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第二十二帖 零落②
長徳の変~栄枯盛衰・参~
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女だけの空間。しかも仕事の区切りのついた自由時間。女房たちはしどけない姿で横になる者、寝転ぶ者。暑さのあまりに単衣の袴をはだけて太ももを露わにする者もいた。それでも磨爪術の順番が回って来ると胡坐をかき、それなりに姿勢を正して両手を鳳仙花に預ける。ジージージーとうだるような暑さを殊更演出する蝉時雨もあって、周囲に声画響かない事を良い事に彼女たちは噂話に大いに花を咲かせる。
「……そうそう、蔵人様の娘様、二の君の元に右大臣様が通われてる、てお噂ご存じ?」
「その話本当かしら? 右大臣様は右馬頭様の三の君の元に通われている、て話よ?」
「あら、私がチラリと小耳に挟んだのは、確か別の方だったような……」
「あらあら、浮き名を流されてらっしゃるようねぇ」
女房たちは苦笑する。
……どこへ行っても、好き勝手するのって男の方ばかり。不公平だよなぁ……
鳳仙花は否応なしに耳に入って来る噂話を適当に流しつつ、黙々と施術をこなしている。仕事柄外に出る事が殆どなので生絹で過ごすのは自邸、または控室や詰所でのみである。その為、真夏は特に水分補給に気を遣わねばならなかった。よって、予め施術の前に了承を得る事にしている。誰もが皆、小袿姿の鳳仙花を見て気の毒そうな表情をし、快諾した。
「……浮き名と言えば、清少納言さんだけど。あの方って見かけによらず魔性の方よねぇ」
女房の一人が、声を落として切り出す。清少納言という名前にピクリと反応しそうになるも、辛うじて堪える。
「あぁ、私も思いましたよ。道隆様が亡くなられて定子様率いる文壇の先行きが怪しくなったもんだから、ころっと寝返って。以前、道長様から和歌を贈られたツテもあるようですし、ねぇ?」
……それは、単に道長様が清少納言さんに興味を示した、てだけだと思うんだけど。優秀だから引き抜こうとしてるんじゃないかしらねぇ……
心の中で応戦する。
「前々からあやしいと思ってたのよ。だって藤原斉信様とお熱い仲なんでしょう?」
……それは、斉信様が積極的にきているだけかと……
「あら、誰でしたかしらあの歌人の方……」
「藤原実方《ふじわらのさねかた》様?」
「そうそう、その方とはただならぬご関係とか」
「あら? 私は源経房様と聞いたわ」
「あらいやらしい。つまりふしだらなのね」
「あれだけ定子様に可愛がって頂いているのに……」
「私、前々から怪しいと思ってましたのよ」
「不美人に限って女を武器に致しますわよね」
「そうそう、道隆様が御健在の頃は、伊周様や隆家様にも尻尾振ってましたよね」
話はどんどん白熱し、あらぬ方向へと飛び火していく。
……うわぁ、酷いなぁ。随分な言われよう。ていうか、個性的なお顔立ちだけど不美人じゃないし。なんだかなぁ、非凡な方って華やかで目立つし憧れられる分妬まれたり、ある事ない事捏造されて足を引っ張られたりして大変だなぁ。それにしても見苦しい、それってただ単に清少納言さんに嫉妬してるだけじゃない。やっぱり、嫉妬って女を醜くするわね。一度、悪口を言ってる時のご自身のお顔、鏡に映して見た方が良いと思うの。聞いていてみっともないったらありゃしない……
鳳仙花には根も葉もない悪口で盛り上がる彼女たちが、般若や餓鬼のように見えた。まさに地獄の入り口に足を踏み入れた気分だった。そして以前、萩の方に嫉妬の念を覚えた事を思い出す。
……嫉妬の念が強すぎると、どす黒い業火で自らが燃やされ、近づく者も焼き尽くしてしまう。気を付けよう。強すぎる嫉妬は身を滅ぼすんだ……
改めて強く決心した。施術が一区切りついた。次の段階に入る為に道具を整理する。そして「失礼します」と軽く断り、竹筒の中の水を補給した。この竹筒の水を運ぶのも零さぬように気を遣うのだが。ふと、
『生絹は色が黒い人は似合わない、やっぱり色白の方が映えるわ』
と清少納言が笑って言っていた事を思い出す。女房たちのしどけなく肌を露わにする姿を見て、改めてその通りだな、と感じるのであった。清少納言は、後に枕草子にその事を記録している。
「あら、指先がしっとり。綺麗に紅く染まったわ」
女房は自らの爪を見てはしゃぐ。鳳仙花は笑顔で応じた。その時、バタバタと足早に近づく足音が響く。
「大変よ、皆!」
乱暴に几帳と簾を押しのけて入って来た女房は、鳳仙花と同じ小袿姿だ。息を切らし、汗だくになっている。施術の順番待ちの女房が、扇で彼女をあおいであげている。
