華燭の城

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 グッ……! ゴホッ……!
 ゴホッ…………!

 むせ返り、息苦しさと胸の熱さに咳き込み肩で息をした。
 わずかに唇端から零れた酒が喉を伝い落ちる。

 これがどれほどの強さの酒なのかシュリには見当もつかない。
 だが初めての酒は、一気に体が燃え上がる感覚がした。
 指先、足先までが熱を持ち、心臓の鼓動が早鐘のように鳴り響く。

 ハァ、ハァ……

 ガルシアは喘ぐシュリを嬉しそうに抱いたまま、それから何度も口移しに酒を注いだ。
 その酒を拒否しようとシュリが首を振る。

「もう……無理……やめ……っ……」

「ん? もう酔ったか?
 本当に何とい……。可愛いな……」

 ガルシアはあらがうシュリの姿に満足気に笑い、溢れ喉を伝う酒をペロリと舌で舐めとった。
 そして左手のグラスをテーブルに置くと、その空いた手をシュリの顎から首……胸元へと這わせていく。

「やっ……やめっ……!」

 シャツのボタンに手をかけたガルシアの手をシュリが両手で抑えた。
 こめかみで判る程心臓がドクドクと脈打っている。
 ガルシアは、抵抗するシュリの両手を、頭を抱いたままの右手一本で掴み、慣れた手付きで押さえ込む。

 はだけた胸元からシャツの中に手を入れ、苦しさで激しく上下するシュリの胸を無骨な手で撫でまわし、先端の突起を指で強く摘み上げた。

「ン……ッ……!」
 昨夜、噛まれた時に付けられた傷を指で潰され、シュリは痛みに呻いた。

「どうした? ここが感じるのか?」

 ガルシアは呻くシュリの顔を眺め、再び口移しで酒を飲ませていく。

「……んっ……ん……っ……!」
 強引に流し込まれる酒で熱くなる体と、握り潰される胸の痛みにシュリが声をあげる。


 ガルシアはシュリの下半身に掌をあてがうと、衣服の上から動かし始めていた。
 その刺激にシュリが思わず身を捩る。

 体が燃えるように熱かった。
 頭の中に自分の鼓動が響き、胸の痛みと刺激される下半身の感覚に意識がおかしくなる。

「…………やめ……ろ……!」
 
 両腕を押さえ込まれたまま、額に大粒の汗を浮かべ首を振る。
 シュリの着衣を緩め始めていたガルシアが、その姿にニヤリと笑った。

「こんなに汗をかいて……暑いのか……?
 それに、ここも……」

 ガルシアはシュリの顔を眺めながら、下に伸ばした手を動かし続ける。

「昨日は邪魔が入ったからな。
 今日は、役人共を黙らせた褒美だ。存分に楽しませてやるぞ」

 ガルシアの手が、胸から下腹部へと撫でながら、緩んだ衣服の隙間からスルスルと滑り込む。
 その太い指先が体をよじり逃れようとするシュリのモノに直に触れた。

「……!! ……やめろ……離せ……!」

 渾身の力で捕らわれた両腕を振り解き、徐々に自分に圧し掛かってくるガルシアの肩口を震える拳で殴りつけた。

「それで精一杯か……?」

 ガルシアは薄く笑うと、その唇ではだけたシュリの胸に噛み付いた。
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