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第3章 干支神はファンタジーな一族を家に迎える
3-3 彼の地は遠く、静かに佇み、いつか訪れる時を待つ③
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屋敷を出る前に、さっきリリから聞いたことを橙花に伝え、スマホを使って喫茶店に連絡を取る。念のため、剛さんにリリが行くことを伝えると快く許可してもらえ、犬でも食べられるリンゴのおやつを急遽用意してもらえることになった。乗り気になっているリリにガッカリさせなくてすんで本当によかった。剛さんありがとうございます。
舞との約束は喫茶店で15時の待ち合わせなので、丁度いい時間になるまで少し雑務をこなそうか。とは言っても、ほとんどは兎神たちからの報告や決済、それに爺さんをはじめとして先祖代々が残した彼の地の資料を読んで確認していく作業だ。途中何回か、まだかまだかとそわそわして聞きにくるリリを膝の上でモフモフして落ち着かせながら仕事をしていたらあっという間に時間が過ぎた。
そろそろ屋敷を出る時間帯になったので、兎神に声をかけると、すでに玄関前に車が準備されていて、橙花と蒼花も見送りに来ていた。本日も執事兼運転手兼護衛で兎神が同行、他2名は屋敷で留守番となる。いつもすまない。
「橙花さーん、蒼花さーん、いってきまーす。」
「じゃ、いってくる。二人とも後をよろしく。」
「「お気をつけて、いってらっしゃいませ。」」
屋敷の玄関から車に乗るまでは俺の腕に抱かれて移動しているリリが、元気よく前脚を左右に振って橙花と蒼花に挨拶した後、一緒に車に乗り込んで移動を開始する。まぁ、運転してくれるのは兎神だから俺とリリは目的地までただ乗っているだけだ。もう何回も車に乗ったリリはすっかり慣れて、今では窓から見えている目まぐるしく変化する外の景色に夢中だ。初めて車に乗ったときは、どうやら車のエンジンの音と振動にびっくりしたみたいで、俺の腕の中で縮こまってブルブル震えていたけども。
さて、これから喫茶店で待ち合わせをして舞と会うわけだが、少し会話の内容を考えておかなければならない。何故かというと、最初に舞に会って連絡先を交換してからというもの、今回のアポイントを取るまでの約1か月間、舞にまったく連絡していなかったわけだ。いや、ちょっとだけ言い訳させてくれ。こんなこというと世の中の人に怒られるかもしれないが、いろいろと忙しかったんだ。忘れていたわけじゃない、本当だぞ?この1か月は相続手続きとか、仕事の引き継ぎとか、リリの子育てとかがあって、自分の自由時間なんてほとんどなかったんだ。睡眠時間だって平均3時間くらいなんだぞ?疲れ切って気絶したみたいに寝たことも1回じゃないんだぞ?
・・・・・・はい、言い訳ですね。ごめんなさい。素直に謝ることにするよ。はぁ。
「司さん、クルマさんは脚がはやいですねー。びゅんびゅん。」
しばらく車で移動している間、リリは窓ガラスに前脚をかけて、飽きずに外の景色を見ながら話しかけてきた。その尻尾はゆるやかに左右に振られていてご機嫌のようだ。
「リリ、もうすぐ喫茶店に着くよ。車から降りるから準備しておいてくれ。あと、これから舞に会うけど、車から出たらしゃべっちゃだめだぞ?」
「はーい、お外ではお口にチャックですね、わかりましたー。」
俺が声をかけると、リリは外を見るのをやめて俺の膝の上に戻ってきた。そして、いつも通り人前ではしゃべらないように注意をすると、リリは右前脚を上げて、左前脚を口もとに当てて返事をした。うん、いつもながらリリは元気があってよろしい。
現在の時刻は14時50分、舞との約束で待ち合わせをする喫茶店についた。兎神に駐車場に車を止めてもらい、車から降りる前に近くに車や人がいないことを確認する。リリに安全だから降りていいよと声をかけてからドアを開けるとリリがぴょんと飛び出す。続けて降りるとすでに外で待機していた兎神が一礼して見送ってくれた。まぁ目的地はすぐそこなので大仰ではあるのだが。
「私はここで待機しておりますので、お帰りの際にお声をかけてください。司様、いってらっしゃいませ。」
「悪いな、行ってくるよ。」
カランカラーンとベルの音の鳴る扉を開けて、リリと一緒に喫茶店に入ると、マスターの剛さんが笑顔で迎えてくれた。会うのは久しぶりだけど、覚えていてくれたのがうれしい。
「司、いらっしゃい。おいおい、随分とでかくなったなぁ。今日はゆっくりしていってくれよ。俺はこっちが本業だからな、サービスするぜ。」
「剛さん、お久しぶりです。最後にお会いしたのが3年前くらいですかね?今日はお世話になります。」
「もうそんなに経つのか。でかくなるわけだな。おっと、こっちのこの席を使ってくれ。舞ちゃんたちが座るいつもの場所なんだ。まだ来てないみたいだけど、待っていればそのうち来るだろうよ。これ水とおしぼりな。注文は舞ちゃんがきたら聞きに来るよ。」
マスターの剛さんは、俺とリリを左奥の4人掛けのテーブル席に誘導してくれると水とおしぼりを席に置いてカウンターのほうに戻っていった。リリはちょこちょことついてきてはいたが、カウンターのショーケース中のケーキに興味津々のようでチラチラと振り返っていた。
「リリ、おいで。あれはケーキって言って砂糖が多く含まれているから、リリにはあげられないんだ。ごめんな。代わりにリンゴのおやつを出してもらえるからそれで勘弁な。」
4人掛けのテーブル席に座って、リリを膝の上に誘導すると、名残惜しそうだったけども素直にぴょんと飛び乗ってきた。そのまま、リリの頭をモフモフしていると、入口のほうからカランカラーンと来客を告げるベルの音が聞こえた。
時計を見ると現在の時刻は15時01分、そろそろ舞が来たかな?
