込む。

「2つ目、地下3階にある、栽培室です。ここでは、地上で栽培のできない特殊な作物や、作物等の品種改良、作物の備蓄を行っております。ここの管理者は私、橙花です。我々が定期的に摂取する必要のある魔素を含む果実などもここで栽培を行っております。これから向かうのはプラントエリアと呼んでいて、ここでは、主に魔素を含む果実を実らせる樹木を栽培しております。それでは、参りましょう。」

 地下3階のエレベーターを降りると、今度は先ほどよりも長い通路があった。しばらく、歩いて右手の扉の前で、もう恒例となった起動キーで扉を開錠する。
 
「ここが、私の管理しているプラントエリアとなります。」

 ここが、例のバイオ〇ザードエリアか・・・。すごく不安だ。しかし、他の3人はさも当然のように室内に入っていく。そして、その顔にも一切の変化がない。俺がただ気にしすぎているだけなのだろうか。
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