リアルにファンタジーのほうがやってきた! ~謎の異世界からやってきたのは健気で可愛いモフモフでした~

ねこのにくきう

文字の大きさ
134 / 278
第4章 旅にアクシデントはお約束?

4-61 青葉リゾートでのひと時、4日目④

しおりを挟む
 花火大会から3時間後、ここは澪たちの部屋である。

「今日は楽しかったねぇ」

「そうですね~、盛り上がりましたし、色々と進展がありましたからね~。宗司さんも面白かったですし」

 メンバーは舞、澪、詠美、優の4人。既に全員寝る準備を済ませており、各自の布団の上でゴロゴロしている。所謂、パジャマパーティーである。司たちの客間は洋室でベッドがあるが、澪は敢えて和室を選択した。折角、この4人で集まるのだから、夜も色々と楽しみたい、そんな配慮からである。

「あの、うちのアホ兄が暴走してご迷惑を……ごめんなさい」

「いえいえ~、宗司さんのおかげでみんなも楽しめましたから~、結果オーライです~」

「あははは、あんな宗司さん初めて見たよ!」

 宗司は舞と司の様子が余程嬉しかったのか、テンションが振り切れて花火マシンと化した。たくさんの花火を束ねてナイアガラの滝を作ったり、爆竹と他の花火を組み合わせて|爆心地(グラウンドゼロ)をしたり、安全性を度外視で、まさにやりたい放題であった。※危険ですので、絶対にマネをしないようにお願いします。

 勿論、周りには宗司以外が近寄らないように配慮されており、怪我や火傷をした人もいない。たまに着火した宗司自身が巻き込まれていたが、本人は全くの無傷だった。宗司以外が同じことをしたら即救急車の事案なのだが。

「それに~、舞ちゃんも司さんといい感じになってましたからね~」

「そうそう、司さんと手繋いでたよね!? 本当に、いつの間に!? って感じだよ」

「舞に司を篭絡された……私の入り込む余地は、どこ?」

「優は、まだそんなこと言ってるし……」

 何がきっかけになったのか、司と舞の仲が明らかに進展していたのが見て取れた。花火をしていない時などは、2人で並んで座って手を繋ぎあって笑顔で話していたのだから。その雰囲気はとても自然で、直前までお互いに照れて硬直していたとは思えない。

「最初は司さんが変なこと言うから、胸がドキドキして全然顔が見れなかったんですけど……リリが間に入ってくれて、いつも通りのリリを見て緊張が解れたというか、それまでぐちゃぐちゃしてたものがスッと心に溶けたんですよね」

「へ~、やっぱり共通の何かって大事なのかなぁ……リリちゃん可愛いし、気が利くし、おまけに司さんがついてくるなら超優良物件だよね? あー! 私にもそういう出会いがどこかに落ちてないかなぁ」

「オマケって……そんなこと言っても、エイミーが好きなのは宗司兄でしょう? 本当はあの朴念仁を選ぶと苦労しそうなのでお勧めしないのですけど、そればかりはエイミー次第なので、私は応援するくらいしかできませんが」

「でも、エイミーも今日は結構いい感じでしたよね~」

「確かに2人で話す機会は増えたし、近くでアピールもしてるけど、いつまでたっても宗司さんにとっては、私は妹の友達の1人って感じなんだよね……どうしたらいいんだろ?」

 確かに宗司はそう言った心の機微というか、空気が全くと言って読めない。舞のことに関しては僅かな変化も見落とさないくらいに鋭いのに、である。とりわけ自分の事に関しては物凄く鈍感で、手の施しようがない。もはや歩く朴念仁である。

「ま~、宗司さんは直球でもない限りはご自身の事は二の次ですよね~。舞ちゃんの事に関してはすごく細かいんですけどね~。もういっそのこと、告白しちゃえばいいんじゃないですか~?」

 澪が身も蓋もない意見を述べる。確かにそれが一番の近道ではあるが、全部直球でいけば万事が万事うまくいくとは限らない。逆に玉砕する、というリスクを伴うからだ。

「ムリムリムリムリ、それでだめだった日には……私、立ち直れないかも……」

「告白するのは反対。今の宗司に余裕がないから、エイミーが想いを伝えたとしても、現時点では86%の確率で失敗する。今は耐え忍ぶ時、チャンスは絶対に巡ってくる」

 珍しく優がまともな意見を述べる。しかし、86%で失敗とはどこから導き出されたのか……謎は深まるばかりだ。

「今はダメなら、いつならいいのさ?」

「具体的に言うなら、舞が結婚してから10日後がベスト」

「ぶふっ!??」

「私の計算では、舞の結婚直後は宗司の心の整理ができてないから失敗確率が98%まで上がる。だが、7日後くらいから心に余裕ができ始めて、徐々にリスクが低下する。さらに3日後には失敗確率が32%になる。しかし、そこからはほぼ横ばいになる可能性が高い。その後は逆にライバルがいた場合は獲られるリスクが高まるから、舞の結婚10日後がベストだと推測した」

「それでも失敗する確率が32%もあるんだ……」

 もはやどこから突っ込めばいいのかわからない。不確定要素満載の恋愛事情をどうやって確率論で現したのか……優の頭の中は一体どうなっているのだろう。人類の大いなる謎である。

「優、宗司さんに一番効率的かつ効果的に作用するアプローチって何かあるかな? 来たる聖戦の日のために、出来る限り成功確率をあげておきたいんだよね」

「ふむ、ならば……」

 こうして女子4人の夜は姦しく更けていった。果たして、今夜に答えはでるのだろうか……それは彼女たちしかわからない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

毒舌アイドルは毒の魔物に転生する。

馳 影輝
ファンタジー
毒舌を売りにして芸能界で活躍できる様になった。 元々はアイドルとしてデビューしたが、ヒラヒラの衣装や可愛い仕草も得意じゃ無かった。 バラエティーの仕事を貰って、毒舌でキャラを作ったらこれがハマり役で世間からのウケも良くとんとん拍子で有名人になれた。 だが、自宅に帰ると玄関に見知らぬ男性が立っていて私に近づくと静かにナイフで私を刺した。 アイドル時代のファンかも知れない。 突然の事で、怖くて動けない私は何度も刺されて意識を失った。 主人公の時田香澄は殺されてしまう。 気がつくとダンジョンの最下層にポイズンキラーとい魔物に転生する。 自分の現象を知りショックを受けるが、その部屋の主であるリトラの助言により地上を目指す。 ダンジョンの中で進化を繰り返して強くなり、人間の冒険者達が襲われている所に出くわす。 魔物でありながら、擬態を使って人間としても生きる姿や魔王種への進化を試みたり、数え切れないほどの激動の魔物人生が始まる。

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

転生したら追放された雑用スキルで世界最強になっていた件~無自覚に救国してハーレム王になった元落ちこぼれの俺~

fuwamofu
ファンタジー
冒険者ギルドで「雑用」スキルしか持たなかった青年・カイ。仲間から無能扱いされ、あげく追放された彼は、偶然開花したスキルの真の力で世界の理を揺るがす存在となる。モンスターを従え、王女に慕われ、美少女賢者や女騎士まで惹かれていく。だが彼自身はそれにまるで気付かず、ただ「役に立ちたい」と願うだけ――やがて神々すら震える無自覚最強の伝説が幕を開ける。 追放者、覚醒、ざまぁ、そしてハーレム。読後スカッとする異世界成り上がり譚!

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

処理中です...