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第5章 地球と彼の地を結ぶ門
5-18 不思議な山を登る旅⑥
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3人と2匹が洞窟に緊急避難した後、外は本格的に雷雨となった。激しく大地を打ち付ける数え切れない雫が舞い降り、時折嘶く閃光が天空を白く染めあげる。
「ここを見つけるのが少しでも遅れたら、と考えるとゾッとしますね……」
「ああ、不幸中の幸いだった。こんな天気の中、安全地帯を探して強行軍とか洒落にもならんよ。リリちゃんのお手柄だな」
「この調子じゃ、いつ頃になったら止むかもわかりませんし、今日はここで野営ですかね?」
カセットコンロでお湯を沸かしつつ、暖を取りながら3人で相談した結果、今日は洞窟内で休むことになった。リリは司の横で伏せて目をつぶっており、頭を撫でてもらっていた。耳だけは会話を聞くようにぴくぴくと動いていたけども。クーシュは先ほどまで雷鳴に合わせて燥いでいたが、今は疲れて司の腹部でお昼寝中、暢気なものである。
お湯が沸いたところで、3人はお湯入れ3分のお手軽な高カロリー食品を食べて空腹を満たしておく。リリにはドライフルーツと固形栄養食と水である。司が夕食を食べようとしたところで、クーシュが目を覚まして食事を所望するようにぴゅいぴゅいと鳴き始めた。カップな麺を与えるわけにはいけないので、持参しているナッツを食べさせる。一通り食べ終わって水を飲んだところで、クーシュは再びすぴぷーと寝息を立て始めた。これだけ見ると、凄まじく怠惰な鳥である。
食事が終わったら司、宗司、舞の順番で見張りをしながら交代で休む。宗司は今回クーシュが増えていることを考慮して、司が早番をして長く休むようにローテーションを組んだようだ。
外は相変わらず雷鳴が轟いているけど、洞窟の中は至って穏やかな雰囲気に包まれていた。既に宗司と舞は休んでおり、クーシュはずっと寝ている。今は司とリリだけの時間だ。
「今日はお疲れさま。リリがいてくれて本当に助かったよ。これからも俺たちのパートナーとしてよろしく頼むな」
横で伏せているリリをブラシで丁寧に毛づくろいしながらしっかりと労う。至福タイムなので返事こそしないが、耳だけはちゃんと司のほうを向いて、ぴくぴくと反応していた。それにリリには言わなくても悟るような賢さがあるが、言葉でしか伝わらないことというものもある。感謝は言葉でしっかりと、それが司の信条である。
忘れてはいけないこと、それはリリだってまだ子供であるということ。甘えたい時もあれば、怒る時もあれば、いじける時もある。クーシュが同行していることでストレスを感じていないわけがないのである。そう、急に年下の兄弟が出来て、構ってもらえなくなった姉のように。
忙しいから、自分は1人しかいないから、だからしょうがないで済ますことを司は決してすることはない。それはリリにとっても司が1人しかないことと同じなのだから。両親を、祖父を失った時に司は学んだのだ。失った後に、どれだけ感謝の言葉を尽くそうとも何の意味もないということを。司にとって、リリはもう掛け替えのない大切な家族なのだから。
こうして、2人だけの優しい時間はゆっくりと過ぎて行った。相変わらず、司のお腹の辺りからは、すぴぷーという気の抜けるような寝息がずっと聞こえていたのだが……。
次の日の朝、司はぴゅいぴゅいという声で目を覚ました。クーシュを潰さないように座ったままで寝ていたが、リリのモフ毛に埋もれる形で休むことができたので疲労感はなさそうだった。
「おはよう、リリ、クーシュ」
司の目が覚めるのとほぼ同時くらいにリリも覚醒する。普段であれば、日課の散歩に行く時間前にリリが司を起こすのだが、今日は一緒に朝寝坊である。たまにはこういう日があってもいいのかもしれない。
「わかった、わかった、ちょっと待ってくれ。……舞、おはよう」
「司さん、おはようございます。リリもクーちゃんもおはよう」
「舞さん、おはようございます!」
ぴゅいぴゅいと鳴くクーシュに急かされて飛び起きた司は、舞に簡単に挨拶を交わしてから朝食の準備を始める。すぐに宗司も起きてきて、3人で朝食を取り始める。司は自分の食事を片手間に、リリとクーシュの分も用意する。特にクーシュは空腹でご立腹のようだった。昨日、あんなにも食っちゃ寝していたというのに、燃費の悪い……いや、育ち盛りの鳥である。
「昨日はあんなにひどい天気だったのに、もうすっかり晴天だな」