「どうしたの? そんなに慌てて」
鳳仙花も気になるが、耳だけすまし、身体はあくまで施術に集中する。僅かでも反応してしまえば、信頼を無くしてしまうから特に注意が必要だった。
女房は息を切らしながらも、急き込んで口を開く。
「宮内庁会議でね、伊周様と道長様が大声でののしり合って掴み合いの喧嘩をなさってたのですって!」
「会議中に大声で? しかも掴み合い?」
「どうしてそんな事に? 一体何が?」
「そんな事前代未聞じゃない!」
「どうしてそんな事知ってるの? 会議って内裏の中でやるんでしょ?」
施術を受けていない女房たちはつめより、施術を受けて居る女房はその場から、それぞれに質問を投げかける。鳳仙花の気になる点は、彼女たちが代弁してくれた。
「藤原実資様が、仕事で近くにいらしたらしいの。それで、他にも声を聞いた人は沢山いるって。私、たまたま使いで実資様のところに用があったの。そこで人だかりが出来て居て。大変な騒ぎになっているって。乱闘ともなれば、止めねばと場に押し入る男達もいて」
「それはそうでしょう。それで、原因は?」
皆、食い入るように彼女に注目している。鳳仙花は黙々と施術をこなしながらも、耳だけは傾ける。但し、何も意識していない風を装いながら。伊周の身が心配でならなかった。
「伊周様、前に少しだけ『内覧』をされている時あったでしょ? その時の経験と比べられて、道長様の至らない部分を逐一取り上げて批判したらしいわ」
「それは道長様の面子が丸つぶれねぇ」
「部下たちの前で恥をかかされたらそれはお怒りでしょうねぇ」
「伊周様、お顔立ちと立ち振る舞い、知性と教養は抜きんでていますものねぇ」
……あぁ、伊周様は無念を晴らし、皆にどちらが政の権力を握るのに相応しいか分からせようとなさったんだわ。でも、それでは道長様の恨みをかうだけだし、周りも納得はしないでしょうけれど。隆家様は、何をなさっていたのかしら?……
鳳仙花のその疑問は、次の瞬間すぐに晴らされる。
「それで、道長様が伊周様を殴ろうとしたところを、隆家様が間を割って入らてたのですって!」
「あらぁ、武術に長けてらっしゃる隆家様がついていたら、道長様もうかつに手をあげたら返り討ちにあってしまいそうですし」
「雄々しくて素敵ね、隆家様は」
「えー? 私は優雅で雅な伊周様の方が良いわ」
この後の会話は、好みの男性の話や恋の話に花が咲いた。
……さすが、隆家様。これなら伊周様も安心ね……
鳳仙花はホッと胸をなでおろす。心の中だけではあるが。そして先行き不透明な行く末に想いを馳せる。父親との対面の話を母親にした際の事が胸を過った。
七月二十四日の出来事である。伊周と道長の乱闘に近い口論の事件は藤原実資の日記に記され、後の世にも知られていく事となる。
「……そうそう、蔵人様の娘様、二の君の元に右大臣様が通われてる、てお噂ご存じ?」
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「あらあら、浮き名を流されてらっしゃるようねぇ」
女房たちは苦笑する。
……どこへ行っても、好き勝手するのって男の方ばかり。不公平だよなぁ……
鳳仙花は否応なしに耳に入って来る噂話を適当に流しつつ、黙々と施術をこなしている。仕事柄外に出る事が殆どなので生絹で過ごすのは自邸、または控室や詰所でのみである。その為、真夏は特に水分補給に気を遣わねばならなかった。よって、予め施術の前に了承を得る事にしている。誰もが皆、小袿姿の鳳仙花を見て気の毒そうな表情をし、快諾した。
「……浮き名と言えば、清少納言さんだけど。あの方って見かけによらず魔性の方よねぇ」
女房の一人が、声を落として切り出す。清少納言という名前にピクリと反応しそうになるも、辛うじて堪える。
「あぁ、私も思いましたよ。道隆様が亡くなられて定子様率いる文壇の先行きが怪しくなったもんだから、ころっと寝返って。以前、道長様から和歌を贈られたツテもあるようですし、ねぇ?」
……それは、単に道長様が清少納言さんに興味を示した、てだけだと思うんだけど。優秀だから引き抜こうとしてるんじゃないかしらねぇ……
心の中で応戦する。
「前々からあやしいと思ってたのよ。だって藤原斉信様とお熱い仲なんでしょう?」
……それは、斉信様が積極的にきているだけかと……
「あら、誰でしたかしらあの歌人の方……」
「藤原実方《ふじわらのさねかた》様?」
「そうそう、その方とはただならぬご関係とか」
「あら? 私は源経房様と聞いたわ」
「あらいやらしい。つまりふしだらなのね」
「あれだけ定子様に可愛がって頂いているのに……」
