リアルにファンタジーのほうがやってきた! ~謎の異世界からやってきたのは健気で可愛いモフモフでした~

ねこのにくきう

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第5章 地球と彼の地を結ぶ門

5-48 舞がいない日常①

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 舞が学校を休んだ。何の前触れもなく突然に、である。携帯に連絡をしても返事がない。

「なぁ、赤穂。武神どうしたんだ? そんなに具合悪いのか?」

「私にもわかんないんだよ~。病気で伏せってるってわけじゃないらしいんだけどね。一応、今日の帰りも舞の家に寄ってみる」

「……そっか。何かわかったら教えてくれよ」

 ちょっとだけソワソワしながらクラスメイトのモブAがエイミーに舞の事を聞いているのが見えた。モブAとは別に親しいわけでもないし、同じクラスの同級生ってだけの間柄。それなのに、何でお前がそんなこと知りたいの? って思うけど、実はコイツ、舞に惚れている。公言しているわけじゃないけど、言動とか行動とかを見てるとあからさま過ぎ。これで本人はバレてないと思っているんだから笑える話。まぁ、告白する勇気もないチキン野郎という存在。モブ乙。

「怪しいよね~、もう2週間だよ? 連絡しても、ぜんっぜん音沙汰ないし。凛さんは大丈夫って言ってたけど、それでもちょっと心配だよね~」

 モブAとの会話を終えたエイミーが、私と澪の席にやってきた。

 別に1日や2日休むくらいなら何も問題はない。風邪でも引いたんだな、と思うくらいだ。だけど、今回も事情が違った。もう2週間も連続で休んでいる。担任に聞けば、理由は家の用事だとか、怪しい……これは何か面白いことに首を突っ込んでいる可能性が高い。というか、これは確実にアレ関係だろう。

「私たちにも内緒にしないといけないことなんでしょうかね~? 私たちの友情はその程度だったんでしょうか~。少しショックです~、シクシク」

 澪がまた心にもないことを言ってる。澪だって家の用事って聞いた時点で司か、リリちゃんだっけ? あの不思議な生き物関係だってわかっているはず。舞が私たちに言えないことはそれくらいのはず……そうだよね? 私たちは親友なんだから。

「そう言えば、宗司さんもいないよね。2人でどっかにいってるのかな?」

 不自然なのは宗司も不在なこと。あの妹最優先のシスコン宗司が、舞を置いて一人でどこかに行くというのは考えにくい。そうすると必然的に一緒に出掛けているというのが答えになる。で、凛さん、舞の母親に聞いても理由がはぐらかされるということは、アレ関係としか考えられないのだ。

「いつもべったりってわけじゃないけど、なんか舞がいないと変な感じだね。3人だと、何か足りないって感じ? 改めて、舞の貴重さがわかるわ~」

「それ、何となくわかる気がします~。いつもポジティブな舞ちゃんがいないと、いまいち元気がでないんですよね~。家の火が消えた感じと言いますか~」

 いつもに比べて、エイミーと澪の元気がないのはそういうこと。

 客観的に分析すると、私たち3人はそれぞれの癖が強い。そんな私たちが奇跡的にまとまっているのは舞が中心にいるからだ。私たち3人よりも遥かに強烈な個性を持つ舞がいるおかげで、お互いに何の気兼ねもなく、遠慮もなく、素の自分を出していられるんだから。一緒にいて楽しくて、疲れない、これが友好関係を長続きさせる秘訣だと思う。友達が少ない私が言っても説得力ないかもだけど。

 それに、私はあそこまでの武道バカを、1人を除いて、見たことがない。あ、その1人というのは、舞の兄の宗司の事。舞は修行中心というか、おおよそ世間一般的な女子高生らしからぬ生活を送っている。家が道場だからと言って、ほぼ24時間そればっかりを考えているとかどうかと思う。この前だって、近所で通り魔が出たって噂が立ったら、わざわざ夜に一人で見回りして、犯人ボコボコにしてたし。正直、正気の沙汰とは思えない。でも、舞から武道を除いたら何が残るだろう? まぁ、つい最近、やっと色ボケ始めたけど。

「これってやっぱりアレかな?」

「これはきっとアレでしょうね~」

 エイミーと澪がドス黒い顔で囁き合ってる。あのニタニタとした笑顔は、まず間違いなく良からぬ想像をしているはず。まぁ、あの2人のことだから、イチャイチャと仲良くやっている……という色気のあるようなことは、まずない。これは断言できる。何故なら、舞の恋愛偏差値は小学生以下だから。お手て繋いで嬉しいなレベルでは、ドラマみたいな進展なんて望めるはずもない。

「2人とも、あの舞にそんな展開があるはずがない。夢を見過ぎ」

 とりあえず、不毛な想像をしている2人を現実世界に引き戻す。

「優は夢がな~い。もしかしたら、舞だって間違いがおこっちゃうかもしれないじゃん!」

「そうですよ~。私の中の舞ちゃんは既に大人の階段を上りかけてるんですよ~?」

 全然引き戻らなかった。舞、早く帰ってきて……この2人の暴走を止められるのは、あなただけ。
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