舞との約束は喫茶店で15時の待ち合わせなので、丁度いい時間になるまで少し雑務をこなそうか。とは言っても、ほとんどは兎神たちからの報告や決済、それに爺さんをはじめとして先祖代々が残した彼の地の資料を読んで確認していく作業だ。途中何回か、まだかまだかとそわそわして聞きにくるリリを膝の上でモフモフして落ち着かせながら仕事をしていたらあっという間に時間が過ぎた。
そろそろ屋敷を出る時間帯になったので、兎神に声をかけると、すでに玄関前に車が準備されていて、橙花と蒼花も見送りに来ていた。本日も執事兼運転手兼護衛で兎神が同行、他2名は屋敷で留守番となる。いつもすまない。
「橙花さーん、蒼花さーん、いってきまーす。」
「じゃ、いってくる。二人とも後をよろしく。」
「「お気をつけて、いってらっしゃいませ。」」
屋敷の玄関から車に乗るまでは俺の腕に抱かれて移動しているリリが、元気よく前脚を左右に振って橙花と蒼花に挨拶した後、一緒に車に乗り込んで移動を開始する。まぁ、運転してくれるのは兎神だから俺とリリは目的地までただ乗っているだけだ。もう何回も車に乗ったリリはすっかり慣れて、今では窓から見えている目まぐるしく変化する外の景色に夢中だ。初めて車に乗ったときは、どうやら車のエンジンの音と振動にびっくりしたみたいで、俺の腕の中で縮こまってブルブル震えていたけども。
さて、これから喫茶店で待ち合わせをして舞と会うわけだが、少し会話の内容を考えておかなければならない。何故かというと、最初に舞に会って連絡先を交換してからというもの、今回のアポイントを取るまでの約1か月間、舞にまったく連絡していなかったわけだ。いや、ちょっとだけ言い訳させてくれ。こんなこというと世の中の人に怒られるかもしれないが、いろいろと忙しかったんだ。忘れていたわけじゃない、本当だぞ?この1か月は相続手続きとか、仕事の引き継ぎとか、リリの子育てとかがあって、自分の自由時間なんてほとんどなかったんだ。睡眠時間だって平均3時間くらいなんだぞ?疲れ切って気絶したみたいに寝たことも1回じゃないんだぞ?
・・・・・・はい、言い訳ですね。ごめんなさい。素直に謝ることにするよ。はぁ。
「司さん、クルマさんは脚がはやいですねー。びゅんびゅん。」
しばらく車で移動している間、リリは窓ガラスに前脚をかけて、飽きずに外の景色を見ながら話しかけてきた。その尻尾はゆるやかに左右に振られていてご機嫌のようだ。
「リリ、もうすぐ喫茶店に着くよ。車から降りるから準備しておいてくれ。あと、これから舞に会うけど、車から出たらしゃべっちゃだめだぞ?」
「はーい、お外ではお口にチャックですね、わかりましたー。」
俺が声をかけると、リリは外を見るのをやめて俺の膝の上に戻ってきた。そして、いつも通り人前ではしゃべらないように注意をすると、リリは右前脚を上げて、左前脚を口もとに当てて返事をした。うん、いつもながらリリは元気があってよろしい。
現在の時刻は14時50分、舞との約束で待ち合わせをする喫茶店についた。兎神に駐車場に車を止めてもらい、車から降りる前に近くに車や人がいないことを確認する。リリに安全だから降りていいよと声をかけてからドアを開けるとリリがぴょんと飛び出す。続けて降りるとすでに外で待機していた兎神が一礼して見送ってくれた。まぁ目的地はすぐそこなので大仰ではあるのだが。
「私はここで待機しておりますので、お帰りの際にお声をかけてください。司様、いってらっしゃいませ。」
「悪いな、行ってくるよ。」
カランカラーンとベルの音の鳴る扉を開けて、リリと一緒に喫茶店に入ると、マスターの剛さんが笑顔で迎えてくれた。会うのは久しぶりだけど、覚えていてくれたのがうれしい。
「司、いらっしゃい。おいおい、随分とでかくなったなぁ。今日はゆっくりしていってくれよ。俺はこっちが本業だからな、サービスするぜ。」
「剛さん、お久しぶりです。最後にお会いしたのが3年前くらいですかね?今日はお世話になります。」
「もうそんなに経つのか。でかくなるわけだな。おっと、こっちのこの席を使ってくれ。舞ちゃんたちが座るいつもの場所なんだ。まだ来てないみたいだけど、待っていればそのうち来るだろうよ。これ水とおしぼりな。注文は舞ちゃんがきたら聞きに来るよ。」
マスターの剛さんは、俺とリリを左奥の4人掛けのテーブル席に誘導してくれると水とおしぼりを席に置いてカウンターのほうに戻っていった。リリはちょこちょことついてきてはいたが、カウンターのショーケース中のケーキに興味津々のようでチラチラと振り返っていた。
「リリ、おいで。あれはケーキって言って砂糖が多く含まれているから、リリにはあげられないんだ。ごめんな。代わりにリンゴのおやつを出してもらえるからそれで勘弁な。」
4人掛けのテーブル席に座って、リリを膝の上に誘導すると、名残惜しそうだったけども素直にぴょんと飛び乗ってきた。そのまま、リリの頭をモフモフしていると、入口のほうからカランカラーンと来客を告げるベルの音が聞こえた。
時計を見ると現在の時刻は15時01分、そろそろ舞が来たかな?
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