「私、前々から怪しいと思ってましたのよ」
「不美人に限って女を武器に致しますわよね」
「そうそう、道隆様が御健在の頃は、伊周様や隆家様にも尻尾振ってましたよね」
話はどんどん白熱し、あらぬ方向へと飛び火していく。
……うわぁ、酷いなぁ。随分な言われよう。ていうか、個性的なお顔立ちだけど不美人じゃないし。なんだかなぁ、非凡な方って華やかで目立つし憧れられる分妬まれたり、ある事ない事捏造されて足を引っ張られたりして大変だなぁ。それにしても見苦しい、それってただ単に清少納言さんに嫉妬してるだけじゃない。やっぱり、嫉妬って女を醜くするわね。一度、悪口を言ってる時のご自身のお顔、鏡に映して見た方が良いと思うの。聞いていてみっともないったらありゃしない……
鳳仙花には根も葉もない悪口で盛り上がる彼女たちが、般若や餓鬼のように見えた。まさに地獄の入り口に足を踏み入れた気分だった。そして以前、萩の方に嫉妬の念を覚えた事を思い出す。
……嫉妬の念が強すぎると、どす黒い業火で自らが燃やされ、近づく者も焼き尽くしてしまう。気を付けよう。強すぎる嫉妬は身を滅ぼすんだ……
改めて強く決心した。施術が一区切りついた。次の段階に入る為に道具を整理する。そして「失礼します」と軽く断り、竹筒の中の水を補給した。この竹筒の水を運ぶのも零さぬように気を遣うのだが。ふと、
『生絹は色が黒い人は似合わない、やっぱり色白の方が映えるわ』
と清少納言が笑って言っていた事を思い出す。女房たちのしどけなく肌を露わにする姿を見て、改めてその通りだな、と感じるのであった。清少納言は、後に枕草子にその事を記録している。
「あら、指先がしっとり。綺麗に紅く染まったわ」
女房は自らの爪を見てはしゃぐ。鳳仙花は笑顔で応じた。その時、バタバタと足早に近づく足音が響く。
「大変よ、皆!」
乱暴に几帳と簾を押しのけて入って来た女房は、鳳仙花と同じ小袿姿だ。息を切らし、汗だくになっている。施術の順番待ちの女房が、扇で彼女をあおいであげている。
「どうしたの? そんなに慌てて」
鳳仙花も気になるが、耳だけすまし、身体はあくまで施術に集中する。僅かでも反応してしまえば、信頼を無くしてしまうから特に注意が必要だった。
女房は息を切らしながらも、急き込んで口を開く。
「宮内庁会議でね、伊周様と道長様が大声でののしり合って掴み合いの喧嘩をなさってたのですって!」
「会議中に大声で? しかも掴み合い?」
「どうしてそんな事に? 一体何が?」
「そんな事前代未聞じゃない!」
「どうしてそんな事知ってるの? 会議って内裏の中でやるんでしょ?」
施術を受けていない女房たちはつめより、施術を受けて居る女房はその場から、それぞれに質問を投げかける。鳳仙花の気になる点は、彼女たちが代弁してくれた。
「藤原実資様が、仕事で近くにいらしたらしいの。それで、他にも声を聞いた人は沢山いるって。私、たまたま使いで実資様のところに用があったの。そこで人だかりが出来て居て。大変な騒ぎになっているって。乱闘ともなれば、止めねばと場に押し入る男達もいて」
「それはそうでしょう。それで、原因は?」
皆、食い入るように彼女に注目している。鳳仙花は黙々と施術をこなしながらも、耳だけは傾ける。但し、何も意識していない風を装いながら。伊周の身が心配でならなかった。
「伊周様、前に少しだけ『内覧』をされている時あったでしょ? その時の経験と比べられて、道長様の至らない部分を逐一取り上げて批判したらしいわ」
「それは道長様の面子が丸つぶれねぇ」
「部下たちの前で恥をかかされたらそれはお怒りでしょうねぇ」
「伊周様、お顔立ちと立ち振る舞い、知性と教養は抜きんでていますものねぇ」
……あぁ、伊周様は無念を晴らし、皆にどちらが政の権力を握るのに相応しいか分からせようとなさったんだわ。でも、それでは道長様の恨みをかうだけだし、周りも納得はしないでしょうけれど。隆家様は、何をなさっていたのかしら?……
鳳仙花のその疑問は、次の瞬間すぐに晴らされる。
「それで、道長様が伊周様を殴ろうとしたところを、隆家様が間を割って入らてたのですって!」
「あらぁ、武術に長けてらっしゃる隆家様がついていたら、道長様もうかつに手をあげたら返り討ちにあってしまいそうですし」
「雄々しくて素敵ね、隆家様は」
「えー? 私は優雅で雅な伊周様の方が良いわ」
この後の会話は、好みの男性の話や恋の話に花が咲いた。
……さすが、隆家様。これなら伊周様も安心ね……
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