一夜明けて、外は目が覚めるような青一色となっていた。昨日の嵐のような雷雨が嘘のようである。雨でぬかるんでいるので歩くのには注意が必要だが、昨日の悪天候と比べたら天と地ほどの差だ。これなら当初の計画にそんなに遅れは生じないだろう。
「ここを見つけるのが少しでも遅れたら、と考えるとゾッとしますね……」
「ああ、不幸中の幸いだった。こんな天気の中、安全地帯を探して強行軍とか洒落にもならんよ。リリちゃんのお手柄だな」
「この調子じゃ、いつ頃になったら止むかもわかりませんし、今日はここで野営ですかね?」
カセットコンロでお湯を沸かしつつ、暖を取りながら3人で相談した結果、今日は洞窟内で休むことになった。リリは司の横で伏せて目をつぶっており、頭を撫でてもらっていた。耳だけは会話を聞くようにぴくぴくと動いていたけども。クーシュは先ほどまで雷鳴に合わせて燥いでいたが、今は疲れて司の腹部でお昼寝中、暢気なものである。
お湯が沸いたところで、3人はお湯入れ3分のお手軽な高カロリー食品を食べて空腹を満たしておく。リリにはドライフルーツと固形栄養食と水である。司が夕食を食べようとしたところで、クーシュが目を覚まして食事を所望するようにぴゅいぴゅいと鳴き始めた。カップな麺を与えるわけにはいけないので、持参しているナッツを食べさせる。一通り食べ終わって水を飲んだところで、クーシュは再びすぴぷーと寝息を立て始めた。これだけ見ると、凄まじく怠惰な鳥である。
食事が終わったら司、宗司、舞の順番で見張りをしながら交代で休む。宗司は今回クーシュが増えていることを考慮して、司が早番をして長く休むようにローテーションを組んだようだ。
外は相変わらず雷鳴が轟いているけど、洞窟の中は至って穏やかな雰囲気に包まれていた。既に宗司と舞は休んでおり、クーシュはずっと寝ている。今は司とリリだけの時間だ。
「今日はお疲れさま。リリがいてくれて本当に助かったよ。これからも俺たちのパートナーとしてよろしく頼むな」
横で伏せているリリをブラシで丁寧に毛づくろいしながらしっかりと労う。至福タイムなので返事こそしないが、耳だけはちゃんと司のほうを向いて、ぴくぴくと反応していた。それにリリには言わなくても悟るような賢さがあるが、言葉でしか伝わらないことというものもある。感謝は言葉でしっかりと、それが司の信条である。
忘れてはいけないこと、それはリリだってまだ子供であるということ。甘えたい時もあれば、怒る時もあれば、いじける時もある。クーシュが同行していることでストレスを感じていないわけがないのである。そう、急に年下の兄弟が出来て、構ってもらえなくなった姉のように。
忙しいから、自分は1人しかいないから、だからしょうがないで済ますことを司は決してすることはない。それはリリにとっても司が1人しかないことと同じなのだから。両親を、祖父を失った時に司は学んだのだ。失った後に、どれだけ感謝の言葉を尽くそうとも何の意味もないということを。司にとって、リリはもう掛け替えのない大切な家族なのだから。
こうして、2人だけの優しい時間はゆっくりと過ぎて行った。相変わらず、司のお腹の辺りからは、すぴぷーという気の抜けるような寝息がずっと聞こえていたのだが……。
次の日の朝、司はぴゅいぴゅいという声で目を覚ました。クーシュを潰さないように座ったままで寝ていたが、リリのモフ毛に埋もれる形で休むことができたので疲労感はなさそうだった。
「おはよう、リリ、クーシュ」
司の目が覚めるのとほぼ同時くらいにリリも覚醒する。普段であれば、日課の散歩に行く時間前にリリが司を起こすのだが、今日は一緒に朝寝坊である。たまにはこういう日があってもいいのかもしれない。
「わかった、わかった、ちょっと待ってくれ。……舞、おはよう」
「司さん、おはようございます。リリもクーちゃんもおはよう」
「舞さん、おはようございます!」
ぴゅいぴゅいと鳴くクーシュに急かされて飛び起きた司は、舞に簡単に挨拶を交わしてから朝食の準備を始める。すぐに宗司も起きてきて、3人で朝食を取り始める。司は自分の食事を片手間に、リリとクーシュの分も用意する。特にクーシュは空腹でご立腹のようだった。昨日、あんなにも食っちゃ寝していたというのに、燃費の悪い……いや、育ち盛りの鳥である。
「昨日はあんなにひどい天気だったのに、もうすっかり晴天だな」
一夜明けて、外は目が覚めるような青一色となっていた。昨日の嵐のような雷雨が嘘のようである。雨でぬかるんでいるので歩くのには注意が必要だが、昨日の悪天候と比べたら天と地ほどの差だ。これなら当初の計画にそんなに遅れは生じないだろう。
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